東日本壊滅の危機 再び!「そんな大層な」と思う人こそ再録記事を読んでください!東芝主導の3号機復旧作業は失敗の連続!
3号機で鹿島建設が行っているのは「復旧作業」ではなく「原子力災害」だ!
瓦礫は何度も使用済み核燃料プールに落下! 沈没!
「中長期ロードマップ」の4年間は「失敗の歴史」である
特定秘密保護法のターゲットは東電福島第一原発3号機だった。
3号機の復旧作業はことごとく失敗しているからだ。
時系列でみていこう。
2012年6月28日。TBSのライブカメラが衝撃の映像を放映した。
3号機に設置された巨大クレーンが、大量の水でがれきを吹き飛ばしている。残った海側の柱が切断されたようにも見える。
この日の夕方から福島県田村市常葉の放射線モニタが急上昇した。それまでは「0・0○μsV/h」だった線量が……。
なんと66・983μsV/h!
この事件はニュースにはならなかった。テレビも新聞も事実をもみ消したのだ。
同じ頃、「3号機使用済み核燃料プール内のがれき撤去」が、マスコミのよって宣伝された。水中写真がメディアをにぎわしたが……。
9月22日。鹿島建設の作業員がプール南側の鉄骨トラス①を遠隔操作のクレーンで持ち上げた。鉄骨トラスは他の鉄骨トラス②の下敷きになっていたため、持ち上げた状態で切断しようとした。
しかし、切断できない。鹿島が誇る吊り下げカッターでも歯が立たない。作業は中断されたが……。
「鉄骨トラス①は動いている。一部が水没している」
東電社員と鹿島の協議が持たれた。「協議した」と東電HPには書いてあるが、時間はわずか2分。ここで中断すべきだったのだが……。
油圧フォークで鉄骨トラス①を掴みにいった瞬間、鉄骨トラス全体がプール内に滑落。重機の先が当たっただけでドボン、である。
東電も鹿島も「3Dデータをもとに慎重に作業を続けている」と言うが、実際はずさんそのものなのだ。
水中の使用済み核燃料は「臨界ぎりぎり」に並べられている。臨界が「1」とすれば「0・95」という数値。つまり、隣り合う燃料棒が5%近づくだけで臨界=核爆発を起こす。
そこに長さ約7m、重さ約470kgのがれきが落ちた。
すぐに国民に伝えられるべき重大事故だが、マスコミはここでも事実をもみ消した。資料(1枚きりの紙だが)の配布を受けても報道しない。
作業は中断され、水没した鉄骨トラス①を引き上げたのは12月20日。「失敗」の埋め合わせに3カ月もかかっているのだ。
2013年に入ってもプールの同じ場所で事故は続いた。
2月6日。前年9月に水に沈んだ鉄骨トラス①を下敷きにしていた鉄骨トラス②を引き上げようとした。
引き上げには成功したが、作業後の写真を見て、おそらく、作業責任者は真っ青になったに違いない。
作業前に水面上に顔を出していた燃料交換機の最上部(マスト)が消えていた。
マストがない、ということは燃料交換機全体が沈んだことになる。
燃料交換機の重量は35トン。前年に水没した鉄骨トラス①の約75倍の重さ。しかも……。
下敷きになった燃料ラックの耐荷重量は28トンしかない!
燃料棒がバラバラになれば、当然、核爆発が起きる!
2013年2月も東日本壊滅の危機だったのだ。
マストが消えた写真から、東電は色を抜いて発表。東電HPの3号機プールはずうっと「塗りつぶされた核燃料プール」のままだ。
なぜ、重大事故は隠されたのか?
元理研の槌田敦さん、元原子力安全基盤機構の藤原節男さん、米国の原子力技術者、アーニー・ガンダーセンさんらの仮説をもとに振り返れば、こういうことになる。
3号機の燃料交換機は建屋の爆発によってプールに落ちた。もし、それが水素爆発だとしても、水素爆発→核爆発が連続して起きていただろう。
3人の仮説では、プールで核爆発が起き、その威力で燃料交換機がプールに落ちた。落ちた場所は「核爆発後のプール」ということになる。
東電と鹿島が危険極まりないプール内のがれき撤去作業を続けているのは、「核爆発がすでに起きたから、もう臨界は起きない」と考えているからなのではないか?
さらに一ヶ月後の3月8日。3号機プール。電源回路にネズミが入り込んだことによる停電が発生。この時点で原子力関係者は全員、こう思ったに違いない。
「東電に任せていたら日本は終わり」
水面を塗りつぶした東電が次にやったのは、「養生」と称してプールに蓋をすることだった。
蓋をすればがれきを撤去することはできない。
東電に問いたい。
「燃料を取り出す気があるのか?」
プール隠ぺいには成功したが、今度は原子炉の真上から湯気が出始める。
7月18日。湯気を確認した東電は、あわてて3号機オペレーションフロアの線量調査を開始したが、原子炉の真上でなんと……。
2170msV/h!!
