原発は投資不適格 「株の神様」ウォーレン・バフェットは東芝の米国原発建設計画から逃げたCB&I株で少なくとも166億円超を溶かした!NRG株に続く二度目の大損失!
「株の神様」ウォーレン・バフェットが「原発株」に手を出し始めた2008年。バフェットは、米誌『フォーブス』の長者番付1位になっている。なんと、あのビル・ゲイツを押しのけて。
原発は儲かる?
いや、違う。ぜんぜん違う。
2008年の栄光が最後。その後、バフェットは1番になったことがない。
「3・11」大地震。「3・14」東電福島第一原発「東芝製」3号機が爆発した。
3011年4月14日。東芝の佐々木則夫社長は、事故後初めて公の場でこう語った。
「当社が(原発プラント)受注を目指していた国で(計画を)撤回すると言った国はない」
そのわずか5日後の4月19日。
<日本で起きた悲劇的な原発事故は、米国の新規原子力開発においてさまざまな不確実性をもたらし、STPの3・4号機建設が計画通り進む可能性を著しく低下させた。>(NRCエナジーのデービッド・グレーンCEO ブルームバーグ 4月20日)
NRGエナジーは投資中止を表明した。
この素早さは何?
この判断が「電力屋」NRGではなく、「投資家」ウォーレン・バフェットの指示だと考えれば、すんなりと納得できる。ただ、金を右から左へと動かしているだけのバフェットにとって、「原発建設」には1ミリの興味もないからだ。
NRGは同時に評価損計上額も公表した。
4億8100万ドル(約546億2717万円)。
素早く損切りをして手仕舞い、ってやつだ。
普通ならこれで懲りる。
ウォーレン・バフェットが反省の弁を述べればすむことだ。
「エネルギー企業への投資は私らしくなかった」
しかし、バフェットは、原発事故後の「原発建設会社」に巨額の投資をして二度目の大損をする。
2013年5月。バフェットは、3月末日までにシカゴ・ブリッジ&アイアン(CB&I)株650万株を保有していると米当局に報告した。
3月末のCB&I株価は61・16ドル。バフェットは3億9754万ドルをCB&I株にぶち込んだ。
CB&Iは、石油タンク建設などを得意とする老舗の建設会社だが、何を血迷ったか、2012年7月、「全米最大の原発建設会社」ショー・グループを買収した。
ショーは、東芝のウェスチングハウス買収に20%出資した会社だ。ショーは、東芝と組み米国と中国で計8基の原発を建設し、東電福島第一原発の後始末の仕事も請け負っている。
「株の神様」は発狂した。
原発が爆発し、十数万人が家を失う大惨事を目の当たりにしてもなお、80をとうに過ぎ、前立腺がんを患っているウォーレン・バフェットはこう考えている。
「原発株は儲かる」
ショーの原発部門子会社の名は「ストーン&ウェブスター(S&W)」。米国のボーグル原発、VCサマー原発で26億ドルもの損失を出し、債務超過、つまり、破産した会社だ。
S&Wの惨状をみて、親会社CB&Iは「原発の新規建設から手を引く」と宣言。CB&Iの大損失は、なぜか、東芝がS&Wを買収することで「手打ち」となった。
そして今日、2016年5月12日のニュースがこれだ。
<東芝、米原発の協力解消 現地大手と 建設計画に遅れ>(日本経済新聞)
<東芝は11日、米テキサス州で進めている原子力発電所の建設計画で、パートナーとしていた現地大手エンジニアリング会社、CB&Iとの協力関係を解消すると発表した。>
<CB&Iは同計画から撤退し融資を打ち切るほか、STPなどに対して持つ債権を放棄する。)
原発に手を出し大損したCB&Iの今の株価。
37・7ドル。
ウォーレン・バフェットは、少なくとも1億5249万ドル、約166億3086万円の大損をした。
この男を「株の神様」と呼んだやつはウスラ馬鹿だ。
原発は投資不適格。
CB&I株価5年チャート
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