ベネズエラのチャベスはイケイケ
すげえ! チャベス大統領、「ワシントン、世界銀行、IMFに行く必要はねえ!」と断言。
今日も身内と電話で話したんだが、「突然のリストラ。会社はお金がない、と言うだけ」っておなじみのお話。ま、契約社員だった身内は正社員として再就職できたんだが。月給は安くなったけど……。
「生きにくい」と思っているわが同胞諸君。「生きにくい」のもとを作ったのは、世界銀行である。政治家は口が裂けても言わないが、世界銀行は融資の条件として「労働市場の柔軟化」という文言を出してきた。2002年だっけ。我が国では、それにそって、派遣社員の自由化(製造業への導入)など、天下の悪法を次から次へと成立させてきた。「貧困をなくすことが私たちの使命」と謳う世界銀行が世界中に貧困を撒き散らし、一時は世界で一番豊かな国だった日本でも「貧困」の二文字が真剣に語られるようになった。
ここまで言行不一致の国際機関はない。次の「9・11」が起こるとすれば、世界銀行本部だと私は考えるが、どうか。今の総裁は、パレスチナ人にとってもペルシャ人にとっても最大の弾圧者ウォルフォイッツである。あまりに発言が過激なため、アメリカの政界からはみ出したファシストの天下り先が、世界銀行なのである。
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世界銀行は地球を救えるか―開発帝国50年の功罪 著者:スーザン ジョージ,ファブリッチオ サベッリ |
もう一冊、元総裁スティグリッツが書いた『グローバリズムが問題じゃないのだよ、愚か者』という傲慢極まりない本を紹介したかったが、アフィリでは見つからん。絶版なんだろう。とれびあーん。
電力の民営化、教育の民営化、医療の民営化、中央銀行の民営化、そして、水道の民営化。融資先にそんなムチャな要求をしてきたのが、世界銀行である。それとセットなのが、民営化によって参入してきた欧米企業における「労働市場の柔軟化」である。「公」がやるべき事業を欧米企業がぶん取って、現地人労働者の給料は最低でもいい、という政策。そんな悪政を行う指導者にだけ、世界銀行は融資をしてきた。でも、これ、ほとんどが、ここ10年、日本で議論されてきた事柄じゃないか。
水道代を倍にして、水道局に勤めている公務員の給料を半分にすれば、こんなに儲かるビジネスはないよ。ボリビア、南アフリカでは多くの人が死んだけど。
ゆえにチャベスの演説は断固支持なんだが……。
こんな指導者に対してアメリカとCIAがやってきたことは今読んでいる本に詳細に描かれている。
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世界石油戦争―燃えあがる歴史のパイプライン 著者:広瀬 隆 |
がんばれ、チャベス。クーデターが起こるぞ。
しかし、それよりもしたたかだと思うのは、ブラジル、ペルーなどの指導者だ。表向き、首脳会談をして、ブッシュと笑顔で握手をして、経済条約は断固拒否する。そりゃ、アメリカの利権代表者はがっかりするよね。アメリカ大陸全土で同時多発クーデターを起こすわけにはいかないもの。
民主主義まであと一歩。南米はそうなっていると思う。ま、年2回ほど、アルゼンチンに遠征するカミサンの話を聞くと、前途多難、とも思うが。
我が祖国はどうか。日本は後50年ぐらいかかりそうじゃん。自発的に、ってことで言えば。
アメリカの自滅が先?
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