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2016年8月31日 (水)

20年近く野放し!? 米国の核物質・技術を盗みまくった中国の産業スパイが突如、起訴!? 浮かび上がる「クリントン夫妻の闇」

 中国広核集団「スパイ」事件のわが国での第一報は、2016年4月15日の「ワシントン共同」の記事である。

 米法務省発表。米大陪審が14日に中国広核集団の中国生まれの米国人技術者を起訴。

 しかし、実名はないし、報道内容は実に曖昧模糊としている。

<5日付の起訴状は、技術者が中国広核集団の指示で核燃料物質の生産に詳しい専門家を割り出し、接触して協力を得る活動を秘密裏に行ったと指摘した。>

「核燃料物質」とは何か?

 肝心な部分が抜け落ちている。不明。

 共同通信の記事を引用した同日の『産経ニュース』は、少しだけ詳しく報じている。

<中国広核集団は1997年から今年4月にかけて米政府が指定する核燃料物質を生産したといい、連邦捜査局(FBI)などが捜査していた。>

 今から20年近く前の1997年からずっと!?

 この第一報は、まったく話題とならぬままに消えたが……。

 4ヵ月後、以下の記事に化ける。

<英原発建設参加の中国国営企業、スパイ行為で米国での起訴が判明>(『産経ニュース』 2016年8月12日)

 ……判明!?

 いや待て。判明したのは4ヶ月前であり、それを報道したのは同じ『産経ニュース』だ。

<【ロンドン=岡部伸】英国のキャメロン前政権が推進した英南西部、ヒンクリーポイントの原発計画に出資する中国国有の原発大手「中国広核集団」が、米国の原発施設で過去20年間、原子力の先端技術に関する企業秘密を盗むスパイ行為を行い、米司法当局から起訴されていたことが明らかになった。英タイムズ紙などが報じた>

 批判の矛先は中国から英国・中国の順番に変わっている。

<米司法省の起訴状によると、4月にスパイ行為で「中国広核集団」と、同社の中国生まれの米国人技術者、アレン・ホー被告(66)。>

 実名も判明。4ヶ月が過ぎ、米法務省が英メディアに情報をリークしたのだ。

<被告は同社の指示で、核燃料物質の生産に詳しい米国の原子力専門家6人に接触して協力を得る活動を行った。>

 米国「核燃料物質」専門家は6人。アレンはこう持ちかけた。

<「中国独自の核燃料物質生産システムをつくる」><「研究過程を省きたい。予算は潤沢にある」>

<(中国広核集団)も核燃料物質を許可なく米国外に持ち出し、開発、生産したとされる。>

<(中国広核集団を)1997年から米連邦捜査局(FBI)と司法省の国家安全保障部門が捜査>

「核燃料物質」とは何か?

 

 この「謎の記事」から浮かび上がってくるのは、「クリントン夫妻の闇」だ。

 クリントン夫妻は、中国の企業グループから巨額の政治資金を受け取っていた。

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 この事実が暴露されたのは1997年。中国による原発産業スパイ事件の捜査開始時期と一致している。

 そして、FBI、米司法省が動いたが、なんと20年近くも事件化されることはなかった。

 この事実もまた、クリントン夫妻と中国をめぐる疑惑報道と奇妙な一致を見せているのだ。

(つづく)

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英国ついに脱原発へ 中国「自称国産」原発「華龍一号」輸入を拒否

<英タイムズ紙によると、中国が参加を許されるのはヒンクリーポイントC原発のみで、今後建設が予定されているエセックス州のブラッドウェル原発への参加は再検討となり、サフォーク州のサイズウェル原発への参加は拒否される見通し。>(レコード・チャイナ 2016年8月31日)

 原発をめぐる英中「悪魔の同盟」が完全に崩壊した。

 エネルギー政策において、英国ほどむちゃくちゃな国はない。

 サッチャー時代の極端な民営化路線で国内の電力会社を外国に売り払い、キャメロン政権は「原発を中国に丸投げ」しようとした。

 2015年10月。キャメロン・習近平会談。

 フランス電力所有の英原発ヒンクリーポイントC。33・5%を中国が出資。推計約7900億円。

 フランス電力所有の英原発サイズウェルC。20%を中国が出資。推計約4800億円。

 フランス電力所有の英原発ブラッドウェルB。66・5%を中国が出資。推計約1兆5800億円。

 中国がなぜ、「仏企業所有英原発」に3兆円近い金をくれてやるのか?

 金額を見れば一目瞭然だ。

 ブラッドウェルBは中国「自称国産」原発「華龍一号」建設が決まっていた。

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華龍一号

 仏日米の原発の半値以下の建設費をウリに(これもまた「自称」にすぎないが)、中国が原発を全世界に輸出しまくる。中国の「原子力支配」の突破口がブラッドウェルBだった。

 同時に、事実上破産している仏アレバを救済……てゆーか、この狂った「大盤振る舞い」の裏に「世界最大の原子力企業アレバを乗っ取れ」という中国の意思があることは明白だろう。

 ところが……。

 英国を舞台に仏アレバ社クルーゾー工場生産の原発心臓部に重大な欠陥が発覚。「アレバ文書」を暴露したのは英国の規制当局だった。

 さらに……。

<英原発建設参加の中国国営企業、スパイ行為で米国での起訴が判明>(産経ニュース 2016年8月12日)

 ヒンクリーポイントCに推定約7900億円を出資する「中国広核集団」が、米国でスパイ活動を行っていた、という報道。

 しかも「過去20年間にわたるスパイ活動」……!?

          (つづく)

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お笑い日本学術会議「討論型世論調査」85・1%が「原発反対」御用学者が意図したものとは間逆の結果に

 ダメじゃん!!

 
 8月24日。日本学術会議は高レベル放射性廃棄物の処分について「ウェブ会議システムによる討論型世論調査」の結果を発表した。
 
 世論調査なのに、なんでウェブ上で討論しなきゃいけないの?
 
 原子力ムラの御用学者が、約100名の討論参加者を「原発推進派」へと洗脳するためだ。
 
 これとは別に「討論なし」1000名の「普通の世論調査」も公表した。
 
 結果は……?
 
「高レベル放射性廃棄物の総量が社会的に受け入れ可能な量を超える場合には、原子力発電への依存度を見直すべき、との意見にあなたは賛成しますか?」
 
 この問いに対する回答がこれ↓
 
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「討論なし」の「普通の世論調査」では、「原発反対」58・1%。
 
 ところが、討論に参加した約100人は最終的に……。
 
「原発反対」85・1%!!
 
 御用学者の努力は水の泡!
 
 てゆーか逆効果!
 
 絵に描いたような「やぶへび」だ!!

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11日間で3度の汚染水流出!! 汚染源はK排水路? 護岸の井戸? タンク? 東電の「豪雨対策」完全破綻! 日本テレビは報道を消した!

 台風7号、9号に続き、この夏最兇の台風10号が、東電福島第一原発を襲った。

 
 港湾内「シルトフェンスの外側」であるサンプリング地点「港湾中央」の数値を見てほしい。
 
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 わずか11日間に3度の汚染水流出が起きた。
 
 8月16日。

 セシウム137 3・8ベクレル/L

 台風接近のため、17~18日の海水採取が中止された。

 8月19日。

 セシウム137 16ベクレル/L

 海の汚染は約4・2倍に跳ね上がった。

 その後、数値は下がり続けた。

 8月22日。午前7時。

 セシウム137 6・4ベクレル/L

 台風9号の直撃を受けたこの日。東京電力は、突然、こんなことを言い出した。

<東京電力は22日、台風9号による降雨の影響で、福島第1原発の護岸に設置された井戸から汚染地下水が地上にあふれ、港湾内に流出する恐れがあると発表した。地下水があふれ出ないよう、東電は護岸に設置された五つの井戸「地下水ドレン」などから、断続的に地下水をくみ上げている。東電によると、22日午後4時50分現在、海抜約4メートルの護岸地上に対し、観測用井戸で測定された地下水位は約3メートル50で余裕は約50センチしかなかった。>(福島民友 2016年8月22日)

 東京電力5年5ヶ月の言動から見れば……これ……。

「雨が降ったら地下水があふれ出します。お手上げです」

 東電の「海を汚します宣言」に他ならない。

 しかし、ここで「報道」は消える。東電のエクスキューズをそのまま書き写し、翌朝のデータを報道した全国紙、テレビキー局はゼロだった。

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 8月23日。午前7時。

 セシウム137 23ベクレル/L

 海の汚染は約3・6倍に跳ね上がった。

「地下水が海に流れ出たのではないか?」

 ジャーナリストなら当然、抱くべき疑問を、ジャーナリスト全員が放棄したとき、この夏最兇の台風10号が襲いかかってきた。

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 情報操作、報道管制の証拠は、『日テレNEWS24』のHPに刻まれていた。

 東電の「海を汚します宣言」を日本テレビは何度も報道しながら、台風10号のニュースがテレビを覆いつくしている今、記事、動画を見ることができない。

<お探しの記事は見つかりませんでした。>

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 お天気キャラ「そらジロー」「くもジロー」「ぽつリン」が深々と頭を下げ……。

 原発推進の旗振り役である日本テレビは情報を消した。

 
 8月23日。セシウム137 23ベクレル/L
 

「雨を完全にナメている」東電の犯罪的態度は、「港湾中央」のデータに刻まれている。

 8月26日。

 セシウム137 5ベクレル/L

 海の汚染は、ここから三たび、急上昇した。

 8月27日。

 セシウム137 14ベクレル/L

 2・8倍。

 8月29日。

 セシウム137 17ベクレル/L

 3・4倍。

<東京電力・福島第一原子力発電所では、台風10号の接近に伴って屋外で行われる一部の廃炉作業を中止するなどの対応をとっていて、これまでのところ強風や雨によるトラブルなどは報告されていないということです。

 福島第一原発では、東京電力が設置した雨量計で29日の降り始めから30日午後4時までに55.5ミリの雨を観測し、護岸付近の地下水の水位は30日午後3時現在、地上までおよそ30センチと、午前11時からの4時間でおよそ10センチ上昇しました。>(NHK 8月30日夕)

 8月30日。暴風雨に関する警報は東電福島第一原発周辺に集中した。

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 しかし、問題は原発敷地に降った雨ではない。

「福島第一原発は地下水に水没した状態」

「阿武隈山系からの地下水が、1~4号機を洗い流すように海に向かっている」(馬淵澄夫 2013年9月 国会)

 阿武隈山系に降った豪雨は今、原発に向かっている。

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2016年8月28日 (日)

東電福島第一原発K排水路 2300Bq/Lの採取時刻が判明 8月22日21時半ごろ

 北海道新聞だけが報道していた。

 
 
 2016年8月22日21時半ごろ。
 
 同時刻の天気図↓
 
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速報 福島第一原発K排水路が暴走 東電の犯罪は止まらない ストロンチウム推定189Bq/L!法定濃度の6倍超

 2016年8月27日。

 
 東電福島第一原発K排水路排水口。
 
 セシウム137 300ベクレル/L
 
 告示濃度限度 90ベクレル/L
 
 法定濃度の3倍超!
 
