東芝が儲けた現金で借金を返していくと完済まで975年かかる V字回復?中国の原発50基を受注?寝言は寝て言え!
『日経ビジネス』(5月30日号)が、ウェスチングハウスの新たな社内メールを公開した。
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『日経ビジネス』(5月30日号)が、ウェスチングハウスの新たな社内メールを公開した。
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オバマの広島演説。
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「アレバ社の闇」をさまよっていた今週。フランスからビッグ・ニュースが飛び込んできた。
<仏で労働法改革スト拡大 市民生活にも影響、各地で衝突も>(AFP 5月27日)
「解雇を容易にする」新労働法案が提出され、大規模な抗議行動があったことは私も知っていたが……。
<各地の給油所や原子力発電所でもストが行われ、運転の停止や遅延が生じている。>
原発でストライキ!?
再稼動前の大飯原発のように、原発のゲートを「外から」封鎖しようとする抗議活動は何度もあった。
原発が「内側から」封鎖された!?
フランスの通信社AFPのウェブには、9枚の写真が掲載され、クリックするとスライドしていく。写真をめくっていくと……。
積み上げられた古タイヤに火が放たれ黒煙が上がっている。背後にはアレバ社製原発の巨大な冷却塔が水蒸気を空に吹き上げている。
想像を絶する光景である。
<南部トリカスタン(Tricastin)原子力発電所では、職員らが積み上げたタイヤに火をつけ、黒煙が上がった。同国最大の労働組合連合「フランス労働総同盟(CGT)」によると、国内の電力の4分の3を供給している原発19か所のうち、3か所を除く全てがスト実施を決めた。>
この重大ニュースを日本のマスコミはまったく報道しなかった。
AFP(フランス通信社)は、AP通信、ロイターに次いで世界第3位の規模を持つ通信社であり、もちろん、日本にも支局がある。日本の新聞社はAFPから記事を買っている。
BBC(英国放送協会)は連日、フランスの原発ストを伝えていた。
一方、アメリカのニュース専門テレビ、CNNは一切報道しない。
インターネットしか信用できない?
そんなことはない。実はネットが一番ダメ。
原発スト突入の翌日である5月27日。グーグルで「原発 ストライキ」を検索すると、当然、最上位に冒頭のAFP配信記事があった。
ところが、この原稿を書いている5月30日に検索すると……。
つづきはメルマガで
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ざっくりアメリカ原発史
大きな流れ
米国で最も多くの原発が稼動していたのは1974年。それからずうっと原発は減り続けている。
1978年。ワシントン州原発が社債を発行。格付け会社は「A」(投資適格)の格付け。
1979年。スリーマイル島原発事故。史上初のメルトダウン事故。
1983年。ワシントン州原発が破産。投資家は格付け会社を訴えた。
この事件以来、ウォール街は一貫してこう主張している。
「原発は投資不適格」
1993年。ビル・クリントン政権誕生。電力会社の顧問弁護士だった妻ヒラリーとともにウラン・ビジネス開始。「核軍縮」の美名の下、旧ソ連の解体核兵器から濃縮ウラン、プルトニウムを抽出、原発燃料として日本に売る「濡れ手に粟」のビジネスだった。日本は「米国、ロシアのゴミ捨て場」に。
1998年。米エネルギー省の米国濃縮公社を民営化。USEC誕生。この会社の濃縮ウラン輸出先は100%日本。
2001年。息子ブッシュ政権誕生。原発建設運営会社ハリバートンCEOだったディック・チェイニー副大統領が、新エネルギー政策を発表。
「2010年までに米国に原発を新設する」
「米原子力規制委員会はガタガタ言うな!」
「政府が原発企業を選んで、どんどん建設を促進する」
この計画はコストの問題で頓挫。「米国人の血税をくれてやる」と政府が言っても原発に投資する人は現れなかった。
2009年。バラク・オバマ政権誕生。オバマの選挙資金を集めたのは、全米最大の原発所有会社エクセロンだった。原発2基を所有する投資家、ウォーレン・バフェットが経済顧問としてホワイトハウスに入り。
「原発建設に今までの3倍の税金を注ぎ込む」
この計画もまた頓挫。「グリーン・ニューディール」という仮面をかぶった原発予算案が何度も提出されたが、原発投資家はひとりも現れなかった。
2009年。ロシアのプーチン大統領が、米国への解体核兵器の提供を停止。
2011年。「3・11」。
ウラン価格暴落。
2013年。USEC破産。日本が原発ゼロになり、買い手が消えた。
シェールガス革命。
原油価格暴落。
米原発は次々に消えていった。
2014年。ヒラリー・クリントンが次期大統領最有力候補に。
2016年。エクセロンが原発7基の早期閉鎖を示唆。
ヒラリーを大統領にしてはいけない!
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1着 グランドサッシュ 田辺 父ハーツクライ 母父パラダイスクリーク
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12.6 - 11.4 - 11.3 - 12.0 - 12.4 - 12.3 - 12.1 - 11.4 - 11.7
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5月19日。米エネルギー省「原子力発電所の温存検討サミット」。
「日本からみますと、原子力について非常に否定的な見方になってくるわけですけれども、アメリカ、もしくは海外に出るとですね、原子力のニーズは高く評価されております」(志賀重範東芝会長)
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このレースを取れば1年中気分がいい!
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全米最大の原発所有企業エクセロンから超弩級のニュースが!
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フランス国内の19原発のうち16原発がストライキに突入。
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広島、長崎、ベルギー領コンゴ、そして、アレバ社。
すべての点(惨劇の現場といっていい)を結ぶのが、フランス、アルデンヌ県にあるショー原発だ。
ショー原発A(1号機)は、ウェスチングハウス社製「世界最古」米シッピングポート原発の「コピー原発」である。
フランス初の加圧水型原発は、三方がベルギー国境という「突出地」に建設された。フランス、ベルギー両国に電力を送るためだ。フランスの原発はフランス電力が独占しているが、ショー原発A(1号機)だけは違う。「アルデンヌのフランス=ベルギー共同原子力エネルギー会社(SENA)」がフランス電力と共同で所有・運用していた。
アレバ社の前身「フラマトム」の所有者は、ベルギーのエドワール・アンパンと米ウェスチングハウス。「原爆男爵」にも札束が運ばれる仕組みが作られた。
ショー原発の建設開始は1962年1月。営業運転開始は1967年4月15日。
工期わずか5年3ヶ月!
「わずか」「!」と書いたのは、ウェスチングハウスの米本土での「実績」とかけ離れているからだ。
ウォールストリート・ジャーナルは、米国の原発建設についてこう書いている。
<1966年から1986年に建造された75の原子力発電施設は、計画当時の3倍のコストがかかった。>(2008年3月12日)
コスト超過=工事遅延。
最悪の「コスト超過」はどこだったのか?
<ボーグル原発は、10倍以上のコストがかかった。>
ボーグル原発を建設したのは、ウェスチングハウスだ。
ウィキペディアによれば、1976年8月1日に着工したボーグル原発2号機が、商業運転を開始したのは1989年5月20日。建設には、なんと、12年9ヶ月もかかっている。
仏加圧水型原発第一号を動かしたあとのアレバの動きも奇妙だ。
第一号になんの問題もなければ、すぐに次の建設計画が持ち上がるはずだが……。
アレバ(フラマトム)製原発第二号。フェッセンハイム原発。
建設開始 1970年9月 営業運転開始 1978年1月
第二号建設開始まで8年近い空白期間がある上、工期は7年3ヶ月に及んでいる。
わずか5年の工期で、ショー原発Aが「順調に」建設されたのはなぜなのか?
「アレバ文書」こそ明確な回答だ。
アレバ社は、1965年以降、51年間ずうっと原発部品の品質証明書を偽造していた。
アレバの犯罪は、ショー原発の建設中に開始されたのだ。
品質証明書偽造部品をがんがん設置し、素早く運転開始したらどうなった?
「アレバ社の原発事故は隠された」
そう告発するのは、ジャック・シラク政権の環境大臣コリーヌ・ルパージュだ。
<一九六九年><サンローラン・デ・ソーの事故では炉心を構成する燃料要素のうち五体が溶融したものの最悪の事態は免れることができました。>(『原発大国の真実』)
この事故についてはグーグルで簡単に検索できる。
<フランス原子力史上最も大きな事故><レベル4>(ウィキペディア日本語版)
この事故はフランスで大論争を巻き起こした。
<サンローラン・デ・ソーの事故はフランスが黒鉛減速ガス冷却炉から別の炉型に切り替えるきっかけとなりました。>(『原発大国の真実』)
アレバは一貫してこう主張してきた。
「加圧水型原発は安全かつ経済的です」
アレバ(フラマトム)が建設した原発以外はすべて永久閉鎖となった。独占完了。
ところが……。
<闇に葬られてしまったさらに深刻な事故についても触れておかなければならないでしょう。一九六八年にフランスのシャンパーニュ・アルデンヌ地方のショー原発で起きた事故のことです。この事故では冷却系配管のサーマルスリーブが破損して原子炉内に水が循環しなくなる状態が数時間にわたって続きました。>
ショー原発は運転開始直後に配管破損の重大事故を起こしていた。しかも、全廃された黒鉛減速ガス冷却炉の事故の前に。
<1974年にフランス電力の社内報告書が公表されたが、一般にはあまり関心をもたれることはなかった。イヴ・ルノワール著『フランスの官僚支配』(未邦訳、一九七七年、J・J・ボヴェール社)より。>
事故は6年間も隠された。
ショー原発Aのミステリーはそれだけではない。
1991年10月。ショー原発Aは永久閉鎖された。運転期間24年半。
これだけ読むと、誰だってこう思うよね。
フランス政府は「原発の寿命は25年」と定めている。
ところが……。
<フランス最古の原発、ドイツが閉鎖を要求 仏当局は拒否>(AFP 2016年3月5日)
これは「今年の記事」である。
ショー原発Aが消え、フランス最古の原発となったフェッセンハイム原発で重大事故が起きた。
<2014年4月9日、2つある安全装置の1つで水漏れが発生し、一時的に原子炉をコントロールできなくなった。>
ショー原発Aの1968年の事故と同様の事態である。
<原子炉冷却システムへのホウ素投入が決断されたが、仏原子力安全局(ASN)の報告はホウ素投入に言及していなかった。>
またしても、フランス政府は事故を隠そうとした。
原子力安全の専門家であるマンフレット・メルティンスは、メディアにこう語っている。
<西欧の原子炉でホウ素を使ってシャットダウンすることを余儀なくされた事例を私は他に知らない>
フェッセンハイム原発の運転期間は、38年5ヶ月!
