« 「モニタリングは日本がやって世界に知らせるだけでは不十分」IAEA天野之弥事務局長http://www.mag2.com/m/0001577514.html | トップページ | 幻の東電「海の連続モニタ」設置個所 2013年12月に「設置する」と約束していたが…… »

2015年6月21日 (日)

最大のウソは「海の調査」だ!! 東電がかたくなに拒否する「海の連続モニタ」設置 現在、2基が動いているはずだった!!

 2013年9月26日。IAEAの天野之弥事務局長は、日本の取材陣を前に次のように述べている。

「国際的な基準に基づいた信頼性の高いモニタリングが必要だ」

 日本の「海洋監視」はダメ、ということだ。

「モニタリングは日本がやって世界に知らせるだけでは不十分」

「計画段階から国際機関を含めて国際的な基準でいっしょに行い、情報発信もいっしょに行うことが大事だ」

Photo_3

「国際原子力マフィアの総本山」IAEAも「任しちゃおけない」と嘆く東電・規制委の「海洋」モニタリング。今回はその想像を絶する「ずさんさ」を暴く。

 

 安倍晋三「アンダーコントロール」演説のわずか6日後。原子力規制委員会「第一回 海洋モニタリングに関する検討会」が開催された。

「そもそもな話」を切り出したのは「外部有識者」青山道夫・気象庁気象研究所主任研究官だった。

「離散的なサンプリングで、(データが)点々々と飛んでいますよね」「たとえば、NaIのディテクターの連続モニタリングの装置を、このT-1のポイントに放り込んでおけば、24時間365日、機械が壊れない限り、連続データがとれます」

Photo_4

 提示されたのは「東電はなぜ、連続モニタを海に設置しないのか?」という根本的な疑問である。

「たとえば、ドイツとかフランスはすでにそういうことを海岸とか河川水でやっていて、彼らのデータを見ていると、1ベクレル/Lもしくは0・5ベクレル/Lのセシウム137だと、2時間ぐらいの計測で出ます」

 技術は確立している。既存の装置もある。なのになぜ、東電は連続モニタを設置しないのか?

「だから、水を汲んで、検出下限値がコロコロ変わるような測定をしなくても、実は連続モニタリング装置を放り込むと、きちっとした時系列がとれます」

 東電はなぜ「手で海水を採取」にこだわるのか?

「このグラフを見ると、なんで連続モニタを入れないんですか、というふうに言いたくなります」

 直後に飛び出した金城慎司・原子力規制庁の言葉に私はわが耳を疑った。

「連続式のサンプル機器ですかね。これは、たとえば柏崎とか、他の発電所ではあったかと思うんですけど」

 柏崎刈羽原発では「連続モニタ」が動いている!?

 菅井研自・東電はあっさりと回答。

「柏崎にしても、今までの福島第一、第二にしても、必ず一定の水深があるところで、水遮蔽を十分かませながら、その値を測っていた、ということでございます」

 柏崎刈羽原発、福島第二原発にも「連続モニタ」がある。

 なぜ、史上最悪の事故を起こした福島第一原発にだけ「連続モニタ」がないのか!?

 

 第一回の「海洋モニタリングに関する検討会」で菅井研自・東電は、「連続モニタをなんとか設置したい」と明言した。

 10月21日の「第2回」で「連続モニタをつけろ」と強く主張したのは、日本原子力研究開発機構の乙坂重嘉だった。

<連続モニタの話ですけれども、これはぜひ表面をブイか何かで計測をすることを強くお勧めします>

「もんじゅ」の事故隠しで悪名高い原発推進派の巣窟からも「これだけはやれ!」という声が上がった。

「これは大変、重要であります」

「これまでに報告しているモニタリングデータを確実に評価していくということと、それから、今後起こり得る放出をどのように連続的にモニタしていくか、ということが大事になります。特に潮汐もそうですけれども、大きな波浪があるときなんかに、港湾のものが交換をする可能性があると思います。残念ながら、そういうときには船を出してモニタリングをすることがむずかしいわけですから、こういう機械による連続モニタリングというのは非常に大事になってくると思います」

 これを受けて東電を問い詰めたのは原子力規制委員会の中村佳代子委員だった。

「具体的には一体どのぐらいの時期に(連続モニタを)お使いになれるような状態になる、と考えてよろしいでしょうか?」

Photo_5

 この問題に関しては、規制委と東電は「グル」ではない。

 菅井研自・東電は明らかに困惑していた。

「そこも含めてまだ答えが出ておりません。先ほどブイで一定の深さになると、これは我々も非常にいい方法だと思っております。ただ、ひとつは、今までのデータの連続性ということで、できるだけ近くに作ろう、となると、非常に水深が浅いことと、あと、波で32トンのテトラポットが平気で流されるぐらいの強さの波浪が来る場所でございます」

 あとで解説するが、ポイントは「強烈な波が押し寄せる場所」である。

「したがって、そういうところに対してどうやって設置をしていくか、ということも含めて、今、検討しておりまして、もう少し本当にお時間をいただかないと、まだ工程も引けないところでございます」

 とぼけた表情のままだが、中村委員の言葉に怒気が加わる

「お時間って、どのぐらいのお時間のことをおっしゃっていますか?」

 菅井は「必ず作ります」と約束する他ない。

「1カ月ぐらいの中で方針を決めて、型式を決めたいということで、今、メーカーさんといろいろ打ち合わせを重ねているところでございます」

 本当か?

|

« 「モニタリングは日本がやって世界に知らせるだけでは不十分」IAEA天野之弥事務局長http://www.mag2.com/m/0001577514.html | トップページ | 幻の東電「海の連続モニタ」設置個所 2013年12月に「設置する」と約束していたが…… »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 最大のウソは「海の調査」だ!! 東電がかたくなに拒否する「海の連続モニタ」設置 現在、2基が動いているはずだった!!:

« 「モニタリングは日本がやって世界に知らせるだけでは不十分」IAEA天野之弥事務局長http://www.mag2.com/m/0001577514.html | トップページ | 幻の東電「海の連続モニタ」設置個所 2013年12月に「設置する」と約束していたが…… »