「2048年までに米国内のすべての原発が運転を終了する」エリック・クノックス 日本の「原発ゼロ」政策に大圧力をかけた日米円卓会議の今
「日米円卓会議」と呼ばれる秘密会議がある。発足は2012年2月。米国ハワード・ベーカー・フォーラム財団事務局長のスコット・キャンベルが、近藤俊介原子力委員長に会議を呼びかけた。すぐに文科省が加わり、3ヶ月に一度のペースで開催されている。
主催する財団のボスは、ハワード・ベーカー元駐日大使。ジャパン・ハンドラーによる、日本の原子力政策に圧力かけるための非公開会合だ。
発足当初、スコット・キャンベルはこう語っている。
<日本は、危険な道を歩んでいる。
福島第一原発の事故を受けて、日本のリーダーは、同国のエネルギー基盤を弱体化させ、国民に大きな影響を与える極端な対応を検討している。
米国では、日本は本当に原子力エネルギーを放棄するのかという懸念が増している。この決断においては、日本、米国、日米関係、そして世界の安全保障にも悪影響を与えるだろう。この決断では、経済、環境、エネルギー、そして地政学を中心に考える必要がある。>(ウェブサイト『フォーラム・オン・エネルギー』2012年10月19日)
このとき、日本では何が起きていたのか?
2012年9月。野田佳彦政権が<2030年代までに原発稼動ゼロ>を閣議決定しようとしたが、直前に見送られるというドタバタ劇があった。
直後に出された米ブルッキング研究所の報告書は、日本の「原発ゼロ選択」についてこう書かれていた。
<米国の原子力企業に大きな損害を与える。米国の原子力企業は日本の原子力企業と合弁会社になっているか、日本企業に対するサプライヤーとなっており、原子力ゼロ選択はこれにひどい打撃を与える。日本が自国で原子力発電を廃止し、海外でマーケットシェアを失えば、米国企業は競争力、販売、そして最終的に雇用を失うことになる。>
なぜ、日本は原発をやめられないのか?
これほどわかりやすい資料はない。
同年12月。米ヘリテージ財団主催の「日米ワシントン円卓会議」なるものが開催された。そのタイトルは……。
<原子力ゼロ選択:原子力廃止を目指す日本の危険な道に対する米国の意見>
日本で不正選挙が行われ、第二次安倍政権がスタートした。
これが3年半前の状況。米国は大金をかけ、ありとあらゆるパイプを駆使して日本に圧力をかけてきた。
では今、「円卓会議」で何が話し合われているのか?
<今のところ、発電所の運転寿命が延長されない限り、2048年までに米国内のすべての発電所が運転を終了すると想定される。>(『フォーラム・オン・エネルギー』2016年6月24日)
「原発ゼロはダメだ!」と大騒ぎしていた会議で話し合われているのは……。
「このままじゃ、米国が原発ゼロになるよ。どうする?」
講演を行ったのは、エイコム原子力環境ユニット上級プロジェクト・マネージャー、エリック・クノックス。原発の「廃止措置、除染、解体、取壊」に関するエキスパートである。
<現在までに商業炉110基、実験炉または原型炉46基、研究炉250基が永久に停止された>
クノックスは「原発推進の総本山」IAEAの予測を引用した。
<IAEAは今後20年以内にさらに200基の原子炉が停止するとの予測を示している。>
世界の原発。
441基(2016年4月)→241基(2036年)。
米国の原発。
99基(2015年1月)→0基(2048年)。
<クノックス氏は、廃止措置には「すべてに万能な」アプローチはなく、そのプロセスは本質的に「取壊」であると強調した。>
<廃止措置自体の費用は原子炉1基あたり約7億5000万ドルから10億ドルであるが、原子力発電所建設に係る高額な先行投資費用がこれに加わるため、多くの発電所が経済的に運転終了に追い込まれているのである。>
何度も繰り返されてきた言説。
「日本の原発再稼動は米国の要求だ」
本当か?
なんの対策も打てず、「原発ゼロへまっしぐら」の米国が、今も日本に圧力をかけてきている?
本当か?
少なくとも、原発を所有する米電力会社にその意思はない。
この会議には、当然、東芝の重役も参加している。米国原発の惨状を知っていながら、東芝は今もこう言い張っている。
「米国の原発新設計画は18基あり、新規受注を目指す」
できるわけがない!
原発4基の建設で26億ドル以上の大損害を出している。
安倍晋三よ!
東芝よ!
原発輸出はできない!
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コメント
記事の内容お借りします(;´▽`A‘‘
投稿: m67878374 | 2016年7月 4日 (月) 16時41分
拡散をお願いします
投稿: 中田潤 | 2016年7月 5日 (火) 04時04分