「年間20ミリシーベルトまでは安全」神話ができるまで 山下俊一とマスコミの罪
報道でも情報でもないウソ、プロパガンダ(宣伝)が生まれる過程を調べ、書いています。
まず、最初に取り払ってもらいたいイメージは、
プロパガンダを行う側が、直接、マスコミに働きかけているんじゃないか、という疑問だ。
私は、国とテレビ、新聞、記者クラブメディアが、
「報道協定」を結んだのではないか、と疑ってきました。
プロパガンダにとって、そんな手続きはまったく必要なかった。
広告業界の開拓者で『プロパガンダ』の著者、
プロパガンダ[新版] 著者:エドワード・バーネイズ |
エドワード・バーネーズはこう語っています。
<私たちは50年以上、マスメディアとの直接の接触を持っていない>
持ってはいけないのです。
バーネーズは自ら接触を禁じている。
では、プロパガンダはどのように行われるのか、
飯館村から「20ミリシーベルトまでは安全」という神話が生まれる過程を見ていこう。
まず、3月25日に高村昇長崎大学教授が説明会を行った。
このときの主催が誰だったのか、行政の資料からはきれいに消されている。
明らかに飯館村や福島県が高村を呼んだのではない。
バーネーズなら、村で行われる、「公」ではない最も大規模な会合を調べただろう。
農業団体? 婦人会?
そこに被爆地のイメージとともに「長崎大学」を送り込む。
「手を洗いましょう。野菜を洗いましょう。そうすれば飯館で健康に害はなく生活ができる」
高村はそう言った。
村民は安心した。
プロパガンダを行う側は、マスコミに接触するのではなく、のちに、
このときに撮影されたホームビデオをテレビで放映させ、
新聞に書かせるのである。
「飯館村で行われた放射能問題についての会合」
主催者の名前が出なくても、大衆はテレビを観て、新聞を読む。
問題の「ミスター100ミリシーベルト」山下俊一が、
飯館村にやってくるのは、4月1日だった。
このときには「公」である村会議員が参加した。
「公的な見解」がここで生じるのだ。
行政の主催ではないが政治家が参加した会合で、山下は言う。
「癌のリスクはゼロ。リスクが生じるのは100ミリシーベルトから」
さらに悪質なことに、山下は東電に損害賠償をするな、と言った。
「この会場にいる人が将来、癌になった場合は、今回の原発事故に原因があるのではなく、日ごろの不摂生だと思ってください」
これは明らかな「企業プロパガンダ」である。
金のために山下はウソをついた。
「この村で生きたい」という人々の心情を利用して、
東京電力から出て行く金を山下は抑えたのである。
そして、プロパガンダの完成が、山下の言う、
100ミリシーベルトの5分の1である、
「20ミリシーベルトを子供もがまんしろ」
という国家プロパガンダである。
国はプロパガンダに関与していない。
地方自治体も関与していない。
マスコミも関与していない。
プロパガンダは「純粋に」発生するのだ。
自然発生を装う。
しかし、これが「国家=資本」のインチキであることを、
見抜けないバカがいるか!?
プロパガンダは崩壊した。
残る謎は、プロパガンダを行ったやつ、
黒幕は電通か!?
それとも、日本財団か!?
菅直人と密談を重ねていた大前研一か!?
松下政経塾か!?
日本経団連か!?
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