 全ベータ 420ベクレル/L
 
 ストロンチウム90 推定189ベクレル/L
 
 告示濃度限度 30ベクレル/L
 
 法定濃度の6倍超!
 
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東電福島第一原発2016年8月 台風直撃! 土に埋められていた3号機核燃料の粉末が「外洋へ」流出?

 東京オリンピックが開催される、と思っている皆さんへ。

The document also suggests that fragments or particles of nuclear fuel from spent fuel pools above the reactors were blown up to one mile from the units, and that pieces of highly radioactive material fell between two units and had to be bulldozed over, presumably to protect workers at the site. The ejection of nuclear material, which may have occurred during one of the earlier hydrogen explosions, may indicate more extensive damage to the extremely radioactive pools than previously disclosed.

 文書はまた、反応炉上部にある使用済み燃料プール内の核燃料の破片や粒子が「3号機から1マイルも」吹き飛ばされ、高い放射性物質の断片が3号機と4号機間に落下しているので、現場作業員の保護にはおそらく「ブルドーザーによる地ならし」を必要としていたと示唆している。初期の水素爆発中に発生した核物質噴出は、従来公開された以上に、極めて放射性の高いプールに対して、より広範囲な損傷を与えたことを示している可能性がある。>(ニューヨークタイムズ 2011年4月5日)

 米原子力規制委員会(NRC)による福島原発についての、3月26日づけの秘密評価書と関連インタビューに基づく記事である。

 事故から5年5ヶ月。ブルドーザーによって埋められた核燃料の破片、粒子を「取り除いた」とする資料、報道はない。

 2011年8月まで原発構内にあった「鉛のブルドーザー」↓

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 2016年8月17~18日。激しい雨が東電福島第一原発を襲い、午前7時に行われる海水の採取が中止された。

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 雨が降り出す前。15日のセシウム137のデータ。

 港湾口   0・64ベクレル/L

 港湾内東側 1・1ベクレル/L

 港湾内南側 1・2ベクレル/L

 同日の天気図↓ 

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 17日。海水採取中止。天気図↓ 

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 18日。海水採取中止。天気図↓

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 19日。セシウム137の値が跳ね上がる。天気図↓

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 港湾口   2・6ベクレル/L

 港湾内東側 3・9ベクレル/L

 港湾内南側 4・9ベクレル/L 

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 20日。一旦、値が下がる。天気図↓

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 港湾口   1・2ベクレル/L

 港湾内東側 2・1ベクレル/L

 港湾内南側 0・58ベクレル/L

 21日。値は再び上昇。天気図↓ 

Photo_22

 港湾口   2ベクレル/L

 港湾内東側 2・2ベクレル/L

 港湾内南側 5・8ベクレル/L

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 22日。台風9号が原発を直撃。朝6時の天気図↓ 

Photo_24

 港湾口   1・1ベクレル/L

 港湾内東側 1・7ベクレル/L

 港湾内南側 1・5ベクレル/L

 深夜、東電が「報道関係各位一斉メール」を出す。

<K排水路で全β放射能2300Bq/L>

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 排水が採取されたと推定される時刻の天気図↓

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 23日。史上最大の汚染水が外洋へ流出! 天気図↓ 

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 港湾口   7・9ベクレル/L

 港湾内東側 11ベクレル/L

 港湾内南側 12ベクレル/L

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2016年8月27日 (土)

消された東京電力「10日間に及ぶ犯罪」調書 史上最大の汚染水流出 東電福島第一原発K排水路 2016年8月

 東京電力の10日間に及ぶ犯罪と証拠隠滅工作。

 時系列で見ていこう。

 2016年8月17日。福島県双葉町降水量82・5ミリ。激しい雨。

 2016年8月18日。福島県双葉町降水量28ミリ。

 K排水路排水口 全ベータ 15ベクレル/L

 全ベータの45%がストロンチウム90と仮定。

 ストロンチウム90 推定6・75ベクレル/L

 ストロンチウムの告示濃度限度(法定濃度) 30ベクレル/L

 東京電力は、朝7時前後に採集した水のデータのみ公表している。

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 8月19日。降水量10・5ミリ。

 全ベータ 140ベクレル/L

 ストロンチム90 推定63ベクレル/L

 告示濃度限度超え。法定濃度の約2倍。

 セシウム137 92ベクレル/L

 セシウム137の告示濃度限度 90ベクレル/L

 告示濃度限度超え。

 東京電力の犯罪が始まった。

 

 8月20日。降水量26ミリ。

 全ベータ 480ベクレル/L

 ストロンチウム90 推定216ベクレル/L

 告知濃度限度超え。法定濃度の約7倍。

 セシウム134 64ベクレル/L

 セシウム134の告示限度濃度 60ベクレル/L

 告示限度濃度超え。

 セシウム134の半減期は約2年。事故から5年5ヵ月後のこの数値は異常だ。

 セシウム137(半減期約30年) 360ベクレル/L

 告示濃度限度超え。法定濃度の4倍。

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↑赤枠が法廷濃度超え 犯罪は今も続いている


 8月21日。降水量0ミリ。

 全ベータ 230ベクレル/L

 ストロンチウム90 推定103・5ベクレル

 告示濃度限度超え。

 セシウム137 160ベクレル/L

 告示濃度限度超え。

 

 8月22日。降水量75・5ミリ。台風9号直撃で1時間に37・5ミリの激しい雨。

 朝7時のデータ。

 全ベータ 77ベクレル/L

 ストロンチム90 推定34・65ベクレル/L

 告示濃度限度超え。

 濃度は下がってきたか、と思われたが……。

 

 8月23日。降水量0・5ミリ。

 日付が変わったばかりの午前0時11分。東京電力が「報道関係各位一斉メール」を出した。

<本日(8月22日)、K排水路から採取した水を分析したところ、全ベータ放射能が2300Bq/Lであることを確認しました。>

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 全ベータの過去最高値は1500ベクレル/L(2014年8月26日、2015年9月9日)。

 過去最高値の1・5倍超。

 ストロンチウム90 推定1035ベクレル/L

 法定濃度の34・5倍!

 東京電力は証拠隠滅に走った。そもそも、このメールには「採集時間」が書かれていない。その後も東電は時間を公表していない。

「報道関係各位一斉メール」は東電HPに掲載されている。誰もが閲覧できる重大ニュースだったのだが……。

 報道したのは、河北新報と毎日新聞地方版のみ。

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 報道されなければ、「何も起こらなかった」ことになる。

 これこそ「巨大な資金力を持つマス・メディアによる言論市場の支配的独占状態」、この国の最も憂うべき現状だ。

 第一報のわずか36分後、東電は「史上最大の汚染水流出」を打ち消すためのメールを出した。

<(続報)><昨日8月22日22時15分にK排水路の水を再度採取し、分析を実施したところ、全ベータ放射能は740Bq/Lに低下していることを確認しました。>

 低下したからノープロブレム!?

 ストロンチウム90 推定333ベクレル/L

 法定濃度の約11倍!

 ご丁寧にも「打ち消しメール」には詳細な時間が明記されている。

<K排水路の水の全ベータ放射能が上昇した原因は、降雨の影響に伴う一時的な上昇と推定しました。>

 何を言っているのか!?

「雨が降るたびに強烈な汚染水が海に流出する」ことこそ最大の問題だ!

「2300Bq」も「740Bq」も東電HPから消された。

 毎日、更新される<福島第一原子力発電所構内排水路分析結果>。

<K排水路排水口><採取日 8月22日><採取時間 7:00>

 全ベータ 77ベクレル/L

 記録に残った数値はこれだけなのだ。

 

 8月23日。降水量0・5ミリ。

 全ベータ 300ベクレル/L

 ストロンチウム90 推定135ベクレル/L

 告示濃度限度超え。法定濃度の約4・5倍。

 セシウム137 200ベクレル/L

 告示濃度限度超え。法定濃度の約2・2倍。

 

 8月24日。降水量0ミリ。

 全ベータ 160ベクレル/L

 ストロンチウム90 推定72ベクレル/L

 告示濃度限度超え。法定濃度の約2・4倍。

 セシウム137 97ベクレル/L

 告示濃度限度超え。

 

 8月25日。降水量0ミリ。

 全ベータ 88ベクレル/L

 ストロンチウム90 推定39・6ベクレル/L

 告示濃度限度超え。

 

 8月26日。降水量21・5ミリ。1時間20・5ミリの激しい雨。

 全ベータ 82ベクレル/L

 ストロンチウム90 推定36・9ベクレル/L

 告知濃度限度超え。

 

 8月27日。台風10号が福島第一原発に接近している。

 

 東電10日間に及ぶ犯罪記録グラフ↓

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2016年8月24日 (水)

地方紙しか報道しない史上最悪の福島第一原発汚染水流出 東京新聞よ!なぜ、この大事件をスルーするのか!?

 これが日本のマスコミの正体だ!!

 
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外洋へ 過去最大の汚染水流出!福島第一原発8月23日 東京オリンピックはできない!

 東電史上最悪の犯罪!!

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 原発事故から5年5ヶ月。
 
 2016年8月23日。
 
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 サンプリングポイント「港湾内東側」
 
 セシウム137 11ベクレル/L
 
 過去最高値!
 
「港湾内南側」
 
 セシウム137 12ベクレル/L
 
 過去最高値!
 
「港湾口」
 
 セシウム137 7・9ベクレル/L
 
 過去最高値!
 
 史上最悪の汚染水は外洋へ!!
 
 安倍・マリオ・晋三の
 
「アンダーコントロール」国際公約崩壊!!

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東電史上最大の犯罪!福島第一原発K排水路<全β>2300Bq/L!!事故から5年5ヶ月 過去最高値の1・5倍以上を観測

 汚染水対策は完全に破綻した!!

 事故から5年5ヶ月。
 
 2016年8月22日。
 
 東電福島第一原発K排水路 全ベータ。
 
 2300ベクレル/L!!
 
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 過去最高値は1500ベクレル。
 
 なんと1・5倍以上!!
 
 全ベータの45%がストロンチウム90と仮定。
 
 ストロンチウム90 1035ベクレル/L!!
 
 ストロンチウム90の法定濃度は30ベクレル/L。
 
 法定濃度の34・5倍!!
 
 東電史上最大の犯罪だ!!
 
 アンダーコントロール?
 
 東京オリンピック?
 
 できるわけがない!!
 
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 8月17日 福島県浪江の降水量82・5ミリ 最大1時間28・5ミリ
 
 全ベータ 15ベクレル/L→540ベクレル/L
 
 36倍!
 
 8月22日 降水量75・5ミリ 最大1時間37・5ミリ
 
 全ベータ 230ベクレル/L→2300ベクレル/L
 
 10倍!
 
 雨が降っただけで海の汚染は153倍に!!
 
