日本ダービーで万馬券!
さあ、ダービー。
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さあ、ダービー。
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2015年5月22日東電発表。
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3号機の復旧作業が暗礁に乗り上げている模様です。
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「死者」は町田康さんがこう言ったように、
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京都のライブハウスでいっしょになったことを強烈に覚えていますね。
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やっぱり、リハは「死者」の特訓になる。
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前記事動画の解説です。
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粉飾決算疑惑の東芝にまたしても大問題が発生した。
東電福島第一原発に設置された多核種除去設備(ALPS)の廃液を入れる高性能容器(HIC)から大量の不良品が発見されたのだ。
その数、1090基中334基。
なんと30%超の容器にベント孔が付いていなかった。
東電はHICの蓋の上のたまり水について調査していた。雨水、結露水など原因が検討された結果、高濃度廃液からガス(水素など)が発生し、廃液自体が膨張し、「ベント孔から」ふたの上に漏れた、と結論づけられた。
「ガスが発生している」と結論づけた途端に、「ガスを抜く穴がない」ことが判明したのだ。
36個の穴が付いていなければならないのに、穴がひとつもついていないHICが全体の30%超。
4月29日。東京電力は東芝から報告を受けていたが、公表しなかった。
原子力規制委員会(特定原子力施設監視・評価検討会)に提出する資料を作っているとき、データの一部が欠損していることから事実が公になったのだが……。
検討会の進行役、更田豊志委員は「困ったな」という言葉を連発した。
更田はまず、「この問題から扱うのか」と嘆く。
「HICは東京電力が直接、調達しているのか? それとも、協力会社が調達しているのか?」
東電が「協力会社だ」と応じると、
「そうすると、協力会社の調達を東京電力が監視するという、そういう形態なわけですね?」
更田は「うーん」と唸り、腕を組んで黙り込んでしまった。
原子力規制委員会にとって「東芝」の二文字はタブーとなっているのだ。触れちゃいけない。
東京電力に対してはなんぼでも怒鳴りつけていいが、原発メーカーの名前を出してはいけない。そもそも、事故が起きてもメーカーだけは免責される原子力に関する法制度が間違っているのだが……。
「困りましね、これね……うーん(また黙り込む)」
HICは米国製。アメリカがからんでいることも更田を悩ませる。この沈黙が何より雄弁に物語っている。
そもそも、日米原子力協定が間違っているのだ。
<どちらか一方の国がこの協定のもとでの協力を停止したり、協定を終了させたり、[核物質などの]返還を要求するための行動をとる前に、日米両政府は、是正措置をとるために協議しなければならない。そして要請された場合には他の適当な取り決めを結ぶことの必要性を考慮しつつ、その行動の経済的影響を慎重に検討しなければならない>(第12条4項)
つまり、日本人は何も決められない。決めるときはアメリカ人に相談しなくてはならない。アメリカ人が「これをやったらアメリカ人が損をするじゃないか」と言えば、何もできない。
東芝が粉飾決算疑惑のただなかにいることも事態をややこしいものにしている。
東芝とアメリカ。目を閉じた更田は「二人の王」を思い浮かべ、ただただ困っている。
更田はこんな言い方もしている。
「この実験は東京電力がやっているのか? それとも……これは恐る恐る聞くんですが、どこか他が提案してきているのか? どちらですか?」
「他」とは当然、東芝である。だから、「恐る恐る」になってしまう。
ベント孔から漏れたたまり水が発見されたHICは全体の30%弱。
ベント孔が付いていないHICは全体の30%超。
破裂しなかったのは「ロシアンルーレットをやったけど死ななかった」みたいな幸運といえるだろう。
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ミッシング・リンクについて原稿を書きました。
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2011年3月14日。東電福島第一原発3号機爆発。
世界中の人々が、最悪の原子力災害映像に息をのんだ。
同年4月19日。東芝と組み「サウス・テキサス・プロジェクト」(以下STP 原発二基増設計画)を推し進めてきた米国電力大手NRGエナジーは「投資を打ち切る」と発表した。
当然だ。
STPには東京電力が10%出資していた。
3号機に原子炉を納入した東芝。
東芝の原子炉に危険なMOX燃料をぶち込んだ東電。
史上最悪の「爆発コンビ」企業と組み続けることなどできない。
NRGは1~3月期に約4億8100万ドル(約572億3900万円)の特別損失を計上した。
もちろん、東電も即時撤退。
このとき、東芝も約600億円の特別損失を計上すべきだったが……。
東芝はSTP計画が「とん挫した」とは考えていない。
「テキサス州に原発2基を建設する」
そう主張し続けている。3号機爆発から4年2カ月過ぎた今も。
驚くべきことに、東芝は今もSTPに金をつぎ込み続けているのだ。
<「誰も諦めたわけではない」(東芝原子力事業関係者)と、プロジェクトの存続に懸けることで、かたくなに減損を拒み続けてきたのだ。>(『週刊ダイヤモンド』2014年4月23日)
原子力は人間を狂わせる。
<「投資回収が可能というなら、新たな出資者が現われるという明確なエビデンス(根拠)が必要だ」
あるときは東芝本社の一室、あるときは川崎の新拠点の一室で――。この1年間、あるプロジェクトをめぐって、東芝の担当者たちと居並ぶ会計士たちとの緊迫したやりとりが、水面下で何度も繰り返されてきた。そして、東芝は会計監査人の新日本監査法人から、冒頭の主張を繰り返されてきた。>
日本を代表する大企業が、1年間ずうっと、監査法人ともめている?
まさに異例のスクープだが、この報道を待つまでもなかった。この時期、東芝株は20%も下落した。
<そのプロジェクトの将来性をめぐり、東芝は新日本と意見が対立。「現状では投資回収の見込みが低い」とし、減損処理を迫る新日本に対して、東芝は反論材料をかき集めて必死の抵抗を試みていた。>
結果、東芝は310億円の損失を計上した(2014年3月期決算)。
たった310億円!?
