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2016年6月15日 (水)

「無という力で武装しているからこそ、無敵なんだ、勝利は我々の側にある」インド不屈の民『アニマルズ・ピープル』より

<「なあ、ザファルの兄貴、裁判は進むかねえ」

 
「わからないさ」新聞をめくりながらザファリが答える。いつか何かは起こるはずだ。そのいつかは今日かもしれない」
 
「そいつは素敵な哲学だ。おいらはとっくに諦めたがね」>
 
<「十八年っていったら、うちの長男の全人生だ」>
 
<「そうだ。われわれには何もないが、それゆえにこそわれらは強い。ただ強いんじゃない、無敵なんだ。何も持っていないからこそ、誰にも負かすことことはできない」
 
 困惑の声が上がったが、ザファルは構わず続けた。「カンパニとその仲間は、闘いを長引かせることでわれわれを消耗させたがっている。だがやつらはわかっていない。やつらはわれわれのような人間と衝突したことがない。どんなに訴訟が長引こうと、われわれは決して諦めない。われわれが持っていたものはことごとく奪われ、もう何も残っていない。何も持たないということは、何も失わないことだ。これでわかっただろう、無という力で武装しているからこそ無敵なんだ、勝利は我々の側にある」
 
 こんな理屈は初めて聞いた。ザファルの新しい理論なんだろう。だけど十日もすりゃ、町中の人間が唱えているに違いない。>
 
<「まだ勝ったと決まったわけじゃない」とザファル。「だが運の向く日はいつか来る。その日は今日かもしれない」
 
「今日かもしれない! 今日かもしれない!」ニーシャとおれは一緒に歌った。ポーラとザファルもすぐに加わった。「今日かもしれない! 今日かもしれない!」路上にいる人々に、ターバンを巻いて腰布をつけた男たち、シャルワールやサリーをまとった女たちに、カウフプールの全員に向かって、おれたちは声を張り上げた。「そうだ、そうだ! 今日かもしれない!」>
 
『アニマルズ・ピープル』インドラ・シンハ 早川書房
 
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