福島第一原発3号機の闇 南相馬市の農家を殺す黒幕は誰だ!?
「南相馬市のコメの汚染は3号機のがれき撤去作業とは無関係」
原子力規制委員会のこの結論を受け、南相馬市のコメの作付けは半減するだろう、といわれている。
この「農家殺し」の結論は、いかにして生まれたのか?
2014年11月26日の規制委員会で南山力生・規制庁はこう切り出している。
「なお、この検討につきましては、内閣府原子力被災者生活支援チームから原子力規制庁に対し検討の要望があったものでございます」
内閣府原子力被災者生活支援チーム?
またしても聞いたことがない組織の名前が出てきた。
内閣府のホームページに確かにそんな記述があるが……どこをクリックしてみてもメンバーの名前がわからない。
「会議」をクリックしてみると……なんと……。
運営会議は2011年6月24日を最後に一度も開催されていない!
最後の会議のメンバーは、
内閣府特命担当大臣 松本龍
総務大臣 片山善博
内閣府副大臣……。
まさに「幽霊」のような政府機関だが……。
政権が交代しても同じ役職の者が仕切っていると仮定するとこうなる。
ボス 山谷えり子
副官 高市早苗
在特会、ネオナチとの関係が疑われるおふた方のそろい踏み!?
それもすごいが、高市早苗は次の発言で大ひんしゅくを浴びた。
「原発事故で死者は出なかった」
「稼働している原発はコストが安い」
「原発を活用していくしかない」
次の議題に入る前。「まとめ」として田中俊一はこう口をすべらせている。
「今回はそういう意味で行政によって、私どもが工夫してこういう形 で出させていただいたということなのですけれども」
工夫!?
委員長! それ言っちゃダメなんじゃない!?
内閣府の要請を受け、原子力規制委員会がやった「工夫」とは何か!?
「放射性セシウムの降下量の計算をSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を用いて計算させていただきました」(南山力生)
また「幽霊」が出た!
<幽霊の名前は「SPEEDI」という。>
<政府関係者は、事故直後から(SPEEDIの)膨大なデータを閲覧しながら、国民に知らせなかった。
結果、原発20キロ圏内から、高濃度に汚染された「ホットスポット」に逃れ、そこにとどまった人たちがいた。吉田栄光福島県議によれば、その数、約1万人。
国民の生命を守れたのに、意図的に守らなかったのだから、日本は国家とは呼べない。>(拙書「「使用済み核燃料プール」はどこに消えた?」『原発の深い闇』別冊宝島)
SPEEDIは人助けには使われなかった。
南山の説明によれば、SPEEDIで計算したところ、「3号機のがれき由来のダストが南相馬市のコメを汚染するはずがない」というのだ。
この結論を聞き、南相馬市の農家は今年、コメの作付けをしない。
国民の生命を守るために使われなかったSPEEDIが、国民を殺すために再び持ち出されたのだ。
すべての原子力委員、規制庁職員がSPEEDIの欠陥を知っている。
「本来、重力沈降を考慮する必要がある粗大粒子の拡散計算にSPEEDIをそのまま用いることには技術的な限界がございまして、本計算結果は、より近くは過小に、より遠くは過大に評価している可能性があるということをお含み置きいただきたいというものでございます」(南山)
SPEEDIは「ガス」を測定するように設計されている。「ダスト」は文字通り「粒子」である。
そんなもん使っちゃダメだろう!!
しかも、3号機から環境に出た粒子の大きさは「不明」。
計算できるわけがない!!
SPEEDIは福島の農民に対する「殺人装置」となった。
では、SPEEDIの再登場で救われた人たちは誰?
東京電力はもちろん。そこには、実際にがれきを持ち上げた鹿島建設、がれき撤去計画を仕切る東芝が含まれる。巨大企業が三つ。
「絶対に、犯人を3号機のがれきにしてはならない」
原子力規制委員会に内閣府が出した「要請」の意図は誰にだってわかる。
金持ちを救え。
貧乏人は死ね。
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