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2010年5月26日 (水)

年収10億円の金融屋の大邸宅を、家から追い出された黒人たちが取り囲んでも、何も起こらなかった。なぜ!?

 まず、押さえておかなければならないのは、国際金融資本家は民主主義とは真逆の場所にいる、ということ。

 日本で政権交代が起きて、日本の経済政策が変わる、と思った人はたくさんいるはず。雇用が増えるはずだ、とわしも思った。

 選挙で、日本の最高権力者である総理大臣は辞めさせられても、日銀総裁は辞めさせられないよね。

 権力者が交代しても、紙幣を印刷する権利がある人は、民主的に選べない。

 これこそ、諸悪の根源でしょう?

 端的に言って、日本の技術者、研究者が、心を込めて新製品を作って売り出しても、それを為替レートで潰せる権力者がいる、ってことでしょ? そこだけは、100年くらい政権交代が起こらなかった、ということでしょ?

 民主主義なんて、この地上にない。

 もうひとつ、重要なのは、国際金融資本にとって、思想などなんの問題でもない、ってことだ。

 共和党であろうと、民主党であろうと、労働党であろうと、保守党であろうと、自由民主党であろうと、ボルシェビキであろうと、中国共産党であろうと、北朝鮮の人民会議であろうと。

 アダム・スミスでもいいし、マルクスでもいいし、ケインズでもいい。

 ロスチャイルドは、ロシア革命に投資した。

 戦争が起きれば勝つほうに投資して、大儲けし、紙幣を印刷するチャンスをうかがうのである。

 ガンジーががんばって、独立を成し遂げても、「別に」である。

 貧乏人の味方である民主国家は金がかかるから、発展途上国には、IMF(と言ったら国際機関のようだが、内実は銀行の集団)が金を貸して、借金の条件に、金融だけが儲かるシステム(規制緩和、グローバリズムなど)を押し付ければいい。

 物静かな脅しだよね。取立ては世界一厳しいんだから。

 借金の条件のいの一番が「労働市場の柔軟化」であったことこそ、今の危機の最大の原因だったとわしは思う。

 子供を働かしてはいけない、とか、最低賃金、とか、労働基準法で守られてきた人間の権利などを根こそぎ焼き尽くしたいわけさ、国際金融屋は。

 まるで「家族」のようだった日本の会社は本当に消えたでしょ?

 私事で言えば、出版社の編集部に行って、朝まで激論を交わして、雑誌の紙面を作って売った、という体験が皆無になった。

 わしが絶望するのは、わしの仕事の現場であるマスコミが、「世界がグローバル化したので致し方ない」とか言うのはまだしも「20年も景気が悪いのは、IMFの言うことを日本も途上国も守らないからだ」と言い続けてきたことだ。

 マスコミが社会の木鐸であるのなら、「民主主義の危機だ」と書くべきである。

 ところが、「ギリシャやスペインといった小国のバカどものためにえらいことになった」という論調なのである。

 ギリシャは世界最古の民主主義を誇る国である。

 リスペクトがない。シンパシーがない。

 人間を信じる気持ちがない。

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