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2010年11月30日 (火)

ジョン・ナッシュのゲーム理論と船橋の本屋、そして、競馬

『ザ・クオンツ』を読んでたら、ジョン・ナッシュが出てきた。

 正真正銘のマッド・サイエンティストである。

 ゲーム理論、均衡理論で、あのアダム・スミスに牙を剥いた数学者だが、彼が統合失調症だった、という事実は初めて知った。

 しかも、彼が見た幻覚が映画になって、アカデミー作品賞!?

 まあ、映画は、グッと来ないけど、退屈はしなかった。

 興味深いのは、プリンストン(ナッシュは「プリンストンの幽霊」と呼ばれる変人だった)から船橋の裏通りへと続く地下トンネル。

 多分、中山競馬の帰り道だと思うのだが、わしは、船橋の小さな本屋にふらりと入った。

 驚いたのは、文庫本コーナーより競馬本コーナーの方が大きかったことで、水道橋でも売っていない怪しげな必勝本が並んでいた。

 そこで買った本のタイトルが、『競馬予想におけるナッシュ均衡』。著者は、わしが『競馬怪人』(流星社)に書いた「数理統計学怪人」柏木久太郎先生だった。

 うちに帰って読んでみると、これ、競馬必勝本でもなんでもない。

 株式市場、天気の長期予想から競馬の世界に身を持ち崩した柏木先生が、ジョン・ナッシュのゲーム理論、複雑系に出会って次のように結論付けた書なのであった。

 競馬予想は無意味である。

 わしは、ナッシュの均衡理論はほとんど知らないが、柏木先生の本は、「私は競馬を科学的に追い詰めようとして何十年もがんばったがダメだった」と高らかに宣言していたのであった。

 ある意味、すげえ本。誰も読まない、という意味でもね。

 競馬でやられて、地面を見つつ歩いて、「もしかしてそうなんじゃないか」と思っていた心根にさらに膝蹴りをくらわす本であった。

 映画の面白いところは、マッド・サイエンティストの幻覚がアメリカの外交、世界政治にまで及んでいること。

 船橋の地べたから、アカデミー経済学賞、冷戦にまで行き着くんだから、50年生きてきても、世界は面白い!!

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コメント

ふむぅ指先にある紙片はどこまで誰のところまで私を導くのか、でまたじっと手を見る。潤さんお元気ですか。こちらはつつがなく暮らしています。

投稿: さやか | 2010年12月 1日 (水) 07時14分

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