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2018年10月29日 (月)

天皇賞(秋)レイデオロが勝った!! 「5代血統表にサンデーサイレンスの名前がない馬」6年ぶりの勝利!!

 って、書いて空しくなる。レイデオロは社台ファーム直系「サンデーサイレンスがいた」ノーザンファームの生産馬なのだ。

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レイデオロ

 6年前に勝ったエイシンフラッシュは、「総本山」社台ファームがドイツから輸入した。

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エイシンフラッシュ

 競馬場、牧場にサンデーサイレンスの血があふれ、交配ができなくなる「血の袋小路」を恐れ、正しく対処しているのは社台グループだけだ。

 サンデーサイレンスの子孫たちに賞金をがんがん咥えて来させ、その金で「非サンデーサイレンス系」の馬を輸入する。他の牧場はやりたくてもできないことだ。

 ジャパンカップはどうか?

「5代血統表にサンデーサイレンスの名前がない馬」の勝利は、なんと、2009年のウオッカが最後だ。

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ウオッカ

 ウオッカを生産したカントリー牧場は、2012年2月に解散した。

「歴代リーディングサイアー」表など、空しくて誰も見ないだろうけど、1位の馬の5代血統表からサンデーサイレンスが消えるのを目撃するためには、1994年のトニービンまでさかのぼらなくてはならない。

 トニービンを輸入したのは、ノーザンファームだ。

「非社台」リーディンサイアーを見つけるためには、1989年のミルジョージまでさかのぼらなければならい。

 1989年の今頃は、オグリキャップがマイルチャンピオンシップとジャパンカップを連闘した狂気の秋。競馬ブーム爆発の起点だ。

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オグリキャップ

 JRA競馬場入場者数がピークを記録するのは1996年。売り上げのピークは翌1997年。

 オグリキャップがJRA競馬場で疾駆した約2年10ヵ月。テレビ東京の血統予想コンピュータは延々とアナウンスを続けた。

<コンピュータの診断では、オグリキャップはダート向きである、という判定です。>

 どういうことか?

「出自」「血の呪縛」をぶっ飛ばし、下剋上を叫ぶ馬がいなければ、マニア、ギャンブラー以外の客を競馬場に呼べない、ってことだ。

 それは、ウオッカが疾駆した2007年以降、長期低迷だったJRAの売り上げ、入場者数がわずかだが上昇したことにも表れている。

 2008年。天皇賞(秋)。ウオッカ、ダイワスカーレット、牝馬2頭の壮絶な叩き合い。あれ以上の名勝負があったら教えてください。

 昨日の天皇賞の売り上げは、183億4111万1700円で前年比5.3%減だった。

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2018年10月28日 (日)

天皇賞(秋)東京競馬場に奇跡は起きる!!

東京11レース 天皇賞(秋)

 
単勝⑩
 
馬単⑩―⑤④⑫⑥①⑦
 
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2018年10月27日 (土)

安田純平の長い沈黙と「ゲイには生産性がない」という身内議員の言葉を「自民党の多様性」として放置する安倍独裁政権 今、観るべき映画『アラビアのロレンス』は、なぜ、史上最高作なのか? 

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 真っ黒なスクリーン。太鼓の音で映画は始まる。

 出だしの音楽は、ストラヴィンスキー的な混沌。それが「映画を観た人の脳裏に一生残る」テーマ曲へと変わり、さらに行進曲に転じるが、スクリーンは真っ黒なままだ。

 最初に映し出されるシーンは、バイクの俯瞰。

 金髪の男が歩み寄ってきて、ガソリンを入れ、タンクを丁寧に拭く。

 男は数分後にバイク事故で死ぬ。

 葬儀のシーンで最初のセリフが入る。

「偉大な男だった」

「しかし、この大聖堂にふさわしいかどうか?」

 この映画は、「キリストになりたかったアンチ・クライスト」の物語なのだ。

 今、観直しても、シナリオ、撮影が信じがたいほど素晴らしく、「戦争スペクタクル」「史劇」として最高の作品だが、「この映画を繰り返し観ている」という人に会ったことがない。

 なぜ?

 主人公のロレンス(ピーター・オトゥール)に感情移入できないからだ。

 それは映画製作者の失敗ではなく、監督、シナリオライターが意図して「感情移入できない戦争の英雄」を作り上げているのだ。

 もうひとつ。この映画に女優はひとりも出て来ない。「ロマンス」の要素はゼロ。戦争映画なのに男の子向け映画として作られていない。

 女子ゼロの傑作映画があったら教えてほしい。

 私は『遊星からの物体X』一本しか知らないし、『物体X』は南極が舞台の超破壊的ホラーで「英雄の存在を許さない」という意図で作られている。

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映画『遊星からの物体X』

 なぜ、ロレンスに感情移入できないのか?

 ロレンスは「戦争の英雄」であると同時に「少数派の中の少数派」「壊れた人間」だからだ。

 私は「主人公の壊れっぷりがすごい」と思って、映画『タクシー・ドライバー』を十数回も見てしまったが、『アラビアのロレンス』のピーター・オトゥールは、トラヴィス(ロバート・デニーロ)よりはるかに壊れている。

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映画『タクシー・ドライバー』

 謎のシーンの数々を見ていこう。

 50人の部隊で砂漠を横断する、という誰もやったことのない冒険に挑むロレンスとアラブ人たち。ロレンスは人が乗っていないラクダを見る。

「それがあいつの運命だったんだ」

 シャリーフのアリ(オマー・シャリフ)は言うが、ロレンスは、

「運命などない」

「俺はあいつを見つけ、助け出し、アカバに行く。運命にはそう書かれている。ここにな」

 ロレンスは自分の頭を指差し、救出に向かう。

『アラビアのロレンス』は、アルベール・カミュ的な反抗者を始めて描いたアメリカ映画だと私は思うが……いや、待て。マーロン・ブランドの『波止場』があったか。これも観直さねば。

 戦友を救出し、歓喜の声の中、オアシスにたどり着いたロレンスは、英国軍の軍服を脱いでぶっ倒れる。

「洗濯してくれ」

 アリは、干された軍服を焚火に放り込む。

 次のシーンに登場するロレンスは、純白の「族長の服」を着ている。アリは、ラクダに乗るときの半透明の薄い上着を差し出す。

 上着をなびかせ疾駆するロレンス。しかし、次のシーンがどう考えても解せない。

「もう誰も見ていないな」というところまで来たロレンスが、新しい服を見つめ、上着を両手で持って踊るのだ。

 後半の拷問シーンも奇妙だ。

 トルコ軍に拘束されたロレンス。ボスは、捕えた数人の顔をじっくり眺め、

「こいつだ」

 ロレンス以外の拘束者は解放される。

「ここに来て3年半になるが、月の裏側よりも退屈だ」

 ボスは、ロレンスの服を脱がせ、胸の肉に触る。

「白いな」

 ボスを殴ったロレンスは鞭打たれる。

 拷問後に解放されたロレンスは、まったくの別人となり、アラブ人の仲間を見捨て、ロンドンへと帰還する。

 久々に英国軍将校クラブに行くロレンスのシーンは奇妙奇天烈だ。

 知った顔を見つけたロレンスが、両手を外に突き出したおてんばな「女の子走り」で軍人集団にとりつくのだ。

「新しい軍服をもらったの♡」

 砂漠を走るピーター・オトゥールは、むちゃくちゃ力強く男性的だったのに……。

 シナリオライターは明らかに「英国軍の英雄はゲイだった」と書いているのに、映画評論家は誰もそのことに触れず、『アラビアのロレンス』はアカデミー賞を独占した。

(つづく)

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