ニューヨーク州原発に新たな補助金 フィッツパトリック原発は転売され運転継続
2015年7月。エンタジー社はニューヨーク州北部のフィッツパトリック原発の運転停止を発表した。

エンタジー社の声明。
(1)発電所の近隣に存在するシェールガス田「マーセラス」により、天然ガスは記録的な低価格となり、電力卸売価格は長期にわたって低迷。下げ幅は1MWhあたり約10ドルに達しており、フィッツパトリック発電所の収益である6,000万ドルを上回る年間損失の計上が予想される
(2)電力市場の構造的な欠陥により原子力発電所の利点が正しく認識されず、それに見合った適切な補償が行われていない。原子力発電所は電源多様化や温暖化防止に貢献するほか、年中無休で発電可能な大型電源である
(3)これまで同発電所の安全性と信頼性の改善で多額の投資を行ってきたが、単機発電所であるが故の高コスト構造が災いし、原子力の利点が無視される市場においては長期的な採算性が望めなくなった
(4)電力供給量が過剰で需要量も少ないという地域的な制約が、同発電所の収益を悪化させた
2016年8月2日。ニューヨーク州が「クリーン・エネルギー」法案を可決。
原発へ新たな補助金拠出が決定。
8月9日。エクセロン社がフィッツパトリック原発をエンタジー社から買収。
買収金額1億1000万ドル。
運転継続を決定した。
フィッツパトリック原発はGE製BWR。
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