3号機の除染作業について東電はなんと言っていたか?
「オペレーションフロア内1msV/hを目指す」
できたのは目標の2170分の1!?
衝撃の発表を最後に東電は3号機建屋内の線量を公表していない。「報道配布資料」としては一度も配られていないのだ。
配布されるのは「建屋内の汚染を調査します」というお知らせだけ。そこには調査終了時期が書かれているが、そのときがきても「調査結果」は公表されない。
私が3号機にこだわってきたのは、爆発した1号機、最も大量の放射性物質を放出したとされる2号機よりも格段に線量が高いからだ。
南相馬市の水田まで汚染を広げた3号機の「がれき撤去作業」。事件が起きた2013年8月時点での上空への放出量を比較してみよう。
1号機 0・002億ベクレル/時
2号機 0・0004億ベクレル/時
3号機 0・03億ベクレル/時
3号機は1号機の15倍、2号機の75倍も高い!
免震重要棟前で警報が鳴ったときはどうだったのか?
3号機 2800億ベクレル/時
なんと前日の9万3333倍!
それが4時間続いた!
総放出量1兆1200億ベクレル!
そのとき、鹿島建設は何をやっていたのか?
オペレーションフロアに落下したクレーンガーダを切断し撤去していた。がれきを持ち上げただけでそうなったのだ。
これこそが、米国原子力規制委員会の見解を裏づけている。
「3号機の爆発により使用済み核燃料プールの中にあった燃料の破片、粉末が2キロ先まで吹き飛ばされた」
燃料の粉末が「事故」ではなく「復旧作業」によって巻き上げられ、風に乗り、南相馬市に襲いかかった。
それが震災から2年半が過ぎた頃の現実だった。
東電は敷地内で被曝した作業員をホールボディーカウンターに入れたが、この検査ではプルトニウムもストロンチウムも検出できない。鼻孔に綿棒を入れる簡単な検査を彼らは頑としてやらないのだ。
その直後の9月5日。3号機の巨大クレーンが折れ、がれき撤去作業は中断された。
2013年12月6日。特定秘密保護法が強行採決された。
もちろん、それ以前も原発は秘密の塊だった。
しかし、3号機を追っていると改めて気づかされる。
3号機の「秘密」は、明らかにされるどころか、事故直後より増えているのだ。
事故直後から東電は建屋内部の線量調査を繰り返し行い、「サーベイマップ」を作成してきた。ところが、報道関係者に配られたのは2013年2月8日の「1号機サーベイマップ」のみ。
これは偶然だろうか?
3号機使用済み核燃料プールの水面が黒く塗りつぶされた日に配布された資料が最後なのである。
2014年3月27日。東電は「建屋内の空間線量率について」という資料をひっそりと公開した。
なんと、これが最新の「サーベイマップ」だというのである。
東電は1年以上、東電福島第一原発原子炉建屋内の線量を測っていない!
3号機5階の図を見れば「隠ぺい」は明白だ。
2013年7月。東電は原子炉上の蓋(シールドプラグ)だけで36か所の線量を測定している。詳細なサーベイマップを作るのは簡単なのだ。
東電は2014年2月19日にも3号機の線量を調べた、と主張している。ところが……。
3号機5階のサーベイマップは、シールドプラグ上にポツンと「500msV/h」。データはこれだけ。
プールの水面が塗りつぶされ、線量データも消えた。
http://keibadameningen.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-ece4.html
誰も指摘しないが、グーグル検索で出てくる東電の資料は2種類ある。
「複製・転載禁止」と書かれたものとそうではないもの。
経済産業省HPにある東電資料はほぼすべて「複製・転載禁止」。
東電HPにある同じ資料からは「複製・転載禁止」の文字が削除されている。
これは「謎」でもなんでもない。
原発についての情報は、「複製・転載禁止」の「秘密」として電力会社から経産省に送られる。送られた資料のうち経産官僚が「OK」を出した情報のみが公表される。
経産省の書庫には「握りつぶされた原発情報」が山のように眠っているのである。
官僚がこの「秘密」を洩らした場合、2013年11月までは軽い罪ですんでいたが、12月からは10年以下の懲役に処される。
2013年秋。鹿島建設の巨大クレーンが折れたために3号機のがれき撤去作業は中断された。作業がいつ再開されたのか、誰にもわからない。資料に「開始時期」は書かれているが「中断」はない。復旧作業は「ずうっと続いている」ことになっているのだ。
わかるのは「また失敗した」ことだけだ。
2014年8月26日。3号機のプールに燃料交換機の操作卓が落下。作業はまたしても中断された。
鹿島建設はフォークで操作卓を掴もうとしたが、計画したフォークの向きでは燃料交換機本体が吊り上げをじゃましていることがわかる。
そこで作業は中止となるはずだが、鹿島の作業員はなんとフォークを180度回転させ、操作卓を掴もうとした。しかし、5本あるフォークの爪のうち、2本でしか支えることができなかった。
操作卓落下事故から2カ月が過ぎ、東電は3D画像がデタラメであることをやっと認めた。
<落下原因及び落下防止対策>(2014年10月27日)
<作業再開前に瓦礫の現状を再認識し、現状と3D画像に相違がある場合は3D画像を修正する。>
