画期的!電力会社、環境保護団体、労組が共同提案!東芝子会社WH製ディアブロ・キャニオン原発永久閉鎖へ
6月21日。カリフォルニア州を本拠とする電力会社パシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)が画期的な声明を出した。
ディアブロ・キャニオン原発1・2号機の運転延長をせず、運転開始40年で永久閉鎖する。
1号機 2024年11月 永久閉鎖
2号機 2025年8月 永久閉鎖
東芝子会社ウェスチングハウス製の同原発は、全米で最も激しい脱原発運動にさらされてきた。
1968年。建設開始。1973年。原発完成後に至近にある活断層が問題視され、大論争となった。ホスグリ断層は1927年11月にマグニチュード7・1の大地震を引き起こしていた。
PG&Eは計画を見直したが、ウェスチングハウスがまたインチキをやった。
完成予想図などの不備により、
<補強すべき箇所に手がつけられないままになった一方、多くの箇所で必要のない補強が行われた>(チャールズ・ペロウ ウィキペディア)
コストと運転計画の変更はなんと9回。
設計から運転開始まで15年もかかり、建設費は44億ドルも増加した。
1981年。2週間ぶっ通しの抗議が行われ、1900人が逮捕された。
画期的なのは、原発の永久閉鎖が、電力会社、環境保護団体、労組の共同提案で決まったことだ。
電力会社 PG&E
環境保護団体 Friends of the Earth, Natural Resources
Defense Council, Environment California and Alliance for Nuclear Responsibility
労組 International Brotherhood of Electrical Workers
Local 1245, Coalition of California Utility Employees
日本では考えられないが、米国では、電力会社、脱原発派、労働運動家がひとつのテーブルで協議を続けているのである。
日本にたとえるなら、東京電力、首都圏反原発連合、電力総連が話し合いを重ね、原発の永久閉鎖を決めた、というニュースなのだ。
ディアブロ・キャニオン原発の閉鎖決定でカリフォルニア州は「原発ゼロ」を達成。ウェスチングハウスは、燃料供給、メンテナンスなどの仕事を失う。
親会社の東芝は原子力事業についてこんな説明をしてきた。
「ウェスチングハウスそのものの数字は大変申し訳ございません、現状まで開示してございませんが、ウェスチングハウスそのものの上げるキャッシュフロー、ならびに損益につきましては、その8割以上はいわゆる保守ならびに燃料の交換でございます。つまり安定した収益をきっちり上げている、というように私どもは認識してございます。さらにそれに加えまして、近年、東京の国内の、日本の原子力事業部とのシナジー、これが着実に実を結んでございまして、具体的な数字は、本日はちょっと公表は差し控えさえていただきますが、買収当時に比べますと営業利益は大幅に拡大している現況にあるということでございます」(前田恵造CFO 2015年7月)
ウソつけ!
毎週のように米国原発閉鎖のニュースが飛び込んできている。「安定収入」がボロボロになっているんだから「営業利益大幅拡大」などありえない。これこそ、究極のヨタ話だ。
ウェスチングハウス社製原発の閉鎖が発表された翌日の22日、東芝の株主総会が両国国技館で行われた。
「ウェスチングハウスの買収は経営判断の誤りではないか!?」
原発についての質問に東芝新旧経営陣はまともに答えようとしない。
「これから世界で400基くらい原発を作るそうだが、アジアには反日国がある。中国だと平気で壊れた新幹線を走らせる。そういう国に原発を売って大丈夫なのか。今現在、韓国と北朝鮮は休戦中ではなく戦争中で休戦協定は結んでいない。戦争中の国に原発を売って大丈夫なのか。将来的にミサイルを撃ち込まれたりしないのか」
志賀重範会長はただ「安全だ」という念仏を唱え続けるだけ。
「またウェスチングハウスの減損の件は、資金調達コストが上がったということだが、原子力の今後の受注状況は好調だという。今後の事業環境については楽観できるのか。話がちぐはぐな気がする」
会場からは怒号が湧き上がる。
「質問させてもらう前に、株主総会は株主に対して経営者が説明する場所なのに株主の質問に答えてないでしょ! 不正会計がなぜ起きたのか。事前質問も同じです、説明の義務を果たしてください!
皆さん、株主としてバカにされているんですよ! 株主の質問にきちんと説明しないなんて!」
ついには株主のマイクが取り上げられた。
室町社長はただ一言。
「貴重な意見、ありがとうございます」
株主総会の翌23日、綱川智新社長はこう語っている。
<2030年までに45基とする原発の受注目標について「達成は可能だ」><東芝グループは世界でシェアが26%ある。最近は中国やロシアのメーカーが出てきている。堅くみて世界で300基の(新規建設の)市場があれば、15%のシェアなら45基。そうした考えで今回の中期計画ではそのようにした>(ロイター)
新社長もまた地球ではない別の惑星に住んでいる。
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