私も「少なすぎる」と思っていたが……。
<減損の場合は約600億円に上る投下資金の何割を損失として計上すべきかという判断について、詰めの作業を行っている模様だ。>
完全に「作られた数字」だった!
会計士「実際の投資金額の半分ではハンコをつけない」
佐々木則夫副会長「じゃあ、半分の300億円に10億円を乗せるよ」
佐々木則夫・東芝副会長
そういう綱引きの結果、出てきた数字に違いない。
ここにもうひとりの「狂った男」が登場する。
この決算について取材を受けた東芝の久保誠副社長は、
<NINA社の件がなければ過去最高益だった>(『東洋経済オンライン』2014年5月9日)
NINA社はSTPを担ってきた現地の開発会社。久保誠は「過去最高益」を出したライバル会社、日立製作所と肩を並べられなかったことをくやしがっているのだ。
久保誠・東芝副社長
『東洋経済』の富田頌子記者が鋭く突っ込む。
「そもそも、STPは米国原子力規制委員会が建設許可を出していない」
久保誠の返答がすごい。
<2016年1月にも許可が出る見込み。許可が下りれば、(今回計上した損失310億円のうち)大半は利益として戻ってくる>
原発建設自体が法律違反。
だから、当然、お金を出してくれる人は誰もいない。
粉飾決算、犯罪の根は、「それでも儲かるんだ!」と言い張るこの男の狂気のなかにある。
東芝も犯行を自白している。
<(東芝は)508億円の最終利益を上げた14年3月期連結決算については、「少なくとも修正の必要がある」と説明している。>(『ビジネス・ジャーナル』2015年5月17日)
悪材料はSTPだけではない。
「原発を39基作る」
東芝は今もそう豪語しているが、実際に建設中の原発は、子会社ウェスチングハウスのAP1000、6基のみ。しかも、6基すべての建設が予定通り進んでいない。
中国・三門原発(2基)は稼働が1年半も遅れている。
米国・ボーグル原発(2基)では14億ドル(約1666億円)のコスト超過が発覚。
米国・VCサマー原発(2基)では重要な部材の入荷が2年以上遅れていて、完成は3年遅れる、と発表されている。2014年10月時点でのコスト超過は12億ドル(約1428億円)。
このお話のどこかに「得をした人」が出てきましたか?
さようなら、原子力。
つづきはメルマガで↓
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東芝は粉飾決算の規模を「500億円程度」と深夜に公表。
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「原発野郎を社長の座から引きずり降ろさないと東芝は潰れる」
2013年5月。『週刊現代』に問題の記事は掲載された。
<スクープ!「社長をクビにした理由」を本誌にぶちまけた!>
<東芝のサプライズ人事 西田会長がその全内幕を明かす>
発端は2月の社長交代記者会見だった。
西田厚聰
「田中氏(新社長)には、もう一度、成長路線に戻して幅広い経験と豊富な国際経験を生かし、東芝がグローバル企業に飛躍できるようリーダーシップを発揮してほしい」
西田厚聰会長がこう切り出すと、「社長をクビになった」佐々木則夫の顔色が変わった。
「成長軌道に乗せる私の役割は果たした」
佐々木則夫
田中久雄新社長の門出を祝うはずの記者会見が、醜い口げんかの場になってしまったのだ。
西田会長は「原子力一筋」に歩んできた佐々木について、
「ひとつの事業しかやってこなかった人が東芝全体を見られるのか?」
会見終了後、記者団に囲まれた佐々木は怒りをぶちまけた。
「西田さんもパソコン一筋。事業が34もある東芝で、あんな要件に該当する候補者はひとりもいない」
「ちゃんと数字を出し、業績回復を果たした私が、文句を言われる筋合いはない」
2年後。東芝の粉飾決算が明るみに出た。
この会社、ダメなんじゃねえ?
西田はさらに、いきなりインターホンを押した週刊誌記者に洗いざらい話してしまう。
<佐々木を社長に指名したのは僕です。選んだ僕に責任がある。そこは認めます。ただ、このままだと東芝の将来がとんでもないことになってしまうと思ったのも事実です。社長を新しい人にかえてもう一度東芝の再生を図らないと大変なことになってしまうと>(『週刊現代』2013年5月27日号)
日本を代表する大企業トップがそう思ったとしても、普通、週刊誌記者に話さないよ。
<彼(佐々木前社長)は年度の初めに立てた売り上げ目標を一度も達成したことがありません。>
つまり、製品が全然、売れない。
<(2013年3月期の)決算も(昨秋に)2600億円の利益目標を掲げて、「やります、やります」と言っておきながら、結果は2000億円にも届かなかった。もう有言不実行ばかりを繰り返していて、反省がないのです。>
つまり、東芝は全然、儲かっていない。
じゃあ「好調」を連発していた決算書はなんなのよ?
