2006年。「裏口入学」で逮捕された佐野太は、文科省研究振興局研究環境「産業連携」課長に就任した。
2017年1月。伊藤詩織をレイプした山口敬之・元TBSワシントン支局長が、文科省予算「産学共同実用化開発事業」費52億円をだまし取った。
詐欺は佐野太が文科省科学技術担当トップの審議官に就任した2014年に開始される。
佐野太「裏口入学」逮捕の「物証」(?)音声記録を報じるニュース
2014年11月1日。齊藤元章(2017年12月に詐欺罪で逮捕)のスーパーコンピュータ「睡蓮」が、文科省管轄「大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)」計算科学センターで稼働を開始。いきなり、スパコンの省エネ性能ランキング「Green500」で2位となった。
齊藤元章
一躍「時の人」となった齊藤元章は自画自賛する。
<昨年末に「自分達で独自のスーパーコンピュータを開発する」という構想を打ち上げた時には、PEZY 社内でも誰も真剣に受け止める社員がいない状態から出発しました。ExaScaler に至っては、今年3月末にはまだ存在していない状態でした。最終的にPEZYでプロッセサ開発を完了してから7か月、実際のサンプルチップを入手してから3か月で、独自開発したスーパーコンピュータを稼働させた例は、世界中を見渡しても前例が全く見当たりません。また同時並行で、高効率で保守性にも優れた独自冷却システムを僅か6ヶ月の期間で開発出来ましたことは、2つの会社を併せても20名強の社員数でしかないことを考えますと、異例尽くしの開発であったと言えます。>(ペジー社プレスリリース 2014年11月6日)
これを読むと「齊藤元章は不眠不休で働いてきた」と思えるが、これが大ウソ。
2015年1月8日。齊藤元章は587ページの大著『エクサスケールの衝撃』(PHP)を上梓。
本を書く時間がどこにあったのか?
2017年6月。齊藤元章が米国ランキング製作機関「TOP500」に送ったデータには消費電力が記載されていなかった。スパコン「暁光」は、消費電力が空欄のまま「Green500」7位を獲得している。
消費電力の数値がないのに、どうやって「省エネ性能」を計ったの?
すべては巧妙に仕組まれた詐欺だったのだ。
「大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)」の生みの親が、「産学官共同」を唱え続け、「裏口入学」で逮捕された佐野太だった。
その頃、山口敬之・TBSワシントン支局長は、米国立公文書記録管理局(NARA)でベトナム戦争時の韓国軍慰安所に関する公文書を発見した。山口はTBSでの報道を画策したが願いはかなわず、上層部に無断で『週刊文春』に寄稿した。
<歴史的スクープ
韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!
ベトナム現地取材「女に飢えた韓国兵がトラックでやってきた」>
(『週刊文春』2015年4月2日)
この記事が出た直後の4月3日。山口敬之は伊藤詩織をレイプした。
事件の直前、山口敬之は伊藤詩織にこんなメールを送っている。
<ヤボ用で一時帰国する事になった。空いてる夜ある? なんか奢ります>
<あと、今売ってる週刊文春に僕の寄稿が掲載されるから読んでおいてね>
約1ヵ月後、山口敬之はワシントン支局長を解任され、営業局に左遷された。
同年2015年6月8日。高輪署の捜査員は、山口敬之を逮捕するため成田空港で待ち受けていた。しかし、中村格・警視庁刑事部長からの電話で逮捕はドタキャンとなった。
ジャーナリスト・伊藤詩織の取材から全力疾走で逃げる中村格・警視庁刑事部長
同じ頃、飛ぶ鳥も落とす勢いだった齊藤元章は、文科省が管轄する日本最大の研究機関「理化学研究所(理研)」にスパコン「菖蒲」を設置し、ついに「Green500」で1位を獲得した。
「スパコンの革命児」斎藤元章と「安倍晋三と最も親しいジャーナリスト」山口敬之が結託したのは翌2016年1月。
山口敬之が自宅に政治団体「日本シンギュラリティー党」を設立。自ら党首となった。
