米国軍産複合体と不正選挙→安倍独裁 ライト兄弟は米軍に飛行機を売りたくなかった! 歴史を変えた大発明家の父は「同胞教会」司祭として最も強く「奴隷制度反対」「差別をやめろ」と叫んだ
「私たち(彼とウィルバー)は、浅はかにも、この世に長い平和をもたらしてくれるような発明をと願っていました。ですが、私たちは間違っていたのです」
オーヴィル・ライト 死の直前のインタビュー
人類史上初の有人飛行を成功させたライト・フライヤー1号
1847年。ライト兄弟の父、19歳のミルトン・ライトはプロテスタント系「同胞教会」の門を叩き、5年後に牧師となった。
「同胞教会」はドイツ移民をルーツとしているが、欧州で生まれた教義が新大陸に輸入されたのではなく、「純米国製教会」を名乗った。
「同胞教会」の最大の特徴は、米国の奴隷農場が大きく西へと広がった1820年代から「奴隷制廃止」を強く訴えたことにある。
6人の司祭のひとりに選出されたミルトン・ライトは、マイノリティの立場に立つ唯一の司祭として、女性の権利拡大を主張し、フリーメイソンの秘密主義を徹底的に批判した。
「ライト一家とは何者なのか?」
ライト兄弟の兄、ウィルバー・ライトはこう書いている。
<商売で成功する者とは、常に自分の利益を念頭に置いた積極的な人間です。>
<商売は形を変えた戦争に他ならず、その戦争において、戦士は商売敵から利益を奪い取るためにしのぎを削ると同時に、すでに自分が勝ち得たものを守り通さなくてはなりません。戦闘的ではない者、自己主張ができない者、少しでも人を思いやるような者は、商売の世界では成功することはありませんでした。>
我がライト一家にビジネスで成功する資格はあるか?
<我の強さ、押しの強さについて「ライト家の男は全員が欠けている」説に僕は全面的に賛成です。一家の男がひとかどの商売人になれず、あるいは、なりたくてもなれないのは、まさにそうした理由に他なりません。>(次兄ローリンへの手紙)
ライト兄弟
飛行機発明後、ライト社買収に最初に動いた「海運・鉄道王」コーネリアス・ヴァンダービルトは、全米一の大金持ち、米国ビジネス界のチャンピオンだった。
ライト兄弟のもうひとつのルーツ、母方の祖父、ジョン・キョルナーは、生身で戦争と対峙し、故郷を捨てる、という重大な決断をした馬車職人だった。
キョルナーの生地、ドイツのシュライツでナポレオンの仏軍とプロシア軍の激しい戦闘が起き、その惨状を目の当たりにした彼は「技術者が平和に生きることができる場所」米国を目指した。
ライト兄弟が初めて見た工業機械は、キョルナーの馬車工場の木工旋盤だった。
ライト社買収に乗り出したもうひとりの男、オーガスト・ベルモントは、ナポレオンの戦争をめぐり「当事国に両張り」「ウソ」「演技」「暴落株買い占め」など手練手管の限りを尽くし、大儲けをしたネーサン・メイヤー・ロスチャイルドが米国に派遣した男の子孫だ。
ライト兄弟が印刷業を始めた頃、米国人の多くは自国を「生産者の共和国」とみなしていた。米国はなによりもまず「平等な国」であるべきで、買収、合併を繰り返し、巨大化する産業資本主義も、侵略、殺戮、植民地化を繰り返す欧州の帝国主義もともに「米国社会の敵」だった。
19世紀の終わり。鉄道労働者を中心にストライキ、労働争議が繰り返され「血塗られた1880年代」と呼ばれた。
ライト兄弟の伝記はどこの図書館にも複数あるが、以下の事実を強調していないのはなぜなのだろう。
米国で「帝国」と「生産者の共和国」が激しく闘っていた時代、ライト兄弟は『ウエスト・サイド・ニュース』紙の経営者、主筆だった。飛行機発明者になる前、ライト兄弟はジャーナリストだったのだ。父のミルトン・ライトも当時ではめずらしい全米向け週刊新聞『信仰展望』の編集長だった。
1883年8月。雑誌『パック』は労働者と資本家の闘いを描いた漫画を掲載している。
蒸気機関の馬にまたがった完全武装の巨人がハンマーを持った労働者を槍で突き殺そうとしている。労働者の後ろには無数の群衆が描かれているが、巨人の後ろにいるのはたった4人の大富豪だ。
「電信王」サイラス・フィールド。
ライト社の株を買い占めたコーネリアスの弟、ウィリアム・ヴァンダービルト。
「造船王」ジョン・ローチ。
「鉄道王」ジェイ・グールド。
1885年。ジェイ・グールドが所有する全長2万4000キロに及ぶ鉄道網がストライキで麻痺したとき、「鉄道王」はこう吐き捨てている。
「労働者階級の半分を雇って残り半分を殺させてみせる」
ライト兄弟はそんな時代のジャーナリストだった。
ライト兄弟が発明した飛行機が、都市への空爆、非戦闘員への無差別虐殺を始めた。
「ライト」の名がついた飛行機はこんな醜悪な姿になった
カーチス・ライトP―40ウォーホーク
ライト兄弟はライト社を命がけで守ろうとした。兄のウィルバー・ライトは特許訴訟、会社乗っ取り騒動のさなか、腸チフスでこの世を去った。弟のオーヴィル・ライトが、第一次大戦直前にライト社をあっさりと手放したのはなぜなのか?
第一次大戦の5年後、オーヴィル・ライトはラジオでこう語っている。
「飛行機が戦争を恐ろしいものにしました。再び戦争をしたいと思う国が存在するとは思えないほどに」
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