メガバンクはこう言うだろう 「お前らは客じゃねえ」
米で大銀行からの預金移し替え運動
米国で、大手銀行の預金者に対して、預金口座を小規模な銀行や信用組合(クレジット・ユニオン)に移してもらう運動「バンク・トランスファー・デー」が実施され、この週末は小さな銀行や信用組合には何千人もの米国人が押し寄せた。しかし、少なくとも大銀行の一部は、このような顧客を失うことを気にしない。
シアトルにある航空大手ボーイングの従業員向け信用組合は5日、1日の新規顧客数としては過去最大の659人と契約を結んだ。またテキサス州を拠点とするランドルフ・ブルックス連邦信用組合は同州フリューゲルビルに支店を開設したが、駐車場がいっぱいで、顧客は道の反対側に車を止めなければならないほどだった。
同支店では数十人が口座を開設した。地元のDJがプレゼントキャンペーンを行ったからだ。チャーリー・エステスさん(33)は「僕を上位顧客のように扱ってくれた」と話した。彼はこれまでの貯金を、資産額で米最大の銀行であるJPモルガン・チェースから移した。JPモルガンはコメントを拒否した。
「バンク・トランスファー・デー」でどれほどの預金が信用組合に流れたかが分かるまでには数週間かかる。この預金移転運動は、無秩序に広がっていて組織もゆるいが、多くの注目を集めた。その理由の1つには、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)などの大銀行がデビットカードの使用に際し手数料を取る計画があった。銀行は幅広い国民の怒りを買い、この計画を撤回した。
大銀行の幹部は、預金者離れを懸念する様子をほとんど見せていない。信用組合に引き付けられる顧客は、大銀行では採算の取れない顧客である傾向があることが1つの理由だ。彼らの預金額や金融商品の購入額が少ないほか、大銀行では口座の維持費用が比較的高いことが影響している。
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