<しかし、仏原子力安全局は「原子力保安の観点から見て、フェッセンハイム原発を閉鎖する理由は一切ない」と回答。>
「御年38歳の原発を動かし続ける!」
フランス政府は、頑として言い張る。
一方、ショー原発Aは、今から25年前に消えた。享年24歳。
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アレバ社は、1965年以降、51年間ずうっと原発部品の品質保証書を偽造していた。
問題の発端は、原発の心臓部である原子炉容器の欠陥だった。
1965年のアレバ?
持株会社「アレバ」の誕生は2001年。1965年にアレバは影も形もない。
アレバの原子炉製造部門の名はアレバNP。アレバ誕生前は「フラマトム」という名前だった。
1965年のフラマトム?
調べていくうち、私はパソコンの前で頭を抱えることとなった。
日本語、英語、フランス語で検索しても資料はどこにもない。社歴はおろか、設立した年すらわからない。
隠されている。
そう考えるのが自然でしょ?
私たちは、こんな会社に「最悪の核施設」六ヶ所村再処理工場の建設を任せている。
悪戦苦闘の末、やっとたどりついた資料『赤い楯』(集英社)で広瀬隆はこう書いている。
<ところが現在のフランスの原子炉メーカーの実態を調べようとする人は、不思議なことに何も知ることができない。メーカーは実質的にただ一社、「フラマトム」という名前しか出てこないからである。これはフランスのアトム、の略称のようだが、“マ”という無関係な一文字が途中に入っているので、ますます分からなくなってくる。>
まったく同感である。
フラマトムの正式名称がこれ。
フランス・アメリカ原子力建設(Franco-Americine
de Constructuons Atomiques)。
アメリカ!?
フラマトムの株の45パーセントは、現在、東芝の子会社であるウェスチングハウスが握っていた。
もう、うんざりだ。「原発のウソ」の発生源を探っていくと、まず間違いなく、ウェスチングハウスにたどり着く。
株の51%を握るのがクルーゾー・ロワール。4%がフランス最大の軍需企業シュネーデル。
あれ!?
品質保証書を偽造したのはアレバ社の「クルーゾー」工場。「クルーゾー」ロワールという同じ名前が出てくる。
ここから先がまた闇だ。
クルーゾー・ロワールは、ウィキペディア日本語版によれば、<フランスの兵器メーカー>。しかし、1976年の『原子力白書』にはこう記されている。
<クルーゾ・ロワール社の株式はベルギー系の資本家であるアンパン男爵の所有するアンパン・シュナイダー社と鉄鋼産業持株会社のマリヌ・フェルミ社が50%ずつ所有しており、フランス系の資本が入っていなかった。>
フラマトムの持ち主はベルギー人だった!?
「原爆男爵」と呼ばれた怪人、エドアール・アンパンがフランスの原発を支配していた!?
アンパンが「原爆男爵」と呼ばれたのはなぜか?
アンパンが、ベルギー領コンゴのウラン鉱山を開発し、掘り出されたウランがアメリカへと運ばれ、原爆となって広島、長崎に投下された。
エドアール・アンパンの莫大な財産と「男爵」の称号は、広島、長崎の数十万人もの死者によってできているのだ。
1965年のフラマトム。
犯罪を開始したのは、ベルギーの「原爆男爵」とウェスチングハウスだった。
アメリカとベルギーの「原爆投下コンビ」である。
1950年代半ばまでウラン価格は1ポンドあたり10ドル前後で推移していた。それが4ドルまで暴落した。
暴落の原因は、アメリカの「ウラン輸入停止」である。
ウランは掘ったら掘っただけ損をする。
「ウラン鉱山支配者」ギー・ド・ロスチャイルドと同様に、エドアール・アンパン男爵も大損した。
世界のウラン鉱山支配者は、闇カルテル「核の秘密クラブ」を作り、アメリカとの闘いを開始した。田中角栄の強力なアシストもあり、たった2年でウラン価格は10倍になった。
1975年8月。フランス原子力庁は原子力産業計画を発表した。
「フラマトムを国営化する」
ウェスチングハウス追放宣言である。
激怒したアメリカとの交渉は約4ヶ月続き……。落とし所がこれだった。
「ウェスチングハウスの持分45%のうち30%をフランス原子力庁へ譲渡。さらに技術供与契約の切れる1982年に残りの15%をクルーゾー・ロワールが取得する」
「原爆男爵」の高笑いが聞こえる。
ベルギーのエドアール・アンパンが、フランスの原発の66%を支配するはずだった。
ところが……。
1979年3月28日。米国ペンシルバニア州のスリーマイル島原発。メルトダウン。ウラン価格は暴落した。
1984年末。クルーゾー・ロワールは破産した。
原発は止められる。
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ロスチャイルド家の詐欺は、ウラン価格変動グラフにはっきりと示されている。
福島第一原発の事故が起きたまさにそのとき、中部電力のCMで「経済評論家」勝間和代はこう語っていた。
「原油価格って大きく変動しますし、それが話題になるんですけど、経済成長のためには、エネルギーというのは、量とコストの両方が安定してなくてはいけないんです。燃料価格に左右されにくいというのは(原発の)大きな強みなんですね」
このグラフを見てから、したり顔を作れ!
ウランほど価格変動の激しいエネルギー源はない!
このグラフには大きな山が二つあるが、両方とも詐欺師の犯行記録である。
1972年にパリに集結した面々。
リオ・ティント・ジンク(イギリス・フランス・スペイン)。リオ・アルゴム、デニソン(カナダ)。ウェスタン・マイニング(オーストラリア)。南アフリカ核燃料公社。
1973年3月。「秘密クラブ」は、後に環境団体によって暴露される「秩序ある市場のためのルール」という文書を作成した。
グラフを見てほしい。
1975年。たった2年でウラン価格は40ドルにまで急騰した。
この年、仏原子炉製造企業フラマトムが誕生した。
1976年に入ってもウラン価格は上昇を続けた。
この年、仏核燃料企業コジェマが誕生した。
逆の見方をすれば「ウラン価格40ドル」が実現し、やっと「民間」原子力企業は市場への入場を許された。
2001年。フラマトムとコジェマが合体し世界最大の原子力企業アレバが誕生する。
「核の秘密クラブ」は、どうやってウラン価格を吊り上げたのか?
<各生産国が生産を抑えて、割当量を厳重に守る。>
<1972年7月、アメリカ以外の世界ウラン市場の推定需要が、70年代いっぱいにわたって、この5ヶ国に割り当てられた。詳細なパーセンテージが定められ、入札に際しての細かい手続きも取り決められた。また、ウラン市場で「中間業者」を介在させるのを排除するという特別規則も採択した。>(『核の栄光と挫折』)
確かに「細かい」取り決めだが、疑問は残る。
こんな「談合」のみでウラン価格が2年で10倍になるか?
そこに助っ人として登場したのが、「よっしゃ、よっしゃ」の田中角栄だったのだ。
「これがトップ商談ってもんだよ」
1973年10月5日。フランス、イギリス、西ドイツを歴訪した田中首相は、上機嫌で記者と懇談し、こう言い放った。
「核エネルギーについて、フランスで話があったから、ウランを一千トン、買おうと言っておいた」
読売新聞の見出しは、
<仏の濃縮ウラン 7年後千トン購入>
7年後?
田中角栄の「トップ商談」とは、「先物取引」だったのだ。
日本は米国と濃縮ウラン購入の約束を交わしている。すでに前金も払わされているので1980年までは米国の濃縮ウランで発電をする。
当時、田中角栄は、エネルギー問題をめぐりヘンリー・キッシンジャー国務長官と激しく対立していた。
1973年11月14日。来日したヘンリー・キッシンジャーに向かって、田中角栄はこう言い放った。
「アメリカが日本に石油を供給してくれるのか!?」
キッシンジャーは、
「それは国務大臣である私が関わる問題ではない」
田中は一歩も引かなかった。
「日本は石油輸入の80%を中東に依存している」
田中は「日本のエネルギーを米国にゆだねるのは危険だ」と考えていた。それが彼を中国、パレスチナを含む「全方位外交」「資源輸入国の多角化」へと駆り立てた。
田中角栄は「7年後にフランスのウランを買う」とロスチャイルドに約束した。
「核の秘密クラブ」結成により、ウラン価格が急騰した。
ウランは、石油、石炭と同様「限りある資源」である。
7年後、「核の秘密クラブ」が支配するウランを「日本が買い占める」ことが決まっている。
ウラン価格は、狂ったように高騰を続けた。
「核の民営化」「アレバ誕生」という「ありえない物語」を強力にアシストしたのは、田中角栄と私たち日本人だった。
1979年3月28日。米国ペンシルバニア州のスリーマイル島原発。メルトダウン。
2011年3月11日。東電福島第一原発。大地震。原発敷地内にいたアレバ社員8人は誰よりも早く逃げ出した。
(つづく)
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ギー・ド・ロスチャイルド(左)とオードリー・ヘップバーン
1973年7月28日。田中角栄の前に姿を現したジョルジュ・ポンピドゥー仏大統領とは何者?
元ロスチャイルド銀行総支配人。
両首脳は、旧フランス領であるガボンの鉱山を共同開発することで合意した。
ガボンのウラン鉱山の持ち主は?
ギー・ド・ロスチャイルド。
ギーは当時、世界のウランの5分の1を支配する企業「リオ・ティント・ジンク」を率いていた。
このとき、田中角栄は、ロスチャイルド家の「核の秘密クラブ」に深く足を踏み入れてしまったのである。
1950年代半ばまでウラン価格は1ポンドあたり10ドル前後で推移していた。それが4ドルまで暴落した。
元ロスチャイルド銀行総支配人が大統領の椅子に座った。
犯行動機は金の流れにある。
ウランのビジネスで最も莫大な損失を出したのは、世界のウランを支配する多国籍企業リオ・ティントだった。大損したギー・ド・ロスチャイルドには、「金を奪い返す」必要があった。
リオ・ティントの名は、南スペインの国営鉱山に由来する。1873年。ロンドンの投資銀行N・M・ロスチャイルド・アンド・サンズが、リオ・ティント鉱山を買収。広島、長崎で原爆が炸裂すると、世界各地のウラン鉱山を支配、買収した。
N・M・ロスチャイルドの「N」は、ネイサン・メイアー・ロスチャイルド。1815年。「ワーテルローの戦い」における「ネイサンの逆張り」で有名な「戦争賭博人」である。
ナポレオンが勝てば英国の公債が暴落する。英国が勝てば暴騰する。
他の賭博人は、「英国にもナポレオンにも莫大な融資をしている」ネイサンの動向を注視していた。
「ネイサンが公債を売ったぞ!」
その声が市場を駆け巡ると、賭博人どもは一斉に公債を売った。
ネイサンは紙くず同然となった公債を買いまくり、莫大な利益を上げた。
今となっては「バカみたいな話」ではあるが……。
ロスチャイルドの家業は「死体の山を札束に変える」ことであり、自分が貸した金で人間が何人死のうとまったく心を動かされない。
ギー・ド・ロスチャイルドはなぜ、ウラン鉱山を買いまくって大損をしたのか?
