東芝子会社ウェスチングハウスが建設したボーグル原発1・2号機(運転中)は、当初の計画の10倍のコストがかかっていた!何十億ドルもの米国人の血税が詐取された!
東芝が市場の予想の3倍近い54億ドル(約6146億円)で買収したウェスチングハウス(WEC)とはどんな会社なのか?
ウォールストリート・ジャーナルは、米国の原発建設についてこう書いている。
<1966年から1986年に建造された75の原子力発電施設は、計画当時の3倍のコストがかかった。>(2008年3月12日)
最悪の「コスト超過」はどこだったのか?
<ボーグル原発は、10倍以上のコストがかかった。>
ボーグル原発を建設したのは、WECだ。
ウィキペディアによれば、1976年8月1日に着工したボーグル原発2号機が、商業運転を開始したのは1989年5月20日。建設には、なんと、12年9ヶ月もかかっている。ボーグル原発の建設費は、1・2号機合計で88億7000万ドル。
1976年。WECは、「8億ドルで原発2基を建設する」と言っていた?
できるわけがない!
「3・11」以降、私は、おびただしい数の「原発のウソ」に出会ってきたが、これこそ究極のウソだ。
ボーグル原発2号機運転開始の約一ヶ月前。ボーグル原発を所有するサザン・カンパニーの子会社副社長、ジェイク・ホートンが殺された。ホートンは、ボーグル原発の不正会計を連邦検事に話そうとした直前に死亡した。
私は一年以上、運転中のボーグル原発1・2号機の「コスト超過」を探ってきたが、資料はどこにもない。「なんで?」と思い続けてきたが、マサチューセッツ工科大学が2003年に出したレポート『原子力の未来』を見て、腰が抜けそうになった。
<原子力発電に関する財務情報は政府機密扱い>
米国の原発についての「お金の流れ」は、ずうっと「国家機密」だというのである。
なぜ?
米国民の血税が、際限もなく注ぎ込まれてきたからだ。
「米国原発の金の流れ」が暴露された数少ないケースが、ニューヨーク州ショーラム原発訴訟である。
「企業犯罪探偵」だったグレッグ・パラストが、ショーラム原発を所有するロングアイランド電力会社と建設会社ストーン・アンド・ウェブスター(S&W)とのやり取りを記録した文書を入手した。
<一九七三年、同社の会長と社長は、原発はあと「一年」ほどで完成する、と明言した。完成が間近なら、というので、政府は一年あたり五億ドルを使うことを許可した。><機密文書から、完成予定が一年先だったことはないという事実が分かった。彼らの証言は、何十億ドルも税金をかすめ取るための大ウソだった。>(グレッグ・パラスト『告発!』早川書房)
1975年10月。S&W発の文書。
「ショーラム原発の燃料装荷は1979年2月、許容範囲はプラス5ヶ月」
同年12月。ロングアイランド電力会社幹部は宣誓証言した。
「1977年末までにショーラム原発は完成し、燃料装荷ができる」
7年以上の歳月が流れたがショーラム原発は完成しなかった!
1983年6月。S&W会長が政府に出向いて説明した。
「ショーラム原発は完成した。2ヶ月以内に燃料を装荷する」
会長は部下から「ショーラム原発が1年以内に完成すればラッキー」という報告書を受け取っていた。
それからさらに32年の歳月が流れた。
S&Wは今、WEC、東芝とともに、同じ詐欺……いや、もっとひどい詐欺を現在進行形でやっている。
建設中のボーグル原発3・4号機は、工事遅延によるコスト超過が、2015年3月時点で14億ドルにも達している。コスト超過分をWECから請求されたサザン・カンパニーは、S&W、ウェスチングハウス、東芝を提訴し裁判が始まった。
S&Wは、損害引当金計上により債務超過に陥り……。
そこからの物語は、原子力の世界でしか起こりえない「おとぎ話」だ。
S&WはWEC(実際は東芝)に買収され、極悪企業3社は一体化した。
裁判は終わった。東芝がS&Wを買ったことで、なぜか、「和解」が成立した。
「腐り切っている」という言葉でも足らない。
東芝の赤字は7100億円!
WECの減損は1600億円!
原発建設会社S&Wは破産!
ダニエル・ロデリックWEC社長(左)と室町正志東芝社長(右)
「原発64基を新規受注して大儲けをするから大丈夫」
東芝の説明を鵜呑みにする人類がどこにいる?
原発を建設したら損をするだけだ!
それでも、東芝はこう言い張る。
<S&W社が、WECの子会社になることにより><年間、2000億円程度の売上増が見込まれております。>(東芝プレスリリース 2016年1月5日)
これは「風説の流布」どころの話じゃない!
室町正志東芝社長を逮捕せよ!
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