NHKスペシャル
もらい泣きしちゃうよ、中国の貧しさには。幼子と別れ、都会に出稼ぎに行く嫁の絵なんて、昔のイタリア映画だもんな。
もしかして、ヤラセ?
少なくとも、欧米は知っている。資本主義は、大恐慌と世界大戦によって問い直されたのである。
ヨーロッパは廃墟となり、EUへと向かうヨーロッパ型資本主義が誕生する。
廃墟なき勝利を手にしたアメリカは、金本位制を捨て、アダム・スミスへと回帰していく。
まがりなりにも社会主義国として、市場化、グローバル化した中国は、ケインズの意見に耳を傾けることなく、最も醜悪なグローバル資本主義に向かってまい進している。
要するに純粋な論理は人間を不幸にするということだ。マルクス主義にせよ、資本主義にせよ。
「わかりやすい」の一点で小泉改革を支持した日本人は、すでに「消費主体」にもなれないほど貧しい。金融業を国家の成長の核にしたため、みんな借金で首が回らなくなった。国家の成長のために「労働市場を柔軟化」したために、「働けるし、仕事を求めてるし、ありつけたら仕事を一生懸命やっているのに生活できない」人は、いまや、少数派ではない。
私の周囲も「難民」だらけだよ。私より若いフリーライターは牛丼の値段が100円上がったことを心の底から悲しんでいる。
ギリギリ。
池袋のランパブから抜け出して「事務の仕事に就いたの」と女の子が言うので「よかったじゃん」と言うと、しばらくして、今は「派遣の給料だけでは暮らしていけないんで、夜はプチ風俗」とか言う。風俗がいやだったから、エッチ作業なしの下着姿を選んだんじゃないんかい!? プチじゃねえよ。プチな決壊から暮らしは壊れていくんだよ。
やってみたら、そんないやじゃなくて、らくに儲かるよ。
なるほど。
働いても暮らしがたちいかない。「自己実現」したらさらに生活が苦しくなる。
こんなありさまを「発展途上国」と名づけたのは日本である。
貧困国、日本。
朝日新聞の記者が「日本のどが美しい?」とアメリカ人記者に聞いたら「医療保険制度が美しい」と答えたと言う。
あなた、茶の間のかごに期限が過ぎた国民健康保険の払い込み票、ない?
払うよ。払います、数日後には、きっと。
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