<1960年代初めには、ウランの産出量はアメリカの核兵器計画の需要を上回るようになり、生産削減が始まった。>(『核の栄光と挫折』)
ロスチャイルドが予想していた需要を米軍が裏切った。
米軍は、長崎を最後に核兵器を実戦でつかわなかった。
ギー・ド・ロスチャイルドは、米ソ両国が核兵器をがんがんに落とし、築かれた何百万の死体の山を見て、大笑いしようとしていたのではないか?
そもそもの疑問。
「美しい国土が失われ、多くの子どもたちが病気になった。なのになぜ、日本は原発を再稼動し、輸出までしようとしているのか」
ロスチャイルドの行動こそがその回答だ。私はそう思う。
「私は損を取り返す。あんたには死んでもらう」
(つづく)
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「われわれは、いま一九一〇年ごろのシェルのような立場にある。原子力のシェルを建設するのは、われわれの仕事だ」
アンドレ・ジロー フランス原子力庁長官
(山岡淳一郎『田中角栄 封じられた資源戦略』草思社)
アンドレ・ジローこそ、世界最大の原子力企業アレバの生みの親である。
<1970年にフランス原子力庁(CEA)の長官に任命されたアンドレ・ジローは、原子炉と核燃料の二正面でアメリカの独占に攻撃をかけるべきだと考えた。石油のメジャーが原油の採掘からガソリンスタンドの経営まで手がけているように、今後巨大な多国籍企業がウラン鉱石の採掘から原子炉の建設まですべての原子力に関係した事業をやるようになるだろう。「われわれは原子力のシェルになるのだ」と彼は言った。>(ピーター・プリングル ジェームズ・スピーゲルマン『核の栄光と挫折 巨大科学の支配者たち』時事通信社)
当時、「鉱山学者」が広げた大風呂敷をまともに取る政治家、投資家はいなかった。誰も相手にしなかった。
ウランのビジネスはアメリカが独占していたからだ。
1969年6月。ウラン価格は、1ポンド当たり4ドルにまで暴落していた。1964年。アメリカがウランの輸入を全面的に禁止した。アメリカ以外の国際市場ではウランは供給過剰となった。暴落の原因はアメリカにあった。
アンドレ・ジローのウラン需給予測。
1977年までのウランの総需要 2万6000トン
1977年までのウランの生産能力 10万トン超
この数字が何よりも雄弁に物語っている。
「民間企業」アレバ社設立は「市場の掟」が許さない。絶対に儲からない。ウランを掘れば損をするだけ。
フランスは、旧仏領ニジェールのウラン採掘に巨額の資金を投じ、膨大な備蓄ウランを抱えていた。
ジャック・シラク政権で環境大臣を務めたコリーヌ・ルパージュは、福島での原子力災害を目の当たりにしたときのことをこう記している。
<まず頭に浮かぶのが、一九七〇年台、特にフランスがそれまでの軍事研究が中心だった核を民生核として利用する原子力発電計画を発表したときのことです。当時、事故が起きる可能性についは一切検討されませんでした。>(『原発大国の真実』長崎出版)
「民生核」「核の民営化」が諸悪の根源だったということだ。
「民生核」を市場で成立させるためにはどうしたらいいのか?
アンドレ・ジローに課せられたミッション、その1。
闇カルテル「核の秘密クラブ」を作り、ウラン価格を暴騰させろ!
ミッションその2。
「作られたウラン価格」で「高値掴み」をしてくれる顧客(カモ)を探せ!
標的となったのは誰だったのか?
1973年9月27日。ピエール・メスメル仏首相は、軽口を叩いた。
「フランスの濃縮ウランを買いませんか?」
メスメルは冗談のつもりだったのかもしれないが、田中角栄は笑わなかった。
沈黙。
日米同盟、安保条約があるのだから、フランスからの誘いに乗れるわけがない。
角栄は沈思黙考した。
考えることなどあるか?
1972年7月。日米の貿易に関する実務者レベルの会議が開かれ、アメリカ側は「対日赤字解消」を強硬に主張。緊急輸出品目の筆頭に濃縮ウランを掲げていた。
同年9月。ニクソン大統領とハワイで会談した田中角栄は、濃縮ウランの10年分の製造費用3億2000万ドルを前払いする約束をさせられていた。
日本の首相が「ウイ(諾)」などとは、口が裂けても……。
「よろしい。買いましょう」
同席していた土光敏夫東芝社長、松根宗一日本原子力産業会議副会長らは、声が出そうなほど驚いた、といわれている。
(つづく)
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沖縄での米軍属による殺人!
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「アレバ文書」は、世界中の原発を止める力を秘めている。
ことの発端は、フランス、ノルマンディー半島で建設中のフラマンビル原発。
2015年4月。最重要構造物である原子炉容器の欠陥が発覚した。
「高温になるとヒビが入る恐れがある」
仏政府はアレバ社幹部を呼び出し、再テストを命じた。
これだけでも「原発の死」を告げるビッグ・ニュースである。
原子炉容器が3号機に設置されたのは、1年以上前の2014年1月。すでにコンクリートでガチガチに固定され、様々な部品、機材が取り付けられている。
コンクリート、部品、機材を破壊しなければ、原子炉容器を取り出すことはできない。交換が不可能な心臓部を残し、工事は止まった。
ジ・エンド。
しかし、アレバ社の不正はそれだけではなかった。
仏原子力規制当局(ASN)は、再テスト勧告と同時に、原子炉容器を製造したクルーゾー工場の「品質管理プロセス」の調査をアレバ社に命じていたのだ。
クルーゾー工場
2015年10月に提出された最初の「アレバ文書」はつき返された。「2010年以降」のみを対象にしたインチキの報告書だったからだ。
「2004年までさかのぼって調査せよ」(ASN)
さらに半年が過ぎた。
2016年4月25日に提出された「アレバ文書」の驚愕の内容。
<クルーゾー工場で1965年以降に製造された約400点の原発部品の品質証明書に不正があった>
それは、なんと、51年間におよぶ「アレバ社の犯行記録」だった。
製造記録と品質証明書の不一致、記載漏れ、改変など。
<このうち約50点がフランス国内の原発に使われている>
ということは、350点もの不正部品が世界各国に輸出されたことになる。
5月4日。ASNは「アレバ文書」のごく一部をHPにひっそりと掲載。日本語で報道したジャーナリストはいない。
4月29日。アレバ社のプレスリリースには次の事実が書いてあるだけ。
<クルーゾー工場の調査を継続する>
<現段階では、部品の機械的健全性を危うくするような情報は出てきていない>
部品は健全!?
単なる書類上の問題?
アレバ社とフランス政府は、「51年間の犯罪」を闇に葬ろうとしていた。
ところが……。
爆弾は、ドーバー海峡の向こうで炸裂した。
つづきはメルマガで
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アレバ社元CEO、アンヌ・ロベルジョンの末路は「原子力の闇」そのものだ。
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隠された2013「5・23」自爆テロ事件
標的は仏アレバ社が支配するニジェールのウラン鉱山
2013年5月23日。西アフリカ、ニジェールの政府軍基地とウラン鉱山で自爆テロが起きた。
基地へのテロではニジェール軍兵士20人が死亡。
鉱山では1人が死亡、14人が負傷。爆発により操業は停止された。
AFP通信によると、前年、隣国マリの北部を支配下に置いたイスラム過激派のひとつ「西アフリカ統一聖戦運動(MUJAO)」が犯行を認め声明を出している。
「シャリア(イスラム法)に対する戦争でフランスに協力するフランスとニジェールを攻撃した」
ニジェールは、世界4位のウラン生産国だが、世界で3番目に貧しい国といわれている。平均寿命はわずか45歳。
アレバ社はニジェールに「鉱山税」を1円も支払っていない。
ニジェールのウランが生み出す莫大な富は、ロスチャイルド系のアレバ社が吸い上げ、地元の人々に与えられるのは放射能汚染だけだ。グリーンピースによれば、攻撃されたアーリットでは、呼吸器疾患に起因する死亡者数は、全国平均の2倍。地域の井戸は通常の500倍もの高い放射能レベルで汚染されているという。
ニジェールで繰り返されるクーデター、民主政権転覆も主因は常にウラン利権である。
アレバ社 ニジェールから撤退
2011年3月。仏軍リビア空爆。カダフィ政権崩壊へ。
「アフリカの怒り」とリビア軍の武器がマリ北部の独立運動へと結集した。
2013年1月。仏軍マリ空爆。
同時に仏軍は隣国ニジェールに派兵した。
なぜ?
「一企業アレバ社とウラン鉱山を守るために」
たったそれだけの理由でフランスは軍を送った。
ニジェールでは、フランス人誘拐事件が頻発していた。
「アフリカの怒り」はニジェールにも飛び火した。
2013年5月。アレバ社所有のウラン鉱山で自爆テロ。
アルリット鉱山は操業を停止した。
選挙のたびにクーデターで誕生する独裁政権もついに怒り爆発。
「アレバ社は鉱山税を払え!」
2014年7月。アレバ社はニジェールから撤退した。
同年10月。仏議会は原発依存度を50%に引き下げる法案を可決した。
中田潤メルマガ「白戸次郎対マリリン・モンロー」より
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2015年4月。建設中のフランスのフラマンビル原発で原子炉容器の異常が発覚。仏規制当局は再テストを勧告した。
2012年に稼動するはずだったフラマンビル原発
アレバ社は原子炉容器を製造したクルーゾー工場での品質検査プロセスの調査を開始。しかし、報告書は2010年以降のみを調べたもので仏規制当局からつき返される。
「2004年までさかのぼって調査せよ」
2016年4月25日。アレバ社が提出した報告書。
<1965年以降に製造された約400点の原発部品で品質証明書を偽造>
報告書は、なんと、51年間にわたるアレバ社の「犯行記録」だった。
<このうち約50点はフランス国内の原発で使用されている>
約350の原発部品は、アメリカを始め、世界各国に輸出されていた!