齊藤元章が「布教」する「シンギュラリティー」とは「技術的特異点」のこと(らしい)。
「今から30年後、テクノロジーと人間の脳が融合し、人間を超越した非生物的な知性体が出現する」
書いていて空しくなるのは、この手のウルトラモダンな未来予想が当たったためしがないからだ。
もうひとつ、齊藤元章の本を読んで気分が暗くなるのは「この手の未来予想に最初に飛びつき群がるのは政治家である」という歴史ゆえだ。結果、「地球温暖化」詐欺のように、私たちが額に汗して稼いだ金が政府によって強奪される。
齊藤元章は吹きまくる。
「スパコンの性能が劇的に向上したとき、電気代がタダになる。食べ物がタダになる。服がタダになる。家がタダになる。すべてがフリーの世界になるのだから、人間は働かなくていい」
齊藤元章『エクサスケールの衝撃』(PHP)を要約すると、
「明日、仕事に行かなくてもよくしてあげますから、私に国民の血税1000億円をください」
「くれない? くれないと大変なことになってしまいますよ。中国が日本より先に劇的に高性能なスパコンを開発してしまったら、逆転は不可能なんですよ。スパコンの性能=国力ですから、お金をくれないと、日本人は中国人に隷従するしかなくなってしまいますよ」
このとんでもない詐欺師、齊藤元章と安倍晋三べったりのジャーナリストでレイプ魔、山口敬之が結託したらどうなる?
2016年3月4日。一般財団法人「日本シンギュラリティー財団」設立。代表理事・山口敬之。共同代表・齊藤元章。
「シンギュラリティーというものが日本にも出てくると思います」(麻生太郎 2016年3月22日 財政金融委員会)
「日本の財政赤字をどうするか?」という質疑の中で、麻生太郎は唐突に「シンギュラリティー」という言葉を口にした。
麻生太郎
山口敬之が安倍晋三よりも懇意にしているのが麻生太郎だ。著書の中で、麻生太郎と「ホテルの部屋飲み」を繰り返していることを山口は恥も外聞もなく書いている。麻生が書いた改造内閣名簿を安倍晋三に届けたのは山口だった。
同じ頃、佐野太は政治家と直接交渉をする官房長の椅子に座った。
2016年5月30日。山口敬之はTBSを退社し、齊藤元章の会社「ペジー・コンピューティング」顧問となった。
齊藤元章からスパコンの売り込みを受けた人物(文中「Y氏」)はこう語っている。
<Y氏は斉藤容疑者とこれまで3回ほど会ったことがある。斉藤容疑者は山口氏を紹介したあと、「弊社はベンチャーですが、官邸との関係もあるので、信頼していただいて大丈夫です」と言い、隣りにいた山口氏は自著の『総理』をY氏に手渡したという。
Y氏は山口氏のことを知らなかったが、自宅に戻って渡された本を読み、P社を信頼したという。>(『現代ビジネス』2017年12月8日)
2016年7月13日。麻生太郎は、文科省管轄「理化学研究所」のスパコン「菖蒲」を視察した。説明をする齊藤元章と麻生太郎のツーショット写真は、今も理研HPに掲載されている。
9日後の2016年7月22日。検察は山口敬之を不起訴処分とした。
2016年8月24日。安倍晋三政権は、2016年度第二次補正予算「21世紀型のインフラ整備」1兆4056億円を閣議決定した。そのうち120億円が文科省管轄「科学技術振興機構(JST)」に割り振られた。
2016年10月11日。予算を与えられたJSTは、「産学共同実用化開発事業ベンチャータイプ」を緊急募集した。
産学共同実用化開発事業ベンチャータイプとは何か?
<企業ニーズ(解決すべき技術課題)を踏まえた、企業による大学等の研究成果に基づく研究シーズの実用化開発を支援します。
開発リスクを国(JST)が負担し、企業単独では困難な開発を後押しします。>(JSTのHPより)
この「国が企業のリスクを負担」の内容がとんでもない。
<開発期間 原則、10年以下
開発費 原則、総額1億円以上、50億円未満>
<終了・中止時の開発費の扱い>
<開発成功の場合 開発費支出額を返済>
<開発失敗の場合 開発費支出額の10%を返済>
50億円借りて、遊んで暮らし、10年後に「開発に失敗しました」と言えば、5億円返しておしまい。完全な詐欺だ!!
