東芝「サンアントニオ4552億円詐欺事件」の全貌3 原発の原料は「ウソ」 テキサスの原発から米国人はすべて逃げ出した
2010年5月10日。東電のプレスリリース。
<日本の電力会社として初めて海外の原子力発電事業に出資参画>
東電によれば、NRGが「助けてくれ」と言い出したのは2006年8月。
<2007年3月からABWRの建設・運転経験などの知見を活かし、本プロジェクトに対する技術コンサルティングを行ってまいりました>
東電の知見?
<ますますニーズが高まる原子力事業に資する人材の育成>
東電の教育?
<低炭素社会の実現に向けての積極的な国際貢献>
東電が地球環境を守る?
東電を引き入れた「ニーナ」ちゃんはこう言っている。
「NINAは分別があって有能な組織の管理下にある」(米国エネルギー省への報告書)
原発を爆発させた地上最兇タッグチーム「東芝・東電」組が!?
……これぞ極限のヨタ話……てゆーか、東電の「信用」などアメリカ南部のどこにある!?
東電プレスリリースには、プロジェクトの破綻とNRGのさらなる偽装が記されている。
NRGはNINAという仮面をかぶったが、国家予算は1セントも入らず、ただ赤字を垂れ流しすだけ。そこで……。
<米国エネルギー省が本プロジェクトに対して条件付債務保証を付し、それを承諾することを条件に、NINA社が本プロジェクトの権益を保持することを目的に設立したNINAインベストメンツホールディングス社>
これは破綻したエンロンの手口にそっくりだ。NINAの損失を隠すために新たな投資ビークルを作り、そこに赤字を「飛ばす」。飛ばした先に東電からの資金2億5000万ドルを入れる。東電もまた、赤字を隠すために米国子会社を新たに設立する。
いずれにせよ、政府保証が出なければそれでおしまい。プロジェクト崩壊。
どうすんのよ? 「ニーナ」ちゃん。
東芝は民主党政権に泣きついた。
2010年3月。日米原子力運営委員会。資源エネルギー庁の石田徹長官は米国代表に詰め寄った。
「サウス・テキサスを政府保証の対象として、できるだけ早く進めてほしい」
米側は「審査の問題だ」などと言っただけでお茶を濁した。
2011年1月。石田徹は東京電力顧問に天下りした。
2011年3月14日。東京電力が運営する東芝製原発が爆発した。
東京電力は即撤退。
「わたくしどもは日本の国土を奪いましたが、テキサスの原発を造るために100億円を送ってよろしいでしょうか?」
なんてことを東電が言ったらどうなる?
驚いたのは、NRGエナジーの逃げ足の速さだった。
4月14日。東芝の佐々木則夫社長は、事故後初めて公の場でこう語った。
「当社が(原発プラント)受注を目指していた国で(計画を)撤回すると言った国はない」
そのわずか5日後の4月19日。
<日本で起きた悲劇的な原発事故は、米国の新規原子力開発においてさまざまな不確実性をもたらし、STPの3・4号機建設が計画通り進む可能性を著しく低下させた。>(NRCのデービッド・グレーンCEO)
NRGエナジーは投資中止を表明した。
東芝が手に入れるはずだった142億ドル(約1兆6128億円)は、これで完全に吹き飛んだ。
NRGは同時に評価損計上額も公表した。
4億8100万ドル(約546億2717万円)。
これが「おとぎ話」ならば、「悪党どもは大損しました」で終わりなのだが……。
東芝は、サンアントニオ市民から4500億円もの金を巻き上げようとして失敗したが……。
本当の「カモ」は誰だったのか?
東芝のNINAへの出資比率はわずか12%にすぎない。
<NRGは2011年1月~3月期決算で、4・81ドル(当時約400億円)の特別損失の計上を決定、うち1・5億ドル(当時約120億円)が東芝の負担だ。>(『東洋経済オンライン』2015年12月5日)
この記事が正確なら、東芝はプロジェクトの損失の31%超を押しつけられている。しかも、すたこらさっさと逃げ出した裏切り者からの請求だ。
この時点で、東芝も損失を計上すべきだったが……。
「まだあきらめたわけじゃない。新たな米国のパートナーが見つかれば儲かる」
そう言い張ってうやむやにしてきた。これは投資家に対する裏切りであり、「風説(ウソ)の流布」にあたる犯罪だ。
2013年度決算になってやっと東芝はプロジェクトによる310億円の損失を計上した。
「まだあきらめたわけじゃない」
2014年度決算では410億円の損失を計上した。
東芝が「がんばるぞ!」「まだまだやれるぞ!」と言うと、1年間で100億円ずつ損をしていく計算だ。
現在、東芝が持っている金(自己資本)はわずか1500億円。
原発にビジネスモデルなどない。
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