当然、日本の原発にも不正部品が使われている!!
フランス政府は報告書を隠そうとしたが……。
イギリスでは、フラマンビル原発と同様のアレバ社製原発、ヒンクリーポイント原発3号機の建設を計画していた。
2016年5月13日。フランス政府が闇に葬ろうとしていた報告書を英原子力規制局が暴露!
この文書は、世界中の原発の息の根を止める! 拡散をお願いします!
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冥福を祈るな
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弁護人「被告人の性格はどう感じていますか」
佐々木氏「優しくて気が利く人間です」
《清原被告は時折目を固くつぶり、佐々木氏の話を聞いていた》
弁護人「エピソードがあれば教えてください」
佐々木氏「一番は、今もですが、食事をした後、普通の人は『じゃあね』と言いますが、清原君はにこにこして『ありがとうね』と言ってくれます。僕はその言葉が好きで、また食事をしたいなと思います」
弁護人「その時はいい顔をしているんですね」
佐々木氏「はい。かわいい顔してます」
弁護人「佐々木さん自身、『番長』というイメージは持っていますか」
佐々木氏「ないです」
産経ニュースより
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<和博は私に手紙を書いて弁護人に託してくれました。手紙は生まれて初めてもらいました。手紙の中で和博はただ謝っていました。ごめんなさい、と書いていました。また、更生し人生をやり直すことがしっかりとした字で書かれていました。和博は、厳しい現実があると言っていますが、それ以上に難しいことが待っていると思います。人の役に立つ人間として生まれ変わり、人生をやり直してほしいと思っています。親としてできる限りの支援をしたいと考えています>
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法廷の佐々木主浩
「食事のあと『ありがとね』と笑顔でいってくれた」
私が清原をインタビューしたとき、清原は薬物をやっていたのか?
『堕ちた「番長」清原和博の闇』(別冊宝島)
検証――「Kの悲劇」
清原が迷い込んだ「オレンジ色の牢獄」
<清原が「ゆるいゴロを捕って返球する」だけのさびしい守備練習をしているそばを松井秀喜が通りかかったことがあった。
松井は立ち止まって先輩を見た。松井は声をかけたかったに違いない。しかし、清原は一瞥して視線を外す。「しょうがないなあ」という感じで松井は通り過ぎていった。
清原和博は人間を拒絶していた。
8年後。私は「敵」として、清原和博と対面した。
こんなに奇妙で幸福なインタビューは、あとにも先にもない。
2001年。私は『男、清原どこへ行く』(飛鳥新社)という本を出版していた。私は「本人の承諾なしに“清原”の名前で小銭を稼いだやつ」「有名人の寄生虫」でもあった。
笑顔の清原から握手を求められ、私は狼狽した。清原もおそらく、それを察知した。経験から「この取材は失敗だ」と私は思った。
報道が正確なら、このときも、清原は覚醒剤を使用していた。
編集者が、清原が表紙の『ナンバー』(2003年12月撮影)を差し出す。
「頭染めるんは、きまって怪我したときなんですよ」
表紙の清原は髪をプラチナブロンドに染めている。
「兆候はあった」ということになる。肉体を改造し、刺青をして、薬物で「脳みその改造」までやった球界のスーパースター。
「朝起きて、鏡を見る。そこに怪我した自分が映っている。自分を自分だと認めたくないんです。だから、違う自分になろうとする」
清原はユニフォームのズボンをまくり上げ、サポーターを下ろした。右ヒザよりもはっきりと太い左ヒザには、ハの字型のぶっとくて青黒い傷跡があった。
ただ自力で立つまでに3週間、歩くまでに4ヶ月もかかった大手術からの復活を書く。それが私に課せられた仕事だった。
「今、僕の家は穴だらけですよ」
ここにも「兆候はあった」ということになる。
<部屋で穴が開けられそうなところは全部、殴る。突き破る。
「何回も負けそうになった。『闘う』と俺、言ったけど、俺、なんでここまでしなきゃいけなんだよ!? 爆発した」
ボコボコの壁は写真で隠した。>(『ナンバー』2008年4月24日号)
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中国原発4基で東芝製最新型原子炉の致命的欠陥が発覚。
3年以上、工事が遅れた。
この事実は何を意味しているのか?
中国発の最新ニュースをご紹介しよう。
<中国:海南島で建設中の昌江2号機で燃料初装荷が開始>(原子力産業新聞 2016年5月12日)
昌江原発2号機の着工は2010年11月。5年半で燃料装荷。
昌江原発1号機はすでに商業運転を開始している。
<中国:2015年末から2016年初頭にかけて3基が営業運転開始、2基が正式着工>
<2010年から建設中の昌江原子力発電所><2015年12月26日に1号機が営業運転を開始した。>(原子力産業新聞 2016年1月6日)
昌江原発1号機の着工は2010年4月。5年8ヶ月で運転開始。
「東芝製」三門原発1号機の着工は2009年4月。未だ建設中。
中国が「国産」と主張する「コピー原発」に追い抜かれた!
コストの差をみれば、誰だって納得するはず。
「東芝は原発を輸出できない」
昌江原発2基の建設費は?
(つづきはメルマガで)
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中国で建設中の三門・海陽原発4基は、深い闇に包まれた「ゲゲゲの原発」だ。
ジャーナリストの川端寛が入手したメールにはこうある。
<先ほど、AP1000のプロジェクト管理を二年以上請け負っているKPMGから、中国・USのAPプロジェクトは大きな問題を抱えており、ロスコントラストにすべきと進言を請けてしまいました。>(『文藝春秋』2016年4月号)
日付は2013年10月2日。
メールを書いたのは、東芝の渡辺幸一財務部長。メールを受け取ったのは電力カンパニーのT社長。
注目してほしいのは、「US・中国」ではなく、「中国・USのAP1000プロジェクト」で書かれていることだ。米国の原発4基は、わかっているだけで26億ドルもの損失を原発所有企業に与えているが、このメールは、「中国の4基はもっと深刻な事態になっている」ことを示唆している。
KPMGは、オランダに本拠を置く会計事務所。世界4大会計事務所BIG4のひとつだ。
「ロスコントラスト」は、おそらく、「ロスコントラクト」を誤記したもの。
ロスコントラククトは、「失注」。
2012年末。三門・海陽原発に8機の冷却材ポンプが設置された。
ところが、2013年1月。海陽原発で冷却材ポンプのテストが行われ、「羽根車が脱落」という初歩的な欠陥が発覚した。冷却材ポンプは、米国カーチス・ライト社に返品され、原発建設工事は4基すべてで止まった。
渡辺部長のメールは、テストの9ヵ月後に書かれたものだ。
東芝は中国企業に約束していた。
「2013年11月に三門原発1号機の商業運転を開始します」
タイムリミットの1ヶ月前に、このメールが発信された。
<その後、ファイナンススタッフに囲まれ、2Qで追加のコストを認識すべきと進言を受けてしまいました。>
このメールは、「東芝が中国の原発で巨額の損失を出した」ことを証明している。
未だ闇に包まれているのは「追加のコスト」の具体的な金額だ。
東芝の渡辺幸一財務部長は、2015年9月の記者会見に突如現れ、とんでもないウソをがんがん吐き散らし、その後、表舞台から消えた幽霊のようなやつである。
「2015年度の業績予想も未だ開示できず、社会的責任を痛切に感じております」
室町正志社長がマイクを置くと、渡辺の独壇場となった。
「2014年度決算は、もろもろございましたが、実質的な営業損益は増益であります」
「原子力事業の2014年度の売上高は6200億円で前年度比10%増。STPの減損なかりせば、増益です」
この男もまた、地球ではない他の惑星に住んでいる。
「中国原発の損失を認識せよ!」
BIG4会計事務所から吊るし上げをくらったのは2年前だ。
にもかかわらず、渡辺は、「原子力事業の損失はサウス・テキサス・プロジェクトの410億円だけだ」と言い張った。
この大ウソつきが、未だ東芝財務部長の椅子に座っているのだ。
何が問題か、誰の目からも明らかだ。
最大の爆弾は隠されている。
中国「ゲゲゲの原発」爆弾が炸裂するとき、東芝はどうなる!?
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もー、笑うしかない。
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「株の神様」ウォーレン・バフェットが「原発株」に手を出し始めた2008年。バフェットは、米誌『フォーブス』の長者番付1位になっている。なんと、あのビル・ゲイツを押しのけて。
原発は儲かる?
いや、違う。ぜんぜん違う。
2008年の栄光が最後。その後、バフェットは1番になったことがない。
「3・11」大地震。「3・14」東電福島第一原発「東芝製」3号機が爆発した。
3011年4月14日。東芝の佐々木則夫社長は、事故後初めて公の場でこう語った。
「当社が(原発プラント)受注を目指していた国で(計画を)撤回すると言った国はない」
そのわずか5日後の4月19日。
<日本で起きた悲劇的な原発事故は、米国の新規原子力開発においてさまざまな不確実性をもたらし、STPの3・4号機建設が計画通り進む可能性を著しく低下させた。>(NRCエナジーのデービッド・グレーンCEO ブルームバーグ 4月20日)
NRGエナジーは投資中止を表明した。
この素早さは何?
