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2014年1月28日 (火)

UK論「落ちこぼれてみて、妙なエリート意識から目が醒めたのです」宇都宮けんじ

<私は、司法試験に一発で合格し、順風満帆の船出をしました。それまでの人生の歩みにおいては、物質的には窮乏していたものの、精神的にはほとんど挫折を経験していなかったのです。ところが、いざ社会に漕ぎ出してみると、すぐに荒波に揉まれました。鳴かず飛ばずのまま八年も勤めた最初の事務所からは、事実上、首を宣告されます。サラ金問題に深入りしすぎたため、次の事務所も首になります。立て続けに大きな屈辱に見舞われたのです。

 一時は、弁護士会に顔を出すのも苦になりました。同期の人に会うと、挨拶代わりに「いつ独立したのか」と聞かれるからです。「弁護士がダメなら郷里に帰り、農家の跡を継いで、みかんでも作ろう」と真剣に考えたほどです。

 しかし、この挫折体験が、多重債務事件に取り組み続けるバネになりました。落ちこぼれてみて、妙なエリート意識から目が醒めたのです。もし、大きな事務所に就職し、要領よく出世していれば、おそらくサラ金事件に首を突っ込むことはなかったでしょう。そして、鼻持ちならない人間になっていたのではないかと思います。>

『弁護士、闘う』岩波書店より

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