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2015年5月17日 (日)

予言されていた東芝粉飾決算<「原発野郎」佐々木則夫を社長の座から引きずり降ろさないと東芝は潰れる>西田厚聰

「原発野郎を社長の座から引きずり降ろさないと東芝は潰れる」

 2013年5月。『週刊現代』に問題の記事は掲載された。

<スクープ!「社長をクビにした理由」を本誌にぶちまけた!>

<東芝のサプライズ人事 西田会長がその全内幕を明かす>

 発端は2月の社長交代記者会見だった。

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西田厚聰

「田中氏(新社長)には、もう一度、成長路線に戻して幅広い経験と豊富な国際経験を生かし、東芝がグローバル企業に飛躍できるようリーダーシップを発揮してほしい」

 西田厚聰会長がこう切り出すと、「社長をクビになった」佐々木則夫の顔色が変わった。

「成長軌道に乗せる私の役割は果たした」

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佐々木則夫

 田中久雄新社長の門出を祝うはずの記者会見が、醜い口げんかの場になってしまったのだ。

 西田会長は「原子力一筋」に歩んできた佐々木について、

「ひとつの事業しかやってこなかった人が東芝全体を見られるのか?」

 会見終了後、記者団に囲まれた佐々木は怒りをぶちまけた。

「西田さんもパソコン一筋。事業が34もある東芝で、あんな要件に該当する候補者はひとりもいない」

「ちゃんと数字を出し、業績回復を果たした私が、文句を言われる筋合いはない」

 2年後。東芝の粉飾決算が明るみに出た。

 この会社、ダメなんじゃねえ?

 西田はさらに、いきなりインターホンを押した週刊誌記者に洗いざらい話してしまう。

<佐々木を社長に指名したのは僕です。選んだ僕に責任がある。そこは認めます。ただ、このままだと東芝の将来がとんでもないことになってしまうと思ったのも事実です。社長を新しい人にかえてもう一度東芝の再生を図らないと大変なことになってしまうと>(『週刊現代』2013年5月27日号)

 日本を代表する大企業トップがそう思ったとしても、普通、週刊誌記者に話さないよ。

<彼(佐々木前社長)は年度の初めに立てた売り上げ目標を一度も達成したことがありません。>

 つまり、製品が全然、売れない。

<(2013年3月期の)決算も(昨秋に)2600億円の利益目標を掲げて、「やります、やります」と言っておきながら、結果は2000億円にも届かなかった。もう有言不実行ばかりを繰り返していて、反省がないのです。>

 つまり、東芝は全然、儲かっていない。

 じゃあ「好調」を連発していた決算書はなんなのよ?

<確かにこの4年間は、利益は出ていますが、しかし売り上げはどんどん下がっている。売り上げが減っているのにどうして利益が出ているのかといえば、固定費のカットです。>

 正確に言い直しますよ、西田会長。

「東芝は、決算書を粉飾し、利益が出た、とウソをつき続けた」

 

 社長をクビになった佐々木則夫の立場で考えるとこうなる。

「大損こいた西田の尻拭いをしたのは俺だ」

 西田厚聰が東芝の社長の椅子に座っていた2006年~2008年。

 東芝が稼いだ金は1兆1485億円。

 東芝が使った金は1兆5718億円。

 4233億円の赤字。大損。

 株価は442円→253円。

 自己資本比率17・8%→11・9%。

 ムーディーズの格付け「A3→Baa1」。

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「格付け」については佐々木にも責任がある。

 東芝格下げの直接の原因は「米国ウェスチングハウス社買収」にあったからだ。この買収は西田と佐々木が二人三脚で行ったもの。

 市場関係者は買収時のウェスチングハウスの価値を19億ドルと見積もっていたので、東芝のプレスリリースを見て腰を抜かした。

<東芝は54億ドルでウェスチングハウスを買った。>

「東芝は頭がおかしい」

 格付け会社がそう思ったから、一斉に格下げ。当然だ。

 そもそも、米国の格付け会社は、1980年代前半から、こうアナウンスしてきたのである。

「原発は投資不適格」

 原発には「B」という記号すらつかないのだ。

「金があっても原発には手を出すな」

 これが世界の常識である。

 

「西田時代」の東芝はまさに「暗黒時代」。だから、佐々木則夫はこう称賛された。

「泥沼に沈みかけていた東芝をV字回復させた」

 そして、「3・11」、原子力災害が日本を代表する大企業に襲いかかった。

 東芝製原発が爆発した。そして、そのわずか1カ月後、「東芝が初めて手がける海外の原子力プラント」サウス・テキサス・プロジェクトが白紙に戻された。

 それでも、佐々木は吠え続けた。

「39基の原発を新規受注する」

「2016年3月までに原子力事業の売り上げ1兆円を目指す」

 この号令こそが粉飾決算の動機、動力である。

「ベトナムに原発を輸出する」

「フィンランドに原発を輸出する」

「英国に原発を輸出する」

「トルコに原発を輸出する」

 なにひとつ実現していない。全滅。

 佐々木則夫のニックネームは「原発野郎」。

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