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ILL BONE 9月4日(日) ”Long Time Live Show”@吉祥寺ブラック&ブルーopen/start18:00/18:30 charge¥2500+1d 『霧』歌詞

 

闇に溶ける木洩れ陽のなか

きみの立っている場所 静か

それを見る それは認めること

どこまでも草いきれ

 

この世界はすべて きみの口の中

何もかもが今は 雨のように無邪気さ

この世界はすべて きみの口の中

世界がそこにまだあった頃

 

あの日 海のそばで途絶えた声

数千の魂たちよ

きみの中の火花よ静まれ

どこまでも草いきれ

 

幻よ はやく去ってくれ

あの夜 きみとこの道を歩いた

今はただ 霧が去るのを待って

 

きみの中の闇の底まで どこまでも行こう

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2016年8月23日 (火)

東京新聞は「3号機核爆発」説の槌田敦さんのインタビュー記事をボツにした!今回は「脱原発テント」強制撤去の情報を福島避難者に伝えなかった!

 表向き、マスコミは「権力のチェック機関」とされてきた。

 <権力>←監視←<マスコミ→情報→市民>

 このような構図が長い間、信じられてきた。「マスコミは市民とともにある」ということだ。多くの物語で「社会的弱者を救う記者」が描かれてきた。

 今回の事件で明らかになったのは次の構図だ。

<権力→情報→マスコミ>―対立―<市民>

 権力はマスコミと一体化している。<権力>内部で情報は独占され、市民に伝えられることはなかった。マスコミは権力の行使に協力した。

 それでもなお、日本人の多くは信じている。

「記者は私たちのために働いてくれている」

 この「幻の信頼」こそ、今の日本が抱える最大の問題だと私は思う。

<「何も持たずに逃げてきた。こんな私をテント村の人たちは優しく支えてくれた。その第二の古里を返して」

 原発事故直後、福島県双葉町から避難し、東京都港区で暮らす主婦、亀屋幸子さん(72)は、テントのなくなった経産省前で涙ながらに語った。>(東京新聞 8月22日)

 亀屋さんは、私が始めた不正選挙抗議の最初の賛同者だ。亀屋さんが私を支えてくれた。

<毎週金曜の集会に通い続けた。市民団体のメンバーからの電話で未明に駆けつけたが、テントの撤去作業を見守るしかできなかった。>

「見守るしかできな」くしたのは東京新聞だ。

 長く脱原発運動を続けてきた「たんぽぽ舎」は、「読むべき新聞記事」としてこの記事をメルマガに再掲した。

 

「脱原発テントを報道で支える新聞記者」

 この構図を真っ向から否定したのは専修大学教授、憲法学者の内藤光博さんだ。

「集会の自由」の意義としては、以下の点が重要であることが指摘されている 。

 まず挙げられるのは、巨大な資金力を持つマス・メディアによる言論市場の支配的独占状態により阻害されている「一般市民」の意見表明権の保障という点ある。>(東京地裁への意見書)

<権力+マスコミ>→阻害→<市民>

 というのが正しい構図だ、と内藤さんはテントをめぐる裁判で主張した。

こうしたもっぱら情報の「送り手」であるマス・メディアの言論市場の支配状況もとで、もっぱら情報の「受け手」に置かれ、資金力をもたず有効な意見表明手段を持たない一般市民が、とりわけ政治・経済・社会問題について、自らの意見を国家や市民社会に向けて表明し、異議申立てを行う方法として、「集会の自由」や「集団行動(デモ行進など集団示威運動)の自由」の保障が位置づけられる。>

「脱原発テント」は、「マスコミに対する闘いの拠点だ」と内藤さんは定義する。

表現活動やその一類型である集会には、それを行うための手段(言論・出版・多種多様な表現手段、また集会や集団示威運動なども手段ではあるが)や物理的空間(場所)が必要となる。表現の自由が保障されるためには、それを行うための空間、すなわち誰もがアクセスすることのできる「公共空間」の利用が保障されなければならない。こうした言論のための「公共空間」を「パブリック・フォーラム(公共の言論広場)」とよぶ。>

「言論」とは、ラウドスピーカーでがなりたてるシュプレヒコールだけではない。

「脱原発テント」には、全国からさまざまなビラが集まってくる。沖縄・辺野古埋め立ての建設会社別の詳細な地図などは、ここに来なければ得られない情報だ。

 マスコミが無視を決め込んでいる「東電福島第一原発核爆発説」を証明する藤原節男さん(元原子力安全基盤機構)のDVD(なんと100円!)も同様。

 東京新聞は、藤原さんと同じく「核爆発説」を採る槌田敦さん(元理研)を長時間インタビューしながら、記事をボツにしているのだ。

 東京新聞記者に出会うと私は逆取材をしてきた。

「なぜ、槌田さんのインタビューをボツにしたのか?」

 今回の事件でもうひとつの質問が加わることになった。

「なぜ、テント強制撤去を亀屋幸子さんに伝えなかったのか?」

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2016年8月22日 (月)

「脱原発テント」強制撤去 東京新聞本社はテントから徒歩2分 なぜ、東京新聞の記者は2分歩いて伝えなかったのか?新聞は市民のために権力を監視するものではないのか? 

 経産省前「脱原発テントひろば」が撤去され、「マスコミの正体」が白日の下に晒された。

 2016年3月21日午前3時半過ぎ。東京地裁の執行官がテントを予告なしに訪れ、一枚の紙を突き出した。

 予告なし?

 執行官がテントに立ち入る写真を読売新聞のカメラマンが撮影し報道している。

 執行官、警察はマスコミ同伴で暴挙に出たのだ。

 テントが撤去される映像は、TBSをのぞく(なぜなのか、は取材中)、NHK、民法キー局のテレビカメラに収められ、報道された。

 3大新聞と産経新聞の記者、カメラマンがそこにいた。

 時事通信、共同通信の記者、カメラマンもそこにいた。

 警察は、事前(マスコミの取材体勢が整うまでの時間)にマスコミにテント強制撤去を伝えた。

 警察の「予告」を受けたジャーナリストのうち、ただのひとりもテント側に伝えなかった。

 マスコミが「市民のために権力を監視する」ものなのだとしたら……。

 なぜ、テント側に強制撤去の情報を知らせなかったのか!?

 表向き「脱原発」の東京新聞の記事は犯罪的だ。

<脱原発テントは消えても 避難者を優しく支えた場「またみんな集まってくる」>(8月22日朝刊のタイトル)

 もし、東京新聞の記者に良心があり、強制撤去を「今まで取材でお世話になった」テント側の人間に伝えていたら、少なくとも100人を超える人々が集まり、テントを守っていた。

 2012年1月27日。当時の民主党政権がテントを撤去しようとしたときには、500人を超える人々が集まり、警察は尻尾を巻いて逃げた。

 警察から教えられ、警察といっしょに、何も知らされない宿泊者、たった5名の前にのこのこやってきた東京新聞記者がなぜ、こんなことが書けるのか?

<またみんな集まってくる>

 優しい、という言葉の意味がわかっているのか?

「タフじゃなくては生きていけない。優しくなくては、生きている資格がない」(レイモンド・チャンドラー)

 東京新聞社は、「脱原発テント広場」からワンブロックしか離れていない。最も近くに自社ビルを構える新聞社だ。

 徒歩2分!!

<避難者を優しく支えた場>?????

 なぜ、たった百メートルを歩かないのか!?

 辺野古新基地工事開始のとき、沖縄の地方紙記者は反対派とともに車の上で最後まで抵抗した。

 東京新聞の記者は、同じ新聞人として恥ずかしくないか?

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東京新聞が掲載した写真

 なぜ、この写真が撮れたのか!?

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経産省前「脱原発テントひろば」は永久に不滅です! 動画 新宿西口ダンボール村、竪川、辺野古、高江……繰り返される「非民主」政権の暴挙

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2016年8月21日 (日)

凍土壁が凍らない!! 原子力規制委員会・更田委員、ついに「タンク200基増設命令」発動か!?

 
 
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2016年8月16日 (火)

ニューヨーク州原発に新たな補助金 フィッツパトリック原発は転売され運転継続

 2015年7月。エンタジー社はニューヨーク州北部のフィッツパトリック原発の運転停止を発表した。

 
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 エンタジー社の声明。
 
 (1)発電所の近隣に存在するシェールガス田「マーセラス」により、天然ガスは記録的な低価格となり、電力卸売価格は長期にわたって低迷。下げ幅は1MWhあたり約10ドルに達しており、フィッツパトリック発電所の収益である6,000万ドルを上回る年間損失の計上が予想される
 
 (2)電力市場の構造的な欠陥により原子力発電所の利点が正しく認識されず、それに見合った適切な補償が行われていない。原子力発電所は電源多様化や温暖化防止に貢献するほか、年中無休で発電可能な大型電源である
 
 (3)これまで同発電所の安全性と信頼性の改善で多額の投資を行ってきたが、単機発電所であるが故の高コスト構造が災いし、原子力の利点が無視される市場においては長期的な採算性が望めなくなった
 
 (4)電力供給量が過剰で需要量も少ないという地域的な制約が、同発電所の収益を悪化させた
 
 2016年8月2日。ニューヨーク州が「クリーン・エネルギー」法案を可決。
 
 原発へ新たな補助金拠出が決定。
 
 8月9日。エクセロン社がフィッツパトリック原発をエンタジー社から買収。
 
 買収金額1億1000万ドル。
 
 運転継続を決定した。
 
 フィッツパトリック原発はGE製BWR。

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「すだれ」と化した福島原発「凍土壁」の闇 武藤栄・東電副社長と海江田万里が消した「粘土式遮水壁」

 なぜ、「粘土式遮水壁」は消えたのか?

 2013年9月4日。福島原発告訴団が東電の内部文書を入手した。

<仮に一千億円レベルの更なる債務計上を余儀なくされることになれば、市場から債務超過に一歩近づいたとの厳しい評価を受ける可能性が大きい。是非回避したい。>

「粘土式遮水壁」の大成建設の見積もりは約1000億円。

 2011年6月。東電はこの文書を政府側に出していた。

<「武藤栄副社長(当時)が海江田万里・経済産業大臣(同)に記者発表を控えてほしいと言いに行った」(馬淵氏)という。>(ロイター 2013年9月19日)

 そんな「どんでん返し」が許されるわけがない。

<馬淵氏はロイターの取材で、「(建屋の)四方を囲む遮水壁を作ることで材料も決定した。6月11日には私が現地に入って、(福島第1原発の)吉田昌郎所長(当時、今年7月死去)とともに境界画定までしてきた」と話した。>

<東電は同文書を作成したことを認めている。武藤氏の動きを聞きつけた馬淵氏は、海江田氏と面談。当時のやり取りについて馬淵氏は次のように証言した。

「海江田大臣に『遮水壁を作るということでいいか』と聞いたら、『遮水壁は遅滞なく進めないとだめだ』と言うので、大臣の言をそのまま武藤さんの所に行って伝えた。武藤さんは、その場で『(遮水壁について)遅滞なく進めます』と言った」と述べた。>

 ところが……。

馬渕「記者発表を行います」

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海江田「記者会見は延期する」

馬渕「なぜですか?」

海江田「資本市場の混乱を看過できない、という経産大臣としてのひとつの判断だ」

 この地上は「法人」という名のエイリアンに占領されている。

「市場が混乱する」

 この一言で極悪企業の思いのままになる。民主的に選ばれた国会議員の仕事など簡単に止められる。

「粘土式遮水壁」は消えた。

 

 以後、東電は「遮水壁は作らない」と主張し続けた。

<陸側遮水壁では、建屋周辺の地下水位低下量のコントロールができないため、建屋内滞留水位よりも建屋周りの水位が低くなる恐れがあり、対流水が流出するリスクがある>(「地下水流入に対する止水対策について」東京電力 2013年3月29日)

 2013年4月。地下貯水槽から汚染水が漏れていることが発覚。東電が触れてほしくない「地下水」の問題が再びクローズアップされた。

 このとき、東電がついたウソは記憶されていい。

「ストロンチウム90が海に到達するまで、最短でも10年かかるから大丈夫」

 これには原子力規制委員、政府の役人も「そんわけねえ」と噛みついた。

「抜本的な対策というのは、たとえば、水を透さない層に至るまで遮水壁で囲んでしまう、というような方策」

「それが実現可能かどうか、というような議論を始めないことには先へ進まない」(更田豊志委員 原子力規制委員会 特定原子力施設監視・評価検討会 2013年4月19日)

 しかし、本格的な議論が始まるはずの次の会合では……。

「汚染水処理対策委員会での方向性を踏まえつつと、そういう文言があるんですけど、我々のこの特定原子力施設監視・評価検討会との関係をもう一度ちょっと整理してご説明いただけませんか」(山本章夫・名古屋大学教授)

 遮水壁の問題は別の会議で話し合うことになった?