この判断が「電力屋」NRGではなく、「投資家」ウォーレン・バフェットの指示だと考えれば、すんなりと納得できる。ただ、金を右から左へと動かしているだけのバフェットにとって、「原発建設」には1ミリの興味もないからだ。
NRGは同時に評価損計上額も公表した。
4億8100万ドル(約546億2717万円)。
素早く損切りをして手仕舞い、ってやつだ。
普通ならこれで懲りる。
ウォーレン・バフェットが反省の弁を述べればすむことだ。
「エネルギー企業への投資は私らしくなかった」
しかし、バフェットは、原発事故後の「原発建設会社」に巨額の投資をして二度目の大損をする。
2013年5月。バフェットは、3月末日までにシカゴ・ブリッジ&アイアン(CB&I)株650万株を保有していると米当局に報告した。
3月末のCB&I株価は61・16ドル。バフェットは3億9754万ドルをCB&I株にぶち込んだ。
CB&Iは、石油タンク建設などを得意とする老舗の建設会社だが、何を血迷ったか、2012年7月、「全米最大の原発建設会社」ショー・グループを買収した。
ショーは、東芝のウェスチングハウス買収に20%出資した会社だ。ショーは、東芝と組み米国と中国で計8基の原発を建設し、東電福島第一原発の後始末の仕事も請け負っている。
「株の神様」は発狂した。
原発が爆発し、十数万人が家を失う大惨事を目の当たりにしてもなお、80をとうに過ぎ、前立腺がんを患っているウォーレン・バフェットはこう考えている。
「原発株は儲かる」
ショーの原発部門子会社の名は「ストーン&ウェブスター(S&W)」。米国のボーグル原発、VCサマー原発で26億ドルもの損失を出し、債務超過、つまり、破産した会社だ。
S&Wの惨状をみて、親会社CB&Iは「原発の新規建設から手を引く」と宣言。CB&Iの大損失は、なぜか、東芝がS&Wを買収することで「手打ち」となった。
そして今日、2016年5月12日のニュースがこれだ。
<東芝、米原発の協力解消 現地大手と 建設計画に遅れ>(日本経済新聞)
<東芝は11日、米テキサス州で進めている原子力発電所の建設計画で、パートナーとしていた現地大手エンジニアリング会社、CB&Iとの協力関係を解消すると発表した。>
<CB&Iは同計画から撤退し融資を打ち切るほか、STPなどに対して持つ債権を放棄する。)
原発に手を出し大損したCB&Iの今の株価。
37・7ドル。
ウォーレン・バフェットは、少なくとも1億5249万ドル、約166億3086万円の大損をした。
この男を「株の神様」と呼んだやつはウスラ馬鹿だ。
原発は投資不適格。
CB&I株価5年チャート
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ウォーレン・バフェットは原発を2基所有している。
「原発は投資不適格」
1980年代の初めからウォール街はそうアナウンスし続けてきたが、身をもって証明したのが「株の神様」ウォーレン・バフェットだ。
バフェットは、コカ・コーラ株、ウォルト・ディズニー株などでの成功で有名だが、実は原発を2基持っている。サウス・テキサス・プロジェクト(STP)原発1・2号機を所有するNRGエナジー株の80%以上をバフェットが所有。ウォーレン・バフェットは「原発オーナー」なのだ。
ウォーレン・バフェットは、原発で天文学的な額の大損をした。
「原発の新設に約7500億円の融資保証を行う」(バラク・オバマ大統領 2011年3月16日)
私が見た「生涯で最も解せないニュース」である。理解不能。想像を絶している。納得できるわけがない。
「原発に投資をしてください。あなたがお金を貸して、たとえ、原発が動かなくても、貸したお金の8割は税金でお支払いします」
14万人以上が家を失い、ふるさとを追われ、逃げ惑い、寒さに震えるなか、日本の同盟国のリーダーがそう言っているのだ。
米国人の血税をばら撒く相手は決まっていた。
ユニスター、スキャン、NRGエナジー、サザン・カンパニー。
米国の原発関係者、ジャーナリストは絶句した。
「なんで、NRGエナジーがここに入っているの!?」
<慈悲深い神は、どうしてこのようなことをお許しになったのだろう。私は手に負えない皮肉屋だが、これは極限のヨタ話だ。>(グレッグ・パラスト『告発!』早川書房)
テキサス州の電力会社、NRGエナジーは、東芝の子会社、ウェスチングハウスによってひどい目に合わされていた。投資したサウス・テキサス・プロジェクト原発1・2号機の建設の遅れは犯罪的だった。
1号機の着工は1976年。
「5年で完成させる」
NRGは宣誓までおこなって「完成前の建設費を電気代に上乗せさせること」を当局に承認させたが……。
運転開始は1988年。なんと、建設に12年もかかった。
2倍以上の工事遅延。
「2基12億円で建設する」
建設費は58億ドルに膨れ上がった。
5倍近いコスト超過。
「安全基準が守られていない」という内部告発が次から次へと出てきたが、NRGの対応はひとつだけだった。
「社に歯向かったやつは全員、クビ」
NRGは現場の建設会社をつかい、原発のロッカールームの天井に3インチの小型カメラを取り付けた。
「誰が歯向かっているのか見つけ出せ! 全員、クビだ」
NRGと建設会社に警察の捜査が入った。
裁判は、「10億円の罰金」で幕引きとなったが、テキサス州公益事業委員会は「NRGはプロジェクト管理者として不適切」という烙印を押した。米国原子力委員会では、NRGの免許剥奪が議論された。
「NRGは“道徳的”に完全な条件を満たしていない」
原発投資で破産寸前。ふらふらになったNRGは、起死回生を狙った英国電力会社買収にも失敗し……。
2003年5月。破産申告。
NRGエナジーの悲惨な歴史を見れば、誰だってこう思うだろう。
「株の神様」ウォーレン・バフェットは、破産申告で紙くずになったNRG株を買い、その後、NRGは急成長。バフェットは巨万の富を築いた。
違う。ぜんぜん違う。
バフェットがNRG株に手を出したのは2007年以降。
2008年11月。NRGが「全米最大の原発企業」エクセロンから敵対的買収を仕掛けられたとき、バフェットはこう語っている。
「株を買ったときの値段以下では売らない」
その株価を見て、腰が抜けそうになった。
42・9ドル
現在の株価。
15・77ドル
半分どころじゃない。NRG株価は63・24%も暴落した。
原発は投資不適格。
「株の神様」がなぜ、こんな狂った投資行動をとったのか?
2005年8月。「エネルギー政策法」制定。
総予算、なんと185億ドル! 2兆535億円!
原子力発電所への債務保証。
<総プロジェクトの80%を超えない範囲での負債の100%を保障>
原発工事遅延への保険。
<6基の原子炉について、NRC(米国原子力規制委員会)審査や公聴会、訴訟に起因する全出力運転の遅れに対し、最初の2基については最大5億ドルで遅延コストの100%までを保証>
この投資には失敗がない。極悪企業NRGがまた、工事遅延や大失敗をやらかしても、バフェットの金庫には莫大な米国民の血税が流れ込んでくる仕組み。
つまり、詐欺だ。
誰も指摘しないが、バラク・オバマが最初に働いたのは、ウォール街の投資銀行だ。「初の黒人大統領」は、ウォーレン・バフェットら金融屋によってでっち上げられた。
「今こそチャンスだ。大統領選に出馬しろ」
オバマの背中を押したのは、エクセロンの子会社「原発企業」コモンウェルズ・エジソンのフランク・クラークCEOだった。選挙資金調達担当として、エクセロンのジョン・ロジャース副会長がオバマ陣営に駆けつけた。
オバマが大統領の椅子に座ると、経済顧問としてウォーレン・バフェットもホワイトハウスに入った。
それまでブッシュ政権が認可した原発新設計画は3つ。
ドミニオン。バージニア州ノースアナ原発。
エンタジー。ミズーリ州グランドガルフ原発。
エクセロン。イリノイ州クリントン原発。
すべて「世界最大のコングロマリット」「軍需企業」ゼネラル・エレクトリック(GE)製原発だった。
ところが……。
オバマ大統領誕生で企業名がまるでオセロのようにひっくり返る。
NRGエナジー。テキサス州サウス・テキサス・プロジェクト原発。
ユニスター。メリーランド州カルバートクリフ原発。
スキャナ。サウスカロライナ州VCサマー原発。
サザン・カンパニー。ジョージア州ボーグル原発。
STP原発は「最初の2基」に確実に選ばれる。
この投資に失敗はない。はずだった……。
「3・11」までは。
(つづく)
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「ウェスチングハウスは原発64基の受注を目指す」
ウェスチングハウスCEO ダニエル・ロデリック
ダニーの「インド原発」ホラ話
<東芝傘下の米WH、インドで原発受注の見通し 年明けに>(朝日新聞デジタル 2015年11月20日)
<(WHのダニエル・ロデリックCEOは)新原発の受注については「来年にはインドで6~12基の契約を結べるだろう」と述べ、来年1~3月には実現しそうな契約があると明言した。中国でも「30~50基」の受注へ期待を示し、米国、東欧、豪州などでも受注が広がる可能性に言及した。>
今は「年明け」か!?
<インドでは近く6基を受注する>(毎日新聞 2016年5月4日)
「近く」って、いつなんだよ!?
ダニーの「工事遅延」ホラ話
<新鋭原子炉「AP1000」を米国内で初めて設置する。「この原発の経験を活かせば、その後はコストを下げられる」とも述べ、同原発をきっかけにコスト面での優位性を回復させ、受注拡大を目指す考えを表明した。>(毎日新聞 2016年5月4日)
ダニーはこう言っているのだ。
「私たちには、工事を大幅に遅らせ、26億ドルもの大損をした“実績”がありますからね。今は高くつきすぎているから、次は安くできるわけですよ」
<200基の原子炉新設が計画されている中国では今後10年で30基、150億ドル規模の受注を目指す>(ブルームバーグ 2015年12月10日)
2014年6月に運転開始するはずだった中国の三門原発は、今も「建設中」。
<AP1000の初号機は、16年後半の運転を予定>
もうすぐ「16年後半」だよ。
<初号機の事業で必要な資材の供給網ができた>
……何が必要か、もわからず中国原発を造ってきたの?(絶句)
<AP1000を36ヶ月で完成できたら、中国の華龍1号の存在を無視できるようになる>
……それができなかったから、WECは13億ドル超の減損を余儀なくされたんじゃないのか!?
三門原発着工は2009年4月。82ヶ月が過ぎて、いまだ1ワットの電力も生み出していない!!
<AP1000型原子炉が「公正な入札においては、どの国のメーカーのどの炉型に対しても競争力がある>
AP1000の「ウリ」だった大型冷却材ポンプは、テストで「羽根車がとれる」というドタバタ喜劇みたいな初歩的な欠陥をさらし、中国からアメリカへ返品された。
ウェスチングハウスを手放さなければ、東芝は「原子力破産」する。
ダニーは、5歳児のごとくこう言い張っているのだから。
「大損したからね、明日は大儲けできるんだよね」
ダニーの「原発需要」ホラ話
「世界中で原子力の需要が高まる」
「気候変動に立ち向かうには原子力が必要だ」
「2週間ほど前、ホワイトハウスのスタッフ会議に私も参加しましたが、『気候変動の問題に立ち向かっていくには原子力がどうしても必要だ』『これまで以上の規模で原子力が必要だ』と言う声が多く聞かれたことをご報告したい」(記者会見 2015年11月20日)
<温暖化問題への対応で原子力は必要>(毎日新聞 2016年5月4日)
<天然ガスや石油は価格が上下するが、原発は60年間、安定した価格で供給できる>
<中国には200基の原発ができる。うち30~50基は『AP1000』になる>
「3・11」後の5年間。世界で67基の原発の永久閉鎖が決まった。運転開始したのは、わずか9基。
1年で10基以上の原発がこの星から消えている!
