大西宏様 原発のコストと安全性を確率論で語るなら
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51268839.html
まず、原発の建設費用が莫大だ、ということです。
1957年5月。日米原子力産業合同会議が開かれますが、東京電力が指摘したのがこれ。
「円借款でやってもらわないと一企業の財力では原発を建設できない」
当時の東電社長、高井亮太郎。
世界銀行の使命は「貧困の撲滅」です。
世界銀行が貧乏な日本の電力会社に金を出してくれ。
東京電力は懇願したのです。
その金は、アメリカの原子力プラントメーカー、土建屋に入るんです。
もうすでに「詐欺」です。
この会議は、「絶対安全神話」が、アメリカから日本に入ってきたという意味で重要です。
来日した「アライド ケミカル&ダイ」社の部長、ケネス・R・オズボーンは、こう語っている。
「米国における原子炉の安全に関する記録は、現在も極めてよい。百原子炉年以上の正規作業中に一人のけが人も出ていないし、また発電所周辺地で問題にされるほどの放射能はまだ発見されていない」
原子力プラントメーカーでもない単なる化学系企業(燃料を製造する会社)の部長がそう言い切るのもすごいですが、もっと驚くのは、この部長、原子力委員会原子炉保安対策委員会の委員なんです。
日本の原子力安全・保安院の西山英彦が法学部出身だったり、福島第一原発の安全審査をやった人が、ちょっと前まで「蚕の検査をやっていた」人だったりするのと同じことがアメリカでも平気でまかり通っていたのです。
もちろん、科学者はそんなこと、口が裂けても言えません。
日米原子力産業会議の2ヶ月前、米原子力委員会は、「大型原子力発電所と大事故の理論的可能性とその影響」という文書を公表しているんです。それによると……。
「最悪の場合、3400人の死者、4万3000人の障害者が生まれる」
「核分裂生成物による土壌の汚染は、最大で70億ドルの財産損害を生じる」
なぜ、科学者が来日せず、原発の安全性について、なぜ、無名企業の部長が説明しているか、おわかりでしょう。
当然、東京電力は、この文書に衝撃を受け、
「万が一、事故が起きたときの賠償に国も関わるスキームがなければ、原発は建設できない」
そう訴えています。
だったら、この時点で、やめりゃよかったんだよ!!
55年後の破局は、誰の目にも予想できた。
福島第一原発の保険は、事故の直前、保険料が高すぎて東電が契約を破棄しました。
http://www.francemedianews.com/article-2010-70018735.html
原発は投資不適格。
40年以上、利益を生み出していないビジネスなんです。
原発の深い闇 (別冊宝島) 販売元:宝島社 |
そのことも書きましたのでぜひ、読んでください。
今、1950年代、原発黎明期のことを詳しく書いているところです。
| 固定リンク
« 『原発の深い闇』は7月14日発売予定です | トップページ | 3月11日、震災が起きたまさにそのとき、東電会長と中国旅行(右翼の皆さん、中国で遊んでたんだよ!)をしていた元木昌彦がこう書いている »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント