KK論「売られたケンカは買わんとね」清原和博 それが岸和田の流儀
<「僕は半月板の手術を2回受けましたけど、このときの敵を1とすると、今度の敵はいくつぐらいですか」
「強敵やで。8か9ぐらいいくやろ」
これ、実はウソ。黒坂先生は「10以上」と考えていたが、「10と言ったら闘志が萎えるかも」と39歳の清原を気遣った。
「え!? そんなに強いんですが」
清原の心に湧き上がったのは暗雲ではない。
そんなに強いんなら、やってやろやないか。
「小久保が大怪我しましたよね。あれとくらべて僕のヒザは……」
「あれよりも強い」
「じゃあ吉村さんのあのものすごい怪我は?」
「あれは今の医学では治るんや」
「もしかして、吉村さんの敵よりも……」
「もちろん、強い」
清原は腹を決めた。
「売られたケンカは買わんとね」
それが岸和田の流儀。
(つづく)
「男として笑えるように。」『清原和博完全復刻版』ナンバー・プラス
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