クイズです。
ブッシュ大統領と一番似ている指導者は誰?
この本を読んではっきりした。
北朝鮮のキムくんである。
ブッシュくんもキムくんも、国民の電話、電子メールを自由に盗聴できる独裁体制を敷いている。
キムくんは、イランに対する核兵器情報提供を疑われているが、この本によれば、アメリカのCIAはイランの高官に核弾頭の設計図を渡した。
ブッシュくんもキムくんも、軍事力ですべてが解決できると信じている。
ブッシュくんもキムくんも、政治は「作られた恐怖」によって思い通りになると信じている。
ブッシュくんもキムくん並に外国のことを知らない。
そして今、ご両人は、核保有国の最高権力者となった。
この本は文句なしに面白いが、貫かれているのは、悲しいまでの個人の無能と無慈悲と無関心である。そして、そんな個人を頂点に抱く国家は簡単に崩壊する。我々が契約している近代国家とは、むちゃくちゃもろいものなのである。
我が祖国の安倍くんは、日本にもCIAを作ろうとしているようだが、それがどんな失敗を生むか、この本にすべて書かれている。
安倍くんは、「イラク戦争は正しかった」と言い張っているが、アメリカ国内でもその言説が否定されていることを思い知るがいい。安倍くんは、アメリカの政権が変わっただけで、世界中から非難される立場になることを知っておいた方がいい。
この本を読めば、アメリカの「安全保障」にすべてを委ねることがどんなに危険か、誰だってわかる。
北朝鮮の核実験報道でも、専門家の意見はすべてこれでしょ。
トゥー・レイト!
遅すぎる。
ミサイル防衛もパトリオット配備もガメラレーダーもトゥー・レイト。
我が祖国がアメリカとともに軍事行動ができるように法改正を議論している時間などない。
北朝鮮は暴発しない?
日本国民にはそう祈る資格もない。
「世界の警察」と名乗っていたわしらの親分、アメリカがイラクその他で暴発したのを手助けしてきたんだから。犯罪の証拠もなしにジェノサイドを幇助した日本国民の手も血に汚れている。
北朝鮮は、この10年、他国民への大量虐殺をやったことがあるか!?
中東、南米に視点を置けば、日米同盟こそ「悪の枢軸」である。
「国際協調」って言うけど、どっちの視点を持つ人がこの地球上で多数派なのか、すでに私にはわからない。少なくとも言えるのは、星条旗にぞろぞろついていくツアーの行き先はとてつもなく危険な場所だということである。
もうひとつ、不気味なのは、この本がかすかな希望とともに終るところだ。2005年になって、CIAはまともな情報を語るようになり、リチャード・パール、ポール・ウォルホウィッツ、ジョン・ボルトンといった筋金入りのネオコン、「スーパーパワー信者」は、レーガン政権でもそうだったように再び傍流へと押しやられた。アメリカ国民も穏健な民主主義国家再生への希望を語る人が多くなっているという。
なのに、わしの親分は安倍くんだ。歴史問題は歴史家にまかせる、と言う安倍くんなのである。
アメリカの体制ががらっと変わったら、次に来るのは日米対立に決まってる。
安倍くんは「アメリカに押し付けられた憲法」を改正する。これ、すなわち、反米だ。太平洋戦争を正当化する靖国神社発の言説も当然、反米である。過去の言動を調べられたら、安倍くんは穏健なアメリカ民主主義の敵になるのはどう考えても明らかだ。
経済的にもそうだろう。民主党政権だろうが共和党政権だろうが、この10年、アメリカは大不況下の日本から、安く買える物は全部買っていった。日本にはもう大儲けのネタがないばかりか、日本の好況は、イコール、アメリカ経済の危機である。
多分、日本の外交は戦後で一番難しい局面を迎えている。
なのに、自民党は現実主義者ではなく、「選挙に勝てるだけの首相」を選んだ。
ネット論客の多くはこう言うかもね。
だから、反米保守の出番だ!
私はこの国から逃げ出したい。
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