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2015年5月13日 (水)

さようなら原子力 東芝株ストップ安 原子力部門「失敗の歴史」はウェスチングハウス社買収から始まった メルマガ再録http://www.mag2.com/m/0001577514.html

中田潤メルマガ「白戸次郎対マリリン・モンロー」再録

2014年4月14日号

http://www.mag2.com/m/0001577514.html

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プロパガンダをぶっ飛ばせ!

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ウクライナ「ネオナチ」新政権と心中する日本

大急ぎで核燃料契約を結んだ東芝の命運は?

 

<グローバルな核の大惨事をひきおこしかねないウクライナ新政権>

 4月13日。「ロシアの声」はこんな見出しを掲げた。

 親ロシア派による庁舎、警察署への襲撃、占拠。暫定政権の反撃、ウクライナ軍の命令拒否……。大混乱が続くウクライナで、来週にも核燃料の新契約が結ばれようとしているというのだ。

 当事者はウクライナの原発を独占する「エネルゴアトム」社。

 もう一方は、ウェスティングハウス(WH)社だ。

「ロシアの声」は<米国のWestinghouse社>と報じているが、これは間違い。2006年2月。ウェスティングハウス社は東芝に買収された。昨年12月、同社の新会長に東芝電力システム社副社長の岡村潔が就任した。

 完全な「日本企業」なのである。

 日本を代表する大企業、東芝の最初のつまずきがこれだった。

「東芝はバカの集まりか!?」

 この買収劇は世界中から笑われた。

 なぜか?

 当初、WHを所有していた英国核燃料会社はこう言っていたのである。

「18億ドルぐらいでどこか買ってくれないかなあ?」

 ところが実際の買収額はとんでもなかった。

 なんと、54億ドル!

 すぐさま東芝株は格下げされた。

「金をドブに捨てるようなものだ」

 その後の出来事を見えれば、誰だって「そりゃそうだ」となる。

 買収には米国の「ショーグループ」も参加していたが、福島での原子力災害を目の当たりにして逃げ出した。東芝は10億ドル以上を出して、ショーグループから株を買わざるを得なかった。

 大損。

 2011年4月というのだから「3・11」の直後である。

「日本企業として初めての海外における新規原子力プラントの建設」

 東芝がそう豪語した「サウス・テキサス・プロジェクト」がぶっ壊れてしまう。

<今年(2011年)4月、大手電力卸業者のひとつであるNRGエナジーは、テキサス州ヒューストンの南方90マイルのベイ・シティでかなり以前から計画していた2つの原発建設を停止した。>(『東洋経済』電子版 2011年5月17日)

 大損につぐ大損!

 そして、日本代表する大企業、東芝に「3・5」ショックが襲いかかる。

 

 WHのセールストークは次のようなものだった。

「原発の建設、管理だけではなく、核燃料も安定して提供しつづけます」

 2014年3月5日。合衆国濃縮会社(USECユーゼック)が破産。

 これが何を意味するかというと……。

 アメリカには、もはや安い核燃料は存在しない!

 ユーゼックは「核兵器削減」の美名の下、旧ソ連の解体核兵器から抽出された高濃縮ウランを安い値段で手に入れ、原発用核燃料を作っていた。

 ユーゼックは、ウランを「薄めるだけ」の簡単なビジネスで成り立っていたのだ。

 結果、アメリカの原発が生み出す電力の半分は、旧ソ連の「核兵器製」となった。

「解体核ウランが世界の天然ウラン供給を補っている」

「原子力ムラ」の住人はそんな言い方をするが、順番が逆だ。

 安い解体核ウランがなければ、原発は商売として成り立たない。

 いや、それ以前に、解体核ウランが「原子力の平和利用」をかろうじて支えてきた。延命させてきた。解体核ウランは「点滴」のようなものだったのだ。

 アメリカと本気で闘うハラを決めたプーチンは、2013年12月、旧ソ連解体核ウランの供給を止めた。

 WHの競争力の源である「核燃料の安定的な提供」も同時にぶっ壊れてしまった。胡散霧消した。

 ユーゼックに対し、バカげた投資をつづけた東芝は数億ドルの債券(おそらく、紙くずになる)をつかまされた。

 大損につぐ大損につぐ大損!!