<確かにこの4年間は、利益は出ていますが、しかし売り上げはどんどん下がっている。売り上げが減っているのにどうして利益が出ているのかといえば、固定費のカットです。>
正確に言い直しますよ、西田会長。
「東芝は、決算書を粉飾し、利益が出た、とウソをつき続けた」
社長をクビになった佐々木則夫の立場で考えるとこうなる。
「大損こいた西田の尻拭いをしたのは俺だ」
西田厚聰が東芝の社長の椅子に座っていた2006年~2008年。
東芝が稼いだ金は1兆1485億円。
東芝が使った金は1兆5718億円。
4233億円の赤字。大損。
株価は442円→253円。
自己資本比率17・8%→11・9%。
ムーディーズの格付け「A3→Baa1」。
「格付け」については佐々木にも責任がある。
東芝格下げの直接の原因は「米国ウェスチングハウス社買収」にあったからだ。この買収は西田と佐々木が二人三脚で行ったもの。
市場関係者は買収時のウェスチングハウスの価値を19億ドルと見積もっていたので、東芝のプレスリリースを見て腰を抜かした。
<東芝は54億ドルでウェスチングハウスを買った。>
「東芝は頭がおかしい」
格付け会社がそう思ったから、一斉に格下げ。当然だ。
そもそも、米国の格付け会社は、1980年代前半から、こうアナウンスしてきたのである。
「原発は投資不適格」
原発には「B」という記号すらつかないのだ。
「金があっても原発には手を出すな」
これが世界の常識である。
「西田時代」の東芝はまさに「暗黒時代」。だから、佐々木則夫はこう称賛された。
「泥沼に沈みかけていた東芝をV字回復させた」
そして、「3・11」、原子力災害が日本を代表する大企業に襲いかかった。
東芝製原発が爆発した。そして、そのわずか1カ月後、「東芝が初めて手がける海外の原子力プラント」サウス・テキサス・プロジェクトが白紙に戻された。
それでも、佐々木は吠え続けた。
「39基の原発を新規受注する」
「2016年3月までに原子力事業の売り上げ1兆円を目指す」
この号令こそが粉飾決算の動機、動力である。
「ベトナムに原発を輸出する」
「フィンランドに原発を輸出する」
「英国に原発を輸出する」
「トルコに原発を輸出する」
なにひとつ実現していない。全滅。
佐々木則夫のニックネームは「原発野郎」。
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2011年4月。「サウス・テキサス・プロジェクト」が白紙に。
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京都11レース
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ヴィクトリアマイルの最大の特徴は「狂気のキレを持つ最強馬は勝てない」ということ。
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<当社は、原子力事業強化の一環として><米国のウラン濃縮会社・ユーゼック社へ><1億ドルの出資契約を締結しました。>(東芝プレスリリース 2010年5月25日>
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「3・11」が東芝にもたらした打撃。
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中田潤メルマガ「白戸次郎対マリリン・モンロー」再録
2014年4月14日号
http://www.mag2.com/m/0001577514.html
○●○●○●○●○●○●○
プロパガンダをぶっ飛ばせ!
●○●○●○●○●○●○●
ウクライナ「ネオナチ」新政権と心中する日本
大急ぎで核燃料契約を結んだ東芝の命運は?
<グローバルな核の大惨事をひきおこしかねないウクライナ新政権>
4月13日。「ロシアの声」はこんな見出しを掲げた。
親ロシア派による庁舎、警察署への襲撃、占拠。暫定政権の反撃、ウクライナ軍の命令拒否……。大混乱が続くウクライナで、来週にも核燃料の新契約が結ばれようとしているというのだ。
当事者はウクライナの原発を独占する「エネルゴアトム」社。
もう一方は、ウェスティングハウス(WH)社だ。
「ロシアの声」は<米国のWestinghouse社>と報じているが、これは間違い。2006年2月。ウェスティングハウス社は東芝に買収された。昨年12月、同社の新会長に東芝電力システム社副社長の岡村潔が就任した。
完全な「日本企業」なのである。
日本を代表する大企業、東芝の最初のつまずきがこれだった。
「東芝はバカの集まりか!?」
この買収劇は世界中から笑われた。
なぜか?
当初、WHを所有していた英国核燃料会社はこう言っていたのである。
「18億ドルぐらいでどこか買ってくれないかなあ?」
ところが実際の買収額はとんでもなかった。
なんと、54億ドル!
すぐさま東芝株は格下げされた。
「金をドブに捨てるようなものだ」
その後の出来事を見えれば、誰だって「そりゃそうだ」となる。
買収には米国の「ショーグループ」も参加していたが、福島での原子力災害を目の当たりにして逃げ出した。東芝は10億ドル以上を出して、ショーグループから株を買わざるを得なかった。
大損。
2011年4月というのだから「3・11」の直後である。
「日本企業として初めての海外における新規原子力プラントの建設」
東芝がそう豪語した「サウス・テキサス・プロジェクト」がぶっ壊れてしまう。
<今年(2011年)4月、大手電力卸業者のひとつであるNRGエナジーは、テキサス州ヒューストンの南方90マイルのベイ・シティでかなり以前から計画していた2つの原発建設を停止した。>(『東洋経済』電子版 2011年5月17日)
大損につぐ大損!
そして、日本代表する大企業、東芝に「3・5」ショックが襲いかかる。
WHのセールストークは次のようなものだった。
「原発の建設、管理だけではなく、核燃料も安定して提供しつづけます」
2014年3月5日。合衆国濃縮会社(USECユーゼック)が破産。
これが何を意味するかというと……。
アメリカには、もはや安い核燃料は存在しない!
ユーゼックは「核兵器削減」の美名の下、旧ソ連の解体核兵器から抽出された高濃縮ウランを安い値段で手に入れ、原発用核燃料を作っていた。
ユーゼックは、ウランを「薄めるだけ」の簡単なビジネスで成り立っていたのだ。
結果、アメリカの原発が生み出す電力の半分は、旧ソ連の「核兵器製」となった。
「解体核ウランが世界の天然ウラン供給を補っている」
「原子力ムラ」の住人はそんな言い方をするが、順番が逆だ。
安い解体核ウランがなければ、原発は商売として成り立たない。
いや、それ以前に、解体核ウランが「原子力の平和利用」をかろうじて支えてきた。延命させてきた。解体核ウランは「点滴」のようなものだったのだ。
アメリカと本気で闘うハラを決めたプーチンは、2013年12月、旧ソ連解体核ウランの供給を止めた。
WHの競争力の源である「核燃料の安定的な提供」も同時にぶっ壊れてしまった。胡散霧消した。
ユーゼックに対し、バカげた投資をつづけた東芝は数億ドルの債券(おそらく、紙くずになる)をつかまされた。
大損につぐ大損につぐ大損!!