 違う。地下貯水槽から汚染水が漏れるまで、そんな委員会はなかった。

 これが「安倍独裁」のやり方だ。

 4月19日。経産省が仕切る廃炉対策推進会議。茂木敏充経産相が突如、こんなことを言い出した。

「福島第一原発において、東京電力の汚染水の問題は廃炉をこれから進めていく上でも最も深刻な問題の一つ。今般の汚染水の漏洩事故に対する当面の対策と同時に、汚染水問題全体を根本的に解決する中長期的な対応を検討するために、廃炉対策推進会議の下に汚染水処理対策委員会を設置して、政府、そして原子力規制委員会、さらには東京電力、産業界が一体で早急に検討を開始し、方向性を打ち出していくことが重要であると考えている」

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2016年8月14日 (日)

「すだれ」と化した福島原発「凍土壁」の闇 消えた大成建設「粘土式遮水壁」と東電株主総会前日の馬淵澄夫(元三井建設)首相補佐官解任

 原子力災害を起こした国は独裁国家になる。

 それを示した典型的なケースが、東電福島第一原発の「凍土壁」だ。

 2011年3月26日。三井建設で設計にたずさわってきた馬淵澄夫が「原発事故担当」首相補佐官に任命された。

 馬淵は、原発事故直後に以下の認識を持っていた。

「東電福島第一原発は、原発立地条件を満たしていない場所に建設された」

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 地下水の問題だ。

 原発は崖を25~30メートルも切り崩して建設された。

「原発建屋の下には強固な岩盤があり、地下水はその下を流れている」

 東電福島第一原発はその条件を満たしていない。崖を崩した建設現場は、地下水が「上から降ってくる」状態であり、原発建設は「地下水との闘い」だったのだ。

 結果、「融け落ちた核燃料のすぐ下に地下水の流れがある」という信じがたい状況が生まれた。

<福島第一原発では、現在も建屋内に滞留した汚染水が地下水位とほぼ同じ水位となっており、事実上建屋が地下水に水没した状態にある。このため、地下水位の増減あるいは拡散効果によって、建屋内滞留水(汚染水)は地下水へ継続的に流出している。>(馬淵澄夫ブログ 2011年10月31日)

 馬淵はすぐさま、「放射線遮へいチーム」を結成。建屋を包囲する「遮水壁」建設に着手する。

 それは今ある凍土壁とはまったく違う「粘土系遮水壁」と呼ばれるものだ。

 馬淵は大成建設に計画と見積もりを出させ、東京電力の武藤栄副社長を説得した。総工費は約1000億円だった。

 6月10日。馬淵は東電福島第一原発に入った。自らの「設計」に誤りはないか確認した。

 東電の武藤副社長、菅直人首相の了承を取り付けた馬淵は、記者会見をセッティングする。

 2011年6月14日。東電の武藤栄副社長が記者会見をして「遮水壁計画」を公表する……はずだった。

 ここからはまさに「サイエンス・フィクション」だ。

 6月14日の東電記者会見は延期された。

 6月27日。馬淵澄夫は総理補佐官を解任された。

 翌28日。東電株主総会は大荒れとなったが……脱原発議案は圧倒的多数で否決された。

             (つづく)

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2016年8月13日 (土)

東電福島第一原発「凍土壁」完全崩壊!消えた345億円は私たちの血税です!!東電が安倍政権を崩壊させる!!

 
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2016年8月11日 (木)

「組合員だけ」監視「東電第三者委員会報告書」の闇 消えた「米軍のパレード」「320キロ圏内から米国人全員退避」の衝撃

 7人を死に追いやった空母「ロナルド・レーガン」大量被ばく事件。

 東電の米兵への犯罪はそれで終わりではなかった。

「すみません、技術班ですけども。ええっとお、ちょっと、これまでの2号機の状況ですけど、18時22分ぐらいに燃料がむき出しになってるんじゃないかと、想定をしてます。そうすると、約2時間で完全に燃料が溶融すると。で、さらに2時間でRPVを損傷と、いうことで。まあ、22時過ぎにはRPVが抜ける可能性もあるというような非常に危機的な状況であると思います」(東電テレビ会議 2011年3月14日 19時21分)

 2号機の原子炉に水が入らない。圧力容器内の水位は水位計で計れないところまで低下。

 20時過ぎには、メルトダウン。

 22時過ぎには、メルトスルー。

 このときすでに、吉田所長は細野豪志首相補佐官に電話で危機を伝えていた。

<炉心が溶けてチャイナシンドロームになる>

<水が入るか入らないか賭けるしかないですけども、やります。ただ、関係ない人は退避させる必要があると私は考えています>

<すさまじい惨事ですよ>(朝日新聞 2014年5月20日)

 21時になると、最初の大規模放射能放出が起きた。

「なんかオフサイトセンターでかなり線量が上がってきたんですけど、そちら大丈夫ですか?」(東電テレビ会議 オフサイトセンター 22時19分)

「オフサイトセンターいくらあんの?」(武藤副社長)

「今、500」

「おお、そりゃ高いな」

 オフサイトセンターは福島第一原発から南西に5キロ離れている。

「21時37分に正門で測定しました結果ですが、3・2mS/h……」(保安班 22時20分)

「ちょ、ちょっと待ってくれ! ちょっと待って。あの、聞こえないのと、2テン、ミリシーベルトなの!?」(吉田所長)

「それ、大変だよ」(本店の武藤栄副社長)

 強烈な放射能雲が東京方面に向かっていた。

「……消防車が何か横田基地をもう、今日出るでしょ、あと1、2時間で出てきて、こっちに来て……」(吉田所長 23時8分)

 遅くとも3月15日未明。米軍の消防車が横田基地から出動していた。

 3号機が爆発した日の深夜。吉田昌郎所長が吐いた言葉は記憶されていい。

「とりあえず、明日の米軍は、各県を県の県警が先導してくれるという、パレードも兼ねてるようなことをやるんで、よろしくお願いします」(23時10分)

 パレード!?

 東電から情報を得られぬまま、強烈な放射能雲を突っ切って北上する米軍の車列を「パレード」と表現しているのだ。

 自分たちは逃げなきゃならないけど、「米軍はウェルカム」ってこと?

 

 その直後、東電テレビ会議は終わる。「ハードディスクの容量切れ」(東電の説明)で記録されていない。

 誰だってこう思うよね。

「ここから東電の“最大の犯罪”が起きた」

 なぜ、第三者委員会のヒアリングで「組合員のみ」上司が同席し監視したのか?

「ここから“しゃべってもらっちゃ困る”事態となった」

 米軍の動きにフォーカスを当てたいのだが、「米軍のパレード」もまた、ここで闇の中に消えてしまう。報道も錯綜している。

 時系列で追ってみよう。

 15日5時35分。菅直人首相、東電本店に到着。「東電は逃げるな!」という怒鳴り声とともに謎の一言を残している。

「このままだと外国が乗り込んでくるぞ」

 外国?

 米国以外、考えられない。

 6時10分。衝撃音があり、2号機圧力抑制室の圧力がゼロになったとの報告。

 6時42分。吉田所長が第一原発近場での待機を指示。9割の所員、作業員は福島第二原発へ避難した。

 9時00分。第一原発正門付近の放射線量が最高値を記録。1万1930マイクロシーベルト。

 9時38分。4号機で火災発生。

 問題はここからの報道だ。

 11時33分。日本テレビ。

「4号機の4階で火が出ているのが確認されました。このため、自衛隊とアメリカ軍が共同で消火活動をどのように行うか検討しています」

 自衛隊と米軍の混成部隊が敷地内で消火活動!?

 放射線量が最高値を記録した直後、吉田所長が兵士を4号機周辺に招き入れたとしたら、完全な犯罪だ。

「軍人は火を消して死ね」

 そう言っているに等しい。

 読売新聞夕刊一面。

<米軍が消火活動 4号機>

<東京電力は15日、火災が起きた福島第一原子力発電所の4号機の消火活動に、米軍があたっていると発表した。火災はその後、鎮火したとみられている。>

 自衛隊は消え、米軍だけになっている。

 ところが、読売系メディア以外は「原発敷地内の米兵」にまったく触れていない。

 日本経済新聞電子版。12:38分。

<東京電力は15日、福島第1原子力発電所4号機の火災で米軍に消火を要請したことを明らかにした。ただ、火災は米軍が到着する前に自然鎮火したとしている。>

 米軍到着前に火は消えた?

 吉田所長の発言が正しければ、4号機から火が出る8時間以上前に米軍車両は横田基地を出発していた。

 のろすぎる!

「到着前に鎮火」などありえない。

 米国のメディアはどうか?

<米軍は2台の消防車を原発に派遣。日本政府は追加のポンプやホースの提供を求めている。これらの消火設備は日本人が操作している。>(WSJ.com 3月17日 8:07)

「米軍のパレード」はたった2台!?

 しかも、米軍は消火設備を操作しなかった?

 米空母被爆から始まる一連の状況証拠から考えれば、つじつまが合うのはウォールストリート・ジャーナルの報道だけだ。

 原発に到着した米軍は、消防車を残し、「タッチ・アンド・ゴー」で逃げた。

 なぜ? 意気地なしだから?

