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2011年11月 6日 (日)

「年間20ミリシーベルトまでは安全」神話ができるまで 山下俊一とマスコミの罪

 報道でも情報でもないウソ、プロパガンダ(宣伝)が生まれる過程を調べ、書いています。

 まず、最初に取り払ってもらいたいイメージは、

 プロパガンダを行う側が、直接、マスコミに働きかけているんじゃないか、という疑問だ。

 私は、国とテレビ、新聞、記者クラブメディアが、

「報道協定」を結んだのではないか、と疑ってきました。

 プロパガンダにとって、そんな手続きはまったく必要なかった。

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 エドワード・バーネーズはこう語っています。

<私たちは50年以上、マスメディアとの直接の接触を持っていない>

 持ってはいけないのです。

 バーネーズは自ら接触を禁じている。

 では、プロパガンダはどのように行われるのか、

 飯館村から「20ミリシーベルトまでは安全」という神話が生まれる過程を見ていこう。

 まず、3月25日に高村昇長崎大学教授が説明会を行った。

 このときの主催が誰だったのか、行政の資料からはきれいに消されている。

 明らかに飯館村や福島県が高村を呼んだのではない。

 バーネーズなら、村で行われる、「公」ではない最も大規模な会合を調べただろう。

 農業団体? 婦人会?

 そこに被爆地のイメージとともに「長崎大学」を送り込む。

「手を洗いましょう。野菜を洗いましょう。そうすれば飯館で健康に害はなく生活ができる」

 高村はそう言った。

 村民は安心した。

 プロパガンダを行う側は、マスコミに接触するのではなく、のちに、

 このときに撮影されたホームビデオをテレビで放映させ、

 新聞に書かせるのである。

「飯館村で行われた放射能問題についての会合」

 主催者の名前が出なくても、大衆はテレビを観て、新聞を読む。

 問題の「ミスター100ミリシーベルト」山下俊一が、

 飯館村にやってくるのは、4月1日だった。

 このときには「公」である村会議員が参加した。

「公的な見解」がここで生じるのだ。

 行政の主催ではないが政治家が参加した会合で、山下は言う。

「癌のリスクはゼロ。リスクが生じるのは100ミリシーベルトから」

 さらに悪質なことに、山下は東電に損害賠償をするな、と言った。

「この会場にいる人が将来、癌になった場合は、今回の原発事故に原因があるのではなく、日ごろの不摂生だと思ってください」

 これは明らかな「企業プロパガンダ」である。

 金のために山下はウソをついた。

「この村で生きたい」という人々の心情を利用して、

 東京電力から出て行く金を山下は抑えたのである。

 そして、プロパガンダの完成が、山下の言う、

 100ミリシーベルトの5分の1である、

「20ミリシーベルトを子供もがまんしろ」

 という国家プロパガンダである。

 国はプロパガンダに関与していない。

 地方自治体も関与していない。

 マスコミも関与していない。

 プロパガンダは「純粋に」発生するのだ。

 自然発生を装う。

 しかし、これが「国家=資本」のインチキであることを、

 見抜けないバカがいるか!?

 プロパガンダは崩壊した。

 残る謎は、プロパガンダを行ったやつ、

 黒幕は電通か!?

 それとも、日本財団か!?

 菅直人と密談を重ねていた大前研一か!?

 松下政経塾か!?

 日本経団連か!?

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