東芝は刑務所の塀の上を歩いている 米司法省、証券取引委員会が調査 減損しなければ手が後ろに回る?
<東芝、米原発の減損計上へ WHの価値切り下げ 2000億円規模か>(産経新聞 2016年4月19日 7時55分配信)
「原発を造ると損をする」ことを東芝がついに認めた。
<経営再建中の東芝が平成28年3月期連結決算で、米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の資産価値を低く見直し、減損損失を計上する方向で検討に入ったことが18日、わかった。>
産経新聞のスクープだが、報道はその後、奇妙な展開を見せる。
<東芝、損失計上へ調整 社長進退、20日に議論>(共同通信 4月19日 22時37分配信)
14時間後、見出しからウェスチングハウスが消え、室町正志社長の進退問題とセットになっている。
日付が変わると……。
<社長交代、指名委で議論=米原発子会社は減損へ―東芝>(時事通信 4月20日 11時46分配信)
「原発」よりも「社長交代」がビッグニュースになっている。順番が入れ替わっている。絵に描いたような「スピン」である。
なかでも「ふざけるな!」と怒鳴りたくなるのが、日本経済新聞の報道だ。
<東芝、社長交代へ調整 6月に前倒しも>(日本経済新聞 4月20日 23時51分配信)
最も大きな見出しを打つべき日本経済新聞が減損問題にまったく触れない。記事に「ウェスチングハウス」はおろか、「原発」の文字すらない。
東芝の株主が読んでいる新聞は何?
大企業の決算情報を誰よりも早く詳しく伝えなければならないのは、どの新聞社の記者なのか?
東芝は今、刑務所の塀の上を歩いている状態にある。その刑務所は、日本ではなく米国にある。
<東芝は原子力事業子会社、米ウェスチングハウス(WH)の減損損失13億ドル(現在のレートで1460億円)を隠した疑いで米当局の調査を受けている。>
<米司法省と証券取引委員会(SEC)は不正が行われたかどうかを調べている。>(ブルームバーグ 2016年3月17日)
この報道にウェスチングハウスのダニエル・ロデリックCEOが激怒した。
<ブルームバーグによる最近の報道を強く否定します。記事の見出しも内容も正確ではなく、事実無根です。>
<当社の知る限り、ウェスチングハウスの財務報告は調査を受けていません。>
<ブルームバーグは、匿名の情報筋の引用と憶測により、報道と発言の自由を汚しています。この粗雑な「報道」は、世界中の東芝の株主とウェスチングハウスの顧客にきわめて深刻な影響を及ぼしています。>(ウェスチングハウスのプレスリリース 2016年3月18日)
ウェスチングハウスは報道を強く否定しているが……。
<複数の当社米国子会社が米国司法省(DOJ)及び米国証券取引委員会(SEC)から会計処理問題に関連して情報提供の要請を受けており、当社米国子会社はこれに協力しております。>(東芝のプレスリリース 2016年3月18日)
……???
同じ日に、主張が180度違う声明を出している。
「2014年。わたくしども原子力事業部とウェスチングハウス事業部。これを一体化しました」(志賀重範・東芝副社長 元ウェスチングハウスCEO)
これ、「奇妙」をはるかに通り越して「怪奇」である。
東芝は、口と頭がふたつある化け物なのか?
<米当局は東芝の不適切会計を調べた第三者委員会の調査報告書の内容を精査している。>(前出 ブルームバーグ)
ついに恐れていた事態が現実となった。
第三者委員会報告書には奇妙な一文がある。
<本委員会の調査及び調査の結果は、東芝からの委嘱を受けて、東芝のためだけに行われたものである。>
<本報告書は日本語によって作成されている。このため、仮に本報告書の英訳版が作成される場合であっても、英訳版につき本委員会は何らの責任を負わない。>
米国司法省、米国証券取引委員会の調査官が、報告書の英訳版を読む。
「これ、おかしいじゃないか」
「東芝の“共犯者”が書いたウソ文書だ」
そうなった場合でも報告書を書いた弁護士や会計士は責任がない。
平たく言えばこうなる。
「米国人の皆さん、お願いだから逮捕しないでね」
| 固定リンク
« 東芝の「英国への原発輸出」は詐欺だ!! 詐欺だから100%破綻する!!東芝は「お金を貸してほしい」と金策に駆けずり回っているが、機関投資家は誰一人、応じていない | トップページ | ふざけるな!!読売新聞!東芝の減損を報道しない!!「夫がギャンブルで借金」人生相談より書く価値がないからか!? »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント