「地震が発生したら、機器の大半が『完全に、完璧に破損する』可能性がある」東芝買収の原発建設会社「ストーン・アンド・ウェブスター」技師の日誌
東芝が買収した「ストーン・アンド・ウェブスター」は米原発の約3割を建設・設計した。
1989年。同社が建設したニューヨーク州のショーラム原発は、わずか1ドルで州に売却された。
50~60億ドルの巨費がどぶに捨てられた。
1986年に書かれた「ストーン・アンド・ウェブスター」監督官ゴードン・ディックの日誌。
<この原発は問題だらけで、地震が起きたら絶対にひとたまりもない。検査に立ち会ったエンジニアのチームが出した結論は、こうだ。地震が発生したら、機器の大半が「完全に、完璧に破損する」可能性がある。>(グレッグ・パラスト『告発!』早川書房)
この内部告発はもみ消されたが、住民は反対運動を続けた。
<米国ニューヨーク州ロングアイランドにあるショーラム原発は、住民の長い反対運動の結果、いよいよ解体されることになった。>(『反原発新聞』1991年10月20日)
反対運動の中心にいたバーバラ・ニューマンさんは言う。
<周辺の住民に働きかけたの。「そんなに安全なら、どうして私たちを避難させるの?」「避難はいったいどうやるの?」って。原子力は怖いもの。だから怖がらせなくっちゃ。感情的になるのを恐れてはいけないわ。>
<人間は、自分が実際に被害を受けることがないと、なかなか関心を持たないでしょ?>
<農民には、田畑が永久に汚染されると言う。金持ちのビジネスマンには、土地の価値が下がることを考えさせるの。>
<はじめたときは、サフォーク郡の十八人の議員のうち、私たちの味方は一人だけだった。それが最終的には全員がショーラムに反対となり、議会として法律事務所をやとって原発に対抗。やがて大きな政治問題となって、やっと私たちは知事と対面できたの。その一時間ほどの話し合いで、彼はショーラムに反対する決断をしたのよ。>
ストーン・アンド・ウェブスター社は
東芝の原発8基すべてを建設し、
債務超過に陥った。
(つづく)
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