 違う。情報をまったく出さない東電が、米海軍に続き、横田基地の米空軍も被爆させたからだ。

 実際、東電テレビ会議の「記録の空白」をさかいに米国政府の態度は豹変した。

 3月15日まで、米政府も米軍も自国民に対し「日本政府の指示に従え」と指示していた。

 20キロ圏内からは避難。20~30キロ圏内は屋内退避。

 しかし、その裏で恐るべき計画が持ち上がっていた。

<「半径200マイル(約320キロ)を退避勧告の対象範囲とすべきである。東京在住の米国民9万人全員を退避させる必要がある」>(船橋洋一『カウントダウン・メルトダウン』文藝春秋社)

 発言の主は、米国「太平洋戦略の要」である空母「ロナルド・レーガン」を失い、激怒したカークランド・ドナルド海軍大将。時間は15日午後。

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「このままだと外国が乗り込んでくるぞ」という菅直人の懸念……実はまったく逆だった。

 菅直人に問いたい。

 汚染され、すでに失われた外国の国土に乗り込み占領したとしても、米国のメリットが何かあるか?

「日米同盟は終わった。米軍は日本から撤退する。米軍に大損害を与えた日本は滅びるにまかせろ」

 それが米海軍大将の主張だったのだ。

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2016年8月10日 (水)

「組合員だけ」監視「東電第三者委員会報告書」の闇 死者7名 「3・14」米兵・自衛官同時大量被ばく事件

<第三者委員会よりヒアリングという特殊事情もございましたので。一般職の、あの、ま、いわゆる組合員の社員ですけれども。ええ「質問に答える際に、落ち着いて答えられるように」ということで。こちらから、当社側から、現在の当時の上司ではなくて、今いる所属の上司に「同席してもよろしいでしょうか。」ということで第三者にお願いをした>(東電広報)

 なぜ、労働組合員だけを監視?

 なぜ、弁護士と組合員の一対一の面談を禁止?

「しゃべってもらっちゃ困る」事柄が山ほどあるからだ。

 2016年6月16日に公表された文書。「福島第一原子力発電所事故に係る通報・報告に関する第三者検証委員会」による「検証結果報告書」なるものが出てきた経緯をおさらいしよう。

 東電福島第一原発事故直後から、東電原発がある新潟県は東電に要求していた。

「事故の状況を説明せよ」

 要するに「本当のことを言え」ということだ。

 その後、「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」(以下「技術委員会」)が以下の点についての説明を東電に求めた。

「もっと早く炉心溶融の判断ができたのではないか?」

 東電は5年近くこう言い続けた。

「炉心溶融の定義がないので判断できなかった」

 2016年2月24日になって、東電は突然、こう言い出した。

「判断基準を定めたマニュアルが出てきた」

 どこから?

「原災マニュアルを所管する部署の社員執務室のラックから発見された」

 社員名、肩書きはおろか、どの部署なのか、すら不明。東電は隠している。

 さらに謎なのは、そのとき東電で動いていた「社内探偵」の存在だ。

 報告書にはこうある。

<平成28年1月頃、東電において、福島第一原発の事故対応に関して法令に違反している事実の有無を調査することとなった。>

 事故から4年10ヶ月が過ぎ、東電が自ら「法令に違反した」犯人を探し始めた?

「法令違反」が疑われる事件とは何か?

 その質問に岡村祐一・立地本部長代理は、絶句した後、

「確認してお調べします」(東電会見 7月4日)

 社内探偵は具体的に何を調べていたのか?

<その調査を命じられた社員が、本件事故当時の本店の緊急時対策本部の職務代行者の順位について調査>

 事故当時、東電本店にいた男。そのうち、「法令違反」をした最高責任者は誰か?

 なんのための調査だったのか?

 

 2月24日。東電が「原災マニュアルを発見」と公表。

 5日後の2月29日。東電の勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長が強制起訴された。罪状は業務上過失致死。

「44人を死なせ、13人にけがを負わせた」

 起訴間近。東電社内探偵は「元幹部を救うために動いた」と考えるのが自然だが……。

 東電が抱える裁判はこれだけじゃない。

 2016年5月に米国サンディエゴを訪れた小泉純一郎元首相はこう語っている。

<(日本の災害の)救援活動に全力を尽くしてくれた米国の兵士たちが重い病に苦しんでいる。見過ごすことはできない。>(朝日新聞デジタル 2016年5月18日)

 2011年3月13日。韓国に向かっていた米空母「ドナルド・レーガン」が大きく舵を切った。「トモダチ作戦」開始。目指すは宮城県沖。15時。東電福島第一原発から約180キロ離れた場所に到着した。

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 2011年3月14日06時24分の3号機の状況。

「急激だな。これほんと、要注意なんだよ。6時からさ、6時から6時半……20分の間に50、50、50キロ(圧力が)上がってるでしょ。20分で50キロだろ? 10分で25キロだろ? こんなもんあれだよ。7時前までにさぁ、設計圧力超えちゃうよ。ほんで、あれじゃん、あれがダウンスケールしちゃったじゃん、水位が。うぇ! 小森さん!」(吉田昌郎所長 東電テレビ会議)

「ダウンスケール」=原子炉の水位が下がりすぎて測定できないこと。燃料が完全に空焚き状態に。

「この状況で、もうあのちょっと、何もできなくなっちゃうんですけど、現場の作業員、うちの社員、一回こちらに退避させてよろしいですか?」(吉田昌郎所長)

「了解しました」(武藤栄副社長)

 2011年3月14日午前6時23分頃。吉田所長が3号機ドライベントの準備に取りかかったまさにそのとき。原子力安全・保安院が突如としてこう言い出した。

「プレス発表を止めている」

 東電からの情報がまったく外に出なくなった。情報統制。

 日本のメディアが死んだだけではなかった。犯罪的なのは、東電が、自衛隊、米軍に情報をまったく渡さなかったことだ。

 作業員、東電の社員は現場から逃げた。しかし……。

<……第1原発は危機的状況に陥っていった。とにかく水を入れて冷やさなければ。白羽の矢が立ったのが、陸上自衛隊の中でも核・放射線兵器や生物・化学兵器に精通した専門家集団「中央特殊武器防護隊(中特防)」だった。現地対策本部から14日午前7時半ごろ、中特防隊長の岩熊真司1左に要請が来た。「第1原発3号機の給水ポンプに給水をしてほしい。自衛隊さんしかやってくれる機関がないので、ぜひ」>(瀧野隆浩『ドキュメント 自衛隊と東日本大震災』ポプラ社)

 自衛隊の給水車を現場に誘導した東電社員もまた、逃げた。

<ホースを給水ポンプにきちんとつないでしまえば、作業はわずか5分で済む予定だった。

 東電の担当者に案内してもらい、2号機と3号機の間を抜けて海岸線へ。>

<携行している放射線量計の数値がどんどん上昇する。ああ、これが放射線漏えい下での作業なのか。給水ポンプの位置はすぐに分かった。担当者はそのままどこかへいなくなった。あまり長居をするところではないことは誰にでも分かっていた。>

<「作業始めるぞ」と言うために車を降りようとした瞬間だった。

 ぼ――ん。耳を劈く大きな爆発音がした。>

 午前11時1分。3号機爆発。

<水素爆発だ。自分たちがいるわずか20メートル先で起きた。瓦礫の落下が収まったと判断するとすぐ、岩熊はドアを蹴って、蹴破って、ようやく指揮車から抜け出る。運転席の隊員は首にけがをしている。後続は、水タンク車は?――横倒しになっている。鉄製のタンクがぼこぼこだ。部下は、あと4人は――いた! 着ていたタイベックスがぼろぼろに裂けている。足や肩を押さえているのは、落下物による負傷なのだろう。が、全員、よろよろと自分の足で歩けている。致命傷ではない。>

 自衛隊員6名が被爆した。

「今、風はですね、南西方向です」「西南西7m」>(東電テレビ会議 11時10分)

 風は海に向かって吹いていた。

<その日、甲板乗務員らの上に、突然、雪が降りしきった。「金属の味がする雪」だった。雪は、生暖かい風が来てから降り出した。>

<そのとき、乗員たちは、汚染された雪とも知らず、「放射能の雪、だったりして」とジョークを言い、ビデオに撮った。>(ニューヨーク・ポスト 2013年12月22日)

 空母「ロナルド・レーガン」は、その日のうちに「一時退避」した。

<当初8人だった原告は今では400人を超えるという。その一方ですでに7人が亡くなっている。7人目は私が会見をしている場に訃報として飛び込んできた。>(小泉純一郎『東洋経済オンライン』2016年8月3日)

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2016年8月 9日 (火)

東電第三者委員会ヒアリング「労働組合員のみ」上司が同席し監視した! 会見場にいたマスコミ記者はなぜ、この事実を報道しなかったのか!?

 大拡散希望! ジャーナリストではない「芸人」おしどりマコさんの取材と追及で東京電力の腐り切った体質が暴露されています。

http://oshidori-makoken.com/?p=2466

 

第三者委員会が行った東京電力社員への聞き取りは上司の立ち合い

201674日 東京電力定例会見

 

おしどりマコ

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<先月末に新潟県の技術委員会に、御社の第三者委員会が報告された際の取材をしましたが。その中で出てきた事で。第三者委員会の方のご説明で。「取締役は幹部級ではなく、一般社員の方を第三者委員会がヒアリングする際は上司が立ち会った」と。で、「ヒアリング対象者を一般社員を単独でのヒアリングは、東京電力から問題。ということで、上司が同席。」ということがあったのですが。これは、東京電力の意向でそういう上司が同席してヒアリングという形にしたのでしょうかか?第三者委員会の説明ではそうでしたので。>

東京電力広報

<ええ、あの、広報からご説明させていただきます。えっとですね、第三者委員会よりヒアリングという特殊事情もございましたので。一般職の、あの、ま、いわゆる組合員の社員ですけれども。ええ「質問に答える際に、落ち着いて答えられるように」ということで。こちらから、当社側から、現在の当時の上司ではなくて、今いる所属の上司に「同席しても宜しいでしょうか。」ということで第三者にお願いをしたという経緯がございます。で、それに対して非常にまあの、差し出がましい言い方ですが。第三者委員会様の方からもええ、まあ客観性について影響は無いだろう。という、多分ご 判断のもとで許可を頂いたというのが事実でございます。>

おしどりマコ

<上司の同席でのヒアリングは、東京電力から依頼したという事ですね。確認ですが。>

東京電力広報

<そうです。はい、そうです。>

おしどりマコ

<わかりました。それは大体、何名ぐらいですか?>

東京電力広報

<具体的な数は手元にございません。確認させてください。>

おしどりマコ

<はい、教えて下さい。で、当所第三者委員会の調査には、東京電力は「ノータッチだ」ということを何度も何度もご説明されておられましたが。これは東京電力が依頼したと。上司のヒアリングの立ち合いは依頼した。ということですね?>

東京電力広報

<そうですね、ま、今依頼という言葉だともしかしたら強いかもしれません。「ご相談させて頂いた」と訂正させて下さい。相談させてもらった結果、第三者委員会の先生方から許可を頂いたという状況でございます。>

おしどりマコ

<わかりました。佐々木弁護士は「一般社員を単独でヒアリングするのは、東電内で問題」ということを言われたという風に、そういう言葉でご説明されたのですが。>

東京電力広報

<はい、あの、先程もちょっと申し上げましたが。一般職のまぁ、社員という事で。今回、ヒアリングを受けたのは一般職の社員ですので、先程も申し上げましたが。まあ組合員の方でございます。そういった意味での配慮といいますか。会社としてのお願いという事でございます。>

