競馬法は明日改正される?
インターネット国会中継をのぞいてみると、主がいなくなった農林水産委員会で、ずうっと競馬の話をしている。競馬法改正の大詰めの議論らしいが、これがなんともあほらしい。
地方競馬の全国一本化をやりたかったけど、できなかったのでブロック化を進める。
そりゃそうだ。大井競馬場の突出した売り上げと税金を高知競馬場と高知県民にくれてやる理由がどこにある。法的根拠はまるでない。
危機の地方競馬をJRAが救済する枠組みを作りたかったができなかったので、地方競馬でJRAの馬券を売れるようにした。
そりゃそうだ。何度も書いてきたように、自民党にとって、いや、政権獲りを目指す民主党にとっても「JRA利権」は「聖域」だからだ。
あとは、地方競馬全国協議会の解体と再編くらいか。
こんな改正で「ワクワクする番組」など提供できるわけがない。ブロック化のモデルである南関東の競馬は今、面白いか。
地方競馬の再生は、私に言わせりゃ簡単だ。賞金体系を大きく変えて、JRA競馬を相対化してしまうことである。
5着まで賞金が用意され、レースに参加したすべての馬に出走手当が与えられるJRA競馬は「参加者がお金を持ち寄り勝ったものが総取りをする」ステークスの精神を完全に忘れている。すでに競馬じゃない。オリンピックチャンピオンを目指すアマチュア・レスラーから見たプロレスの世界のようなものだ。
プロレスの世界で前田日明ら若き革命家は何をやったか?
原点回帰運動である。
「誰が一番強いか決めたらいいんや!」
UWFは社会現象となり、UFC、PRIDEは、プロ「レスリング」の世界を根底から変えた。
それを競馬でやるのである。
北海道から闘いののろしを上げたのは、ムチャな拡大路線とサンデーサイレンスの種付けの繰り返しで2億5千万円の借金を背負ってしまったオーナーズブリーダー。すでに返せない借金があるんだから、出走手当など何の意味もない。18頭立ての最終決戦GⅠで1400万円を張り、勝てば借金は2分で解消だ。
それを東京都心で迎え撃つのは、自宅マンションに寿司屋を囲っている男、セキグチフサロウ。3億円の馬をバシバシ競り落とすことの男にとって、1400万円などへでもない。それで真剣勝負ができるのなら本当にへでもない。
そこにダークホースとして参戦したのが、若き天才予想屋、カメタニ率いる謎の一口馬主集団。
さらには、キタジマサブロウとトバイチロウが『花の兄弟』(鼻の兄弟?)を歌い、大漁旗を振り回して参戦!
拙書『競馬怪人』(流星社)を読んでください。競馬の世界は「立ったキャラの宝庫」でJRAはその資源にまったく気づいていない。
地方競馬の頂点を決める「リアル・ステークス」シリーズを作って、ヤフーかギャオが中継(インタビュー含む)をすれば、私は観るし、馬券も買うね。
参加費30万円の1回戦に勝てば、参加費300万円の2回戦に進める、という単純明快なシステム。10頭立ての2回戦に勝てば3000万円の参加費が払えるわけで、10頭立ての3回戦の賞金は3億円、世界最高賞金に跳ね上がる。もちろん、セキグチさんが3000万円出して3回戦に参加することも可能。負けた馬はものすごいハイリスクで敗者復活戦に参加できる。
そもそも、競馬というものはそういうものとしてはじまったのだから、やっちゃいけないはずはないし、このシリーズに限り、競馬場、主催者はコースを貸すだけで、テラ銭は総取りすればい。
30万円で3億円の夢。これぞ、競馬の醍醐味、一発大逆転のロマンだろう。
違うか。なんか違うような気もするが。
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