「ウエスティングハウス(WH)のビジネスって、本当は実体がないんじゃないの?」
長いことそう感じてきたが、「ロシアの声」の記事を読んで得心した。
<2012年、ウクライナ原子力監督庁はWestinghouse社の製品の使用を禁止していた。同社の製品は以前ユジノ・ウクライナ原発に供給されていた。ところが1年にも満たない期間で核燃料棒を使用した作業に支障が出始め、数箇所のブロックで作業の停止を迫られた。その修復のためにロシア人専門家らが呼ばれている。>
ウクライナで二番目に大きいユジノ・ウクライナ原発の原子炉はロシア製WWER。当然、ロシアから輸入した核燃料を装てんしなければ危険だ。
「WHは、WWERで無理やり米国製核燃料を燃やそうとして失敗した」
というのが「ロシアの声」の見解である。
おそらく、米国人も日本人もトラブルに対処できなかったから、電力会社はロシアの技術者に泣きついた。
契約解除。追放。そして、政変。
大損続きの東芝の原子力部門が利益を上げるには、「火事場泥棒」をやるしかなかった。ウクライナの大混乱に乗じて、WHは素早く核燃料の契約を締結しようとしている。
これも「ショックドクトリン」の一種だろう。
裏の政治からみるとこうなる。
2004年。アメリカ製「オレンジ革命」に乗じて、WHがウクライナに乗り込んできた。
しかし、2010年の選挙で「革命戦士」ユーリヤ・ティモシェンコがヴィクトル・ヤヌコビッチに敗北。
政権に返り咲いたヤヌコビッチは「世界の核支配」を推し進めるプーチンの意向に沿って日本人、米国人を追い出した。
「ロシアの声」は当然、プーチン政権のプロパガンダ機関でもある。「やつらが流したい情報」なので、注意深く読まなくてはならないが、ウクライナにおける「日本人の大失態」(なのか?)批判は強烈だ。
<社会調査センターのウラジミール・エヴセーエフ所長は><「ウクライナ領内にあるすべてのエネルギーブロックはソ連時代に開発された型の原子炉を使っている。そのために必要とされる核燃料はまさにロシアが提供しているタイプのものであり、Westinghouse社は産業スパイを行えば、ロシアの作る燃料の形をコピーすることはできるだろうが、それでもこれはコピーにすぎない。これはオリジナルではない。米国製の燃料をウクライナが使った場合、事故が起きる恐れがある。」>
……「産業スパイ」とまで言うか?
<こんにち、ロシア製(およびソ連製)の原子炉は数十カ国で稼動している。><立派に機能し、信頼性の高い、安全なエネルギー源であることを証明している。>
ウクライナの人々は今も、チェルノブイリ事故の被害に苦しんでいるのに……それでも、そう言い張るの?
<重要なのは、ロシアは必ず契約義務を遂行し、技術サービスないし燃料供給を行っている。>
事実上、プーチンの会社である「ロスアトム」は、確かに安い核燃料を市場に提供し、圧倒的な競争力でユーゼックをぶっ潰したが……。
<ロシア、ウクライナ間で意見の食い違いが高まったときも、ロスアトムは特別声明を出し、政治、経済状況にかかわらず、協力は全面的に続けられると約束してウクライナ側のパートナーらをなだめた。><ウクライナ新政権は、><真っ向からその逆をつっぱしっている。政治の上の関心が安全の判断を上回るようになれば、災いは必ずやって来る。>
しかし、これがロシアのプロパガンダ、ウソだとしても、私たち、日本人は笑い飛ばすことができるだろうか?
東電福島第一原発3号機の欠陥原子炉にMOX燃料を入れることを黙認し、大爆発を目の当たりにし、日々、被ばくしつづける私たちは……。
ウクライナ「オレンジ革命」は、投資家のジョージ・ソロスらが豊富な資金を投入した「アメリカ製の革命」だった。
「アメリカ製」の特徴は、1920年代、第一次大戦時から続くウォルター・リップマン流のプロパガンダである。
「独裁者に弾圧される市民」
メディアを駆使し、そんな遠国のイメージをくりかえし流す。
革命時の最高権力者、ヤヌコビッチは、「独裁者」プーチンの盟友なのだから、当然、こいつも独裁者だ。
テレビ、マスコミの「バカみたいに単純化された構図」に、人類はコロリと騙されてしまう。
ヤヌコビッチは悪い人。
「人々は民主革命のために立ち上がった」
アメリカが介入しても、それは「民主化支援」であって「内政干渉」「侵略」ではない。
市民を代表するユーリヤ・ティモシェンコは、民主主義者、自由主義者なのだから、当然、いい人だ。
テレビの前にいる人たちは、彼女が「ガスの女王」と呼ばれていたことなど知るよしもない。調べないから。
不法コピーの米欧製ビデオのレンタル店で大儲けをした彼女は、30歳の若さでエネルギー関連企業の経営に乗り出す。35歳でウクライナ統一エネルギーシステムの社長になったティモシェンコは、ロシアからウクライナへの天然ガスの最大の輸入・卸売業者となり「ガスの女王」と呼ばれた。
ティモシェンコは、典型的な「オルガルヒ(新興寡占資本家)」なのである。
ソ連崩壊後、激烈な闘いが繰り広げられ、それは今も続いている。
ざっくりいえば、こんな闘いだ。
国家を運営するのは政治家なのか?
それとも、大金持ちなのか?
プーチンはもちろん、「政治家が一番偉い」と考えた。政界に進出しようとするオルガルヒを逮捕、追放(事実上の)、恫喝して、自分に従わせた。
ティモシェンコは、「大金持ちがさらに金を稼げるように国家は運営されるべきだわ」という考え方。
かくして、ユーラシア大陸最大の「犬猿の仲」が誕生する。
2004年の「オレンジ革命」時、プロパガンダは大成功したかにみえた。
市民の代表、民主主義者の「いい人」が、「悪い独裁者」に勝った。
民衆は大喜び。
しかし、今回の反政府運動は違う。
プロパガンダの金メッキはポロポロとはがれ、醜悪な実態が暴かれようとしている。
だから、欧米のメディアも「民主主義のリベンジ」とは書けない。ウクライナで起きたことは「クーデター」と書くしかない。
3月12日。新興財閥「グループDF」のボス、ドミトロ・フタルシュが訪問先のオーストリアで逮捕された。インドのチタン鉱山をめぐる贈賄容疑だった。
3月21日。ウクライナのガスパイプラインを管理する国営ナフトガスのバクリン社長が逮捕された。
なんだ、ティモシェンコ一派もプーチンと同じことをやってんじゃん。
私もそう思ったが、フタルシュの逮捕劇については、奇妙な点が多い。いや、むちゃくちゃ変なのだ。
犯罪者がいるのなら、被害者は誰なのか?
被害者はなんと、「米国シカゴ市民」だというのである。
シカゴの検察当局がフタルシュを告発し、オーストラリアの警察が逮捕?
シカゴには、経営危機が続くボーイング社の本社がある。米軍産複合体の中核企業、ボーイング社が検察にチクッた、としか考えられない。
フタルシュの容疑は、インドのチタン鉱山利権を賄賂攻勢によって手に入れようとしていた、というもの。
ボーイング社は、問題のインド鉱山からチタンを買っていた。
インドの鉱山利権がウクライナ人に渡っては困る?
これは、東芝の「火事場泥棒」と同様の単なる儲け話なのだろうか?
フタルシュが持っている企業には、ロシアの最強企業「ガスプロム」と共同で設立した会社もある。フタルシュは、プーチンのビジネスパートナーでもあった。
ニュースに納得ができなかったら、金の流れを追え。
ウクライナの政変は、ヤヌコビッチがEUとの政治・貿易協定の調印を見送ったことが発端だといわれている。
金の流れから見るとこうなるだろう。
欧米とロシア、どっちにつけば得なのか?
お金をくれるのはどっち?
プーチンはヤヌコビッチにこう約束していた。
「ウクライナ国債約150億ドルを買い取る」
ロシアにつけは、150億ドル貸してくれるのだ。
欧米につけばどうなる?
昨年12月。キエフから帰国したヴィクトリア・ヌーランド米国務次官補は演説でこう語っている。
「アメリカは、ウクライナに対し過去20年間で50億ドルもの投資をした」
すごい援助のように聞こえるが、年間2億5千万ドルにすぎない。アメリカはあまりお金をくれない。ケチ。
「巨額の投資をしたアメリカは、同国にIMF『改革』の導入を要求するつもりだ」
IMFとは「国家間金貸し」に他ならない。
IMFはいくら貸してくれるのか?
これがなんと、たったの40億ドル。
しかも、「融資の条件」がとんでもない。
「電気とガス料金を倍に値上げしろ!」
「農地売買規制を撤廃しろ!」
「通貨を切り下げろ!」
「国有資産を民間に!」
「福祉予算を大幅に減らせ!」
むちゃなことを言い募る。これまで、IMFの構造改革を受け入れた大方の国は、格差が拡大し、ボロボロになった。
欧米とロシア、どっちが太っ腹?
「ロシアについたほうが得」だとわかっていたから、多くのウクライナの人々は今回の「反政府運動」に加わらなかった。政変は「民主革命」ではなく、「クーデター」に終わったのだ。
インドのチタン鉱山をめぐる奇妙な事件も「金の流れ」で謎解きできる。
2005年7月。インドは、中国、ロシア、中央アジアの同盟である「上海協力機構」にイラン、パキスタンとともにオブザーバーとして参加した。
インド人も「ロシアについたほうが得」と考え、とっくの昔に「ロシア同盟」に参加していたのである。
「米ロ新冷戦」とは、「上海協力機構」とアメリカとの闘いであり、アメリカとしては、なんとしても、インドを「アメリカ同盟」に引き込みたい。
その綱引きが奇妙な逮捕劇を生んだのだ。
欧米、特に日本のマスコミは、ウクライナの政変を「民主革命だ」と言いくるめようと必死で頑張っている。
しかし、反政府運動をリードしたのが「市民」ではなく「ネオナチ」だったのだから、「民主革命」と言いくるめるのは相当にむずかしい。
3月18日、ウクライナ国営第1テレビは、プーチン大統領の演説を放映した。
「クリミア半島をロシアに編入する」
直後、全ウクライナ連合「自由」の国会議員5人がテレビ局を襲撃。パンテレイモノフCEOに、
「辞表を書け! 今、すぐにだ!」
小突く、ネクタイを掴む、側頭部にグーパンチ……。
この動画がネットで流れ、ウクライナ暫定政権の正体がバレてしまった。
全ウクライナ連合「自由」は平然とこう主張する。
「共産党および共産系政治団体を禁止する」
「共産党系政治家、官僚の全員を罷免する」
……「結社の自由」の完全否定。
「国内身分証明書に『民族』を明記する」
「法律上で異民族に対する反ウクライナ主義的行為を罰する」
……そして、ヘイトクライム、人種差別。
しかし、こうも主張する。
「ウクライナの国益を追求し、ロシア連合にも、EUにも加盟しない」
しかし、「対欧米盲従」のティモシェンコ一派は、暫定政権に「ネオナチ」
をどんどこ入閣させてしまった。
オレクサンドル・シチ副首相が「自由」。
イホール・テニューフ国防大臣が「自由」。
アンドレイ・パルビー国家安全保障・国防会議議長が「自由」。
オレフ・マフニツキー検事・司法総長が「自由」。
軍隊と警察と裁判所を支配下に置いたのだから、テレビ局襲撃、言論弾圧などへっちゃら。誰にも怒られない。捕まらない。
「欧米盲従」と「民族独立」の寄せ集め政権が長続きするわけがない。
だから、東芝は契約締結を急ぐ。
プーチンのビジネスパートナーを次々に逮捕する。
追い詰められているのはロシアではない。
経済会議「G20」でも新たな「ロシア制裁」はほとんど論議されなかった。
4月14日に「国連安全保障理事会が緊急会合」というニュースが流れたとき、私はこう思った。
「ロシアの国連大使が吊るし上げをくらうの?」
これがまったく逆だった。
会議を呼びかけたのはロシアのチュルキン国連大使で、アメリカ、ヨーロッパの大使に向かって、こう言ったのである。
「内戦を避けられるかどうかは西側諸国の出方次第だ」
「お前ら、どうするんだよ!?」と凄んだ、ということだ。
なんでこんなに自信満々、余裕綽々なのか?
日本ではほとんど報道されていないが、
「お前らはネオナチを支持するのか!?」
そう凄まれたらオバマ大統領も強くは出られない。
釈放されたティモシェンコをかくまっているドイツのメルケル首相は、ぐうの音も出ないだろう。
日本のマスコミは「ウクライナ人」「親ロシア派」でひとくくりにして、ウクライナの人々の心を想像しようともしない。
「親欧米派」も「ロシアは好きじゃない」という人も、おそらく、こう感じている。
「でも、今の政権はもっとヤバい」
追い詰められているのは、ウクライナ暫定政権と西側諸国のほうなのだ。
とまあ、遠い国のことをえんえん書いてきて、窓の外を見る。
春の日本。原子力災害起こした祖国に散った桜。
安倍晋三は「ウクライナに150億ドルの支援をする」などと言っている。
ネオナチに1・5兆円をくれてやる!?
家を追われた数十万人はほったらかしにして。
室内の砂場で遊ぶ子どもをほったらかしにして。
甲状腺の異常を知らせる診断書を見つめる母親をほったらかしにして。
この国に、私に、感受性は残っているのだろうか?
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安倍政権は莫大な資金をウクライナに投入しようとしています。
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4月9日。廃炉・汚染水対策福島協議会。
経産省の糟谷敏秀はあいまいな回答をつづけた。
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言いたかったことの第一は、私たちは安倍晋三を倒せる!
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廃炉・汚染水対策福島協議会。4月9日。
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ここからお話はむちゃくちゃになる。
原子力規制委員どもの言動が論理一貫性ゼロメートル地帯にずり落ちていくからだ。
<原子力規制委が原子力災害対策指針を改定 SPEEDI活用せず>(産経ニュース 2015年4月22日)
原発で事故発生。
「どっちに向かって走ればいい?」
このとき、この国は、放射能拡散予測を国民には一切、見せない、ということだ。
原子力規制委員は、福島の農家に「田植えはするな」と言いたいがためにSPEEDIを活用した。
原子力規制委員は、国民の命がかかった場面で「SPEEDIを活用するな」と命じた。
わかがわからん、とはこのことだろう。
このとき、島国・日本は分裂した。
新潟県の意見書。
<実測値のみによる防護措置の判断では被曝が前提となるため、判断材料のひとつとして予測的手法も活用し、早めに防護措置が実施できる仕組みとするように>
規制委の決定を聞いた泉田裕彦・新潟県知事。
「まったく理解できない」
「言っていることとやっていることが裏腹で、信用できない組織だ」
福島県の担当者はこう語っていた。
「安全で確実な避難をするためにはSPEEDIの予測精度を高めることも必要。使えるものは使っていくべきだ」
4月23日。関西広域連合は「SPEEDIを活用するよう」原子力規制庁に申し入れることを決めた。
静岡県の担当者。
「避難先や避難ルートの選定にSPEEDIは有効。実測値に頼りすぎるとかえって混乱する」
などなど。
規制委の決定は地方自治体の要望と真っ向から対立するもの。
日本全国の批判に対し、しっかり反論した人がいるか?
「これは繰り返し何度も申し上げていますけれども、防護措置上の判断を予測手法に頼ろうとすると。もちろん、これはそういうことができればいいという願望なのだろう」(原子力規制委員会 4月22日)
吠えているのは更田豊志委員だけなのだ。
「願望を事実であるかのように信じ込ませようとするのを『安全神話』と呼んでいて、これはもう安全神話に過ぎなくて」
誰がこの男に「命を託す」と言った?
「長年、我が国は世界的に極めて異例な、ガラパゴス的防災対策を採ってきたために、その安全神話が広がり過ぎてしまっている部分があり」
「どういった放射性物質がどれだけ、いつ、放出されることを事前に知ることができるなどというのは、これは完全に安全神話に過ぎない」
これは「地方切り捨て」だけじゃないよね。
「願望に頼って防災上の防護措置を実施するような、こんな危険なことがあっては断じてならない」
これは国による棄民政策に他ならない。
「願望に基づいて、住民の方の健康に関わるような判断をするというのは極めて危険です」
今、世界で最も危険な作業現場は福島第一原発3号機だ。
「あり得ないと思っています」
3号機の危険をSPEEDIで予測することなど「あり得ない」。
ほんのちょっと前。
「SPEEDIを使って予測してあげたから、田植えはするな」
そう言っていたやつが、どの口で言ってんだ!?
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「南相馬市のコメの汚染は3号機のがれき撤去作業とは無関係」
原子力規制委員会のこの結論を受け、南相馬市のコメの作付けは半減するだろう、といわれている。
この「農家殺し」の結論は、いかにして生まれたのか?
2014年11月26日の規制委員会で南山力生・規制庁はこう切り出している。
「なお、この検討につきましては、内閣府原子力被災者生活支援チームから原子力規制庁に対し検討の要望があったものでございます」
内閣府原子力被災者生活支援チーム?
またしても聞いたことがない組織の名前が出てきた。
内閣府のホームページに確かにそんな記述があるが……どこをクリックしてみてもメンバーの名前がわからない。
「会議」をクリックしてみると……なんと……。
運営会議は2011年6月24日を最後に一度も開催されていない!