おしどりマコ

<すいません。その配慮が少しわからなかったんですが。>

東京電力広報

<配慮といいますか落ち着いて、弁護士の先生方に対して落ち着いて答えられるようにという、そういった考えだったと聞いております。>

おしどりマコ

<それはヒアリングを受ける代表の一般社員の方からの要望だったのですか? 東京電力からのアドバイスだったのですか?「 落ち着いて答えられないから、上司が同席して欲しい」という要望があったのでしょうか?>

東京電力広報

<おそらく、色んな人間が受けておりますので、そういった要望を持っている人間もいたと思います。>

おしどりマコ

<すいません。推定ではなく、具体例で。あったのか、なかったのか。>

東京電力広報

<……(無言)。>

おしどりマコ

<実際にヒアリング対象者からの要望で東京電力御社が相談したのか。推定で動いたのか、どちらですか?>

東京電力広報

<推定で動いたとか、依頼があったとか。あの一般的に、そういう弁護士の先生にやっぱり会うというのは、非常にあの特殊な事情だということはご理解いただけると思うのですが。そういった中であの、おそらく受ける方の心配もあったと思います。>

おしどりマコ

<あの、背景ではなく質問の趣旨は。具体的にヒアリング対象者からの要望があったのか、なかったのか。という事です、推定ではなく。>

東京電力広報

<そう云う意味では具体的にですね。今、何人から会ったとかいう事は申し上げる事は出来ませんけれども。一般的に、あのー。>

おしどりマコ

<あ、一般的だったらいいです。>

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2016年8月 6日 (土)

原爆と原発メーカー 広島の人ひとりを「2600万円の札束にかえた」東芝子会社ストーン&ウェブスター

 広島への原爆投下で「最も儲かった企業」は今、東芝の子会社になっている。

 メルマガのバックナンバーを採録します。

 身の毛がよだつような相手でも、ヨーロッパでは敵は人間だった。しかし、太平洋戦線では、日本人がまるでゴキブリかネズミのように見られていることがわかった。

 従軍記者 アーニー・パイル 1945年2月

 

 思慮分別のないジャップは、人間らしさを示すものが何ひとつない。

 米国の雑誌『タイム』

 

 2016年1月5日。東芝は「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター社の買収が完了した」と発表した。

 東芝は、子会社ウェスチングハウス(WEC)の新型原発「AP1000」を建設する会社を買った。株式100%取得。買収金額は非公開だが、ブルームバーグの報道によれば、2億2900万ドル。約270億円。

 ストーン・アンド・ウェブスターには、日本人が絶対に忘れてはならない過去がある。

「マンハッタン計画」の最高責任者、レスリー・R・グローブスが書いた『私が原爆計画を指揮した』(恒文社)という本を読んでみてほしい。

<こうした条件からみて、私は最適の候補地はテネシー州のノックスビルに近いところであるという結論に達した。マーシャル大佐が私の見解に同意したので、彼とニコルズ中佐は部下やストーン・アンド・ウェブスター社およびテネシー川流域開発工事管理局の代表者とともにノックスビル一帯の現地調査をはじめた。>(14ページ)

 最初に登場する企業名がストーン・アンド・ウェブスターなのだ。

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<それから数日後、シカゴ治金研究所で会議が開かれた。コンプトン博士はウラン酸化物の不足を心配していたので、ストーン・アンド・ウェブスター社はこれを早急に購入するよう手配した。>

 実際にウランを運んできた会社はどこだったのか?

<……ウェスチングハウスが、マンハッタン計画の正式スタートから三ヶ月後、早くも三トンという大量の純粋ウランを本部に届けた。>(広瀬隆『東京が壊滅する日』ダイヤモンド社)

 ストーン・アンド・ウェブスターとWECが調達したウランが、ノックスビルから広島に運ばれ爆発した。

 1945年。原爆投下により広島では「この年だけで」14万人が死亡した。

 WECとストーン・アンド・ウェブスター。70年前の悪魔の同盟が、2016年1月に東京芝浦で再び合体したのである。

 ストーン・アンド・ウェブスターは「マンハッタン計画」のほぼすべての施設を建設した。

 以下、この会社が「殺人を札束に変える」ビジネスモデルを解説しよう。

「マンハッタン計画」最高責任者、グローブスによれば、オークリッジ「Y―11」ウラン分離・濃縮工場の建設費は1200万~1700万ドルと見積もられていたが、すぐに3500万ドルに増やされ、最終的には3億400万ドルに膨れ上がった。米国国家予算比較で現在の価値に換算すると約1兆2240億円!

 予算総額は5億4400万ドルで(運転費2億400万ドルなど)、建設費は予算総額の55・89%を占めている。

「マンハッタン計画」全体の予算は22億ドルで、現在の価値に換算すると約10兆円!!

 グローブスの著書が正確なら、原爆工場を建設したストーン・アンド・ウェブスターは、約5兆5890億円を得た計算になるのだ。

 賢明な読者なら、次の事実を承認してくれるはず。

「日本は原爆投下の数ヶ月前から戦争終結を模索していた」

「原爆を投下されなくても日本は降伏していた」

 原爆投下による死者は、「その年だけで」広島14万人、長崎7万4000人。計21万4000人。

 ストーン・アンド・ウェブスターが得た金を21万4000で割ると……。

 この会社は、日本人ひとりの命を2611万6822円の札束と小銭に変えた計算になるのである。

 1千万円の札束は「レンガ」と呼ばれるが、煉瓦2つ半。

 広島・長崎で死んでいった人たちは「炎を上げる炭」と表現された。銀行の前で「単なる影」となり消滅した人もいた。

 

<ウェスチングハウスの研究所に帰る決心をしました。>

<ここ(「マンハッタン計画」ロスアラモス研究所)にいれば、ウェスチングハウスにいるよりも、より戦争に役立っている、という強い確信を持つことはできませんでした。>

 コンドン博士のオッペンハイマーへの手紙。

 

「私はあなたたち日本人を傷つけてしまった」

 アルバート・アインシュタインが湯川秀樹に初めてかけた言葉。

 

<「米国による原子爆弾の開発は必要であったのか?」という質問に対する答えとして、私は率直に「必要であった」と答える。「原子力というものは善の力か悪の力か?」との質問に対しては、私はただ「人類が欲するとおり」と答えることができるだけである。>

レスリー・R・グローブス『私が原爆計画を指揮した』

 

「私の名は死」

“原爆の父”ロバート・オッペンハイマー

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2016年8月 3日 (水)

「脱原発テント」不当判決 そこはマスコミをぶっ飛ばす言論の場「パブリック・フォーラム」これからも経産省前に集まろう!

 経産省前「テントひろば」の撤去をめぐる裁判で最高裁が上告を退けた。

<国から訴えられていた渕上太郎さんは「いささかもたじろがず粛々とテントを守り、脱原発の旗を高く掲げて闘い続ける」>

<「私たちは幸か不幸か土地も家もない。お金がないので払えない。国が私を捕まえて強制労働させるなら大歓迎だ」>(レイバーネット 8月3日)

<福島第一原発からわずか1.2キロの地点に住んでいた亀屋幸子さんは「第一の故郷の双葉町は東電に奪われた。第2の故郷であるこのテントを奪われたら、私はどこに帰ればいいのか」と涙ながらに訴えた。>(田中龍作ジャーナル 8月3日)

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 2015年2月のメルマガを採録します。

 

「集会の自由」について、専修大学教授、憲法学者の内藤光博さんはこう書いている。

「集会の自由」の意義としては、以下の点が重要であることが指摘されている 。

 まず挙げられるのは、巨大な資金力を持つマス・メディアによる言論市場の支配的独占状態により阻害されている「一般市民」の意見表明権の保障という点ある。>(東京地裁への意見書)

「言論市場の支配的独占状態」を作ったのは誰か?

 マスコミ対策に年間2000億円をつかっていた電力会社である。

<事故前の2009年度、東電の広告宣伝費は約245億円、販売促進費約240億円。さらに中部電力などの各電力会社、その連合体である電気事業連合会などを含めると年間2000億円にものぼる巨大な電力マネーがメディアに流れているのだ。>(神林広恵「東電広告&接待に買収されたマスコミ原発報道の舞台裏!」『原発の深い闇』別冊宝島)

「阻害」は私も何度も体験してきた。

 原発について私は何度も企画書を書いてきたが、すべて出版社によってボツにされた。

 ボツにされて怒った?

 いや、私は妙に納得していた。

 企画を持ち込んだ出版社の雑誌を開く。雑誌のど真ん中にあるカラーページ……出版社が最も多くのカネを稼げる広告スペースには、決まって電力会社とその連合体である電気事業連合会などが出稿している。

 それを見て「しょうがねえなあ」と思っていた。今となっては「犯罪的態度」である。

こうしたもっぱら情報の「送り手」であるマス・メディアの言論市場の支配状況もとで、もっぱら情報の「受け手」に置かれ、資金力をもたず有効な意見表明手段を持たない一般市民が、とりわけ政治・経済・社会問題について、自らの意見を国家や市民社会に向けて表明し、異議申立てを行う方法として、「集会の自由」や「集団行動(デモ行進など集団示威運動)の自由」の保障が位置づけられる。>(内藤博光)

表現活動やその一類型である集会には、それを行うための手段(言論・出版・多種多様な表現手段、また集会や集団示威運動なども手段ではあるが)や物理的空間(場所)が必要となる。表現の自由が保障されるためには、それを行うための空間、すなわち誰もがアクセスすることのできる「公共空間」の利用が保障されなければならない。こうした言論のための「公共空間」を「パブリック・フォーラム(公共の言論広場)」とよぶ。>

 パブリック・フォーラム……これこそが我が国に最も欠如していたものである。

 私は職業訓練によって言論空間に「侵攻」し、領土の拡大とともにより多くの活字とお金(原稿料)を得てきたが、その行為によって阻害され殺された言葉はいったいどのくらいの量になるだろうか?

 そのことを私はメディア空間から阻害されることで初めて思い知らされた。

<これまでのアメリカの判例論の「パブリック・フォーラム」法理の展開の中で、ある空間(場所)が「パブリック・フォーラム」と判断されると、その場所での表現活動は全面的に禁止することはできず、そこでの時・方法などの規制は合理的なものでなければならず、すべての表現者に平等にアクセスが保障されなければならないとされ、その場所における所有権や管理権よりも、その場所の本来の利用目的と両立されるべきか否かが問題とされるに至った 。>

<本件におけるテント設営および居住の場所土地(明渡しの対象となっている経産省前の土地)は、経産省の北側の交差点角に位置し、経産省の敷地(すなわち、国有財産)ではあるが、敷地を区切る柵外にある半円形をした形状の空間である。面積は8963平方メートルあり、霞ヶ関付近の建物の案内板が設置されている。経産省ビル前庭との間には柵を挟んでベンチ本石が置かれており、その目的は特定されていない。筆者の見る限り、一般市民の交通などの利便に供せられるべく提供された「公開空地」と評価される。>

 それは本当に狭い一角にすぎない。

<経産省はこの空地を何らかの公共目的をもって利用しているわけでもなく、市民団体側は平和のうちに表現活動を行っており、言論活動を行おうとする他者との競合もない。>

<経産省前「テントひろば」はいわゆる「パブリック・フォーラム」にあたり、経産省の管理権よりも市民団体側の「集会の自由」の保障が優位されるべきことである。>

 そこは言葉を殺し続けてきた私の弔いの場でもある。

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2016年8月 2日 (火)

「テレビ局の出演依頼に勝手に応じるな」(世耕弘成)テリー伊藤起用「郵政民営化ってそうだったんだ通信」新経産相は何者なのか?