ダニーの「米当局調査」ホラ話
<東芝は原子力事業子会社、米ウェスチングハウス(WH)の減損損失13億ドル(現在のレートで1460億円)を隠した疑いで米当局の調査を受けている。>
<米司法省と証券取引委員会(SEC)は不正が行われたかどうかを調べている。>(ブルームバーグ 2016年3月17日)
この報道にダニーは激怒。
<ブルームバーグによる最近の報道を強く否定します。記事の見出しも内容も正確ではなく、事実無根です。>
<当社の知る限り、ウェスチングハウスの財務報告は調査を受けていません。>
<ブルームバーグは、匿名の情報筋の引用と憶測により、報道と発言の自由を汚しています。この粗雑な「報道」は、世界中の東芝の株主とウェスチングハウスの顧客にきわめて深刻な影響を及ぼしています。>(ウェスチングハウスのプレスリリース 2016年3月18日)
ダニーは報道を強く否定したが……。
<複数の当社米国子会社が米国司法省(DOJ)及び米国証券取引委員会(SEC)から会計処理問題に関連して情報提供の要請を受けており、当社米国子会社はこれに協力しております。>(東芝のプレスリリース 2016年3月18日)
……???
同じ日に、主張が180度違う声明を出している。
「2014年。わたくしども原子力事業部とウェスチングハウス事業部。これを一体化しました」(志賀重範・東芝副社長 元ウェスチングハウスCEO)
これ、「奇妙」をはるかに通り越して「怪奇」である。
東芝は、口と頭がふたつある化け物なのか?
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<六千四百億円。これが同時に進められていたWHの買収額だ。「狂気の計算」。本命と見られながら、二千億円も引き離されて敗れた三菱重工首脳はこう形容した。>
日本経済新聞 2006年4月20日
<東芝がWH出資の際に米政府が求めたのは原子力へのコミットメントだ。原子力発電所完成については16-17年までの使命だが、着工までに多くの投資をし、人員も8000人から1万3000人超に増やした。経営がうまくいっていると自信を持って断言できる>
ウェスチングハウスCEO 志賀重範 日刊工業新聞 2012年8月1日
日本を代表するメーカーの「狂気の計算」。
1999年。ウェスチングハウスは英国核燃料会社に買収された。買収金額12億ドル (約1320億円)。
2005年9月。売却にともない公表されたウェスチングハウスの資産価値は、約2000億円。
2006年1月。英紙が東芝のウェスチングハウス買収を報じると、東芝の株価は3日続落した。格付け各社も東芝を格下げの方向で見直した。
ウェスチングハウス買収前。2005年9月から2006年1月まで、東芝株は90%も上昇していた。
三菱重工の入札額は推定4400億円。
<実は先週、買収額は四千億円台と、当初予想の倍以上に急騰した。東芝担当者も「もうだめか」と考えたが、>(日本経済新聞 2006年1月25日)
東芝は2000億円でウェスチングハウスを買収しようとしていたのだ。
<強気で「ゴー」の指示を下したのは西田社長だ。>
西田厚聡を発狂させたのは何だったのか?
東芝の社内調査はこんな結論を下していた。
「ウェスチングハウスを買収しなければ、2020年までに東芝の原子力事業は世界で孤立する。機会損失も大きい」
東芝が「失うチャンス」とは何?
2001年5月。「戦場と原発のなんでも屋」ハリバートン社CEOだったディック・チェイニーが「国家エネルギー政策」を発表した。
<大統領はエネルギー政策の重要な要素として原子力の拡大を支援すること>(原子力についての勧告)
2002年2月。米エネルギー省のスペンサー・エイブラハム長官が「原子力2010イニシアチブ」を発表した。
<国家エネルギー政策の目的達成のために新規原子力発電所を10年以内に建設する>
最大のポイントは「認可の迅速化」だ。
<早期サイト認可><新型炉の設計承認><一括建設・運転許認可>
チェイニー一味は、米国原子力規制委員会(NRC)をガン無視して、2004年までに3つの原発新設を「認可」してしまった。
ところが……。
バージニア州ノースアナ原発 炉型 日立・GE連合のESBWR
ミズーリ州グランドガルフ原発 炉型 日立・GE連合のESBWR
イリノイ州クリントン原発 炉型未定 既存原子炉はGE社製
東芝の名前はどこにもなかった。これこそが、東芝の「機会損失」だった。
さらに……。2005年8月に制定された「エネルギー政策法」こそ、東芝を発狂させた「アメリカの罠」だ。
原発6基に対し、予算総額なんと、185億ドル(約2兆535億円)!
だたし、莫大な米国人の血税が与えられる原発は6基のみ。椅子は6つしかない。
しかも……。
<6基の原子炉に対しNRC審査や公聴会、訴訟に起因する全出力運転の遅れに対し、最初の2基については最大5億ドルで遅延コストの100%までを保証>
建設が遅れたら、米政府が555億円くれる、という法律なのだ。
でも、「最初の2基」に選ばれなかったら?
<次の4基には最大2・5億ドルで遅延コストの50%までを保証>
出遅れたら、もらえる税金が半分になってしまう!
「平等」をうたう国家でこんな法律が許されていいの?
「エネルギー政策法」は、原子力企業の鼻先にぶら下げられたニンジンだった。
「エネルギー政策法」制定と同時に、米国の名門企業だったウェスチングハウスが売りに出された。
東芝はアメリカの罠に引っかかった。カモられて発狂した。
2012年8月。日刊工業新聞は、志賀重範ウェスチングハウスCEOをインタビューした。
「次期社長と発表されていたジム・ファーランドが、就任の数日前に辞表を叩きつけたり、いろいろあったけど、ウェスチングハウスは大丈夫なの?」
それがインタビューの趣旨だったが……。
志賀は、唐突に「米政府」という言葉を発している。
<東芝がWH出資の際に米政府が求めたのは原子力へのコミットメントだ。>(日刊工業新聞 2012年8月1日)
コミットメント「責任ある約束」。
<原子力発電所完成については16-17年までの使命だが、着工までに多くの投資をし、人員も8000人から1万3000人超に増やした。経営がうまくいっていると自信を持って断言できる>
志賀は米原発4基建設を米政府に対する「使命」とまで言っている。
なぜ?
このとき、すでに、ボーグル原発、VCサマー原発で「コスト超過」が発生していた。
基礎の中の基礎工事「ベースマット設置」にNRCからクレームがついた。
「ベースマットの設計からやり直せ」
東芝は米政府に対する責任ある約束を守れていない。使命を果たせていない。
<(ウェスチングハウス買収は)米国の安全保障にかかわる技術が絡むので「米政府による事前承認が必要だ」(米財務省)>(日本経済新聞 2006年2月7日)
当時の新聞は、「米政府が東芝のウェスチングハウス買収を承認しないのではないか?」とさかんに報じていた。
承認の条件は「原子力へのコミットメント」だった。東芝は、米国原発を造り、米国に利益をもたらす使命を負っている。
複数の東芝の米国子会社への米法務省、米国証券取引委員会の調査が開始され、東芝の姿勢は一変した。
それまでは、「原発事業は儲かっている」と言い続けてきた東芝が、あっさりとウェスチングハウス「のれん」の減損2600億円と、東芝アメリカ社株の損失1000億円を認めた。
米当局は今も東芝の不正を調査している。
「不正」「米国の国益損失」が発覚すれば、東芝は即、米国から追放される。
エンロンの粉飾額よりも東芝の粉飾額のほうが3倍近くでかいのだから当然だ。
東芝なぜ、こう宣言することができないのか?
「莫大な損失を計上した原子力事業から手を引き、モノづくりの原点に立ち返ります」
アメリカの呪縛があるかぎり、そんなことは口が裂けても言えない。
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<日立・GE、米で原発受注 30年ぶり新設へ>
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2012年7月
「東芝がWH出資の際に米政府が求めたのは原子力へのコミットメントだ。原子力発電所完成については16-17年までの使命だが、着工までに多くの投資をし、人員も800人から1万3000人超に増やした。経営がうまくいっていると自信を持って断言できる」(WEC社長兼CEO 志賀重範 日刊工業新聞 2012年8月1日)
2013年7月
2012年度監査で合計9億2600万ドルと巨額の減損を認識することになり、誠に申し訳ありません。
ウェスチングハウス社幹部
2015年7月。
粉飾決算に関する東芝の記者会見。
「ウェスチングハウスそのものの数字は大変申し訳ございません、現状まで開示してございませんが、ウェスチングハウスそのものの上げるキャッシュフロー、ならびに損益につきましては、その8割以上はいわゆる保守ならびに燃料の交換でございます。つまり安定した収益をきっちり上げている、というように私どもは認識してございます。さらにそれに加えまして、近年、東京の国内の、日本の原子力事業部とのシナジー、これが着実に実を結んでございまして、具体的な数字は、本日はちょっと公表は差し控えさえていただきますが、買収当時に比べますと営業利益は大幅に拡大している現況にあるということでございます」(前田恵造CFO)
2015年11月。
『日経ビジネス』が入手したメール。
<WHの減損テストは東芝にとって非常に重要。社内であっても関係者以外に情報を不用意に伝えず、間違っても社外(会食時、タクシー内など)で本件の会話をすることのないよう、徹底をお願いします。>(東芝原子力部門幹部)
ウェスチングハウス(WH)の新型原発「AP1000」には、米国で14件の建設申請があった。
東芝製の東電福島第一原発3号機が爆発した。
現在建設中の原発は2基のみ。建設予定も2基のみ。
7割以上の仕事がキャンセルされた。
ボーグル原発3号機の建設費は約70億ドル。約8610億円。
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青少年のためのILL BONE
歌うことは苦行だ。本当に疲れる。
多分、歌うことは「田園を引き寄せる」ことだからだろう。
草いきれ、鳥の声、木の葉のささやき、動き消える陽光とともに。
新宿の地下へ。傷だらけの鉄の扉へ。
引き寄せる。
死ぬまで数だけを数えている脳味噌へ。
踊りに行こうよ。
町にザ・タイガースの歌声があふれていたころ、兄はガット・ギターを手に入れた。兄が出かければ私のものだ。
戦争を知らない子どもたちさ。
C Aマイナー F G
今日の日はさようなら。
やっと自分のギターを手に入れ、最初に練習したのは、遠藤賢司の『カレーライス』だった。
きみも。猫も。うん。僕も。
固き土を破りて、民族の怒りに燃ゆる島。沖縄よ。
両親は教師で共産党員だった。
日曜日になると、兄と私はデモや集会に引き回された。
沖縄を返せ!
スローガンを書いたボール紙をサンドイッチマンのように着せられた。
核兵器廃絶!
