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2008年11月27日 (木)

農民に馬主が群がる構造

 問題の根本は、JAバンクは「銀行」だが、審査する人がいない、ということ。

 ひだか東農協のケースでは、農協は金融機関でもあるのに、馬産地のボス、老舗の牧場主が理事長をつとめていることにある。

 理事長自ら、サラブレッド生産、たとえば、サンデーサイレンスの種付けのためだけに、一回、2000万円の借金をする。

 これは、文字通りの博打で、不受胎もあるし、女馬が生まれる確率は丁半博打だ。女馬が生まれた、ってだけで、牧場主の頭が白くなった、という話を私は聞いたことがある。

 ダビスタをやったことのある人は、多分こう思うだろう。

 浦河のブリーダーはゲームファンの100倍は血統論に精通していて、2000万円の大博打も周到な計算の元、行っている、と。

 そんなことはない。まるでない。爪の先ほどもない。

 浦河の大牧場で取材していたとき、わしは携帯電話の会話を聞いてしまった。

 テープが回っているのに隠そうともしないから、聞いてしまった、じゃないとわしは思う。

「え? ダンスインザダークが空いてる? じゃあ、とりあえずつけとけ」

 これ、血統論じゃないよね。

 しかしこれ、即決で数百万円が動く「経済活動」なのである。

 数百万円はどこから生まれるのか?

 農協、JAバンク、農林中金である。

 斜陽産業の馬主は、この構造に群がるでしょ。

「馬を買うから、今すぐ、2000万、農協から引っ張れねえか? 利子つけて返すから」

 わしだって、困っていたら、そう言うよ。

 不動産、解体屋、土建業……。

 高度成長を支えてきたが、今、にっちもさっちもいかなくなった業界の旦那が馬主をやっていることには理由があるのだ。

 金融屋は馬主をやらないよね。

 自民党道路族のアホ面を見よ!

 同じ穴の狢。馬主も道路族も「金は国から来る」と信じて疑わない。

 こいつらを助けることは、経済対策なのか?

 農林中金に税金投入、って事態は絶対に来るし、そのとき、この国の構造は白日の元にさらされる。

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