最後の会議のメンバーは、
内閣府特命担当大臣 松本龍
総務大臣 片山善博
内閣府副大臣……。
まさに「幽霊」のような政府機関だが……。
政権が交代しても同じ役職の者が仕切っていると仮定するとこうなる。
ボス 山谷えり子
副官 高市早苗
在特会、ネオナチとの関係が疑われるおふた方のそろい踏み!?
それもすごいが、高市早苗は次の発言で大ひんしゅくを浴びた。
「原発事故で死者は出なかった」
「稼働している原発はコストが安い」
「原発を活用していくしかない」
次の議題に入る前。「まとめ」として田中俊一はこう口をすべらせている。
「今回はそういう意味で行政によって、私どもが工夫してこういう形 で出させていただいたということなのですけれども」
工夫!?
委員長! それ言っちゃダメなんじゃない!?
内閣府の要請を受け、原子力規制委員会がやった「工夫」とは何か!?
「放射性セシウムの降下量の計算をSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を用いて計算させていただきました」(南山力生)
また「幽霊」が出た!
<幽霊の名前は「SPEEDI」という。>
<政府関係者は、事故直後から(SPEEDIの)膨大なデータを閲覧しながら、国民に知らせなかった。
結果、原発20キロ圏内から、高濃度に汚染された「ホットスポット」に逃れ、そこにとどまった人たちがいた。吉田栄光福島県議によれば、その数、約1万人。
国民の生命を守れたのに、意図的に守らなかったのだから、日本は国家とは呼べない。>(拙書「「使用済み核燃料プール」はどこに消えた?」『原発の深い闇』別冊宝島)
SPEEDIは人助けには使われなかった。
南山の説明によれば、SPEEDIで計算したところ、「3号機のがれき由来のダストが南相馬市のコメを汚染するはずがない」というのだ。
この結論を聞き、南相馬市の農家は今年、コメの作付けをしない。
国民の生命を守るために使われなかったSPEEDIが、国民を殺すために再び持ち出されたのだ。
すべての原子力委員、規制庁職員がSPEEDIの欠陥を知っている。
「本来、重力沈降を考慮する必要がある粗大粒子の拡散計算にSPEEDIをそのまま用いることには技術的な限界がございまして、本計算結果は、より近くは過小に、より遠くは過大に評価している可能性があるということをお含み置きいただきたいというものでございます」(南山)
SPEEDIは「ガス」を測定するように設計されている。「ダスト」は文字通り「粒子」である。
そんなもん使っちゃダメだろう!!
しかも、3号機から環境に出た粒子の大きさは「不明」。
計算できるわけがない!!
SPEEDIは福島の農民に対する「殺人装置」となった。
では、SPEEDIの再登場で救われた人たちは誰?
東京電力はもちろん。そこには、実際にがれきを持ち上げた鹿島建設、がれき撤去計画を仕切る東芝が含まれる。巨大企業が三つ。
「絶対に、犯人を3号機のがれきにしてはならない」
原子力規制委員会に内閣府が出した「要請」の意図は誰にだってわかる。
金持ちを救え。
貧乏人は死ね。
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「農家はそんなことで納得してません」
桜井勝延・南相馬市長の怒りが爆発した。
4月9日。廃炉・汚染水対策福島協議会。発端は川上雅則・福島県農協中央会理事の質問だった。
「リスクを総点検する、というのはけっこうなこと。しかし、リスクはすでに顕在化しています。南相馬市のコメに放射性物質が付着したという問題。ダストの飛散ということが言われておりますが」
2013年8月。東電福島第一原発3号機のがれき撤去作業のことだ。
「まだその原因もはっきりしないということ。リスクは顕在化したんです。顕在化したリスクということであれば、その原因をしっかり究明しなければ、その対策もとれない」
それに対し、糟谷敏秀・経産省が以下のような回答をしたので、
「南相馬のコメの基準超過の原因ですが、原子力規制委員会の会議で、一昨年8月のダストの飛散が直接の影響を及ぼした、とは考えにくい、というような議論が行われたと理解しております」
桜井市長は黙っていられなくなった。
「糟谷さんの説明を聞いておりました。農家はそんなことで納得してません。だから、作る気にもならない。原因がはっきりしないから、作らない、と言っているわけですよ」
桜井市長によれば、南相馬市の農民の10人中9人が「作物を作らない」という決断を下しているという。
「また同じようなことが起きる可能性がある。したがって、作らない、と決めた人が多い。説得しても納得しない」
3号機の真実がまた、闇に葬られようとしている。
「原因究明をしないままに終わるんだろう、と思っている。農家の大半は『3号機のがれきに起因する』『それ以外に何があるんですか?』と言ってきます。8月12日と19日でしたよね。そのときは確かに飛散しているんですよ。それを監視するために、我々が自ら、浮遊塵のモニタリングを設置しなければいけないんですよ。これ、おかしいですよね。どう考えても」
2013年8月に起きた大量被曝事件を東京電力は隠そうとした。隠ぺい工作を始めたが、一年後に「自白」した。自白せざるを得なくなったのだ。
3号機「クレーン・ガーダ」がれき撤去作業で環境に放出された放射能。
1兆1200億ベクレル!
東電は「自白」しているのに原子力規制委員会が「東電は無罪放免」と言い渡した。
警察の取り調べでこんなやり取りがあったらどう思う?
「私がやりました」
「ああ、そうですか。でも、あなたがやったようには見えないんだなあ。ちょっと調べてみますね」
4カ月後。
「本当にあなたがやったのですか?」
「はい。私がやりました」
「帰っていいです」
2014年11月26日。「東電無罪」を決めた田中俊一・原子力規制委員会委員長の記者会見がものすごいぞ。
記者「南相馬市のコメの汚染はがれきの撤去によるものではない、という見解が示されて、事故直後のフォールアウト(降下物)がなんらかの形でコメに移行したものである、ということだったんですけど、これ具体的に、どんな形でコメに移行した可能性があるのか? 一例、二例あげていただけるとありがたいんですけど」
田中「結局、そのう……ずうっと、『がれきによる汚染ではないか』ということが流布されてきたけど、それはもうない、ということがほぼ確実だ、と。だけれども、環境は汚染されているんです。いろんな形で。それがどういう形でコメの方に出てきているのか、ということについては、私にもわかりません」
……おい! 威風堂々「わからん」と断言して、なおかつ「東電無罪」!?