この詐欺システムを作ったのが文科省「産学官連携」のボス、佐野太だったのだ。
2012年12月16日。首相の椅子に返り咲いた安倍晋三がやった最初の仕事は、民主党政権の予算をぶっ壊すことだった。
2013年1月11日。「日本経済再生に向けた緊急経済対策」が閣議決定され、2012年度補正予算第1号が動き出した。文科省に割り振られた新たな札束の山が生み出したのが「産学共同実用化開発事業ベンチャータイプ」だ。
2016年10月12日に公表されたJSTの緊急募集、その締め切りは同年10月25日。
公募から締め切りまでわずか13日!!
募集要項は152ページにも及ぶ!!
それだけではない。説明会が行われたのは、10月21日。締め切りの4日前だった!!
つまり、緊急募集を前もって知る人間しか応募できなかった!!
実際、応募したのは2社のみで両社とも採用された。
もう一社への支援金は2億円。
2017年1月。文科省予算、私たちの血税52億円が齊藤元章に送金された。
2017年12月5日。齊藤元章が詐欺容疑で逮捕された。
容疑は経産省が管轄する「新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)」から4億3100万円の不正受給を受けた、というもので、なぜか、さらに巨額の「文科省ルート」の金の流れは不問にされた。
直後の林芳正・文科大臣の説明は支離滅裂だった。
<科学技術振興機構(JST)の産学共同実用化開発事業(Nex TEP)によるPEZY社の関連企業のExaScaler社への支援はスーパーコンピュータ「暁光(ぎょうこう)」の開発に対して、開発委託という形で総額60億円を限度として融資を行うものであります。>(記者会見 2017年12月12日)
スパコン「暁光」のデータは、消費電力が空欄のまま米ランキング選定機関に送られた。この「暁光」こそが「疑惑の中心」なのだ。
<これは、全額担保がついているということでございます。これまでJSTからExaScaler社へは、その内訳約52億円が支出されておりまして、開発は着実に進展していると評価されておりまして、先月公表されたスパコンの国際ランキングTOP500で、国内1位を達成するという成果を上げているというふうに聞いております。>
開発は着実に進展している?
とんでもない大ウソだ。
<産学共同実用化開発事業(NexTEP)で採択した株式会社ExaScalerの課題の開発中止について
平成30年3月30日 科学技術振興機構(JST)
JST(理事長 濵口道成)は、産学共同実用化開発事業(NexTEP)で平成29年1月に採択した株式会社ExaScaler(以下、「Exa社」)の課題「磁界結合DRAM・インタフェースを用いた大規模省電力スーパーコンピュータ」について、平成30年3月29日付けで開発の中止を決定し、その旨Exa社に通知しましたので、お知らせいたします。
JSTでは、Exa社との間で採択課題の開発(以下、「本開発」)を委託しておりましたところ、その状況等につき、Exa社に対してヒアリングを含め調査を行ってまいりました。
JSTは、その調査の過程において提出された書類等を検討した結果、採択時のものから大幅な計画変更となっており、本課題を採択した前提を欠くに至ったものと判断せざるを得ないことなどから、第三者による評価をも踏まえ、本開発を中止すべき相当の理由があり、本開発の継続が適切でないと判断するに至りました。そのため、JSTは、本開発の中止を決定し、その旨Exa社に通知しました。
JSTは、Exa社に対し、本開発中止の通知の中で、これまでにExa社に概算で支払った開発費(約52億円)の全額返還を求めています。>
やはり、詐欺だった!!
齊藤元章の最大の犯罪は「文科省ルート」52億円の詐取だったのだ。
この詐欺システムを作り、動かしてきたのは文科省官僚、佐野太だ!!
齊藤元章は、佐野太が推進した「産学官共同」事業の支援金をターゲットにし、齊藤元章と麻生太郎をつないだのが山口敬之だ。
山口敬之は、齊藤元章から顧問料を受け取り、住居兼事務所「ザ・キャピトル東急レジデンス」を提供されていた。
2018年5月24日。齊藤元章は保釈金8000万円を支払い保釈された。
2018年7月4日。佐野太は、事前の事情聴取も何もなく、「金銭の授受なし」「物証ゼロ」の「裏口入学」で緊急逮捕された。
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