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2016年1月13日 (水)

買収費用275億円は実は米電力会社への「賠償金」だった! 東芝のストーン・アンド・ウェブスター買収劇の真相

 東芝によるストーン・アンド・ウェブスター(S&W)買収劇の真相は次の通り。

 ジョージア州ボーグル原発。「ベースマット設置」という最初の基礎工事に米国原子力規制委員会からクレームがついた。

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 いきなりの工事遅延。コスト超過。

 サウスカロライナ州VCサマー原発でもまったく同じことが起きた。

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 その後も工事の遅延とコスト超過が繰り返された。

 2015年3月時点。ボーグル原発のコスト超過は14億ドル。約1680億円。

 2014年10月時点。VCサマー原発のコスト超過は12億ドル。約1440億円。

 合計26億ドル。約3120億円。

 損失引当金のため、S&Wは債務超過に陥った。

 ボーグル原発所有のサザン・カンパニー、VCサマー原発所有のスキャナは激怒し、東芝の子会社、ウェスチングハウス(WEC)と係争となった。

 S&Wの親会社、シカゴ・ブリッジ&アイアン(CB&I)は逃げた。

「このままでは大損する。原子力事業から手を引く」

 窮地に陥った東芝は……。

<WECは、S&W取得のタイミングに合わせ、サザン電力、スキャナ電力と、米国のプロジェクトに関し現在訴訟となっているものも含め、全ての未解決のクレームと係争について和解をすることに合意しました。>(東芝プレスリリース 2015年10月28日)

 S&W買収費用275億円は、米国電力会社への「賠償金」だったのだ。

 CB&Iに対しては、

「原子力部門を買いますので勘弁してください」

<今回のS&Wの取得による事業の拡大により、WECは世界における原子力事業でのリーダーの地位をさらに強固なものにしていきます。>

 大ウソだ。

 同じプレスリリースにこう書かれている。

<合わせて、WECは、米国で進めている2つのプロジェクトの建設工事に関し、米国エンジニアリング会社フルアー社によるWECのサポートについて交渉をしています。>

 え!? S&Wが工事を継続するんじゃないの?

<フルアー社はWECの下請けとして現地工事を行い、S&Wの建設作業者は今後フルアー社に移管されることになります。>

 東芝は「同じ口」でこう言っているのだ。

「S&Wに現場の指揮を任せておけません。こいつら、ダメダメなんで鍛え直してください。フルアー社さん、お願いします」

 S&Wには105億円の「ブランド力」があるので、東芝の資産「のれん」として計上します?

 こんな会計を許したら、日本は資本主義社会ではなくなってしまう。

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