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2017年9月24日 (日)

「四日市フラッシュメモリー工場拡張を差し止めよ!」売却先決定の数時間後、東芝を訴えたウェスタンデジタルの深い闇 スティーブ・ミリガンCEOは最初から東芝メモリを買う気などなかった!?

「東芝メモリを日米韓連合に売却する」

 東芝の発表を狙いすましたかのように、ウェスタンデジタル(WD)は、国際仲裁裁判所に新たな申し立てを行った。

「8月に東芝が単独で決めた四日市工場の設備増強の差し止めを求める」

 完全な泥仕合。トップ同士の直談判、さらに日本政府が乗り出して説得を続けたが、スティーブ・ミリガンCEOの怒りを鎮めることはできなかった。

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東芝四日市工場で祝辞を述べるスティーブ・ミリガン

最も敵に回したくないタイプだと私は思う

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しかも、ケンカしてるのがこのお方なんだから……勝ち目は?

 東芝の前途を底なし沼に変えたのは誰なのか?

 1999年10月。東芝と米「サンディスク」は、半導体メモリーの共同開発に合意した。

 そのときのサンディスクCEOの名は、イーライ・ハラリ。

「カード型」コンパクトフラッシュ、SDカード、メモリースティックなどハラリが持つ特許は5000件を超えるといわれている。

 ハラリは、1945年6月10日、パレスチナのテルアビブで生まれた。天才技術者誕生の40日前、彼の両親を故郷であるポーランド・ワルシャワから追い立てたアドルフ・ヒトラーが自殺した。3年後、「シオニズム運動」によりパレスチナに大挙押し寄せたユダヤの民はイスラエル建国を宣言。「首都はテルアビブ」としたが、国際社会は認めなかった。

 ローティーンのころ、ハラリはヨーロッパ旅行中に両親に捨てられる。もちろん、息子の将来のためなのだろうが、イギリスの学校の寄宿舎に置いてきぼりにされたのだ。苦学の末、18歳でアメリカに渡り、マンチェスター大学、プリンストン大学でノーベル物理学賞受賞を目指した。

 1988年。サンディスク設立。

 2015年。WDは190億ドルという想像を絶する巨費でサンディスクを買収した。

 まさに「アメリカン・ドリーム」を体現する人物だ。

 2000年5月9日。ハラリはバージニア州知事とともに記者会見を行い、東芝との合弁企業「フラッシュ・ビジョン」設立を発表した。

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オバマ大統領から「全米最高技術賞」を授与されるイーライ・ハラリ

 バージニア州?

 そう。東芝メモリの中核は在米企業だったのだ。フラッシュメモリー製造も東芝子会社「ドミニオンセミコンダクター」のバージニア工場で始まった。

 フラッシュ・ビジョン社の資本金は3億ドル。出資比率は「東芝50%」「サンディスク50%」。両社は「なんでも折半」のイコール・パートナーだった。

 最初の変化は2001年に訪れた。前年6月に東芝の社長となった岡村正は「2002度までに半導体事業を黒字化する」としてリストラを断行。圧倒的な世界シェア1位を誇ったDRAM事業を売り払った。DRAMをめぐる東芝の「バカみたい」な失敗は稿を改めてじっくり書きたいテーマだが、ドミニオン工場も売り払われ、フラッシュメモリー製造設備は四日市工場に移転された。

 米国人数千人の仕事と保険を奪ったんだから、米国から恨まれて当然だが、注目すべきなのは、サンディスクの持ち金の流れが、「米国内への投資」から「日本への送金」に変わったことだろう。これまでイーライ・ハラリの目の届く範囲で持ち金は動いていたが、このときから「日本人を信用して金を送る」に変わった。記者会見に知事を呼んだハラリが「米国内生産」にこだわっていた可能性もある。

 16年後、「日本人への信用」は、東芝原発事業によって完膚なきまでに破壊された。

DRAM完全売却? 東芝って終わってる」

 私はそう思ったが、しかし、ここから「赤字の半導体事業」が快進撃を開始するのだから、この業界の先は読めない。

 2003年12月。四日市工場に新製造棟建設決定。投資額推定2700億円。

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四日市工場

 イコール・パートナーのハラリが日本に送金した額、推定1350億円。

 2006年4月。四日市工場に新製造棟建設決定。投資額推定3000億円。

 ハラリが日本に送金した額、推定1500億円。

 東芝とサンディスクが手を組んでから、製造棟は2棟から5棟にまで拡大した。

 ちょうど、ウェスチングハウス買収のころから東芝の情報公開はダメダメになり、その後の投資額が東芝ウェブサイトには書かれていないのだが、サンディスクの投資額が1棟あたり1400億円だと仮定すると、計4200億円。

「サンディスクを買収したWDは4200億円“以上”を取り戻さなくてはならない」

 この事実を日本のジャーナリストは誰も書かない。

 サンディスク買収額190億ドルを加えると、2兆5495億円という国家予算規模の金をWDは東芝メモリに張っているのだ。当然、「それ以上の金」を得るために。

 東芝メモリ買収劇で最初に手を上げたのは、WDだった。

 2017年2月25日。東芝メモリ分社化発表の前。日本経済新聞の取材に対し、WDのスティーブ・ミリガンCEOは次のように答えている。

「ここ数週間、定期的にコミュニケーションをとっている」

 一方、買収劇の勝者となった韓国SKハイニックスは、ただ、

「状況を注視している」

 しかし、「お金の流れ」を書き出していけば、次の結論に行きつかないか?

WDの買収提案はブラフだった」

「ミリガンは東芝メモリを買う気などなかった」

190億ドルという巨費を出したWDに『まだ、お金が残っている』と考えるのは合理的だろうか?

WDが協業企業買収のために、さらに数千億円を出すことは経営者として合理的な判断だろうか?

ミリガンがやっているのは、まったく別のミッションなのではないか?

 スティーブ・ミリガンは、イーライ・ハラリとは対照的な人物だ。技術屋ではなく、プライスウォーターハウス出身。元会計士。IBMの会計監査人としてこの業界に足を踏み入れた。

 1978年12月15日。WDの株券は1枚75セントの紙屑だった。

 2013年1月。ミリガンがWDのCEOに就任。

 就任前の2012年12月28日。WDの株価は42・88ドル。

 約2年後の2014年12月19日。WDの株価は113・88ドルの最高値を記録した。

 70年代末に株を10万円買って家にしまっておいたら、1500万円の財産に化けた会社っていったい何?

 ミリガンは「マネーゲームの天才」と呼びたくなるような「伝説」を残している。

 WDと「東芝の最大のライバル」日立製作所を舞台に。

(つづく)

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