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2016年2月24日 (水)

韓国で発覚した東芝子会社、ウェスチングハウス社製原発の最大の欠陥! 非常用ディーゼル発電機は、津波を受けなくなくても、スイッチを入れただけでパチンとはじけて止まる!!

 地震なし。津波なし。豪雨なし。豪雪なし……。

 2012年2月9日。何も起きていないのに平穏な韓国・釜山の古里原発1号機で外部電源が停止した。ブラックアウト。国際原子力事象評価尺度「レベル2」にあたる重大事故だ。

 古里原発は福岡市から約200キロの地点にある。偏西風は日本列島に向かって吹いている。

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 幸運にも定期点検中だったため原子炉の事故にはつながらなかったが……問題は、非常用ディーゼル発電機が作動しなかったことだ。

 東電福島第一原発事故は、次のように説明されている。

 想定していなかった規模の津波に襲われ、非常用ディーゼル発電機が水没し、作動しなかった。

 ウソだった!

 水没しなくても、非常用ディーゼル発電機は動かない。

 これは、米国製原発の最大の欠陥であり、実は、原発技術者、ジャーナリストが長い間、指摘し続けた危険性だったのだ。

 韓国最古の原子力発電所、古里1号機の原子炉と建屋を建設したのは、ウェスチングハウス(WEC)社である。

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 内部告発をしたのは、建設会社「ストーン・アンド・ウェブスター(S&W)」の技師、ゴードン・ディック。

 S&WとWECは原発建設で常にチームを組むパートナーであり、古里原発の建設現場で働いていたのは、S&W社員とその下請けだった。2016年1月。S&WはWECに買収され、文字通り「一心同体」となった。

 ニューヨーク州ショーラム原発に関する情報は、「調査報道の鬼」グレッグ・パラストのもとに届けられた。

 ディックの部下の手書きの日誌。

<ウィーゼルは、ひどく取り乱し、動転していた。……この原発は問題だらけで、地震が起きたら絶対にひとたまりもない。検査に立ち会ったエンジニアのチームが出した結論は、こうだ。地震が発生したら、機器の大半が「完全に、完璧に破損する」可能性がある。>(グレッグ・パラスト『告発!』早川書房)

 ショーラム原発は国際的な耐震基準を満たしていなかった。

<そしてウィーゼルは不安をぶちまけた。欠陥を報告すれば、解雇されるだろう。だが報告しなければ、連邦法を犯すことになる、と>

 報告書は改ざんされた。

 次にパラストに届けられたのは、非常用ディーゼル発電機の専門家、R・D・ジェイコブスの手書きのノートだった。

<これは、私の最後の訪問に関する記録である。……クランク軸の振動がディーゼル発電機に及ぼす影響は不明だと[会社のある役員に]強く念を押した。だが、十分に納得させることができなかった。>

 ジェイコブスは「分解して検査したい」と申し入れたが、

「冗談じゃない!」

 検査を拒否したのは、ショーラム原発を所有するロングアイランド電灯会社の役員である。

 訴訟を起こしたパラストと住民は、原発建設企業に非常用ディーゼル発電機をテストさせた。

 外部電源喪失。非常用ディーゼル発電機自動起動……のはずが……。

<一台目がすぐに故障した(R・Dが予想した通り、クランク軸が壊れた)。そして、二台目、三台目も同じだった。「パチンとはじける」朝食シリアル「ライスクリスピー」のキャラクターにちなんで、私たちはこの三台を「スナップ」「クラックル」「ポップ」と名づけた。>

 次なる告発者は、東電福島第一原発1号機を造ったゼネラル・エレクトリック社の元技術者。パラストは、原発の非常用ディーゼル発電機が、機関車、客船に使われていたものと基本的に同じ設計であることを突き止めていた。

<「ディーゼル発電機っていうのは、要するにまったく使用に耐えないシロモノなんでしょう?」

 彼は「クラッシュスタート」という表現を教えてくれた。>

 つまり、「動かせば壊れる」。

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 客船の場合、スイッチを入れ、スタートするまで30分ほど機械を暖める。クランクシャフトが「臨界」速度に達したのを確認してから、ギアを入れ、プロペラを回し、出航する。

 そんなもん、非常時に役に立つのか?

 原子力規制委員会の規定では、

「静止状態から10秒以内にフル稼働しなければならない」

 そんなこと、無理に決まっている。

 だから、国際原子力マフィアは「体裁のみ」整えた。

「ターボチャージャーを付け、10秒で4000馬力に達するようにしました」

 旧態依然としたディーゼルは、そのような負荷に耐えられない。

<その結果、ディーゼル発電機はパチンとはじける。>

<ディーゼル発電機は、原発という放射能入りのヤカンが安全だと思わせるために付けられた、お飾りにすぎない。>

 証拠を集めたパラストと住民は勝訴した。

 1989年5月。ショーラム原発は、たった一日稼動しただけで閉鎖され、たった1ドルで売却された。買ったのはニューヨーク州。廃墟と化した原発は「原子力の死」を示すモニュメントとして、今もロングアイランドの浜辺にある。

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 22年後、韓国・釜山の浜辺でも、やはり、非常用ディーゼル発電機は動かなかった。

「1000億円かけて発電機を買い換えるのは真っ平ごめん」

 理由は「電力会社がケチだから」……それしか考えられないのだが……。

 事故が明るみに出たのは、2012年3月13日。韓国水力原子力株式会社(韓水原)、WEC、ゼネラル・エレクトリックは、一ヶ月以上も事故を隠し続けたのだ。

 WECは、欠陥原発を世界中に売った。

「原発64基の新規受注を目指す」(ダニエル・ロデリックWEC社長 2015年11月)

 寝言は寝て言え!!

 2015年6月。韓国産業通商資源省は、韓水原に対し、古里原発1号機の廃炉を勧告した。

 WECは「原発の保守、燃料交換」の仕事を失い、大きな損失を受けた。

「ウェスチングハウスそのものの上げるキャッシュフロー、ならびに損益につきましては、その8割以上はいわゆる保守ならびに燃料の交換でございます。つまり安定した収益をきっちり上げている、というように私どもは認識してございます」

「買収当時に比べますと営業利益は大幅に拡大している現況にあるということでございます」(前田恵造・東芝CFO 2015年7月)

 前田を証券等取引法違反で逮捕せよ!!

「事故が起きても黙っていれば許される」

「大損しても黙っていれば許される」

 WECと親会社である東芝の姿勢は、何ひとつ変わっていない!

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コメント


 非常用ディーゼル発電機がこんな代物だとは初めて知りました。
  
原発は即すべて廃炉にすべきです。

投稿: イトウ | 2016年2月24日 (水) 08時19分

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