 世耕弘成新通産相とは何者なのか?

 2013年11月のメルマガを採録します。

「私は問いたい、郵政民営化、賛成か反対か」(2005年9月11日。衆院選投票日の新聞広告)

 なぜ、こんな乱暴な問いかけで小泉純一郎と自民党は勝利したのか?

 大企業の中の大企業、NTTの広報マンだった世耕弘成は、選挙の前年に自民党改革実行本部の事務局次長に就任。「改革メニュー」のなかに「広報改革」をねじ込んだ。選挙の直前には自民党内に「コミュニケーション戦略チーム」(コミュ戦。またの名を「チーム世耕」)を立ち上げた。

「改革」の正体とはいったい何で、自民党の何が変わったのか?

 情報戦は秘密裏に行われなくてはならないが、「チーム世耕」も失敗を犯している。

「B層」プロパガンダが表に出てしまったのだ。

<具体的なことはわからないが小泉総理のキャラクターを指示する層>

 内閣府から宣伝企画を受注した、広告会社「スリード」は「B層」をそう定義している。

<マスコミ報道に流されやすく「IQ」が比較的低い>

<B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要と考える。>

 簡単に言えば「バカを狙え!」ってことである。

 裏を返せば「小泉内閣はバカが支えている」ってことでもある。

 

「スリード」が内閣府に提出した「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」には、「IQ」を縦軸に、「構造改革にネガティブかポジティブか?」を横軸にしたグラフが登場する。

 IQが高く構造改革に賛成する人は「A層」。

<財界勝ち組企業><大学教授><マスメディア(TV)><都市部ホワイトカラー>

 これらの人たちは、

<エコノミストをはじめとして、基本的に民営化の必要性は感じているが、これまで、特に道路公団民営化の結果からの類推上、結果について悲観的な観測を持っており、それが現状の批判的立場を形成している>

 IQが低く構造改革に賛成する人は「B層」。

<小泉内閣支持基盤><主婦層&子供を中心><シルバー層><具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層><内閣閣僚を支持する層>

 これらの人たちは、

<最も重要な点は、郵政の現状サービスへの満足度が極めて高いこと><民営化の大儀と構造改革上の重要性認識レベルを高めることが必要条件>

 IQが高く構造改革に反対する人は「C層」。

 これらの人たちに関する説明はただひと言。

<構造改革抵抗守旧派>

 IQが低く構造改革に反対する人には「○層」という名前すら与えられていない。

<既に(失業等の痛みにより)構造改革に恐怖を覚えている層>

 つまり、「C層」と「名前のない層」に対しては「合意形成」プロパガンダを行っても無駄、ということだ。

 ターゲットはあくまで「B層」だが、

<前述のターゲットB層とは異なるが、B層に強い影響を与える、A層に対してのラーニング手段として、Webを活用する方法を提案したい。>

「A層」に対する「教育」も必要だ、というのである。

 やつらは具体的に何をやったのか?

<竹中平蔵氏と佐藤雅彦氏による対談「経済ってそういうことだったのか会議」(日本経済新聞社)の発刊は二〇〇〇年四月。小泉構造改革内閣誕生の一年前である。いわば、この本により、旧来とかく理解しがたい経済問題が、はじめて一般生活者によって理解可能な次元を切り拓かれ、高い支持率による小泉政権発足の原動力となった、とも考えられる。>

「B層」は竹中平蔵が書いた本を読まないから、

<公人としての竹中大臣発話に対して、対話者である識者が、生活者レベルでの理解可能な直喩と暗喩を駆使して、理解&納得可能なカタチに翻訳する。>

「A層」と「B層」をつなぐ「翻訳者」がプロパガンダのキーを握っている、というのである。

 実際に選ばれたのは放送作家のテリー伊藤だった。

『郵政民営化ってそうだったんだ通信』という新聞折込チラシが全国にばら撒かれた。

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 プロパガンディスト・テリー伊藤が竹中大臣の言葉を「翻訳」「言い換え」をすることで、はじめて「B層」に届き、

<あ、わかった……なるほど、そーゆーことか>

「B層」は自民党に投票する。

<対話者は、学識経験者・識者にとらわれず、広く世の中、ターゲットから信頼を勝ち得ている著名人をセレクトしていく><彼ら自身がTV番組や連載記事などで発話空間を有していて、民営化の理解、合意が波状的に拡がるように設計する>

 めちゃくちゃになってしまった「世の中」は、プロパガンディストによって「設計」されたのだ。

 

「本日、衆議院を解散いたしました。それは、私が改革の本丸と位置づけてきました、郵政民営化法案が参議院で否決されました。いわば、国会は郵政民営化は必要ないという判断を下したわけであります」

 2005年8月8日。小泉純一郎の記者会見での言葉だが……。

 改めてびっくり!

 こんなむちゃくちゃな「リーダー」の言葉があるか!?

 参院議員は選挙で選ばれた国民の代表ではないのか!?

「私が改革の本丸と」勝手に「位置づけた」から議会制民主主義を否定してもいいのか!?

「いわば、今回の解散は郵政解散であります。郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、これをはっきりと国民の皆様に問いたいと思います」

 小泉の暴走には自民党内からも反対の声が噴出した。

 島村農水大臣は解散詔書に関する閣議決定文書にサインしなかった。小泉は閣議を中断し、天皇の承認を得て島村を罷免した。小泉自身が農水大臣を兼任することで、解散をごり押しした。

 このとき、小泉純一郎は完全な劣勢に立たされていた。

 当時、国民の一番の関心事は「食い逃げされた年金問題」であり、郵政民営化など二の次、三の次だった。

 小泉純一郎が唯一、優勢だったことは、大多数である「B層」が小泉のキャラクターに好感を持っており、

「岡田克也民主党代表は悪役」

「小泉にはリーダーシップがある」

 そんなプロレス的な闘いの構図があるのみだった。

「このまま郵政一本で選挙を闘えるのか?」

 世耕弘成にも迷いはあったようだ。

「チーム世耕」は毎朝10時に会議を開き、モニタリングを強化した。

 PR会社「プラップ」から加わったスタッフは世論の動き、揺れを細かく報告した。

「テレビでは年金の話題が圧倒的に多いですよ」

「あのコメンテーターは『郵政なんて』のひと言で切り捨てていましたよ」

 世耕はこう語っている。

<非常に悩みました。ここで自民党の年金政策はこうですよ、あるいは民主党の年金政策の問題点はこうですよ、と指摘するような広告を打った方がいいのではないかと検討しました。>(「すべてセオリー通り、です」『論座』2005年11月号)

 小泉が放った「刺客」には「落下傘候補」との批判がつきまとった。

<また、「落下傘」であることに批判を受けている人が多いので、その批判への答え方を教えた。初期のテレビ出演ではみんな、ものすごく答え方が下手でした。理屈で答えちゃうんですよ。「祖父が昔、2年くらいここで仕事をしていたことがある」とか「昔、観光でここに来て素晴らしい土地だと思っていた」とか。それだと、じゃあ何でその時に住まなかったんだとなっちゃうわけです。>

 世耕の対策は「刺客」を自動人形のようにして、同じことをしゃべらせることだった。

<私は骨を埋めるつもりで来ています。何か文句あるんですか」、それで通せと。住民票も本籍も移しました、選挙に勝とうが負けようがここに住み続けるんですよ、何か文句あるんですかと。それでも執拗に言われたら、この選挙区には大きな工場があって、東北や九州から働きに来て、この地域に根づいて頑張っている人がいますが、あなたはそういう人を否定するんですかと。>

異口同音作戦。「刺客」「小泉チルドレン」の正体は、世耕弘成の操り人形だったのである。

<プラップは日本で唯一、ちゃんとしたメディアトレーニングができる会社です。>

<候補者はやっぱりテレビで討論をする機会が多い。特に「刺客」――あまり刺客と言ってはいけないんですが――は、テレビに引っ張り出されて相手候補と討論させられるケースが多いのですが、相手は現職の政治家ですから言い負けてしまう。だから討論のテクニックや、絶対に首をかしげたらダメだとか、腕を組んだら困っているように見えるとか細かいところも教えました。>

 メディアトレーニング、モニタリング、リスクマネジメント……。

 2000年代半ば、世間は書き割りに、私たちの代表である政治家は張りぼてになってしまった。

 

<特定秘密保護法、とても危ない法律だと思うが、テレビでほとんど扱われない。なぜかと聞いた。視聴率がまるでこないからだと言う。困った事だ。>(田原総一郎のツイート)

 ……呆然である。

 田原総一郎らが開拓してきた、いわゆる「ニュージャーナリズム」の起源のひとつは、ボブ・ウッドワードらニューヨークタイムズ記者のウォーターゲート事件報道である。「ディープスロート」という言葉が流行語となった。

 記者が取材の過程で権力中枢にいる匿名の情報源「ディープスロート」をつかまえる。

 まさに特定秘密保護法が標的にする取材手法である。

 田原総一郎のノンフィクションは特定秘密保護法違反である。最高懲役10年及び罰金1000万円。10年間、監獄に閉じ込められるだけではなく、破産もさせられるのだ。

 最も大きな声で「反対!」を叫ばなければならないはずの田原総一郎が「困った事だ」ですませてしまう。しかも、

「視聴率が取れないからしょうがないじゃん」

 ここまでジャーナリズムが劣化してしまうと、戦争が起きる。私はそう思う。

『ご臨終メディア』(集英社新書)によれば、森達也さんはメディア関係者の勉強会で日本テレビの報道局記者にこう尋ねた。

「大騒ぎになっている有事法制をなぜ、日本テレビは取り上げないのですか?」

 その答えを聞いて、20人ぐらいの参加者がみんな呆然となった。

「だって数字こないんですよ」

 他の参加者が突っ込んだ。

「じゃあ日本テレビはニュース項目を数字で決めているの?」

 テレビの記者は間髪入れず、

「当たり前でしょう」

 世耕弘成ら「スピン・ドクター」が狙いを定めたのは、そんなマスコミの惨状なのだ。

 

「自民党をぶっ壊す!」

 視聴率の取れるベビーフェイス(いい役)をでっち上げる。

「田舎には1000万円の貯金をしている人はいない」

 視聴率の取れるヒール(悪役)をでっち上げる。

「郵政民営化に反対するやつはすべて抵抗勢力だ」

 テレビの時代劇のような視聴率の取れる「対立の構図」をでっち上げる。

 PR会社が参加者を演技指導し、お芝居をやらせる。

 プロパガンダの基本中の基本は「説得をしないこと」である。

「よくわからないけど、スカッとするね」

 国民の大多数を「よくわからない」ままの状態にする。

「よくわからないけど、面白い」

「B層」は「勝ち組」に加わりたい、と思う。

 選挙で自民党が圧勝する。

 狂った「メディア空間」が生まれ、それがそのまま日本の「世間」となる。

 私たちはすでに「戦前」を生きている。

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石破茂「安倍独裁に反旗」世耕弘成が経産相に 気をつけろ! 史上最悪の「原発プロパガンダ」が始まる

 石破茂が入閣を固辞!