田中「研究としては東京大学農学部がやった、そういう移行研究があって『土壌汚染』という本で出ていますので、ぜひ、そういうのを勉強されたらいい、と思うんですが」
……おい! NHKの記者をバカにするのはいいが……福島の農民の前でもそう言えるのか!?
田中「ただ、なんにもわかんないままでは、住民の方はなおさら心配でしょう、ということだから」
そう! 問題はそこ!
田中「原因をハッキリさせていく必要があるし、かつ、そういうことがあったとしても、そういうことをコントロール下に置けるようにしていく、ってことの方が住民にとって大事なことなんだ、ということを申し上げたかった」
記者「その仕事は誰がやるんですか? どの機関が中心になって取り組むべきだとお考えですか?」
田中「それは『言わずもがな』ではないでしょうか? 規制庁がやる仕事ではないですね。少なくとも」
……おい!!
記者「規制庁じゃないとしたら、どこ?」
田中「ご想像におまかせしますけど」「研究機関も大学の先生もいろんなことやってますよ」
……(腰が抜けた)。
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リンクに問題があったので貼り直します。
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16025c/genan314.html
汚染源は3号機建屋からの流入だと推測できます。
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福島県の会議も「原子力ムラ」の一部だと思っていました。
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<雨水については、雨がどう降るかが問題です。降ったときは、人間の力では抑えられないもので、どうしようもないくらいの水が出ます。浄化装置に通すことは無理です。>(東京電力)
……おい!
<自然の力はすごいので、水を浄化するような対応をとることは難しいです。>
……。
東電福島第一原発一般排水路問題について、ここまではっきりと説明した言葉があるだろうか?
つまり……お手上げ。
解決策ゼロ。何をやってもムダ。汚染水が海に流れ出していくのを人はただ指をくわえて見ているしかない。
「大自然の中で人間はちっぽけな存在なんだなあ」
そう言った東電社員は誰だ!?
もう、本当にうんざりだ。資料を見ても名前がわからない。ただ<東京電力>と書かれているだけ。
だから、原子力災害は解決しない。資料のほぼすべてが「犯人が特定されないように」書かれている。
考えてみてほしい。
捜査する刑事全員に「容疑者を特定するな」という命令が下っている。
それで事件が解決するか?
2月27日午前10時。福島県が立ち入り調査を行った。調査の第一の目的はK排水路からの汚染水流出。県の要領には念を押すように<港湾外への流出>と明記してある。
調査団(福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会)のリーダーである渡辺仁・原子力安全対策課長はK排水路の出口の前に立った。
「こりゃダメだ」
おそらく、これがそのときの彼の反応。
<本日、K排水路の出口を見たときに、出口の箇所に別の側溝が流れ込んでいる状況でした。>(報告書)
海への出口だけ見ても別のところからの水が入り込んでいる。K排水路に流れ込むすべての「水の道」を把握することなど、とうてい無理。
水産資源学が専門の原猛也委員も断言している。
<全部やっていったらきりがありません。>
断言した上で、
<心配しているのは、魚です。魚はマスクもしないし、タイベックスもしません。>
さらに、<現在はこれで済んでいる>とした上で、
<(対策を)しくじるととんでもないことになります。>
当然、「東電は何をやっているの?」「計画は?」という話になっていくが……。
<排水路を年度内にきれいにする計画で、昨年12月までにきれいにするため、K排水路、A排水路、B・C排水路の清掃をしました。K排水路は、なかなかきれいになりません。>(東京電力)
……ダメじゃん。
<よいアイデアがあれば>
などと言っているうちに「雨が降ったらお手上げ」「自然の力はすごい」という話になって終わり。
……ダメじゃん。
本当にダメなんだが、福島県の報告書が「原子力ムラ」の文書と大きく違うのは次のように指摘している点だ。
「疑うべきところをちゃんと疑え」
……いや、これも当たり前すぎる話なのだが……。
<本日、35m盤から下を見ましたが、1号機の(大物搬入口の)屋根の上も同じ状態でした。>(渡辺課長)。
いたるところで「たまり水」が放置されている。
<3、4号機に汚染源がある可能性もあります。>
興味深いのは、この指摘に対し、東電が次のように反応している点だ。
<3号機なども線量が高いため、なるべく早く、どこが汚染源なのか詰めます。>
3号機の建屋内は他の建屋より線量が飛び抜けて高い。高いが……東電はデータを隠し続けている。
3号機にだけ屋根がない。5階オペフロが雨ざらしになっているが……「原子力ムラ」の住人は決してそれを口にしない。
<海側のガレキが撤去された箇所については、非常に高いエリアが一部なくなったりしています。>
2013年8月。3号機オペフロの大型がれきを持ち上げただけで、1兆1200億ベクレルのダストが上空に放出された。同時期に敷地境界線の線量が急上昇した。
<ガレキも汚染源であり、ガレキ撤去を進めます。>
発言者の名前がない、と冒頭で指摘したが、この発言者は特定できる。
小野明・福島第一原発所長だ。
毎日、現場で働いて人は誰だって知っているのだ。
「3号機のがれき撤去作業がヤバい」と。
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公共放送で箕輪のドラムが聴きたい、と書いてNHKに送っている。
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リハーサルをやってきました。
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「信者」については、小出裕章さんについても小出さんの読者、視聴者を「信者」扱いした前科があると思います。
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A、K排水路の泥問題を時系列で整理します。
2013年3月。
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