東芝は米建設大手シカゴ・ブリッジ&アイアンとの裁判に負ける!「儲かる話」がひとつもないんだから、当然、負ける!原発に未来はない!
東芝は「原子力破産」する。
7月21日。米建設大手シカゴ・ブリッジ&アイアン(CB&I)が、米原発4基建設をともに進めていた「仕事仲間」東芝子会社ウェスチングハウスを提訴。CB&Iの子会社ストーン&ウェブスター(S&W)の「買収金額」めぐってウェスチングハウスは訴えられた。
ウェスチングハウスは、
「昨年12月に譲渡契約書を交わしたのになぜ、訴えられるの? 僕は悪くないよう! エーン、エーン」
投資家に対して「ウソ泣き」をしてみせた。
海外メディアは黙っちゃいない。
「東芝が、買収金額20億ドルという法外な請求書をCB&Iに出したからだ」
ロイターなどの報道(今回もまた日本のマスコミは報道しなかった!)を受け、7月26日になってやっと東芝がプレスリリースを出した。
<株式購入計画では、買収完了後のプロセスとして、価格調整を行う手続きを規定しています。>
買収は「完了」しているのに価格調整?
契約締結から7ヶ月もたっているのにまだ、買収価格が決まってないの?
<これに従いWECは、新会社の運転資本に関する算定結果を含む書面をCB&I社に提出していました。>
新会社?
新会社の運転資本?
こんな奇妙なニュースはない。
S&Wを「買った」のは東芝だ。
東芝←S&W←CB&I
お金の流れはこうなる。
東芝→S&W買収金額→CB&I
ところが、譲渡契約締結後に、お金の流れが完全に逆流する。
東芝←20億ドル←CB&I
「お金を支払う側」が、20億ドルもの巨費を「お金をもらう側」に請求!?
こんな奇妙なお話はない。
なんで、こんなことになったのか?
普通の企業買収なら、買いたい企業の株を現在の「市場価格」で買占めればいい。
しかし……。
今から16年も前の2000年5月。S&Wは破産を申告。原因はインドネシアのスハルト大統領へのわいろ疑惑だった。NY証券取引所はすぐさまS&Wの上場を停止した。
非上場企業になったS&W株に「市場価格」はない。「株価がない」のだ。
株価が70%以上急落し、株主訴訟を複数起こされたS&Wは、16年前にすでに「企業価値ゼロ」いや、「企業価値マイナス」だったのだ。
S&Wは、米建設大手ショーグループに買収された。
「3・11」東電福島第一原発「東芝製」3号機が爆発した。
ショーグループは「原発に未来はない」と悟った。
2012年7月。ショーグループは、S&WもろともCB&Iに買収された。
書いている私も「ややこしい話」だと思う。スマンです。
S&Wは、米原発4基建設で26億円のコスト超過を引き起こし、債務超過に陥った。S&W「二度目の破産」である。
S&Wの親会社CB&Iは悲鳴を上げた。
「原発は儲からん! 手を組んだウェスチングハウスはウソばっかつくし、やってらんねえ! 手を引く! もちろん、東芝を訴える!」
それでも原発建設を続けたい東芝・ウェスチングハウスは、
「S&Wを買いますから勘弁してくだせえ。それで手打ちにしてくだせえ」
ここからが大問題。
S&Wには「株価」がない。企業価値を市場が決めてくれない。
かくして、S&Wの買収価格は、CB&Iとウェスチングハウスの「話し合いで決まる」ことになってしまうのだ。
どちらが言い出したのかわからない。S&Wの譲渡契約には、日本でほとんど採用されない条件が書き加えられた。
それは「アーンアウト条項」と呼ばれている。
買収劇が終わる。「クロージング日」がやってきて支払いが行われる。それが普通の買収劇だが、
<譲渡価格について、契約締結以降クロージング日までの対象会社の企業価値の変動を反映して、事後的に価格調整を行う>(北浜法律事務所M&A・ニューズレター)
それが「アーンアウト条項」だ。
東芝はこう言っていることになる。
「いろいろ計算した結果、こちらがお金を払うのではなく、お金をもらう、ってことになったんで、20億ドルください」
こんなむちゃくちゃな話があるか!?
中田潤が無料予想。
東芝は負ける。「儲かる話」がどこにもないんだから、当然、負ける。
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