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2017年6月18日 (日)

田中角栄を「自伝も書けない体」にしたのは誰だ!? なぜ、原発再稼働なのか!? 日本を「恐怖の核分裂世界」にした犯人の名は、ジェームズ・R・シュレシンジャー

 1972年7月29日。アメリカン・スタンダード社元社長のウィリアム・エバリーが、突如、とんでもない要求を田中角栄政権に突き付けた。
 
「米国で年間10億ドルの買い物をしろ!」
 
 何を買うの?
 
「濃縮ウラン」「レアメタル」「石炭」「農作物」そして「ロッキード社の航空機」。
 
 これこそがロッキード事件の発端だが、イの一番に挙げられた品目は「濃縮ウラン」だった。
 
 箱根の富士屋ホテルで3日前に始まった「日米の貿易に関する実務者レベル会議」は、そもそも、そんなことを話し合う場ではなかった。最大のテーマは「コンピュータ貿易の自由化」であり、「セールス」ではなく「システムを話し合う」場だった。
 
 最終日になって、エバリーがこう言い出した。
 
「短期的な措置を考えてほしい」
 
「米国の貿易赤字、年間10億ドルを改善するのが我々の目標だ」
 
 なぜ、原発が再稼働されるのか?
 
 その疑問を解く鍵のひとつが、当時の米国の事情である。
 
 日本に原爆を落とす前から、ウェスチングハウスのジョージ・ブッチャー社長は、トルーマン政権に対し、次のように強く主張していた。
 
「戦争が終わっても、マンハッタン計画の枠組みを維持すべきだ。核分裂のとてつもないパワーは平時にも民間で活用できる」
 
 ウェスチングハウスとゼネラルエレクトリックは、軽水炉開発とウラン濃縮工場建設に奔走した。
 
「原発ビジネスは米国2社が独占する」という目標のもとに。
 
 オークリッジ工場、ハンフォード工場、パデューカ工場がフル稼働したとき、困ったことが起きた。1960年代後半、ウラン価格が暴落したのだ。
 
 大西洋の向こうのイギリス、フランスでは、ロスチャイルド家がものすごい勢いで世界のウラン鉱山を買い占めていた。
 
「原発ビジネスはロスチャイルド家が独占する」という目標のもとに。
 
「ウラン採掘」「ウラン販売」という「上流」を支配したロスチャイルド家と「ウラン濃縮」「軽水炉」「発電」という「下流」を支配した米国2社の覇権争いが戦争状態にまでエスカレートしていた。
 
 米国側の次の作戦は「兵糧攻め」だった。
 
「ウランの輸入を全面的に禁止する」
 
 ロスチャイルド家が掘って掘って掘りまくったウランの「買い手」がいなくなった。ウランは供給過剰となり、価格は暴落した。
 
 ロスチャイルド家は窮地に陥ったが、そのミッションは、米国にとっても自殺行為だった。
 
 米国内の鉱山ではウランを掘れば掘るだけ損をする状況となり次々に操業停止。その後40年近く、米国のウランは土に埋もれたままとなった。
 
 あわてた米原子力委員会は声明を出した。
 
「濃縮ウランを一定価格で誰にでも売る」
 
 なぜ、そんな声明をわざわざ出さなければならないのか?
 
「ウランがほしい」という人間がこの地上から消えたからだ。買い手消滅。当然、米原子力委員会の声明に反応する者は誰もいなかった。
 
 どうするの?
 
「日本人に押し売りして来い!」
 
 嗚呼! 我が祖国の歴史はいつもこうだ。
 
 通産省公益事業局長、井上保は当初、こんな見通しを立てていた。
 
<「あの頃は、ウランがなくなったらどうするという考え方はなく、備蓄についても、まだ早いという意見が大勢を占めていた。ウラン鉱石については、電力会社はすでに五年分くらいは契約ずみでしたから、それ以上ウラン鉱石を買う必要はない。そこで濃縮量の前払いをしてはどうかということになったわけですが、五千トンSWUというと、かなり長期分になる感じでした」>(柳田邦男『日本は燃えているか』)
 
 電力会社幹部の嘆きを想像してみて。
 
「5年分くらい? ああ、何がなんでも原発を続けなきゃならないんだなあ」
 
 そもそも、日本の電力会社は原発を作りたくはなかった。
 
「ミスター東電」と呼ばれた木川田隆はこう語っている。
 
「原発は悪魔のようなものだ。原爆の洗礼を受けた日本人があんなもの手を出していけない」
 
 井上が「5000トン、1億6000万ドル」という案を他省庁に持っていくと、誰もが暗い顔になった。
 
「少なすぎるよ。もっと負担してくれなきゃ」
 
 電力会社幹部を拝み倒し、倍の「1万トン、3億2000万ドル」という案を胸に井上は米国に向かった。
 
 米原子力委員会で井上を待ち受けていた男の名は、ジェームズ・R・シュレシンジャー。
 
Photo
 
「米国原子力マフィア」のボスは、いきなり、井上を恫喝した。
 
「濃縮ウランを10億ドル買え!」
 
 なぜ、原発が再稼働されるのか?
 
 米国のウラン濃縮工場は、私たちが想像するよりもはるかに巨大なのだ。
 
 1970年代初頭。そのラインがまったく動かなくなった。米国2社の巨額の先行投資が消えようとしていた。
 
「米国2社のラインを動かすために、日本人はガンガン原発を建てて、ウランを燃やし続けろ!」
 
 1971年、日本の総発電量に占める原発の割合は、わずか2・4%。それを30%まで引き上げた力とは、なんだったのか?
 
「3・11」。またしても、そのラインがまったく動かなくなった。
 
「日本人が原発をゼロにする!? そんなことできるわけがねえだろ!? カクエイ・タナカの末路を憶えてないのか!?」
 
 シュレシンジャーは米原子力委員会委員長であると同時に、シンクタンク「ランド・コーポレーション」のボスでもあった。
 
 スタンリー・キューブリックの映画『博士の異常な愛情』の主人公「ドクター・ストレンジラブ」のモデルはシュレシンジャーの上司、ハーマン・カーンだ。映画の舞台は「ブランド・コーポレーション」。
 
 キューブリックはこう語っている。
 
「この種の狂気はシリアスなドラマにはできない。喜劇にするしかなかった」
 
「ランド」は、ヘンリー・アードルド米空軍大将とドナルド・ウィリス・ダグラスによって設立された。
 
 日本に落とされるウランをテニアン島に運んだのも、ダグラス・マッカーサーを横田基地に運んだのもダグラス社のC54スカイマスター輸送機である。
 
Photo_2
 
                     (つづく)

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