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2016年5月17日 (火)

ILL BONE イルボーン LIVE 5・18 19時~ 新宿ウルガ 光州事件の死者に捧ぐ 彼女が生きていたら私と同じ年だ

 冥福を祈るな

 
 
 非業の死がおおわれてだけあるのなら
 
 大地はもはや祖国ではない。
 
 茂みに迷彩服をひそませ
 
 蛇の眼光をぎらつかせているのもまた
 
 大地だからだ。
 
  抉られた喉は
 
  その下の土くれのなかでひしゃがっている。
 
 
 日が過ぎても花だけがあるのなら
 
 悼みはもはや花でしかない。
 
(中略)
 
 平穏だけが秩序であるのなら
 
 秩序はもはや萎縮でしかない。
 
(中略)
 
 世に死は多く、生も多い。
 
 ただ生かされてだけ 生であるなら
 
 しいられた死もまた 生かされた生だ。
 
 国軍によっても守られることなどない
 
 見放された自由のなきがらなのだ
 
  敵でなく、同胞であってはなおさらない
 
  他人のはずの民衆でもなく、
 
 
 五月を
 
 トマトのように熟れ圧し潰された死よ。
 
 撃ち抜かれた空よ
 
 木々のそよぎよ。
 
 眼をおおう死にも
 
 光だけは透けていたのか
 
 韓国の夏よ。
 
 悪魔の申し子の
 
 色眼鏡の息子よ。
 
 
 奈落へ堕ちていった自由なら
 
 深みは深みのまま悪寒をつのらせているがいい。
 
 選んだ方途が維新のための暴圧であるなら
 
 萎える国土の砲塔の上で
 
 将星は永劫輝いているがいい。
 
 
 それこそふさわしいのだ。
 
 浮かばれぬ死は
 
 ただようてこそおびえとなる。
 
 落ちくぼんだ眼窩に巣食った恨み
 
 
 冤鬼となって国をあふれよ。
 
 記憶される記憶があるかぎり
 
 ああ記憶があるかぎり
 
 くつがえしようのない反証は深い記憶のなかのもの。
 
 閉じる眼のない死者の死だ。
 
 葬るな人よ、
 
 冥福を祈るな。
 
 
 金時鐘『光州詩片』福武書店
 
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