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2008年11月15日 (土)

大恐慌下の思想

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

Book

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

著者:町山 智浩
販売元:文藝春秋
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 この本を読んで思うのは、人間とはそもそも「無知だから幸せ」なのか、それとも、国民を無知にする政治的な働きかけがあったのか、という疑問だ。

 純粋福音派のアメリカ白人は、日本でも働いている。

 たとえば、彼らと飲んでいてジャズの話を振る。アメリカ人だからジャズだろう、と思って振ると、ジャズのことなんか何も知らない。無知であることを恥じることは絶対にない。

 ゆえに、こいつは日本で有能な営業マンになれるはずはないのだが(銀座のホステスなら、太い客がジャズ好きだったら、聴き込むよ)、なんでだが、高収入を得ている。

 こんな変な関係を日本のマスコミは、「グローバル・スタンダード」の名でかしこい祖国の国民に納得させようとしたのである。

 福音派のアメリカ白人には、「神と自分」しかない。それを遮断するやつは、科学だろうが、ビジネスだろうが、常識だろうが、郷に従うべき規範だろうが、完全に無視。

 つまりは、究極のオタクなのだ。

 神以外趣味を持たないオタク。

 じゃあ、イエス様の話をしても、こいつらは食いついてこない。持論を展開して、わしが「でもさあ、キリストは利子を禁じているぞ」と言った時点で、会話はシャットアウトされる。ヘブンリーな微笑とともに。

 福音派のアメリカ白人に「グローバル」のグの字もあるわきゃない。

 これ、人間の本質なのか?

 それとも、国家的な教育、あるいは、陰謀によって、そうなったのか!?

 ただ、我が祖国に蔓延している「スピリチュアル」も大差なくて、「死んだお父様とあなた」は語られても、「郷」やコミュニティーに話が及ぶことはまずない。社会の、複雑な人間の相互作用は、きれいさっぱり無視される。知や学問は、ハナッから無視されている。

 ひょっとこ麻生が利用しているのもそれで、「マニアックなマンガを読んでいる麻生」と「そのマンガが好きな孤独な俺」という、とるにたらない関係を「アキハバラ」という土地に「熱狂」として描いているに過ぎない。空疎、そのもの。

 一方、アメリカによって、ササラモサラにされたイスラム社会は、知恵とコミュニティーの価値を第一義とする場所ではなかったか。

 明日生まれる羊を使って取引をしてはならない(コーラン)。

 G20の主役は「ヨーロッパ型資本主義者」かもしれないが、イスラム経済を代表する人物も参加する。

 世界史でこんなに面白い局面はあるか!?

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