岡山駅から城に向かう大通り。
デパートの屋上に小さな観覧車があった。アドバルーン。
いやでいやで仕方なかった。
だって、他のやつらはあそこで遊んでいる。ソフトクリームをなめている。
4人の家族は土臭く不機嫌だった。
夢中になったのは、江戸川乱歩「少年探偵団」シリーズだった。
緑衣の鬼。
人間豹。
誰もいない浜辺に打ち捨てられた水族館がある。
水槽の中の全裸の死体。
私はまねをして文字を書くことをおぼえた。
顔を塗りたくった口のでかい白人が表紙。
ザ・ローリング・ストーンズの4曲入りレコード買ったのは、中学何年生のころだったか。
ジャンピング・ジャック・フラッシュ。
一人ぼっちの世界。
ストリート・ファイティング・メン。
ルビー・チューズディ。
わけがわからなかった。少なくとも、それは「きれいな歌」「整った音楽」ではなかった。
わけがわからぬうちに『ジャンピング・ジャック・フラッシュ』を十回以上繰り返し聴いた。
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2006年10月。東芝がウェスチングハウス(WEC)を買収すると、志賀重範はWEC統括事業部長、ウェスチングハウス社上級副社長というふたつの肩書きを得た。ウェスチングハウスに送り込まれた東芝の最高責任者、監督者が志賀だった。
2008年。志賀は東芝電力システム社副社長とウェスチングハウス社上級副社長を兼任していた。
志賀重範は、テキサス州サンアントニオの100万市民に対する詐欺の主犯だった。
1970年代初め。テキサス州に原発を建設計画が持ち上がった。ウェスチングハウスはサンアントニオ市民に約束した。
「原発建設で電気料金が驚くほど安くなります」
サウス・テキサス・プロジェクト(STP)原発1・2号機の着工は1976年。
「5年で運転を開始します」
これが詐欺の始まりだった。
運転開始は1988年。原発建設に、なんと12年もかかった。
「2基12億ドルで原発を建設します」
これこそが究極のウソだ。
建設費は5倍近い58億ドルにまで膨れ上がった。
工事遅延によるコスト超過分は誰が支払ったのか?
「○年○月に原発の運転を開始します」
原発を所有する電力会社リライアント(現在のNRGエナジー)が、ウソの宣誓証言をするたびに原発建設費は電気料金に上乗せされた。「米国の国家機密に属する」補助金が湯水のごとく注ぎ込まれた。
サンアントニオ市民、米国民の財布からお金が盗まれた。詐取である。
被害はそれだけではない。
2003年。NRGエナジーは破産申告をした。
ウェスチングハウスに原発を注文すると電力会社は破産する。
1980年代以降、ウォール街は「原発は投資不適切」とアナウンスし続けてきたが、STP原発こそ、そのモデルケースだ。
「STP原発を2基増設します」
志賀重範が、ウェスチングハウスの名刺を出してそう切り出しても、耳を傾ける米国人は誰もいない。サンアントニオ市では、ウェスチングハウスは「前科者」だ。
志賀重範は仮面をつけた。
NRGエナジー88%出資、設立したばかりの東芝アメリカ原子力エナジー12%出資のニュークリア・イノベーション・ノース・アメリカ(NINA)の名刺が印刷された。
「建設費折半でSTP原発2基を新設しましょう」
仮面をつけた東芝は、サンアントニオ電力公社(CPS)に擦り寄っていった。
「ABWRは、柏崎刈羽原発で実績を積んできた東芝製新型原子炉です」
「投資環境は30年前とは大きく変わりました」
「原子力ルネサンス」の正体は、国家ぐるみの詐欺だ。
「一基あたり57億ドルで原発を建設します」
東芝は、30年前のウェスチングハウスとまったく同様のウソをついた。
「新大統領となるバラク・オバマと話はついています」
サンアントニオ市が原発建設費の半分、28億5000万ドルを投資する。
30年前と同じことが起きたら!?
<債務保証 総プロジェクトの80%を超えない範囲での負債の100%を保障>(2005年エネルギー政策法)
原発が動かなくても、サンアントニオ市は政府から22億8000万ドルのお金を返してもらえる。この金は100%米国民の血税である。
米国エネルギー政策法にはさらに、恐るべき「保険」がついている。
<米国原子力規制委員会の審査や公聴会、訴訟に起因する全出力運転の遅れに対し、最初の2基については最大5億ドルまで遅延で発生するコストの100%を保証。>
工事が遅れたら「政府が5億ドルくれる」という法律なのだ。
サンアントニオ市に対し、東芝はこう言ったに違いない。
「もちろん、最初の2基に選ばれるのは、私たち東芝です」
とんでもない大ウソ。究極のヨタ話だ。
でも、<最初の2基>に選ばれなかったらどうなるの?
<次の4基については最大2・5億ドルまで遅延で発生するコストの50%を保証。>
出遅れて3基目になってしまうと、もらえるお金が半分になってしまう。
「平等」の旗を高く掲げる国で、こんな法律、許されるのか!?
この「保険」は、電力会社の鼻先にぶら下げられたニンジンだ。
「早く決断しないと、投資環境が大きく変わってしまいます」
CPSは市営企業なのに、東芝の詐欺にまんまと引っかかってしまった。
サンアントニオ市は、原発建設資金を債券によって捻出しようとしていた。
2009年10月。原発建設のために4億ドルの債券発行を承認するはずだったサンアントニオ市議会は、大混乱に陥った。
「プロジェクトの総額が入札時より40億ドルも高いという情報を入手した。この情報は市議会にはまったく知らされていない」
東芝の内部文書が流出。志賀重範らが仕組んだ詐欺が、議会で暴露された。志賀のウソがばれた。
サンアントニオ市議会議員に渡った東芝の内部文書は、ジャーナリストのグレッグ・パラストの元にも送られ、『告発! エネルギー業界のハゲタカたち』(早川書房)の458ページに写真が掲載されている。
<57億900万ドル→142億7200万ドル÷2=71億ドル 一基につき(秘密)>
政府に報告した原発建設費は一基あたり57億900万ドルだが、本当の建設費は2基で142億7200万ドル。2で割って一基あたり71億ドル(でもこれは秘密だよ)ってことだ。
文書にはこんな走り書きもある。
<内密に提出。企業秘密または自己管理情報>
東芝はウスラ馬鹿なのだろうか? こんなにあからさまでわかりやすい「秘密文書」を見たのは初めてだ。
CPS幹部はすぐさま航空便を予約し、東京・浜松町の東芝本社に乗り込んだ。
「費用の増大は認められない」
テーブルの向こう側にいたのは、まず間違いなく、志賀重範だ。
2009年12月6日。CPSはNINAを訴える裁判を起こした。
「CPSが原発増設プロジェクトから撤退した場合、CPSが負うべき法的義務と責任を明確にするように」
「裁判長、私たちはどうしたらいいの?」という(公務員らしい?)ずいぶんおとなしい訴状だったのだが……。
恥知らずの東芝は、なんと、カウンター訴訟で応えた。
志賀重範の逆ギレは記憶されていい。
「CPSが投資した3億ドルを放棄してプロジェクトから撤退するか、出資を継続するか、どっちかに決めろ!」
「日本を代表するメーカー」東芝は発狂した。
NINAの態度に激怒したCPSは、争点を変えた。
「NINA社の詐欺的契約に誘い込まれた」
訴状には「詐欺」「不正行為」「共謀」という言葉が並んだ。
損害賠償金の額はなんと……。
320億ドル!!
当時のレートで約2兆8688億円!!
裁判に負けたら、東芝は破産していた。
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米国原子力規制委員会(NRC)がジョージア州のボーグル原発建設を認可したのは2012年2月。
<米国で34年ぶりに原発建設へ、東芝子会社の原子炉採用>(ロイター 2012年2月10日)
東電福島第一原発事故で意気消沈していた「原子力ムラ」は狂喜乱舞した。
そのわずか1ヵ月後……。
2012年3月末。WECに激震が走った。
4月1日付で社長に就任するはずだったジム・ファーランド米州地域総責任者が辞表を叩きつけたのだ。社長就任の前日に、突如、逃げ出した。
4月4日。ファーランドは、東芝のライバル企業、バブコック&ウイルコックス(B&W)のCEOに就任した(B&Wはスリーマイル島原発2号機を建設した会社で東芝とは「メルトダウン仲間」でもある)。
ファーランドの逃走劇は「WECは終わっている」ことを全世界に示した。
原発黎明期、B&Wは米国を代表する原子力企業だった。しかし、2001年から始まる「原子力ルネサンス」の物語にB&Wの名前はほとんど登場しない。
「B&Wによる原発新設計画もあるはずだ」
私は資料を探したが、一件もない。
公式なコメントこそないが、B&Wも「脱原発」へと大きく舵を切っていたのだ。
社長就任のドタキャン劇は、経営トップによる内部告発、警告ととることもできるだろう。
「ウェスチングハウスよ。もうウソをつくのはやめろ」
大混乱のさなか、「暫定的に」WEC社長に就任したのが志賀重範現東芝常務だった。
そのわずか2ヵ月後……。
「ボーグル原発の運転開始が遅れる」(原発を所有するサザン・カンパニーの四半期報告書)
WECは、最初の基礎工事ができなかった!
原発建設はベースマットという巨大な円形の鉄骨を岩盤の上に敷くことから始められるが、WHはインチキをしていた。
「ベースマットが許認可用件に適合していない」(NRC)
NRCには、「じゃあ、なんで認可したの?」と言いたくなるが……。
いきなりの工事遅延である。工事遅延=コスト超過。
そのわずか1ヵ月後……。
「建設費用の当社負担が、2012年6月時点で2011年末から8000万ドル増え、約45億ドルになる」(サザン・カンパニーの四半期報告書)
工事認可から半年もたたないうちに約98億4000万円の請求書をサザン・カンパニーに送ったのも志賀重範その人だった。
<米NRC:原子炉2基の建設を認可 スキャナが東芝製を採用>(ブルームバーグ 2012年3月31日)
ボーグル原発に続きサウスカロライナ州バージル・C・サマー原発2・3号機の建設が認可された。
「次期社長が逃げた!?」
WEC大混乱のさなかの朗報? WEC社員のなかで乾杯をした人はいただろうか?