 

「ウエスティングハウス(WH)のビジネスって、本当は実体がないんじゃないの?」

 長いことそう感じてきたが、「ロシアの声」の記事を読んで得心した。

<2012年、ウクライナ原子力監督庁はWestinghouse社の製品の使用を禁止していた。同社の製品は以前ユジノ・ウクライナ原発に供給されていた。ところが1年にも満たない期間で核燃料棒を使用した作業に支障が出始め、数箇所のブロックで作業の停止を迫られた。その修復のためにロシア人専門家らが呼ばれている。>

 ウクライナで二番目に大きいユジノ・ウクライナ原発の原子炉はロシア製WWER。当然、ロシアから輸入した核燃料を装てんしなければ危険だ。

「WHは、WWERで無理やり米国製核燃料を燃やそうとして失敗した」

 というのが「ロシアの声」の見解である。

 おそらく、米国人も日本人もトラブルに対処できなかったから、電力会社はロシアの技術者に泣きついた。

 契約解除。追放。そして、政変。

 大損続きの東芝の原子力部門が利益を上げるには、「火事場泥棒」をやるしかなかった。ウクライナの大混乱に乗じて、WHは素早く核燃料の契約を締結しようとしている。

 これも「ショックドクトリン」の一種だろう。

 裏の政治からみるとこうなる。

 2004年。アメリカ製「オレンジ革命」に乗じて、WHがウクライナに乗り込んできた。

 しかし、2010年の選挙で「革命戦士」ユーリヤ・ティモシェンコがヴィクトル・ヤヌコビッチに敗北。

 政権に返り咲いたヤヌコビッチは「世界の核支配」を推し進めるプーチンの意向に沿って日本人、米国人を追い出した。

「ロシアの声」は当然、プーチン政権のプロパガンダ機関でもある。「やつらが流したい情報」なので、注意深く読まなくてはならないが、ウクライナにおける「日本人の大失態」(なのか?)批判は強烈だ。

<社会調査センターのウラジミール・エヴセーエフ所長は><「ウクライナ領内にあるすべてのエネルギーブロックはソ連時代に開発された型の原子炉を使っている。そのために必要とされる核燃料はまさにロシアが提供しているタイプのものであり、Westinghouse社は産業スパイを行えば、ロシアの作る燃料の形をコピーすることはできるだろうが、それでもこれはコピーにすぎない。これはオリジナルではない。米国製の燃料をウクライナが使った場合、事故が起きる恐れがある。」>

 ……「産業スパイ」とまで言うか?

<こんにち、ロシア製(およびソ連製)の原子炉は数十カ国で稼動している。><立派に機能し、信頼性の高い、安全なエネルギー源であることを証明している。>

 ウクライナの人々は今も、チェルノブイリ事故の被害に苦しんでいるのに……それでも、そう言い張るの?

<重要なのは、ロシアは必ず契約義務を遂行し、技術サービスないし燃料供給を行っている。>

 事実上、プーチンの会社である「ロスアトム」は、確かに安い核燃料を市場に提供し、圧倒的な競争力でユーゼックをぶっ潰したが……。

<ロシア、ウクライナ間で意見の食い違いが高まったときも、ロスアトムは特別声明を出し、政治、経済状況にかかわらず、協力は全面的に続けられると約束してウクライナ側のパートナーらをなだめた。><ウクライナ新政権は、><真っ向からその逆をつっぱしっている。政治の上の関心が安全の判断を上回るようになれば、災いは必ずやって来る。>

 しかし、これがロシアのプロパガンダ、ウソだとしても、私たち、日本人は笑い飛ばすことができるだろうか?

 東電福島第一原発3号機の欠陥原子炉にMOX燃料を入れることを黙認し、大爆発を目の当たりにし、日々、被ばくしつづける私たちは……。

 

 ウクライナ「オレンジ革命」は、投資家のジョージ・ソロスらが豊富な資金を投入した「アメリカ製の革命」だった。

「アメリカ製」の特徴は、1920年代、第一次大戦時から続くウォルター・リップマン流のプロパガンダである。

「独裁者に弾圧される市民」

 メディアを駆使し、そんな遠国のイメージをくりかえし流す。

 革命時の最高権力者、ヤヌコビッチは、「独裁者」プーチンの盟友なのだから、当然、こいつも独裁者だ。

 テレビ、マスコミの「バカみたいに単純化された構図」に、人類はコロリと騙されてしまう。

 ヤヌコビッチは悪い人。

「人々は民主革命のために立ち上がった」

 アメリカが介入しても、それは「民主化支援」であって「内政干渉」「侵略」ではない。

 市民を代表するユーリヤ・ティモシェンコは、民主主義者、自由主義者なのだから、当然、いい人だ。

 テレビの前にいる人たちは、彼女が「ガスの女王」と呼ばれていたことなど知るよしもない。調べないから。

 不法コピーの米欧製ビデオのレンタル店で大儲けをした彼女は、30歳の若さでエネルギー関連企業の経営に乗り出す。35歳でウクライナ統一エネルギーシステムの社長になったティモシェンコは、ロシアからウクライナへの天然ガスの最大の輸入・卸売業者となり「ガスの女王」と呼ばれた。

 ティモシェンコは、典型的な「オルガルヒ(新興寡占資本家)」なのである。

 ソ連崩壊後、激烈な闘いが繰り広げられ、それは今も続いている。

 ざっくりいえば、こんな闘いだ。

 国家を運営するのは政治家なのか?