<3D画像のように撤去できない場合は撤去を行わず、3D画像を修正する。>
もし、プール内に燃料棒が並んでいるのなら、今すぐ作業をやめさせるべきである。
2014年12月17日。3号機のプールから「張り出しフレーム」を撤去。
作業は再開されていたが、マスコミは一切、報道しなかった。
12月19日。3号機のプールから燃料交換機の操作卓を撤去。
「失敗」を埋め合わせるために、またしても4カ月近い時間が浪費されたことになる。
情報は消されただけではない。約4年分の「報道配布資料」を読み返してうんざりする。
「タービン建屋のたまり水検査結果」
「トレンチ内の水のサンプリング結果」
「海水サンプリング結果」
「H4タンクエリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について」……。
「地下水バイパス揚水井 分析結果」
東電福島第一原発の「建屋内の情報」は、「水まわりの情報」によって塗りつぶされているのである。
結果、マスコミも原発反対派も「汚染水」だけを大声で叫ぶ。
今、まさに福島の海岸にある危機を誰も知らない。
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コメント
2011/3/14の爆発でプール内燃料がすでに飛散してしまっていた場合、
すでに壊滅状態になっている、つまり、
毒の粉を吸わされて近いうちに死ぬ身体にされる人が毎日どんどん増えて行っている
(まだ症状に出ないために気づいていないだけ)のですから、
これから壊滅状態になる心配をするよりも、
すでに壊滅状態になってるのにずっと発覚しないままになる心配をした方がいいです。
発覚させる唯一の方法は、
プール内を覆い隠している瓦礫を撤去させて
燃料が全部残ってるか何割か飛散済か目で見える状態にすることだけなのですから
危険だからを理由にこの大型瓦礫の撤去をやらずに済ますことを、後押しするわけに行かないのです。
(目で見える状態にすれば発覚する理由は、
死ぬ身体にされた作業員が黙っていないから
(敷地外では防護服を着ておらずそこで毒の粉を吸い続けて来たのだからそうなる))。
壊滅状態に
「すでになってるのに発覚していない」
「これからなる」
のどちらの可能性が高いか考えてみてください。
彼らは、プール内を覆い隠す瓦礫を撤去せずに済ませたがっている、
プール内瓦礫撤去を中止せよの世論を巻き起こそうと必死になっているのです。
http://fukushimadisasternote.1apps.com/tepco_schedule.gif
この予定表の変遷をみてください(FHMの撤去のところ)。
東電は、
瓦礫撤去の予定日が近づくと予定日を1~6ヶ月後ろにずらす、
という手口を何度も何度も繰り返して
結局、1年半、撤去せずに済ませて来た、
口では「今月中に撤去する」と言いながら...
予定を後にずらしたのは今年の春の3ヶ月分だけではないのです、
1年半前から何度も何度もやって、結局、18ヶ月分、後にずらしたのです。
最初から撤去する気が無いのに
口だけ「今月中に撤去する」と言って国民を欺くのは、
今回で終わりにさせないといけない。
今度こそ、言った通り、本当にやってもらわないと。
プール内の燃料が全部残ってるか何割か飛散済かは、
この大型瓦礫を撤去して、さらに、覆い隠してる瓦礫の山を撤去して、
燃料の有無を目で確認しない限り、絶対に白黒付かないし、
飛散済だった場合は、発覚が遅れた分、移住が遅れ、
膨大な数の人(数百万人)が10年経ったあたりから肺癌になって死んで行く
ことになるのだから、
一日も早く撤去して下を見せて白黒付けてもらわないといけない。
測定結果に現れていなくても
飛散してないに決まってるなんて言えるわけないがない。理由は、
http://fukushimadisasternote.1apps.com/
肺癌を今訴える人が居なくても同様(癌の塊が大きくなるまで症状が出ないから)。
今月もあと2日で終わる。
今回もまた口だけだったことが証明される(1年半前から何度もやって来たことだ)。
予定表のソース(経産省サイト内にあるアーカイブ)
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/0529/140529_01_031.pdf#page=4
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/140627/140627_01_032.pdf#page=3
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/141127/141127_01_041.pdf#page=3
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/150226/150226_01_3_5_04.pdf#page=4&zoom=60
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2015/pdf/150528_01_3_05_05.pdf#page=2
投稿: 命を大切に思う者 | 2015年7月29日 (水) 21時08分