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2010年12月 9日 (木)

『ゴジラ』という名の船に乗るシーシェパードについて

 クジラをもう5年は食べていないわし。

 日本人には食べる権利がある、とも、喰いてえ、とも思わないが、反捕鯨船に「ゴジラ」という名前をつけるのは、本多猪四郎先生、円谷英二先生、伊福部昭先生にあまりにも失礼だ。

『ゴジラ』を誕生させたのは、アメリカによる海洋水爆実験、「第五福竜丸事件」である。

『ゴジラ』のスタッフは、「たかがモンスター映画と斜に構えるのはやめよう」と絶えず確認し、監督は「原水爆禁止」を何度も繰り返したという。

 虚と実がこれほどまでにせめぎ合う映画を私は知らない。

 伊福部先生は、近所の幼稚園から聞こえてくる音楽に怒り心頭。「ゲテモノ映画の仕事なんてやっていると経歴に傷がつく」という現代音楽仲間の忠告に、「子どもに本物の音楽を聞かせてやる」と応えたという。

 でっかいものが出てくるんだから、でっかい音を出せ!

 わが師匠である片山弘明さんの言葉か、これは?

『ゴジラ』は最後の大ヒット反米映画なのである。

 一方、アニマルプラネット(現地ネット)によると、シーシェパードが主人公の「クジラ戦争」は、2011年夏に「シーズン4」の放映がすでに決まっているらしい。

 考え込んでしまうよね。

 わしは、『ゴジラ』のような作品作りに参加したい、と心の底から思う。

 一方で、「テロリストの側に視点を置いて描いた作品は今までなかった」と思う。もし、わしがそこにいて、テキストを書いて、金が振り込まれ、大ヒットとなっていったら、多分だが、興奮するはず。

『クジラ戦争』も『ゴジラ』のように虚と実がせめぎ合う大ヒット映像だ。

 そんな風に自分に対し、言いくるめてしまうかもしれない。

 いずれにせよ、日本の「テロとの戦い」の勝利は来年夏まではない。

 放映が決定しているからね。

 メシの支度が出来てしまっている。

 クジラでメシを喰いたいとは思わない。

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