当然の結末だ。
私の予想は、競馬の着順以外ほぼ当たる(←自慢)。
なぜなら、サウスカロライナ州VCサマー原発を45%所有する「サンティ・クーパー」が公営電力会社だから。
VCサマー原発から電力を受け取っている顧客には2種類の人々がいる。
ひとつは、「私企業」スキャナに電気代を払っている人。
もうひとつは、「公営企業」サンティ・クーパーに電気代を払っている人。
共通する悩みは?
「電気代がどんどん値上がりするのはなぜ?」
しかし、両者には大きな違いがある。
スキャナ子会社「サウスカロライナ・エレクトリック&ガス(SCE&G)」から郵送される電気代の請求書には「原子力建設リカバリィ」の項目があり、原発建設コストが明記されている。
<原子力建設リカバリィ 10・23ドル>とかね。
私企業にお金を払う人は「自分が原発建設のためにいくら払うのか?」はっきりわかる。
ところが、公営企業「サンティ・クーパー」から郵送される電気代の請求書には「原子力建設リカバリィ」の項目がない。
米国の天下の悪法「建設中でも原発建設費を電気代に上乗せしてもいい」法は、なぜか、公営企業には適用されない。
「同じサウスカロライナの住民なのに、公務員がやっているサンティ・クーパーから電気を買っている私たちだけが『原発建設にいくら支払っているのか?』わからない」
「そりゃおかしいだろ?」と地元紙がキャンペーンを張り、多くの住民が目覚め、脱原発運動に火がついた。
「私営電力会社」スキャナが、VCサマー原発建設中止を公表したのは、7月31日。
翌8月1日にサンティ・クーパーの「電気代値上げに関する公聴会」が開かれた。
つまりは、鉄の結束を誇っていた米国原子力マフィアが分裂した、ということだ。
スキャナは原発を建設したかったが、サンティ・クーパーが猛反発した。
米国は完全に脱原発へと舵を切った。
もう、米国の圧力はないんだから、日本の原発を再稼働させる理由は何ひとつない。
トランプ大統領は予算教書で「原子力予算を約3割カットする」と宣言した。
原発と核燃料サイクルのための日米原子力協定は、当然、破棄される。
「8・15」を目前にしている私たちは、もう一度、思い返さねばならない。
VCサマー原発でサウスカロライナ住民に大損害を与えた建設会社「ストーン・アンド・ウェブスター」は、マンハッタン計画のすべての施設を建設し、空前絶後の利益を得た会社だ。
1904年に米ゼネラル・エレクトリックの子会社となった東芝は、ミッドウェー海戦で日本の敗北が決定的となったあとも米国に送金していた。
ヒロシマ・ナガザキ・太平洋で亡くなった英霊たちが、原発に天誅を下した。
昨日もまた、この国に黒い雨が降った。
(つづく)
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