 自民党内の「安倍独裁」が崩れた!

 反主流派の大結集に期待しよう!

 一方、「プロパガンダ専門技術者」世耕弘成が原発を管轄する経済産業相に。

 世耕弘成とは何者なのか?

 2013年7月のメルマガを採録します。

 世耕弘成は、ボストン大学コミュニケーション学部大学院で「企業広報論」修士号を取得し、「大企業の中の大企業」NTTの広報部で働いていた。そんな彼の政界での初印象は、<恐ろしいことだ>(『プロフェッショナル広報戦略』ゴマブックス)

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 総理大臣も、そのスポークスマンである官房長官も、なんの下準備もなく記者会見を行う。「ぶら下がり取材」に応じる。

<総理も人間だから、機嫌のいい日はよく話す。すると、言わなくてもいいことまで言ってしまったり、機嫌の悪い日はムスッとした映像が流されて、いかにもイライラする総理大臣という姿を、国民にまざまざと見せつけてしまう。総理や官房長官のコメントは世界に向けて発信される。私はこの現状を国益にかかわる問題だと考えている。>

 世耕によれば、大企業のトップの記者会見は一週間もかけて準備されるという。広報マンが「想定問答集」を練り上げ、言い回しまで細かく修正していく。もし、「想定」にない質問が複数出たら、広報マンは叱り飛ばされるので、

「広報は打率10割でなくてはならない」

 世耕弘成は「大企業広報」を自民党政権に持ち込んだ。

 2005年1月。自民党はPR会社「プラップジャパン」と契約した。

 世耕が目をつけたブロガーに招待メールが送られた。

 結果、この国はめちゃくちゃになってしまった。

 

 世耕の「戦略的広報」の基盤は徹底した「モニタリング」である。

 政治に関する新聞を切り抜き、テレビをすべてチェックする。

 多忙な政治家にはそんな仕事は無理なので、史上初めて政党がPR会社に「モニタリング」をアウトソーシング(外注)した。

 毎日、プラップジャパンが分厚いモニタリング資料を自民党本部に持ってくる。それを元に政治家の言動を細かく修正していく。

 世耕はそれを「PDCAサイクル」と呼んでいる。

「PDCA」とは、主に製造業の世界で使われる戦略である。計画(プラン)、実行(ドゥ)、点検(チェック)、改良(アクション)というサイクルを継続的に回転していけば、品質は向上し続け、どんどん儲かる、という魔法のお題目だ。

「自民党ではこのサイクルを一日で一回転させた」

 世耕はそう豪語する。

 たとえば、こんな具合に。

 土建業界の談合事件が大きな話題となっているときにテレビで政治討論番組があった。

「この事件をみろ! 談合は後を絶たない! 道路公団を民営化したってダメだ! 談合体質は変わらない!」

 事件発覚で勢いづいた民主党の議員が自民党の政策に噛み付いてくる。

それに対し、出演した自民党の議員はうまく言い返すことができなかった。

「これをどう切り返せばいいか?」

 自民党コミュニケーション戦略チーム。略して「コミ戦」。またの名を「チーム世耕」。政治家は世耕ひとりだけで、PR会社と自民党職員の混合部隊が知恵を出し合う。

 結果、こんなプロパガンダが誕生するのである。

「道路公団に談合という悪しき習慣があったからこそ、それを改めるために民営化して経営を透明にするわけですよ。民営化すれば、株式会社だから常に利益を上げなければなりませんよね。談合なんて自然となくなりますよ。道路公団は生まれ変わります。民営化に注目してください」

 まだ40歳過ぎだった世耕弘成が「次にテレビに出る人はこう切り返してください」と先輩政治家に命令するのだ。

 自民党議員は、プロパガンダの操り人形にすぎない。

 

 世耕弘成の正しい肩書きは、おそらく、「政治プロレス」の「マッチメーカー」である。

<相手の失言は、どんな場の発言であれ、決して見逃さなかった。>

 プロレスの基本中の基本は「悪役を作る」こと。

 日本の政治にアメリカ流のネガティブ・キャンペーンが持ち込まれた。

 郵政民営化の議論の中で民主党はこんな代案を作った。

「民営化はせず、郵便貯金の預け入れ限度額を1000万円から500万円に引き下げる」

 当時、民主党代表だった岡田克也にテレビのコメンテーターが噛み付いた。

「500万円しか預けられないの? 郵便局しかない過疎地で1000万円預けている人の残りの500万円はたんす預金にしろ、ってことですか?」

 ここで岡田代表は失敗を犯した。しくじった。

「そういう地域で1000万円持っている人がどれほどいるか、という問題は別にあります。そんな資産家であれば、民間の金融機関はいくらでも取りに行きますよ」

 世耕は一斉にFAXを流した。国会議員、地方議員、トラメガを持っているありとあらゆる自民党支持者に。

「民主党の岡田代表は、田舎には貯金が1000万円ある人はいない、って言ってますよ!」

 かくして、岡田克也のクールな風貌に悪役のマスクが被せられた。

 世耕は、先輩政治家にこんな指令も出している。

「テレビの出演依頼に勝手に応じるな!」

<我々(引用者註・チーム世耕)は出演依頼がある度、その番組の性格、バラエティー的なのか本格的な討論番組なのか、出てくる相手を過去のデータから分析して一番良いと思われる人を出演させるようにした。>

 それだけではない。ここから先が犯罪的。

<場合によっては、相手を変えてしまうように駆け引きすることもあった。「こっちが○○会長なのに野党は代理。それはおかしいんじゃないですか。だったら出ませんよ」 その交渉も我々がした。>

 ここまでくるとプロレス以下である。

 テレビ番組の出演者を選ぶ権利、テレビの「マッチメイク」権はテレビ局にある!

 しかし、テレビ局は、世耕ごときの恫喝に対し、やすやすと権利を放棄してしまうのだ。

 現在の最低最悪な「メディア空間」を作ったのは世耕弘成であり、犯罪幇助をしたテレビ局である。

 これ、そもそもなんのための「犯罪」なのか!?

<相性の良し悪し、要するに我々に有利な組み合わせというのがあったのである。>

 ……。

 八百長じゃん!!

<例えば、菅直人氏が出てくるなら絶対に竹中平蔵氏。これは相性がとても良かった。えびす顔をした竹中氏との討論になると、菅氏のほうがだんだん眉間にシワがよってきてイラついていくのがわかった。>

 自民党が必ず勝つ八百長じゃん!!

 メディア空間はスピンした。変貌した。腐り切った。メディア空間は「自民党が必ず勝つプロレス」と化した。

 冒頭に書いたように「メディア空間がプロレスになった」とは「世間がプロレスになった」ともはや同義である。

こんな「悪魔のサイクル」は回り続け、史上最低の「洗脳選挙」が行われることとなる。

 

「自民党をぶっ壊す!」

 予言どおり、小泉純一郎は突如、国会を解散し、吠えまくった。

「郵政民営化に反対する者はすべて抵抗勢力だ!」

 小泉は同志であるはずの自民党議員の選挙区に「刺客」を送り込んだ。

               (つづく)

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英ヒンクリーポイント原発計画延期 フランス電力取締役辞任 メイ首相「時間が必要」

 20年ぶりの英原発建設をめぐり、英国、フランスが大揺れだ。

 7月28日。フランス電力(EDF)が、ヒンクリーポイントC原発2基への投資を最終決定したが、取締役会で17人中7人が反対を表明。ひとりが「リスクが高すぎる」として辞任した。3月初旬にトマス・ピケマル最高財務責任者(CFO)が辞任したばかりで、ふたりの重役が辞任する異常事態だ。

 投資決定を受けて、エネルギー担当大臣、グレッグ・クラークは次のように述べた。

「計画を注意深く検討し、初秋までに決断を下す」

 新政権の「計画再検討」表明は、身内を切り捨ててまで原発建設に突き進んでいたEDFに冷や水をぶっかけた。

 7月21日。英国のテリーザ・メイ新首相はフランスのフランソワ・オランド大統領と会談。

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<ヒンクリーポイントに原子力発電所を建設する新プロジェクト(総工費180億ポンド)について決断を先送りする計画を説明した。その際、メイ氏はフランスと中国が出資するこのプロジェクトが英国の利益にかなうかどうか結論を出すまでに、時間が必要だと述べた。>(フィアンシャル・タイムズ 8月1日)

 デイビッド・キャメロン前首相とは逆方向の突然の政策変更。

<同氏はこのことを、自分の「やり方」と呼んだ。>

 EDFが投資を決定した7月28日にもメイ首相はオランド大統領と電話で会談。再度、「原発計画延期」の了解を求めたという。

 原発2基の総工費、約2兆4500億円!

「巨額すぎる」という非難の声により、計画は再三にわたり延期を余儀なくされた。

 原発建設への英政府の財政支援は「EUの国家補助規則違反」との声も上がっていた。英国のEU離脱で「外圧」がなくなったとたんに計画が延期された。

 2015年10月。習近平が英国を訪問。ヒンクリーポイント原発建設に中国が約1兆1311億3830万円を出資することが決まった。

「今回の習近平国家主席の訪英は、英中関係が最もよい時期に当たっている。私はこれを英中関係の“黄金時代”と呼んでいる」(デイビッド・キャメロン英国首相)

「今回の習主席の訪英でこれまでに400億ポンド相当の事業契約を締結した」

 日本円で約6兆2841億円!

 対中国「セールス」に奔走していたのがジョージ・オズボーン財務相だ。オズボーンはフランス製原発への出資の見返りに中国「国産」原発「華龍1号」を英国内に建設する、と約束していた。

 テリーザ・メイは首相に就任した直後、オズボーンを解任した。

 経済政策とともにメイ首相が懸念したのが「英国の安全保障」だ。

<メイ氏の政策の知恵袋であるティモシー氏は昨年、中国は英国の原発の権益を利用してエネルギーの脅迫を仕掛け、世界的な危機が生じた場合に電力を止めると脅す可能性があると書いた。>

 日立製作所、東芝も遅々として進まない英原発計画を抱えている。

 日立製作所。英国に原発を建設するためだけに設立された企業「ホライズン」買収。買収金額、約939億円!

 東芝。英国に原発を建設するためだけに設立された企業「ニュージェネレーション(ニュージェン)」買収。買収金額、176億6300万円! 2015年7月。ニュージェンは原発用地取得の契約を交わしたが、その金額を明らかにしていない。

 英国が脱原発に舵を切れば、巨額の先行投資は泡と消える。

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