東芝は2兆8688億円の損害賠償を請求されていた!!罪状は「詐欺」「不正行為」「共謀」サンアントニオ詐欺事件
2009年12月6日。CPSはNINAを訴える裁判を起こした。
CPSエナジーはサンアントニオ市の市営電力会社。サウス・テキサス・プロジェクト(STP)原発を所有。
NINAは、米電力会社NRGエナジー(88%)と東芝(12%)が、STP原発3・4号機建設のために設立した合弁会社である。
CPSの訴状。
「CPSが原発増設プロジェクトから撤退した場合、CPSが負うべき法的義務と責任を明確にするように」
「裁判長、私たちはどうしたらいいの?」という(公務員らしい?)ずいぶんおとなしい訴状だったのだが……。
恥知らずのNRGと東芝は、なんと、カウンター訴訟で応えた。
「ニーナ」ちゃんの逆ギレは記憶されていい。
「CPSが投資した3億ドルを放棄してプロジェクトから撤退するか、出資を継続するか、どっちかに決めろ!」
「日本を代表するメーカー」東芝は発狂した。
NINAの態度に激怒したCPSは、争点を変えた。
「NINA社の詐欺的契約に誘い込まれた」
訴状には「詐欺」「不正行為」「共謀」という言葉が並んだ。
損害賠償金の額はなんと……。
320億ドル!!
当時のレートで約2兆8688億円!!
裁判に負けたら、東芝は破産していた。
助け舟を出したのは、またしても、バラク・オバマ大統領、ウォーレン・バフェット経済顧問のコンビだった。
裁判に負けたら、最大株主「NRGの事実上のオーナー」であるバフェットも破産していた。
2010年2月1日。オバマ大統領は突如、「原発新設に対する融資保障枠の大幅拡大」を議会に提案した。
その額545億ドル(当時のレートで約4兆8859億円)!
前年度予算の約3倍。
あっという間の出来事だった。
わずか16日後の2月17日。泥沼化していたSTP原発裁判は終わった。
和解の経緯を「原発プロパガンダ機関」原子力産業新聞は次のように伝えている。
<オバマ大統領が融資保障枠の大幅拡大を議会に提案したことから、機を逃さず両社が協力して融資保証適用を確実なものとし、これまでの投資額を無駄にせずに2016年以降の完成を目指していく方針と見られている。>
「裁判をやめなければ、融資保証の対象からはずすぞ!」
これ、どこからどう見ても「政治的圧力」だ。
「東芝サンアントニオ詐欺事件」を時系列で整理しよう。
2009年6月。
NINA「100億ドルで原発2基を建設します」
2009年10月末。
サンアントニオ市議会「東芝の建設費見積は、40億ドルも高い140億ドルだという情報を得た。4億ドルの債券発行をキャンセルする。これまでに投資した3億ドルも取り戻さなければならない」
2009年12月6日。
訴訟合戦がスタート。ほぼ同時にテキサス州公共事業委員会が、話し合いのテーブルを準備した。
東芝「6月の見積もりどおり100億ドルで原発2基を建設します」
2010年2月上旬。
奇妙だが、結果的に裁判を終わらせた提案。
NINA「政府の融資保証が適用されたら、サンアントニオ市に8000万ドルをお返しします」
CPS「出資比率を50%(50億ドル)から7・6%(3億8000万ドル)に引き下げる」
計算上はぴったり合うが……。
STPに融資保証は適用されていない。6年以上が過ぎた今も。
東芝が最初にNINAに出資したのはわずか3億ドル(現レートで約339億円)。この投資により東芝は140億ドル(約1兆5813億円)を手に入れるはずだった。
STPによる東芝の損失。
2013年度 310億円
2014年度 410億円
合計720億円。
今年、運転を開始するはずだったSTP3・4号機は、影も形もない。
STP原発3・4号機完成予想図
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