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2014年5月26日 (月)

東電福島第一原発1号機ベント「風向きは刻々変わるから、あまり神経質にならなくてもいいのかな」気象庁の岸尾元http://www.mag2.com/m/0001577514.html

「ちょっとね、今の原稿使っちゃいけないんだって」

 NHKのスタッフと思われる男の声をアナウンサーのマイクが拾ってしまった。時刻は2011年3月12日12時12分。

「原子力安全・保安院などによりますと、福島第一原子力発電所1号機では、原子炉を冷やす水の高さが下がり、午前11時20分現在で、核燃料棒を束ねた燃料集合体が水面の上、最大で90センチほど露出する危険な状態になったということです。このため、消火用に貯めていた水など、およそ2万7千リットルを仮設のポンプを使うなどして原子炉の中に流し込み、水の高さを上げるための作業を行っているということです。この情報を繰り返します」

 何者かが制止し、アナウンサーはニュースを繰り返すことができなかった。

 東電福島第一原発1号機の建屋はまだ爆発していない。この時点ですでに報道は操作されていた。スタジオには、「読んでいい原稿」と「読んではいけない原稿」が存在したのだ。

 映像も同様だった。

 NHKはロボットカメラで1号機を撮影していた。

 事故から3年以上が過ぎて、私はフォトジャーナリストの新藤健一さんから写真を入手した。

Photo

 1号機、2号機の共用排気塔から水蒸気らしきものが北に向かって流れている写真である。撮影者は石川梵さん。時刻は14時40分。

 NHKはこのときの動画を持っている。「持っていない」とは言わせない。

 写真は、宮城県に向かって水蒸気らしきものが向かっていることを示している。福島第一原発から110キロも離れた女川原発で通常の4倍もの放射線が観測されたのは21時頃。

<9:15頃 圧力抑制室ベント弁25%開>

<14:30 圧力抑制室ベント弁開>

 これが東京電力の発表。

 13時46分。TBSのスタジオにいた大竹政和(東北大学名誉教授、地震学)は、まともにコメントできる状態ではなくなっていた。

「もう、非常に深刻な事態ですね。これあの(ハンカチで口をぬぐいながら)最悪のことを考えると、これから数時間後にですね、最後の最後のひとりまで住民の避難を見届けないで、弁を開けて放射能を外へ出すという判断をしなければならない。そういう事態も、もしかしたら起こるかもしれない。もう、ちょっと、私は言葉を失います」

 ベントの鉄則は「風が海へ向かって流れていること」。

 大竹教授は、「東電による犯罪が行われる」と警告しているのだ。

 14時33分。大竹教授はこう吐き捨てる。

「とにかく、本当に、いったい何が起こったのか、私にはもう理解できないことばかりなのですね」

 白昼堂々、テレビが住民を見殺しにしているのだから、こんなコメントになってしまうのも理解できなくはない。

 しかし、別のスタジオには「これでいいのだ」と断言する物理学者もいた。

 15時24分。日本テレビ。

「14時ぐらいから、ドライウェルの圧力が下がったと……」

 アナウンサーの言葉をさえぎったのは、有富正憲(東工大原子炉工学研究所、原子炉安全委員会専門委員)である。

「はい。いい方向に向かっています」

 ……。ちょっと論評する言葉がない。隣にいるアナウンサーは「住民の避難は完了していない」と連呼しているんだぞ!

「870キロパスカルぐらいになるとそれを破壊する恐れがあったと、言っているものが500まで下がっているわけですね」

「非常に大きな好転に向かっている」

 最も重要な情報であるはずの風向きについての役人の発言にも耳を疑った。

 15時32分。テレビ朝日。

「避難を急ぐべきだ」という指摘について気象庁の岸尾元は、

「今のところ聞いてはおりませんけども、南寄りの風になるのではないかということは聞いておりますが……。ただ、風向きというものは刻々と変わるものですので、あまり神経質にならなくてもいいのかな。それはものすごい影響はされるものですが、それに逆に反対方向の風だから安心しちゃうのはどうかな。逆だからといって避難しないのはどうかな、と思います」

 ……人殺しだよ、こいつ。

 つづきはメルマガで。

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