日経平均が大暴落した。
事態はますます、1991年にそっくりな展開となった。
違うのは、インフレが爆発していること。それも、日本だけがインフレなんじゃなくて、韓国に行ってもインフレ、中国に渡ってもインフレ、スペインに渡ったらもっとすごいインフレになっている、という世界同時インフレである。
これを説明するのは相当に難しい。
たとえば、今日の『報道ステーション』は、単に物価高、という側面で解説している。
鉄鉱石、石油、石炭、小麦などの奪い合いが全世界的に突然、始まった、というのである。
豊かになった中国人やインド人がそれら商品を強烈に欲しがるようになった、というわけだ。
一理ある、と言えなくもないような気がする。
しかし、それだけだろうか。
わし自身として考えてみる。インフレは、わしが商品を欲しいと思うから起きるのである。
わしは、そして多くの日本人は、小麦原料の食品を欲しがっているか。
否、である。
わし自身、生涯最悪の経済状況で、生涯で最もモノを買わない状態が続いている。
諸君もそうだろう。我慢している。賃金はさっぱり上がらないから。
高くても買う人がいるから、普通は、物価が上がり、インフレとなる。
今は、買い手がいないのにインフレなのである。
じゃあ、中国には高い買い物をバンバンするやつがいるのか。
これも否、である。
中国のインフレは日本なんか問題にならないほど深刻で、人々の暮らしも相変わらず苦しく、景気後退への危機感も我が国よりも強い。
結局、よくわからない、ということになる。
しかし、確かなことがひとつだけある。
ドル支配の終焉だ。
アメリカのFRBは、国家機関のように語られてはいるが、発足当時からずっと、一企業に過ぎない。その一企業が、国家間取引で用いられる基軸通貨を印刷する権利を、なぜか、与えられているのである。
ここに矛盾のキモがある。
ドルが基軸通貨であるかぎり、国家とは実は無縁のFRBは、ドルを刷りさえすれば世界一の金持ちになれるし、ドルが石油の輸入など国家間取引に使われるかぎり、その国のドルは自国アメリカに戻ってくることになる。実際、大金持ちだった頃の日本の政府は、いやというほどアメリカ国債を買って、わざわざ、儲けを返してしまった。
世界中の人々がモノを買いたがっていないのにインフレ、という異常事態は、ドル支配という名のイカサマが、ついに「イカサマじゃん」と指摘された、ということにならないか。
大間違いか。コメントください。
いずれにせよ、銀行が絶対にやる間違いは、「紙幣を刷りすぎた」という失態で、「紙幣をもっと刷ろう」という願望を抑えられた銀行家は歴史上、一人もいない。
刷りすぎたら、当然、一枚の紙幣の価値は下がる。それが、これまでの国家発、銀行発のインフレである。
物価が上がるのではなく、お札の価値が下がるのである。
今、原油先物、穀物市場を押し上げているファンドマネーの正体は、刷りすぎたドル紙幣、なのではないか。
となると、今のマヨネーズ、カップ麺の価格は、需要と供給の均衡などではない。
ただ、価格が国民を苦しめているだけだ。
わしらは、日本銀行券を持っているだけで自動的に損をし続ける、ということになる。働けど、働けど、我が暮らし、ってやつだ。
かつて、橋本龍太郎はアメリカの大学で「日本が持っているアメリカ国債を売り払いたいという願望はある」と発言したことがあった。
こういうまっとうな意見を言う政治家がひとりもいないのはなぜなんだ!?
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