レッスルマニアⅢで試合をした唯一の日本人、リトル・トーキョーこと赤羽茂
小人プロレスのことを書いていて、腹の底から怒りが込み上げてきた。
レッスルマニアⅢに出場したリトル・トーキョー。
9万人の観客が彼を見ていた。
このとき、ペーパービューの収益が1000万ドルを超えたというのだから、1契約10ドルとして100万人以上がテレビで彼の奮闘を見た。
ところが、我が祖国、日本はどうか?
小人プロレスは50年以上も、テレビ中継されていない。
『8時だよ! 全員集合』でテレビ画面を全速力で駆け抜け、お茶の間の人々の度肝を抜いた小人レスラーをおぼえている人も多いと思う。
彼の名は、ミスター・ポーン。
日本の小人プロレス最大のスター。
彼のプロレスで大笑いをした人はいったい何人いた?
1996年。私は53歳になった彼を取材した。
この本の取材だったので「さすがに断られるだろう」と思っていたが、ポーンさんは「いいよ」とこころよくインタビューに応じてくれた。
ポーンさんは「プロレスはスポーツだ」と断言した。
取材場所にポーンさんは電動車椅子に乗って現れた。
「小人プロレスがスポーツでなかったら、なんでこんな体になりますか?」
『8時だよ! 全員集合』の仕事で会場入りすると、ポーンさんは「何歩で走り抜けるか」を測り、リハーサルを繰り返していたという。
靴職人だったポーンさんは「寄席の芸人になりたい」という果たせぬ夢を捨て切れずにいた。
全日本女子プロレスの松永社長の「舞台に出てみないか?」という誘いに対し、断る理由は何もなかった。
『8時だよ! 全員集合』出演について、ポーンさんはこう語った。
「そりゃあ、やりがいがありましたよ。だって私が子どもの頃から憧れていた芸能の世界、その頂点に立つ番組に出演できたんだから」
テレビ局に「小人を出すな」という投書が殺到し、ポーンさんは「放送禁止」となった。
グーグル「ミスター・ポーン」で検索してみてほしい。
経歴がどこかに書いてある?
毎夜のように観客を爆笑させたスターは、この国では「見えないもの」にされているのだ。
アメリカ「プロレスの殿堂」では毎年、小人レスラーを表彰し、栄誉を讃えている。
戦争も原発も差別の上に成り立っている。
ナチスドイツは、小人を強制収容所に送り虐殺した。
ジプシー(旅芸人)も殺した。
ドイツは米軍基地を撤退させた。
「3・11」後、真っ先に脱原発に舵を切った国はドイツだった。
私たちの国は?
誰が小人を殺したのか!?
「戦争法案」も「原発再稼働」も私たちの心のなかで押し進められている。
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