 それとも、大金持ちなのか?

 プーチンはもちろん、「政治家が一番偉い」と考えた。政界に進出しようとするオルガルヒを逮捕、追放(事実上の)、恫喝して、自分に従わせた。

 ティモシェンコは、「大金持ちがさらに金を稼げるように国家は運営されるべきだわ」という考え方。

 かくして、ユーラシア大陸最大の「犬猿の仲」が誕生する。

 2004年の「オレンジ革命」時、プロパガンダは大成功したかにみえた。

 市民の代表、民主主義者の「いい人」が、「悪い独裁者」に勝った。

 民衆は大喜び。

 しかし、今回の反政府運動は違う。

 プロパガンダの金メッキはポロポロとはがれ、醜悪な実態が暴かれようとしている。

 だから、欧米のメディアも「民主主義のリベンジ」とは書けない。ウクライナで起きたことは「クーデター」と書くしかない。

 

 3月12日。新興財閥「グループDF」のボス、ドミトロ・フタルシュが訪問先のオーストリアで逮捕された。インドのチタン鉱山をめぐる贈賄容疑だった。

 3月21日。ウクライナのガスパイプラインを管理する国営ナフトガスのバクリン社長が逮捕された。

 なんだ、ティモシェンコ一派もプーチンと同じことをやってんじゃん。

 私もそう思ったが、フタルシュの逮捕劇については、奇妙な点が多い。いや、むちゃくちゃ変なのだ。

 犯罪者がいるのなら、被害者は誰なのか?

 被害者はなんと、「米国シカゴ市民」だというのである。

 シカゴの検察当局がフタルシュを告発し、オーストラリアの警察が逮捕?

 シカゴには、経営危機が続くボーイング社の本社がある。米軍産複合体の中核企業、ボーイング社が検察にチクッた、としか考えられない。

 フタルシュの容疑は、インドのチタン鉱山利権を賄賂攻勢によって手に入れようとしていた、というもの。

 ボーイング社は、問題のインド鉱山からチタンを買っていた。

 インドの鉱山利権がウクライナ人に渡っては困る?

 これは、東芝の「火事場泥棒」と同様の単なる儲け話なのだろうか?

 フタルシュが持っている企業には、ロシアの最強企業「ガスプロム」と共同で設立した会社もある。フタルシュは、プーチンのビジネスパートナーでもあった。

 

 ニュースに納得ができなかったら、金の流れを追え。

 ウクライナの政変は、ヤヌコビッチがEUとの政治・貿易協定の調印を見送ったことが発端だといわれている。

 金の流れから見るとこうなるだろう。

 欧米とロシア、どっちにつけば得なのか?

 お金をくれるのはどっち?

 プーチンはヤヌコビッチにこう約束していた。

「ウクライナ国債約150億ドルを買い取る」

 ロシアにつけは、150億ドル貸してくれるのだ。

 欧米につけばどうなる?

 昨年12月。キエフから帰国したヴィクトリア・ヌーランド米国務次官補は演説でこう語っている。

「アメリカは、ウクライナに対し過去20年間で50億ドルもの投資をした」

 すごい援助のように聞こえるが、年間2億5千万ドルにすぎない。アメリカはあまりお金をくれない。ケチ。

「巨額の投資をしたアメリカは、同国にIMF『改革』の導入を要求するつもりだ」

 IMFとは「国家間金貸し」に他ならない。

 IMFはいくら貸してくれるのか?

 これがなんと、たったの40億ドル。

 しかも、「融資の条件」がとんでもない。

「電気とガス料金を倍に値上げしろ!」

「農地売買規制を撤廃しろ!」

「通貨を切り下げろ!」

「国有資産を民間に!」

「福祉予算を大幅に減らせ!」

 むちゃなことを言い募る。これまで、IMFの構造改革を受け入れた大方の国は、格差が拡大し、ボロボロになった。

 欧米とロシア、どっちが太っ腹?

