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2007年9月13日 (木)

山田洋次は説教臭いが、吉永小百合はいいねえ

『母べえ』の試写会に行ってきた。

 山田洋次監督には、なんかトラウマのようなものがある。

 私の父は共産主義者で党員なのだが、私が帰郷していたとき、テレビで『故郷』という映画をやっていた。

 これが1から10まで説教臭い。なんかみんなが歌うシーンかなんかで「なんじゃこりゃ」と思って、チャンネルを替えようとしたら、テーブルの奥で焼酎を飲んでいた父が滂沱の涙を流している。

 なぜ?

 藤沢周平原作の時代劇でヒットを重ねていた山田洋次監督が、昭和10年代を描くという。

 悪い予感、するよね。

 で、予感的中。

 説教くせえ!!

 こんな時代があったんだよ。

 知っとる!

 こんな母親、今、いるか?

 いるわい!

 端正、なだけなんだよな。

 もちろん、吉永小百合はお金を払うべき女優だと思う。でもなあ……。

 大物すぎる→「いい役」しか回ってこない→「いい役」ってやっぱりリアリティに欠ける、ってことなんでしょうか。

 シネリオに出会えない映画ばっかり。

 明らかなミスキャストは夫役の坂東三津五郎で、私が歌舞伎座に行くといつも出ているが印象がほとんどない。銀座マリオンの銀幕でも同様。吉永小百合の夫だぞ。なのに、吉永小百合に愛されている理由がさっぱりわからない。

 政治的にもあいまいで「転向しようとしているのに権力に認められない」という不条理はわかるが、「お前は何者だ?」という疑問が最後まで解決されない。ただ汚く臭くなっていくだけ。やつれてもいかない。

 で、死ぬ。

 悲しいよ、映画的に、山田洋次監督!

 ヒリヒリさせてよ、日本映画!

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