おいしい酒を飲んだ人がいたとしても、歓喜は長く続かなかったはず。
「ベースマットの設計から見直せ」(NRC)
ボーグル原発とまったく同じ事態が起きたからだ。
2015年3月12日。米電力会社スキャナの子会社サウスカロライナ・エレクトリック・アンド・ガス(SCE&G)は、建設作業と資本コストに関するスケジュールの改定を州の公益事業委員会に請願した。
<完成は18ヶ月遅れる。>
<当社の資本コスト増加額は6億9800万ドル。>
SCE&Gの投資比率は55%。日本ではまったく報道されていないが、<12億ドルのコスト超過>のニュースは米国市場に衝撃を与えた。
ボーグル原発 コスト超過 14億ドル
バージル・C・サマー原発 コスト超過 12億ドル
合計 26億ドル 約2956億円
一体、何が問題なのか? 誰が悪いのか?
(つづく)
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原発建設の最初の仕事は「ウソをつく」ことだ。
「福島以降、プラントの建設というのは、確かにスピードダウンした、というところでございますけれども、中国の最近の13次5カ年計画で言われましたように、今後、世界的に原子炉がどんどん建っていく、という状況に変わってきております」
2015年11月27日。志賀重範は、しれっとしてこう言い放った。
「日本からみますと、原子力について非常に否定的な見方になってくるわけですけれども、アメリカ、もしくは海外に出るとですね、原子力のニーズは高く評価されております」
これは「風説の流布」という名の犯罪である。当たり前の話だが、企業はウソをついて株や社債を売ってはならない。
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2016年5月6日。ゴールデンウィークの谷間の日に東芝は新社長のお披露目会見を行った。
なぜ、この日に?
月―木曜日に会見したら、翌日、東芝株が下落し、日経平均株価、さらには日本経済全体に影響を与えるからだ。
問題は、綱川智新社長ではなく、「原発詐欺団の頭目」志賀重範が会長に昇格したことだ。
なぜ、志賀が会長に!?
「(新社長・新会長とも)基本的にホワイトである」(指名委員会の小林善光社外取締役)
潔白? どこが? 360度どこから見ても、志賀重範は真っ黒だ。
「相対的に最もきれいである、という第三者委員会の結論を踏襲した」
小林が「基本的」「相対的」という言葉を使ったのは、記者からの次のような質問が出ると予期していたからだ。
「志賀氏はウェスチングハウス会長時代にウェスチングハウスの減損を開示しなった人物だが」
小林はしどろもどろになった。
「基本的には過去の解釈というよりも、新生東芝になくてはならない人物である、ということを全面的に評価した」
直前に「第三者委員会報告書によると志賀は潔白」と明言していたのに……。舌の根も乾かぬうちに……。
ウソをつくから、記者の質問も厳しくなるんだよ。
「志賀氏は不正会計に関与した疑いのある14人の1人だ」
鉄面皮の志賀は釈明にまったくなっていない釈明をした。
「当時の役割の中ではきちんと対処した」
小林も必死でかばうが……。
「若干のグレーと思う人がいるならば、本人が(シロであることを)明確にしていくのも必要だと思う」
あーあ。「グレー」って言っちゃった。
「今後、強い東芝になるには、これだけグローバルな実績があり、原子力という国策的な事業をやるには余人を持って代えがたい」
あーあ。「国策」とも言っちゃった。「原発は儲からないけど国策だからやらなしゃーない」ということだ。「東芝社内でも原発をやりたい人がいない。志賀しかいない」ということでもある。
記者は納得しない。納得するわけがない。
「2012年、2013年のウェスチングハウス社単体の減損について、当時会長だった志賀氏には開示義務があった。なぜ、東芝の取締役会に付議しなかったのか?」
記者から「アウト!」を宣告された志賀は、それでも……。
「開示義務についての認識が十分でなかった。ただ、ウェスチングハウスのすべての財務報告書は東芝に提出している」
子会社ウェスチングハウスの財務報告書を本体の東芝で握り潰した張本人が志賀重範だ。
史上最大の粉飾決算の元凶、「損失隠し」の犯人である志賀が本体の会長の椅子に座る。
東芝は全世界の投資家に向かってこう宣言した。
「東芝は今後もウソをつき続けます」
(つづく)
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1989年4月10日。
米電力会社サザン・カンパニー子会社、ガルフ・パワー・ユニット副社長のジェイク・ホートンが爆死した。
その日、ホートンは社が所有する専用機に乗り込んだ。
目的は大きくふたつあった。ジョージア州アトランタのサザン本社に乗り込み、役員と対決すること。そして、米連邦検事と面会し、サザンの不正経理、電気料金の不正請求、政治家への不正な献金などをぶちまける。
離陸の数分後、専用機は爆発する。
同じ日、警察に匿名の電話が入った。
「ガルフ・パワー・ユニット社への捜査をやめるのなら今のうちだぞ」
そのころ、東芝は「地上最強の天才技術者集団」だった。
世界初のノートパソコンを開発。シェアNo1への道を全速力で駆け上がっていた。東芝のDRAM、フラッシュメモリは、世界の誰も真似のできない「異次元の発明品」だった。
電車の車両から洗濯機、掃除機、電球まで。東芝は常に世界最高の製品を提供していた。
17年の歳月が流れた。サザン・カンパニーと東芝は、ジョージア州の浜辺で原子力発電所を建設している。
サザンのプレゼンテーションでは、ボーグル原発3号機は2012年に発電を開始するはずだったが……今も建設中。工事は遅れに遅れ、コスト超過は2015年3月時点で14億ドル(約1579億円)に膨れ上がっている。
東芝が市場の予想の3倍近い54億ドル(約6146億円)で買収したウェスチングハウスとはどんな会社なのか?
ウォールストリート・ジャーナルは、米国の原発建設についてこう書いている。
<1966年から1986年に建造された75の原子力発電施設は、計画当時の3倍のコストがかかった。>(2008年3月12日)
最悪の「コスト超過」はどこだったのか?
<ボーグル原発は、10倍以上のコストがかかった。>
ボーグル原発を建設したのは、東芝の子会社ウェスチングハウスだ。
ウィキペディアによれば、1976年8月1日に着工したボーグル原発2号機が、商業運転を開始したのは1989年5月20日。建設には、なんと、12年9ヶ月もかかっている。ボーグル原発の建設費は、1・2号機合計で88億7000万ドル。
1976年。WECは、「8億ドルで原発2基を建設する」と言っていた?
できるわけがない!
「3・11」以降、私は、おびただしい数の「原発のウソ」に出会ってきたが、これこそ究極のウソだ。
ボーグル原発2号機運転開始の約一ヶ月前。ボーグル原発を所有するサザン・カンパニーの子会社副社長、ジェイク・ホートンが殺された。ホートンは、ボーグル原発の不正会計を連邦検事に話そうとした直前に死亡した。
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メルマガで新連載を開始します。
青少年のためのILL BONE
音を止めろ。
音楽なんてなくったって、生きていける。
私が存在する前、我が家には一枚のレコードがあった。たった一枚。
『エル・チョクロ』という題のタンゴの名曲集で、再生装置を買ったときに景品としてくっついてきたものだ。
私が生まれる前、母親はもう一枚のレコードを買ってきた。
母親は音痴で、父親の歌はもっとひどかった。
胎教のためのクラシック音楽。
それが間違いの始まりだった。
普通に考えたら、モーツァルト。だが、母親が買ってきたのはベートーベンの交響曲5番だった。
私が生まれたのは岡山のど田舎だ。山に向かって集落が途切れる境界線上に家があり、杉の大木が太陽の光を遮っていた。家は竹林に囲まれていた。
運命を止めろ。
音楽なんかなくても、人生は続く。
つづきはメルマガで
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東芝の米国子会社ウェスチングハウス(WEC)の損失2600億円について、室町正志社長はこう語っている。
「非常に重く受け止めているが、前向きにどんどん原子力事業を進めていきたい」
室町社長は地球ではない他の惑星に住んでいる!
東芝はなぜ、原子力から手を引くことができないのか?
腑に落ちないニュースに接したら、金の流れを追え!
以下は、WEC買収以降の東芝公表「狂った原発投資」一覧である。
米ウェスチングハウス買収
企業価値 1967億円
東芝出資金 5590億6200万円
東芝損失 3623億6200万円
東芝減損 2600億円
建設
米カロライナ・エナジー・ホールディングス買収 溶接
WEC出資金 不明
米ストーン&ウェブスター社買収
WEC出資金 275億円
製造
東芝アメリカ原子力エナジー社設立
資本金 350億円
米NINA社設立
東芝出資金 300億円
東芝減損 720億円
英ニュージェネレーション社買収
東芝出資金 140億円
仏アステア社買収
WEC出資金 不明
南ア ISTN社買収
WEC出資金 不明
原発部品
中国ジルコニウムスポンジ製造会社設立
WEC出資金 13億7500万円
IHI・東芝パワーシステム設立 タービン
東芝出資金 1億6120万円
米CSI社買収 制御装置
WEC出資金 不明
核燃料
加エビコックス社
東芝出資金 24億円
米ユーゼック→破産
東芝出資金 90億円
英A-UAM社設立
東芝出資金 4億2000万円
英スプリングフィールズ社
東芝出資金 不明
原子燃料工業株式会社買収
WEC出資金 100億円
カザフ カザトムプロム社株取得
東芝出資金 不明
その他
国際原子力開発株式会社設立
東芝出資金 1000万円
原子力エンジニアリングセンター建設
WEC BWR訓練センター建設
高速炉研究棟建設
これらを損失として計上したら、どうなる?
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東芝はなぜ、「東芝の米国現地法人」東芝アメリカ社株で1000億円もの損失を計上しなければならないのか?
2010年5月。ジャーナリスト、グレッグ・パラストの元に差出人の名前のない小包が届いた。パラストは小包を「放射能レンガ」と名づけた。
その中に次のメモがあった。
<57億900万ドル→142億7200万ドル÷2=71億ドル 一基につき(秘密)>
これこそ、東芝の「詐欺」を裏付ける決定的な証拠だ。
子会社ウェスチングハウスではなく、東芝本体の原子力事業部がテキサスに建設しようとしていた沸騰水型サウス・テキサス・プロジェクト原発の建設費をめぐる詐欺事件である。
「原発一基を57億ドルで建設する」(東芝が米国連邦政府に提出した資料)
メモを解読するのは簡単だ。
「米国政府には57億ドルだと言ったけど、本当は2基で143億ドルかかる。一基につき71億ドルだけど、これは秘密だよ」
原発の原料は、鉄やコンクリートではなくウソだ。
この詐欺は、国家ぐるみのものだったが、原発を所有するサンアントニオ市をカモにしようとして、東芝は失敗する。
パラストに送られた「放射能レンガ」が、おそらく、サンアントニオ市会議員の手にも渡っていた。
(つづく)
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