「ロシアについたほうが得」だとわかっていたから、多くのウクライナの人々は今回の「反政府運動」に加わらなかった。政変は「民主革命」ではなく、「クーデター」に終わったのだ。

 インドのチタン鉱山をめぐる奇妙な事件も「金の流れ」で謎解きできる。

 2005年7月。インドは、中国、ロシア、中央アジアの同盟である「上海協力機構」にイラン、パキスタンとともにオブザーバーとして参加した。

 インド人も「ロシアについたほうが得」と考え、とっくの昔に「ロシア同盟」に参加していたのである。

「米ロ新冷戦」とは、「上海協力機構」とアメリカとの闘いであり、アメリカとしては、なんとしても、インドを「アメリカ同盟」に引き込みたい。

 その綱引きが奇妙な逮捕劇を生んだのだ。

 

 欧米、特に日本のマスコミは、ウクライナの政変を「民主革命だ」と言いくるめようと必死で頑張っている。

 しかし、反政府運動をリードしたのが「市民」ではなく「ネオナチ」だったのだから、「民主革命」と言いくるめるのは相当にむずかしい。

 3月18日、ウクライナ国営第1テレビは、プーチン大統領の演説を放映した。

「クリミア半島をロシアに編入する」

 直後、全ウクライナ連合「自由」の国会議員5人がテレビ局を襲撃。パンテレイモノフCEOに、

「辞表を書け! 今、すぐにだ!」

 小突く、ネクタイを掴む、側頭部にグーパンチ……。

 この動画がネットで流れ、ウクライナ暫定政権の正体がバレてしまった。

 全ウクライナ連合「自由」は平然とこう主張する。

「共産党および共産系政治団体を禁止する」

「共産党系政治家、官僚の全員を罷免する」

 ……「結社の自由」の完全否定。

「国内身分証明書に『民族』を明記する」

「法律上で異民族に対する反ウクライナ主義的行為を罰する」

 ……そして、ヘイトクライム、人種差別。

 しかし、こうも主張する。

「ウクライナの国益を追求し、ロシア連合にも、EUにも加盟しない」

 しかし、「対欧米盲従」のティモシェンコ一派は、暫定政権に「ネオナチ」

をどんどこ入閣させてしまった。

 オレクサンドル・シチ副首相が「自由」。

 イホール・テニューフ国防大臣が「自由」。

 アンドレイ・パルビー国家安全保障・国防会議議長が「自由」。

 オレフ・マフニツキー検事・司法総長が「自由」。

 軍隊と警察と裁判所を支配下に置いたのだから、テレビ局襲撃、言論弾圧などへっちゃら。誰にも怒られない。捕まらない。

 

「欧米盲従」と「民族独立」の寄せ集め政権が長続きするわけがない。

 だから、東芝は契約締結を急ぐ。

 プーチンのビジネスパートナーを次々に逮捕する。

 追い詰められているのはロシアではない。

 経済会議「G20」でも新たな「ロシア制裁」はほとんど論議されなかった。

 4月14日に「国連安全保障理事会が緊急会合」というニュースが流れたとき、私はこう思った。

「ロシアの国連大使が吊るし上げをくらうの?」

 これがまったく逆だった。

 会議を呼びかけたのはロシアのチュルキン国連大使で、アメリカ、ヨーロッパの大使に向かって、こう言ったのである。

「内戦を避けられるかどうかは西側諸国の出方次第だ」

「お前ら、どうするんだよ!?」と凄んだ、ということだ。

 なんでこんなに自信満々、余裕綽々なのか?

 日本ではほとんど報道されていないが、

「お前らはネオナチを支持するのか!?」

 そう凄まれたらオバマ大統領も強くは出られない。

 釈放されたティモシェンコをかくまっているドイツのメルケル首相は、ぐうの音も出ないだろう。

 日本のマスコミは「ウクライナ人」「親ロシア派」でひとくくりにして、ウクライナの人々の心を想像しようともしない。

「親欧米派」も「ロシアは好きじゃない」という人も、おそらく、こう感じている。

「でも、今の政権はもっとヤバい」

 追い詰められているのは、ウクライナ暫定政権と西側諸国のほうなのだ。

 

 とまあ、遠い国のことをえんえん書いてきて、窓の外を見る。

 春の日本。原子力災害起こした祖国に散った桜。

 安倍晋三は「ウクライナに150億ドルの支援をする」などと言っている。

 ネオナチに1・5兆円をくれてやる!?

 家を追われた数十万人はほったらかしにして。

 室内の砂場で遊ぶ子どもをほったらかしにして。

 甲状腺の異常を知らせる診断書を見つめる母親をほったらかしにして。

 この国に、私に、感受性は残っているのだろうか?

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