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2017年2月 6日 (月)

東芝巨額損失の闇 「東芝経営陣は米原発の大損を知らなかった」という世紀のデタラメ報道 2014年まで東芝は米国民の血税、数千億円を「盗める」と踏んでいた トランプ大統領が密約のテーブルをひっくり返した

 同じ時期に公表された、ふたつの対照的な文書がある。

 ひとつは東芝製ボーグル原発を建設しているサザン・カンパニーのニュース・リリース。

<米エネルギー省はボーグルの原子力プロジェクトへの債務保証を確定する>

 その額、約34億6000万ドル。当時のレートで約3534億6000万円。

 2014年2月20日。サザンのトーマス・ファニング社長は、米エネルギー省のアーネスト・モニツ長官とともに記者会見を行った。

<「私たちは、民間部門の複数のチームを含む大きなチームの一員。大規模なプロジェクトが成功するのに必要な政府の一員であると考えています」>

<「このエネルギーインフラ構築は、ジョージアだけでなく、米国だけでなく、世界のために行われています」>(モニツ長官)

 サザン・カンパニーと米政府は一体であり、東芝製ボーグル原発3・4号機建設は「国家が責任を持つ」「米国民の血税を投入してもいい」ということだ。

 これを受け、サザン・カンパニーは、投資家を欺くとんでもないウソをつく。

<お客様にとって2億2500万〜2億5000万ドルのベネフィットとなります。>

 工事が遅れに遅れ、コスト超過分の負担をめぐり、東芝と泥沼の裁判を続けていたサザンが「お客さん、原発建設で得しますよ」と宣伝しているのだ。

 もうひとつの文書は、サザンの記者会見の前日に公表された。ワシントンDCのNGO「タックスペイヤー・フォー・コモンセンス」の報告書である。

<情報自由法によって得られた文書によれば、ボーグル原発の債務保証のための適切な融資補助金をめぐる米エネルギー省とプロジェクトパートナーズとの交渉は難航している。>

 どっちやねん!?

 少なくとも言えるのは、「サザンが血税泥棒の約束を取りつけるまで、むちゃくちゃ時間がかかった」ということだ。

 2010年2月。米エネルギー省が83億3000万ドルの政府債務保証を発表。

 2010年4月。サザンが交渉の30日延長を要請。

 2010年6月。サザンが米エネルギー省の提案を受け入れる。

 しかし、2012年春に決定的な事件が起きる。

 

 米国原子力規制委員会(NRC)がジョージア州のボーグル原発建設を認可したのは2012年2月。

<米国で34年ぶりに原発建設へ、東芝子会社の原子炉採用>(ロイター 2012年2月10日)

 東電福島第一原発事故で意気消沈していた「原子力ムラ」は狂喜乱舞した。

 そのわずか1ヵ月後……。

 2012年3月末。ウェスチングハウスに激震が走った。

 4月1日付で社長に就任するはずだったジム・ファーランド米州地域総責任者が辞表を叩きつけたのだ。社長就任の数日前に、突如、逃げ出した。

 4月4日。ファーランドは、東芝のライバル企業、バブコック&ウイルコックス(B&W)のCEOに就任した(B&Wはスリーマイル島原発2号機を建設した会社で東芝とは「メルトダウン仲間」でもある)。

 ファーランドの逃走劇は「ウェスチングハウスは終わっている」ことを全世界に示した。

 原発黎明期、B&Wは米国を代表する原子力企業だった。しかし、2001年から始まる「原子力ルネサンス」の物語にB&Wの名前はほとんど登場しない。

「B&Wによる原発新設計画もあるはずだ」

 私は資料を探したが、一件も見つからない。

 公式なコメントこそないが、B&Wも「脱原発」へと大きく舵を切っていたのだ。

 社長就任のドタキャン劇は、経営トップによる内部告発、警告ととることもできるだろう。

「ウェスチングハウスよ。もうウソをつくのはやめろ」

 大混乱のさなか、「暫定的に」ウェスチングハウス社長に就任したのが志賀重範東芝常務(当時 現東芝会長)だった。

 そのわずか2ヵ月後……。「ボーグル原発の運転開始が遅れる」(原発を所有するサザン・カンパニーの四半期報告書)

 ウェスチングハウスは、最初の基礎工事ができなかった!

 原発建設はベースマットという巨大な円形の鉄骨を岩盤の上に敷くことから始められるが、ウェスチングハウスはインチキをしていた。

「ベースマットが許認可用件に適合していない」

 工事を止めた米国原子力規制委員会(NRC)には、「じゃあ、なんで認可したの?」と言いたくなるが……。

 いきなりの工事遅延である。工事遅延=コスト超過。

 そのわずか1ヵ月後……。

「建設費用の当社負担が、2012年6月時点で2011年末から8000万ドル増え、約45億ドルになる」(サザン・カンパニーの四半期報告書)

 工事認可から半年もたたないうちに約98億4000万円の請求書をサザン・カンパニーに送ったのも志賀重範その人だった。

「東芝経営陣は米原発建設の大損失を知らなかった」

 こんな報道を続ける日本のジャーナリスト、評論家は全員、頭がおかしい。

<田中P(久雄・東芝社長)への3Q決算ストーリー説明に関連して、WH(ウェスチングハウス)のコストオーバーラン、減損について下記日程で報告予定です。>(『日経ビジネス』が暴露した東芝財務部門幹部のメール 2013年12月)

 このメールを読んでいないの?

 2014年4月。東芝は全社員にかん口令を敷いた。

<社内であっても関係者以外に情報を不用意に伝えず、間違っても社外(会食事、タクシー内など)で本件の会話をすることのないよう、徹底をお願いします。>(東芝原発部門幹部のメール 2014年4月)

 東芝の経営陣は、米原発建設の知らなかった?

 じゃあ、かん口令はなんのため?

 多くの東芝社員が知っていたから、幹部は「恥ずかしいかん口令メール」を出すしかなった。

 

 話を2012年に戻そう。

 ウェスチングハウスの基礎工事の失敗、工事遅延、コスト超過を知り、サザン・カンパニー幹部は激怒した。

 ここから「原子力の世界でしか起こりえない」シュールで倒錯した世界が現出する。

 訴訟が起こされた。普通に考えれば、激怒したサザンが東芝、ウェスチングハウス、建設会社ストーン&ウェブスターを訴える。

 ところが……。

「サザンよ、米原子力規制委員会による設計変更費用9億ドルを支払え」

 訴訟を起こしたのは、ウェスチングハウスとストーン&ウェブスターだった!!

 逆ギレにもほどがある!!

 米政府の債務保証?

「イエス・ウィ・キャン」のバラク・オバマも、こんなバカ野郎どもの尻ぬぐいはしたくなかったはずだ。

 政府債務保証の交渉はさらに延長された。

Photo

 2012年に運転開始するはずだったボーグル原発3号機

 原子炉が搬入されたのは2016年11月

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